みなさま、こんにちは。

暑さ寒さも彼岸までとはよくいったものです。
どんどん秋めいて涼しくなる関東地方。
寝苦しさから解放され、幸せです。

さて、『優しい男』第4話。

いやはや。
握りこぶしで見てしまいました。
力が入っちゃって、困ります。

ジョギング中のマル。
足を止め、思い出しています。ジェヒのことを。
医者でもないのにやめてと叫んだジェヒのことを。
10億ウォン恐喝されたと嘘を言ったジェヒのことを。
そして夕べ、お抱え弁護士にキスをしていたジェヒのことを。

一方ジェヒも、マルのことを思い出していました。
夕べウンギを家まで送ってきたマルのことを。
明日もあさっても会いたいといったウンギに、じゃあ起きたらすぐ会おうと答えたマルのことを。
今にも泣き出しそうなジェヒでした。

よろけてランニングマシーンから転がりそうになったところを、ウンギが支えます。

「なに考え込んでるんです? 結婚式を控えてるのに、気をつけなきゃ。それとも鼻が折れるところを見届けるべきだったかしら? 惜しいことしたわ」

ジェヒの隣りのマシーンでウォーキングを始めながら、さらに挑発的な言葉を続けるウンギ。

「もう目標まで半分くらいまで来ました? 人生って簡単ですよね。思惑通りに着々と進んでいくんだから。
でも、邪なことをたくらむ者は、途中で必ず挫かれるらしいですよ。
うまく行ってると思って、気を抜かないように」

シャワーを浴び、髪を乾かしているところにジェヒがやってきます。

厳しい口調で単刀直入に「昨日のあの男は誰?」と尋ねるジェヒ。
母親面でもするつもりかと当然ウンギは癇に障ります。

「私の私生活に関心持つなんて、珍しいですね」

「あなたが誰だか知ってて近づいてるのよ、何か企んでるのよ、あの男は。ああいう手合いに、私詳しいの」

「ああいう手合い?ああ。自分がそうだから? 
もしそうだとしても関係ありません。ハン・ジェヒさんを経験済みのソ・ウンギに、まだ怖いものなんてあるとでも?」

のっけから激しい女二人です。

マルの妹チョコは、芸能オーディションの会場にいました。

緊張のあまり声が裏返り、ワンフレーズも歌えなかったチョコ。
鬱憤を晴らすようにトイレで熱唱します。
携帯の待ち受けに、チェギルを映し出して。

好きなんですね、チェギルのこと。

しかしこのシーン、まさか女二人があまりに上げてしまった緊張感を和らげるためだけに作られた、なんてことないですよね?(笑)

朝から事態は色々と動いていました。

ジェヒの写真を手に、マルたちの町内に現れたパク弁護士。
ここに20年暮らしているという女性に、ジェヒを見たことあるかと尋ねますが、顔を引きつらせながらも嘘をつかれます。

その様子を観察するチョ秘書から、詳細な報告を受けるアン弁護士。

えーーーー?
ゆうべのチュッで、もう下僕状態?

先が思いやられます。

チュッだけでしもべと化してしまったアン弁護士。
ジェヒと出会った日を思い出しています。

テサングループ本社ビル。

役員専用のエレベーターに図々しく乗り込んできた、記者を名乗る女。空いてるんだから乗せてくれてもいいでしょうと悪びれません。
遠慮するよう案内係に言われると、アン弁護士に向かって「テサングループは社員が主だなんて言っといて、全部嘘ですか? 会長のインタビューとりにきたんですけど、エレベーターで社員と役員を差別している件も、企業の偽善と二面性をガツンとニュースにしちゃいましょうか?」と矢継ぎ早に言葉の雨を降らせます。

なるほど。
ここにフォーリンラブのきっかけが。

そうでしたね。
一瞬の出来事だったので忘れていましたが、ジェヒは「企業の不正、社会の不条理を追及する、正義の記者」だったんですよね。
それすらも、のし上がるための仮面だったでしょうけど。
そこにアン弁護士はピョ~ンときてしまったのですね。

・・・・・・ってすみません。
ピョ~ンは韓国語の表現でした。(笑)

車椅子のソ会長。

いまからウンギとジェヒに合流です。
アン弁護士に尋ねるソ会長。

「私は女を信じない。女は30%しか信用しない。でも、ハン・ジェヒは本当に信じていいだろうか? 私を裏切らないだろうか?」

不安を吐露する会長に、アン弁護士はかすかに戸惑いながらも答えます。

「若奥様の会長への愛は本物だと思います。会長が心配されるようなことは決して起きないと思います」

アン弁護士の言葉を、少し意外そうなそぶりで聞く会長。
とはいえ、欲しかったのはその言葉だったのでしょう。

身なりを整え、更衣室から出てきた女たち。

人前に出たとたん、またしてもジェヒの猿芝居が始まります。
優しくウンギのシャツの襟元を直すジェヒ。
毎度のこととはいえ、呆れ顔のウンギです。

その時ウンギが、嬉しそうに目を見張りました。
ジェヒがその視線の先を追うと・・・・・・。

「ほんとに来たんですね」と静かに喜ぶウンギ。
「だって、約束したでしょ?」とマル。
ジェヒはすっかり固まっています。

ウンギがジェヒを紹介しようとすると、マルは知っているとにこやかに答えます。

「記者だった人でしょう? 不正や、社会の不条理を許さない、正義漢の記者、ハン・ジェヒさん。僕、ファンだったんですよ」

「ほんの短い間だけなのに、覚えていてくれる人がいてよかったですね。しかもファンまでいて」
そう嫌味を言うウンギに、取り繕うように例を言うジェヒ。

「ありがとうございます」

「でも。いまは違います。残念ながら」

その言葉に凍てつくジェヒ。

そこへ現れたのは、会長でした。
ジェヒは慌てて車椅子に駆け寄ります。
マルの姿に驚いたのは、アン弁護士も同様でした。

「そちらは?」

マルを見つめる会長。

ウンギがマルを「付き合っている人」と紹介したため、一緒にブランチを食べることになったマル。

会長は初めて紹介された娘の彼氏に、少し嬉しそうです。

「ご両親は何をなさっておいでかな?」

「二人とも亡くなりました。生前父は、田舎で行商をしていました。母は僕を産んですぐ亡くなりました」

いきなりの展開に、ぎょっとするウンギ。
マルについて何も知らないのは、ウンギとて同じです。

「それはさぞかし苦労しただろう。大変だっただろうに、学校は? 
今はどんな仕事を?」

緊張が高まるジェヒ、不安げな表情を浮かべます。

「大学は、途中でやめました。今はバーテンダーをやっています」

驚きを隠さないソ会長。
大学を辞めたのは経済的な理由からかと尋ねられ、違うと答えるマル。
ウンギが遮るも、会長は質問をやめようとしません。

「経済的な理由じゃないなら、なにが理由で辞めたのだね?」

「辞めたのではなく、除籍になりました」

この辺でトイレに立つ人続出じゃないでしょうか。
あまりの緊張感に耐えられず。(笑)

柔和な作り笑顔からいつしか詰問調となったソ会長、なぜ大学を除籍されたのか追及します。
フォークを持つ手が震えるジェヒ。
ジェヒに視線をやるアン弁護士。
ウンギは父の無礼を止めようとしますが、自分のことは自分で解決するのがマル流でした。

「身元調査をなさってるのなら、これ以上はお答えしたくありません」

収まりのつかないソ会長は、怒りの矛先をウンギに向けます。

「お前が代わりに答えてみろ。彼が大学を除籍になった理由は?
知らんのか?! お前も知らんのか?!」

会長の声が大きくなるにつれ、ジェヒは震えが止まらなくなります。
水を飲もうとグラスを持つ手が揺れ、手をテーブルの下に引っ込めますが、震えは止まりません。

震えるジェヒの手に手を重ねるアン弁護士。

おーーーーーい!!

もう?!

もうそんな展開?!

これは、ドラマが終わる頃にはジェヒのために人ひとりくらい殺めてそうですね、この人。

激高する父に、「そんなこと、知らなくてもたいしたことではありません」と返すウンギ。

この人が私に出会う前に何をしてきたか、過去がどうだったか、そんなことには一切興味がないです。
なぜなら私にとって大切なのは、この人の現在と未来だから。
私と出会う前にこの人が大学を除籍になった理由など、私には重要ではありません。

ウンギはさらに言葉を続けます。

お父様こそご存知なんですか?
今の私より歳若い頃、妻と娘のいる会長を誘惑したあの方について。
娘とたった5つしか違わないあの方について。
あの方の秘められた二面性とその過去について。一体どれだけご存知なんですか?

ウンギの顔に水をぶちまけた会長。

「こんな嫉妬深いどうしようもないバカ娘にテサンの未来を預けようとしていたのか、私は」

アン弁護士を連れて出て行こうとします。
一緒に出て行こうとしたジェヒに、「お前はあの若者と話をつけてからきなさい」と厳しく告げる会長。

「子どもの面倒を見るのが親の務めだ。彼が欲しいというだけ金をやれ。なかなか切れないようなら、恐喝罪でぶち込め。ウンギの母親が生きていたら当然やったであろうことを、おまえがやるんだ」

戸惑うジェヒを残して、部屋を出る会長。

怒りに震えるウンギ、飛び出してあとを追います。

二人きりになってしまったジェヒとマル。

「何が望みなの? お金?
10億? あげるわ。もっと上乗せしようか?
なんでもあげるから、なにが欲しいか言ってみなさいよ」

「違うの? それとも復讐? 私が裏切ったから、こんな幼稚な仕返しするの?
そんなことして、何のためになる? いっそ金をよこせと言いなさいよ。
どっちみちアンタは、金のために体を売ってるんだから」

「頭使ったらどうなの? チョコも病気なんだし、“俺も一山あててやったぜ、ざまぁみろ”くらいの気持ちで生きればいいじゃない!」

耐えられなくなったマル、グラスをテーブルに叩きつけ、ジェヒの言葉を遮ります。

「姉さん、おかしくなったんだよ。その華麗で素敵とやらの世界で、すっかりいかれちまったんだよ。
だから俺が、そこから出してやるよ」

「姉さんみたいな人はこんなところにいちゃ駄目だ。
姉さんみたいな人がなんともない顔してこんな場所に居続けたら、この世から正義がなくなり、希望がなくなり、秩序がなくなり、夢がなくなるんだよ。
姉さんが記者だった頃、あれほど嘆いていた、暗澹たる世界になっちゃうんだよ。
姉さんが降りてこられないって言うなら、僕が上がっていくよ」

「僕が上がっていくまで、荷物をまとめておくんだな」

そう言って部屋を出ようとするマルを呼び止めるジェヒ。

「で? 私が居るべき場所って、どこよ?
あのドブ? あのゴミ貯めみたいな場所?」

「いいや。
あそこすらハン・ジェヒさんには分不相応だよ」

表ではウンギが辛そうに柱に身を預けていました。

会長に水をかけられた髪を優しくハンカチでなでるマル。

ウンギはもう会うのはこれきりにしようと言います。
会長がマルを傷つけるのが、ウンギには耐えられないのでしょう。
そして、自分に恋愛は許されないという思いも。

「昨日、これから付き合おうって言ってから12時間しかたってないけど?」とマルがおどけても、ウンギの心は沈んだままです。
「たったそれだけだったけど、12ヶ月くらい付き合ってたみたいに、あなたに惹かれてました。プライド傷つくけど」

「愛のために、王座を捨てるつもりはないんですか?」

そう尋ねるマルに、黙って手を差し出すウンギ。

「別れの握手?」

伸ばした手を引っ込め、マルがこう返します。

「どのみちこんなふうに急に別れを告げられるなら、いっそ握手じゃなく、キスにしましょうよ。さよならのキス。
ここは場所がいまいちだから、いい場所があったら連絡下さい。
100年ぶりにお気に入りの女に出会った気分なのに、キスのひとつもできずにお別れなんて、可哀相でしょ?
素敵なキスをして、クールに別れましょう」

マルの言葉を神妙に聞くウンギ。

「元気で。
すぐ会えたら嬉しいし、すぐ会えなくても別れが長引けば嬉しい」

ウンギに優しく伝え、別れるマルです。

んーーーーー! 

かっこいいです、この悪い男!(笑)

かっこいいシーンのあとでなんでこのシーンなんだろうと思ってしまいますが。

チョコの片思い。

チェギルの彼女がチョコにいたずら書きされたTシャツを手に、バイト先のコーヒーショップに文句を言いにきます。
チョコがチェギルに気があることは彼女にもバレバレでした。

呼び出されたチェギル、チョコの気持ちも知らず、謝らせたりしています。

ラブラブで帰る二人を恨めしそうに眺めるチョコ。

このシーン、10cmの『恋は喫茶“銀河水”で』が流れてなかったら、完全に私の中でカットでした。(笑)

その夜。

チェギルが雰囲気のいい店でピアノの弾き語りをしています。
そこはマルの働くバー。

マルの前に客として座ったのはアン弁護士でした。
無言でグラスを受け取ります。

ジェヒも暗い部屋で一人洋酒を飲んでいます。

一夜明け。

パク弁護士と秘書のヒョン・ジョンファが会長からの命令を伝えます。
しばらくの間、すべての業務からウンギを外すというものでした。

「会長のお怒りが静まるまでは、おとなしく命令に従うのが賢明です」

二人はそう口をそろえますが、素直に聞くウンギではありません。

会議から締め出されたウンギ。
鍵のかかった会議室のドアを叩き続けます。

仕方なくドアを開けさせる会長。
何事もなかったかのように会議に加わるウンギです。

会議の議題は、国内電機メーカー買収の件。
買収に必要な金額のうち、少なくとも1200億ウォンが足りない状況でした。
国内で動かすことのできる資産はなく、売却可能な資産を洗い出すことに。

売却可能な資産も思い浮かばず、会議が行き詰まりを見せ始めた頃、アン弁護士が切り出しました。

“青森リゾート”が売却に最適です、と。

顔色の変わるウンギ。
「そこは駄目です」と声を上げますが、ソ会長は興味を示します。

2009年に米国ローリング社が買取を申し出た金額は1035億。売る意志を示せばもっと金額が上がるかもしれないとアン弁護士は伝えます。

ローリング社は青森に計画している事業があり、なおかつハン・ジェヒ女史とは記者時代から懇意にしている。
今回直接ハン女史が動いてくれれば、成功する可能性が十分あります。
ちょうど今、ローリング社が日本に来ているとの情報を、先ほど入手しました。

アン弁護士がそう言い終えるまで何度もウンギは遮りますが、会長はまったく取り合いません。

たまらずウンギ、立ち上がります。

「青森は、駄目です。絶対に売ったら駄目です。
あそこは、ママが亡くなる直前まで・・・・・・」

「ソ理事をつまみ出せ」

「お父さん!」

「ここにお前の父などいない! 会社の命運をかけて1200億をどう集めるかを議論している席に、よくも母だの父だの口にできるな! 恥ずかしくないのか!」

ウンギを一喝した会長は、“青森リゾート”の売却をアン弁護士に進めさせます。

「いずれ経営に参加させるつもりだったハン・ジェヒに今回の件を任せようと思うが、どうだろうか?」

そう問われたアン弁護士、役員の前で「十分能力的に可能な方だと思います」と答えます。

愕然とするウンギ。

知らせを受け、喜び一杯のジェヒ。

マルの家では、マルが持ち物の整理をしていました。

書き込みだらけの医学書と、二人の写真。

写真を裏返すマルです。

自宅にはマルを訪ねて上品そうな女性がやってきていました。
お兄ちゃんはお金目当てで女の人と付き合う悪い男だから、忘れたほうがいいですよと教えてあげるチョコ。

一部始終を聞いていたマル。

マルが出かけたとばかり思っていたチョコは驚きます。

「お兄ちゃんも、早くジェヒ姉さんのことを忘れて、誰かいい人と付き合って。
さっきの人だって、すっごくいい所の人みたいだし、本当にお兄ちゃんのことが好きみたいなのに。
ジェヒ姉さん、もうお兄ちゃんのところに戻ってこないよ」

平静を装い、チョコに冗談を言って家を出るマル。

扉を閉めたとたん、いま言われた言葉が頭をかけめぐります。

マル。

まだジェヒを愛してるんですね。

そこへ着信が。

ウンギでした。

「どうしました? キスの場所、みつかりました?」

そういたずらっぽく投げかけるマルに、意外な答えが返ってきます。

『愛のために王座を捨てた人の名前、10人挙げてください』

エドワード8世。ピョンガン姫。ナンナン姫。ソナ姫。シュレックのフィオナ姫。ク・ジュンピョ。

『会いたいです』

いつになく素直なウンギに、会いに行くからと居場所を尋ねるマル。
ウンギは日本の青森にいると答えます。

「ここは亡くなった母が大切にしていたリゾートなんです。
私と母との思い出が残る唯一の場所でもあるこの場所を、売るんですって。会長と新しい妻が。
私は売却を阻止するために、ここにきたんです。阻止できない可能性は90%。
もしここが売られたら、私は王座から去るつもりです。
正直に言えば、追い出されるんですけど。
もし私が一文無しになったら・・・・・・」

『来てもいいですよ』

「むさくるしいところだけど、部屋はあります。僕の部屋もあるし、妹の部屋もあるし、友だちの部屋も。
お茶碗も余分に七客あるし、布団も、枕も」

「OK! その言葉を信じて、あきらめたほうが良さそうならとっとと諦めて、勝ち目がなかったら早めに降伏します。幸運を祈っててください」

そこへやってきたジェヒ。

「どうしたの? こんなところで」

その声は、受話器の向こうのマルにも聞こえていました。

『旅行? 近頃会社にも出てないみたいだし、いいかもね』

『おかげさまで会社にも出れなくなったし、ハン・ジェヒさんのやろうとしてること、止めようかなと思って』

『ふふ。あなたがどうやって?』

「リゾートを売らずとも、買収費用を手に入れる方法、見つけたんです。えらいでしょ? 遠くまで無駄足でしたね。せっかくだし、温泉でも楽しんだらどうです? 息子さんと水入らずで」

きびすを返そうとしたウンギをジェヒの声が捕らえます。

「そういうハッタリはド素人相手にかますものよ。
例えばそうね、アンタみたいに若くて、バカで、純真なね」

『前に言った筈だけど? アンタは私の相手じゃないって。
アンタが言ったとおり、確かに私は目標まで半分くらいのところに到達したわ。
アンタは私が平坦な道を歩んできたと思ってるでしょ? ここにくるまで世間が私をどれほど阻み、私がどうやって越えてきたか、どんなことをして耐えてきたか、アンタなんかに分かるはずない。
私には必ず行きたい場所があるの。どんなことをしてでもそこに行くわ。
私の行く手を阻む者は、誰であろうと許さない』

「だからね。なめた真似してないで、どけってのよ、ウンギ。
どのみちアンタはお姉さんの相手じゃないの。
せっかく会社も休んでここまで来たんだから、温泉でも入って、市内観光もして、ゆっくり休んでおいきなさいな。ね?」

ぬぉおおお!

力、入ります! 拳に!(笑)

『私には必ず行きたい場所があるの。どんなことをしてでもそこに行くわ。
私の行く手を阻む者は、誰であろうと許さない』

ジェヒの声がこだまするマル。

ウンギは母と過ごした離れにやってきます。

「ウンギの木」と書かれた札が括りつけてある庭の木。
『ウンギが健康でおりこうで美しく育ちますように』との母の願いが込められていました。

母の形見である人形を取り出してブランコに乗せ、一人つぶやくウンギ。

「大丈夫。絶対に方法を見つけるから。心配しないで」

その頃ジェヒはローリングを出迎えていました。

生き生きと英語を駆使するジェヒの姿に満足げなアン弁護士。

ウンギは離れにこもり、どうにか資金をかき集められないものか頭をひねりますが、妙案はありません。

万事休す。
芝生に寝転ぶウンギです。

ウンギはそのまま眠ってしまいました。

そこへ近づいてくる誰かの足。

その足の主は、ウンギを抱きかかえると、やおら池に放り投げました。

「ねぼすけのお嬢さん。そろそろ起きたらどうです?」

「早く目を覚まして、みんなやっつけに行きましょうよ」

マルーーーーーーー!

いやぁ~。力が入ってしまいました。
これはちょっとどうなっちゃうんでしょうか。
この調子でやられたら、最終話まで身が持ちません。(笑)

マルのジェヒへの思いですよね、ポイントは。

二人きりになった時、マルがジェヒに言った言葉。

「姉さんみたいな人はこんなところにいちゃ駄目だ。
姉さんみたいな人がなんともない顔してこんな場所に居続けたら、この世から正義がなくなり、希望がなくなり、秩序がなくなり、夢がなくなるんだよ。
姉さんが記者だった頃、あれほど嘆いていた、暗澹たる世界になっちゃうんだよ」

このあたりがこのドラマのモチーフになってくるのでしょうか。

踏みつけられた人間は、だからこそ同じように人を踏みつけてはならない。
奪われた人間は、だからこそ同じように奪ってはならない。
なぜならそれこそが、世界から希望をなくし、すべてを絶望に押し込んでしまうから。

言葉通りに捉えれば、マルがジェヒにしようとしているのは復讐ではなく救済です。
その一方で、ゴミ溜めすらもあなたには分不相応と冷酷に言い放ってもいるマル。

矛盾を抱えて、物語は進みます。
果たしてどちらに統合されるのか。救済か。復讐か。



しかし。

ここまで見た時点で、視聴者としてはマルに悪い男になって欲しくない気持ちが既にてんこ盛りです。
きっと悪くなるんでしょうね。
はぁ。
ウンギを傷付けるマルを見るのは、イヤですね。