みなさま、こんにちは。

前回17話を茫然自失の回と名づけるなら、今回18話はなんと名づけましょうか。
と、聞いてどうするんだという感じですが。すみません。(笑)
もう頭がくらくらしています。
このドラマも、あと残すところ2話となりました。
来週、ほんとに終わって書ききれるか心配です。

では、まいります。

ウンギの記憶が戻ったことを知っていたと告白したマル。
驚いたウンギは、いつから知っていたのか、なぜ気づいてると言わなかったのかと尋ねます。
ウンギの望みどおり、やられようと思ったからと答えるマル。

ウンギは、だったら今日の式にも来るべきだったんじゃないの? と言い放ちます。

今日の君の取った方法に、同意できなかったから行かなかったとマル。
復讐をしたければ、ハン・ジェヒと僕だけを刺せばいいものを、なぜ自分も一緒に傷つく方法を選んだのかとマルは声を荒げます。
憎い相手を、殺したい相手だけを刺せばいいものを。
ハン・ジェヒとカン・マルの二人だけをつぶす方法なら、他に探せばいくらでもあっただろうに、と。

ウンギは、今の自分は、マルのもとに走ったせいで父が死んだことへの怒りで一杯だと答えます。
あなたとハン・ジェヒをつぶすためなら、今の自分ならどんなことでも出来ると。
自分の血が流れようと、そんなことは知ったことではない。二人を殺すためには、出来ないことなどない。

ウンギは言葉を続けます。

私のことが怖ければ、逃げたらいい。1度だけ私もチャンスをあげる。
それでもあなたが自責の念に駆られて、私の面倒を見て、ご飯を食べさせ、家に泊め、同情してくれたことを思えば、あなたにも逃げるチャンスを与えるべきだ。
私が怖ければ、逃げればいい。

同情。

マルの愛を同情としたウンギ。

傷ついたマルは、思わずウンギから目をそらします。

「何か言うことは?」とマルに尋ねるウンギ。
マルは諦めたような表情で、ないと答えます。

「そうよね。あるはずないわよね。あるって言ったら、人間じゃないわ」

マルの心をズタズタに踏みつけるウンギ。

ウンギはパク弁護士をマルに呼ばせます。

ほどなくやってきたパク弁護士。
ウエディングドレス姿で車の外に立っているウンギを、慌てて車に乗せます。

ウンギはパク弁護士が乗せようとした後部座席ではなく、助手席に乗り込みます。
まるで、マルに見せつけるためかのように。

じっと車中からウンギを見つめるマルを一瞥し、まるで詫びるような目で会釈し、去っていくパク弁護士です。

「カン・マルの家以外なら、どこでもいいわ」

それだけ言うと、助手席で目を瞑るウンギ。パク弁護士は車をどこかに走らせます。

ウンギが去ったあと、マルの脳裏に浮かぶある日の光景。
一時的な記憶の退行からウンギが戻った日の朝。
夢の中のマルは、自分を騙す悪い人だったとウンギが言った日。

記憶が戻った時、自分が本当にウンギが夢に見たような悪い男だったらどうするかと尋ねたマルに、もしそうなら許せないとウンギは答えたのでした。

父を捨ててまで選んだ人なのに、許せるはずがない、と。

その答えに、笑ったマル。

「安心した。きっとそうするんだよ。
大目に見たりしないで、必ずそうしなね、ウンギ」

ウンギにそう伝えたあの日を思い出し、自嘲するように苦い笑みを浮かべるマルです。

パク弁護士はウンギをホテルに連れてきました。

帰ろうとするパク弁護士を、ウンギが引き止めます。

「行かないで。今の私、何かしでかしてしまいそうなの。
何をしでかすか、自分でも分からない。だから今日は、傍で私を見守っていてください」

マルの家にはヒョン秘書がウンギの荷物を取りに来ていました。

チェギルは、何もこんなに急がなくてもいいではないかと言いますが、ヒョン秘書は荷物を片付け続けます。

ウンギさんの気持ち、分かる。
もし自分でも、もうこの家にいたくないと思う、とチョコ。

チョコはヘアゴムを外すと、ウンギに渡して欲しいとヒョン秘書に差し出します。

「ウンギさんが可愛いって言ってくれてたから」

チョコが差し出したヘアゴムを、複雑な表情で受け取るヒョン秘書です。

胸を痛めるチェギル。

折りしも帰宅したマル。
ウンギの荷物を取りにきたヒョン秘書に出くわします。

「荷物をまとめてくるように言われて・・・・・・」

申し訳なさそうなヒョン秘書を、静かにそのまま送り出すマル。

チェギルは傷心のマルに、一杯やろうかと誘いますが、マルはご飯が食べたいと言います。
チェギルとチョコが見守る中、チョコが用意したご飯を黙々と口に運ぶマル。

よみがえる、さっきのウンギの姿。

「私は今、頭にきて他に何も考えられない状態なの。
自分を刺そうが、あなたたちを刺そうが、自分の血が流れようが、あなたたちの血が流れようが、関係ない。私はあなたたちさえ潰せるなら、あなたたちさえ殺せるなら、なんだってやるつもりよ」

マルは食事を中断します。

一方ジェヒは。

マスコミがいなくなるのを見計らい、深夜にアン弁護士と共に帰宅しました。
その時やってきた一台の車。

やってきたのは、マルでした。

マルは、今日マスコミに関係をリークしたのは、自分だと言います。
驚愕するジェヒ。
そんなことをしても、何の得にもならないではないかと詰問します。
マルは答えます。

言ったはずだ。
姉さんを引き摺り下ろすために、僕が上がっていく、と。
僕は姉さんを手に得るために、今日のことをしでかしたんだ、と。

マルは、ジェヒたちが用意している明日の釈明記者会見を取り消すように言います。
もしこれは事実無根だ、虚偽を流布した者を見つけ出し、厳しく法の責任を問う、などと言おうものなら、これまであなた方がやってきた悪事の証拠を、同時に全てリークすると脅すマル。

ウンギのことが好きだったはずなのに、なぜと尋ねるジェヒに、マルが答えます。

「あれは、人間として良心。自分のしでかしたことが申し訳なくて、現状復帰させてあげたいっていう、優しさ? 愛ってのは、僕が姉さんにあげたものをいうんですよ。失ってようやく気づき、ハン・ジェヒがいま血を流しながら後悔してるもののことをね」

マルの言葉を怒り心頭で聞くアン弁護士。
騙されるな。こいつは間違いなく、ハン・ジェヒではなくソ・ウンギを愛していると言います。その言葉を鼻で笑うマル。

「なら、何のためにこんなことを? 今日で僕はソ・ウンギと完璧に切れたんだけど?」

アン弁護士もジェヒも答えられません。

マルはアン弁護士に席を外すよう言います。

「僕は今、姉さんと重要かつディープな話を二人っきりでしたいんだけど。気がきかないにも、ほどがあるんじゃないですか? そろそろ外してもらえません?」

パク弁護士は、さっきのマルを思い出していました。

ウンギを悲しげに見つめていたマルの表情に、胸の痛むパク弁護士。

パク弁護士は、ふとウンギが風呂場からなかなか出てこないことに気づきます。ウンギがこもって既に1時間半が経過していました。

パク弁護士は何度もドアを叩いてウンギを呼びますが、中からは何の応答もありません。
ドアノブに手をかけてみるも、鍵がかかっています。

胸騒ぎを覚え、客室係を呼ぶパク弁護士。

そして。

アン弁護士を追い出し、二人っきりになるジェヒとマル。

やってきた客室係。

マスターキーで浴室の鍵を開け、中に入ります。

出てきた客室係の女性は、パク弁護士に中に入ってみて欲しいと言います。

何事かと入ってみると・・・・・・。

ウンギがウエディングドレス姿のまま、湯をはったバスタブに漬かっていました。

ウンギの衝撃的な姿に、胸の詰まるパク弁護士。
バスタブの脇に腰を下ろし、「理事」と呼びかけますが、ウンギは返事をしません。

「ウンギ」

パク弁護士に名を呼ばれ、ウンギがようやく口を開きます。

「嫌いになれなかった。カン・マル。明らかに憎み、怒り、憎悪すべき相手なのに、死力を尽くしても、嫌いになれなかった」

ぽつりぽつりと言葉をつむぐウンギに、を浮かべるパク弁護士。

「あいつは私を愛してなんかない。
あいつのせいで私の人生がめちゃくちゃになったんだ。単に罪悪感を感じて同情してるだけで、私を愛してなんかない。今でもあいつが愛しているのはハン・ジェヒなんだ。ハン・ジェヒを手に入れるために私を利用しているだけだ。記憶を失ったバカな娘を手玉に取っているだけ。
そうやって何度も自分を洗脳し、頭に叩き込んだのに、嫌いになれなかった」

「だから、あんなことしたの。
ああすれば、全部終わると思って。私たちの関係を白日の下にさらしてしまえば、カン・マルに対する私の愚かな思いも、止められるんじゃないかと思った。そうすれば、もし私がおかしくなって、“どんな恋愛でも、して悪いものなんてない”などと言いだした時に、世界中の人が止めてくれるだろうから。それで、あんなことを」

「私、よくやったよね?」

泣きながら尋ねるウンギに、泣きながら頷くパク弁護士。

「亡くなったお父さんも、あの世で喜んでるよね?」

パク弁護士はウンギを見つめます。

ウンギの声が、泣き声に変わります。

「でも・・・・・・どうしたらいいの? 
会いたいの。すごく会いたい。カン・マルにすごく会いたいの。私、どうしたら?」

声をあげて泣くウンギ。
傍で見守るパク・チュナ。
長くて苦しい夜が過ぎていきます。

そしてマルは。
ジェヒに警告を受けていました。

「危険な真似をしたわね。アン部長、あんたを放っておかないわ」

「でしょうね」と淡々と応じるマル。

「殺されるかもしれないしれないのよ」とジェヒは焦ります。
マルは、あの人の話はやめて、二人の話をしようと言います。

ジェヒの髪をなでるマル。

「あの氷のように冷たかったカン・マルが、自らやってきてハン・ジェヒを望んでるんだからさ」

「どのみちスキャンダルになっちゃったわけだし。この際腹を決めて、一緒に行きません?」 

怪しく誘うマル。

マルの言葉に揺れたジェヒ。

すぐに一転し、冷静な視線を投げかけます。

「騙されるところだったわ。あんたが本当に私を望んでるんじゃないかって。私を連れ出したいんじゃないかって」

余裕の笑みを浮かべるマル。

「そうじゃないとでも?」

その問いに答えるジェヒ。

「悪いんだけど。私は今でも、あんた以上にあんたのことがよく分かるのよ」

「チェッ」

マルはジェヒの肩にかけていた手を下ろします。

ジェヒが言葉を続けます。

「私を引き摺り下ろしたいのは、ウンギのためでしょう? 自分を私に売り払ってでも、ウンギを守りたいからなんでしょう?」

ジェヒの言葉に、マルが応じます。

「で? 僕を買うつもりはあるんですか?」

買うと言ったらどうするのかと尋ねるジェヒに、全てを捨て、全てを元に戻し、僕と一緒にソ・ウンギのいない世界に永遠に旅立ってくれるなら、いつでも喜んでと答えるマルです。

眠りについたウンギを見守るパク弁護士。

マルは自宅に戻り、主のいなくなった部屋に一人佇みます。

一つだけ残されたウンギの私物。
あの日の二人の写真。

マルは写真の中で微笑むウンギの顔をなでます。

今にも世界から消えてしまいそうなマル・・・・・・。

朝。

ウンギは荷物を持っていきなり自宅に戻りました。

父の書斎で悲しげに写真を見つめるウンギ。

ジェヒは面食らいますが、カン・マルの家にはいられないと沈むウンギを受け入れます。
あの情報をリークしたのは、カン・マルだったとジェヒ。
記憶を失っていたので言えなかったものの、私を取り戻すために付きまとい、あんなことをしでかした、ゴミみたいな男だとジェヒは言います。

自分のしたことがマルのせいになっていることに、内心驚くウンギです。

出勤の支度を終えたジェヒ、幼稚園に行った筈の息子ウンソクが、泣きながら戻ってきたのを目撃します。
駆け寄って何事かと尋ねるも、ウンソクは泣きながら、「ママが悪い。ママ嫌い」と言うだけ。

ジェヒはなぜ息子が泣きながら戻ってきたのかと家政婦に問い詰めます。

幼稚園で昨日のスキャンダルが知られ、からかわれたようだと家政婦。
正門にマスコミが殺到しているので、裏門から出たほうがいいと言います。

衝撃を受けるジェヒ。

マルも好奇の目にさらされていました。
出社したマルにぶしつけな視線を送り、聞こえよがしにマルの噂をするテサンの社員たち。

その様子をパク弁護士が見ていました。

一方会長室では。

ジェヒが来る前から一人佇んでいるアン弁護士。
ジェヒは不愉快感を露わにします。

スキャンダルの件で緊急理事会が開かれるとアン弁護士。
絶対にメディアの報道を認めてはいけないと言います。
虚偽を流した人物を洗い出し、法的に訴えるつもりであると返答する予定だ。
カン・マルを理事会に呼べとういう声が上がったものの、それは阻止した。
アン弁護士の言葉を了承するジェヒです。

考え事がしたいので一人にして欲しいというジェヒ。
アン弁護士は出て行きません。
夕べはあれからどうなったのかと尋ねます。
テサンを捨てて、カン・マルについていくことにしたのか、と。

振り返り、険しい表情でアン弁護士を睨むジェヒ。
私が何をどう決めようと、それは個人的な問題だと断じます。

突如ジェヒの襟をつかむアン弁護士。

「お前が先に仕掛けてきたんだろ? お前の男になってくれって。お前を守ってくれって」

「俺とお前じゃ格が違うだと? 誰のおかげでここまでこれたと思ってんだ? 30年はぶち込まれる筈だった殺人犯を、あのどん底の娼婦の娘を、ここまでのし上げたのが誰だと思って?」

「絶対にカン・マルのところには行かせない。どうしても行きたければ、死んでからにしろ」

その言葉に震え上がるジェヒ。

アン弁護士は構わず言葉を続けます。

「お前は俺の女だ。結婚しよう」

ウェーーーッ!

気持ち悪すぎる!

一人になり、心底嫌そうに唇を拭うジェヒ。初めて視聴者と気持ちが一致したかもしれません。

私も目を洗いたいです。あー、悪寒。

仕事にいそしむマル。
結局あのアウトドアブランドに関わることになった様子のマル。
スタッフと共に、カタログ撮影の現場を切り盛りします。

「心臓に毛でも生えてるんじゃない?」

「ここの会長とデキてるらしいじゃん」

ここでも軽蔑と好奇の視線を向けられるマル。

そんなマルの様子を気の毒そうに見つめる目がありました。

パク弁護士です。

「大丈夫ですか?」

「ご覧のとおり」

パク弁護士はマルに微笑みます。

パク弁護士と向き合い、一緒にコーヒーを飲むマル。

「なぜ何も訊かないんですか?」

そう口を開くパク弁護士。

「なにが?」と聞き返すマル。

パク弁護士が言葉を続けます。

「ソ・ウンギはどうしてるか。具合は悪くないか。泣いてすごしてはいないか。苦しんでいないか。あるいは、カン・マルなんてすっかり忘れて、元気一杯に暮らしてるんじゃないか、とか」

胸が痛み、無言のまま目を伏せるマル。

「気にならないんですか?」

その問いに、マルは答えません。もう一度パク弁護士が尋ねます。

「気に、ならないんですか?」

マルが静かに答えます。

「なります」

「気になるけど、訊きません」

なぜかと尋ねるパク弁護士に、カン・マルなんてすっかり忘れて、元気に過ごしてるなんて言われたら傷つくし、その逆でも傷つくから、とマル。

その答えに静かに笑みを浮かべるパク弁護士。

「でも、一応聞いてみたらいいじゃないですか。意外な答えが聞けるかもしれませんよ?」

そう微笑むパク弁護士に、マルが寂しい笑顔を見せます。

「結構です」

仕事に戻るからと、会釈をして席を立つマル。

マルの傷心がパク弁護士にも伝わってきます。
その傷心の意味が、ウンギ同様、愛であることも。

複雑な心中でマルを見送るパク弁護士です。

部屋に戻ったマル。

ウンギを思い出してしまいます。
携帯を取り出し、ウンギに電話をかけようとしてやめるマル。

その時、非通知で電話がかかってきます。

電話に出るマル。

「もしもし?」

相手は無言です。

「・・・・・・もしもし?」

その時マルの耳に、あの歌が聞こえてきます。
受話器の向こうから流れる、『花のサンフランシスコ』。

ウンギだ

思わず立ち上がるマル。

・・・・・・元気?

・・・・・・元気?

無言のうちに、心で会話する二人。

お昼は、美味しいもの食べた?
ちゃんと眠れたの?

 

君は、よく眠れた?
具合の悪いところはない?

しんどくない?
私は、かなりつらい

あの日、熱があったのに
あんなに薄いウエディングドレスで、風邪ひいてない?

マルさんが、つらい思いをしてないといいんだけど
私のせいで、つらい思いをしてないといいんだけど

会いたい
ウンギ

ウンギが電話を切ったのを確認したマル。
思いを口にします。

「会いたいよ。ソ・ウンギ」

その頃マルの家には。

またしても上がりこんでいる、招かれざる客、ジェシク。

何しにきたのか、図々しくご飯を食べています。

小型ナイフで木になにやら熱心に彫っていたジェシク。

チェギルが見ると、そこには「マル?」と彫られています。

どういう意味かと尋ねられ、一人で逆切れするジェシクです。

その頃ジェヒは。
アン弁護士にあれほど止められているのに、執務室で酒を飲んでいました。
カン・マルのところに行きたければ、死んでからにしろと言った、昼間のアン弁護士の言葉を思い出します。
全てを捨てれば、ジェヒと一緒に誰もいないところに行くといった、夕べのマルの言葉も。

一人で飲むだけで飽き足らず、ジェヒは残業するマルのところにまで酒を持ってやってきます。
既にへべれけのジェヒ。

向かい合う二人。
ジェヒは一人で飲み始めます。

会社で飲むのはどうかと注意するマルに、みんな退社したあとだから、あんたさえ黙っていれば大丈夫とジェヒ。
特にアン部長には秘密にしてねと言います。
ジェヒの言葉から、アン弁護士とジェヒとの間に何かありそうだと感じるマル。

「人って馬鹿よね。若い時は金と権力を手に入れようと、健康と青春をなげうって必死に働くんだけど、そのうち病気して、年取ってから金と権力を手に入れた後に、今度は健康と青春を取り戻すために、あんなに躍起になって集めた金と権力を、全部使っちゃうのよ。ほんと、馬鹿ばっかりだと思わない?」

ジェヒの心を探るように見つめるマル。

ジェヒはいきなり携帯を取り出すと、あれほど忌み嫌っているジェシクに電話し始めます。

「ハン・ジェシク。もしあたしが、捨ててきた男のために全てを捨てるとか、全部を捨ててそいつだけ手に入れるとか、そんな馬鹿なことを言い出したら、あんたが責任持ってあたしを止めなさいよ。あんたが責任もって、あたしの口をふさいで、首を絞めろっての。
それでも言うことを聞かない時は、病院にぶち込んで、口をふさいで、二度と世の中に出てこれないようにしてちょうだい。分かった?
・・・・・・飲んでないわよ。酔ってない! おかしくなんてなってない!」

悲鳴のように響くジェヒの大声。

ジェヒの苦しみを目の当たりにするマルです。

その頃ウンギは。

ジェヒの背任行為を調べていました。
ヒョン秘書から情報を得て、ウンギが着せられた濡れ衣の顛末を確認しています。

ジェヒの裏金作りに関わっていた某キム社長。
その過程でウンギの口座を勝手に開設していました。
検察の捜査が及んだものの、捜査を中断させたジェヒ。
さかのぼれば、いずれ自分の関与が露呈することになるのを防ぐためでした。

ヒョン秘書とさらに議論を進めたいウンギ。
飲み物がなくなっていたため、キッチンに取りに向かいます。

その時出くわしたのが・・・・・・。

酔ったジェヒと、ジェヒを支えるマルでした。

ウンギに気づき、声をかけるジェヒ。

まさかウンギがこの家にいるとは思ってもみないマル、思わずジェヒに添えていた手を離します。

ジェヒは3人で一杯やろうと上機嫌です。
二人も久しぶりに顔を合わせたんだろうし、と。

酔ったジェヒをマルが部屋に連れて行きます。
その様子を無言で見つめるウンギです。

ベッドに寝かされたジェヒ。
長居は無用とばかりに、マルは家政婦の後を追ってすぐ部屋を出ようとします。

マルの背中に声をかけるジェヒ。

「後悔してるの。マル」

振り向いたマルに、再びジェヒが呟きます。

「後悔してる。すごく」

苦しむジェヒ。
マルは無表情のまま、部屋をあとにします。

ジェヒよりも、ウンギが気になるマル。

玄関に向かおうとしますが、ウンギのいる2階から目が離せません。

ウンギの自室。

誰かがノックします。

無言のウンギ。

その時、マルが部屋に入ってきました。

「ここにいたんだね」

声をかけるマルに、ウンギは短く「ん」と答えます。

「元気だった?」

「ん」

「ご飯、食べた?」

「ん」

「ちゃんと寝た?」

「ん」

「どこも具合悪くない?」

「ん」

くすりと笑うマル。

「君は“ん”しか言えないの?」

ウンギに近づき、部屋を見回すマル。
こんなに広い部屋に住んでいたんだね、と声をかけます。

「こんなに広い部屋に住んでたのに、あんなに狭い部屋でチョコと二人でいたんだから、大変だったでしょ」

マルの言葉を無言で聞くウンギ。

ウンギは緊張の面持ちを浮かべています。
静かにウンギを見つめ、マルが口を開きます。

「僕に、言うことない?」

何も答えないウンギ。

マルは小さく笑みを浮かべると、「じゃあ行くね」と言い残し、部屋を出て行きます。

マルが部屋を出た途端、後を追うウンギ。

ドアノブに手をかけますが、扉を開けることが出来ません。

扉の外には、ドアが開くのを待つマルの姿・・・・・・。

全宇宙で、このあたりから泣き始める視聴者続出。

ウンギ同様、扉に伸ばした手を引っ込めるマル。

携帯を取り出し、マルが電話をかけます。

ウンギにでした。

無言で電話に出るウンギ。
受話器から、マルの優しい声が聞こえてきます。

「君の居場所は、ここしかないの?」

「なぜそんなにやつれたの? とても見てられないよ。
ハン・ジェヒが、何も食べさせてくれないの? 君をいじめて苦しめるの?
・・・・・・もう行くね、本当に。元気で。おやすみ」

電話を切るマル。

今日は顔が見れて、すごく嬉しかった

気をつけてね

去り行くマルに、心で気持ちを伝えるウンギです。

正直、もうこれ以上見たくないです。

号泣。

悲しいラストなら、いっそここで見るのをやめにしたいです。

朝。

出勤しようとするマルを、行かせまいと床に寝そべるチェギル。

病院に行かないなら、テコでも動かないとチェギル。

どうせ結婚式が終わったら、首根っこ掴んででも連れて行くつもりだったんだ。
結婚も破談になったことだし、もう行けない理由はないだろうと言います。

困り顔のマルに、言葉を続けるチェギル。

「もしかしてお前が、手術が失敗して死んだ時のことを心配してるんなら、チョコは俺が一生面倒見る。後遺症で半身不随になったら、俺が一生下の世話して看護してやる。だから、心配しないで手術受けてくれ。受けてくれよ」

そこへやってきたチョコ。
なぜチェギルが寝転んでいるのかいぶかしみます。

「さあ? 踏んづけて行けって言うんだけど」

そうおどけて、チェギルをわざと踏んでいくマルです。

手術を避けるマルに、もどかしくため息をつくチェギル。

重苦しい朝を迎えたジェヒ。

お茶を持ってきた家政婦に、昨日あれからマルがどうしたかと尋ねます。

ウンギの部屋に行き、少しして出てきた後も、ずっとドアの前で離れがたそうにしていたと報告する家政婦。

「ウンギはどうしてた?」

尋ねずにいられないジェヒです。

その頃ウンギはパク弁護士と会っていました。

父が亡くなった件を、もう一度調べて欲しいと言います。
いくつか釈然としない点もあるし、他殺ではと疑う人もいるとウンギ。

家政婦の話によれば、父が死亡した日、ハン・ジェヒとアン・ミョニョンはほぼ同時刻に家に到着したようだとウンギは言います。

とうとうやってきたこの話題に、緊張するパク弁護士。

「偶然だったと思います?」

ウンギに問われ、思わず視線をそらします。

「見せてもらったあの監視カメラの動画、父は知らなかったんですよね?」

「そうなんですよね?」

パク弁護士が、重い口を開きます。

「ご存知でした」

驚愕するウンギ。

自分が報告する前に、既に会長は知っていたとパク弁護士が答えます。

「あんなに具合が悪い状態で、自分が信じてきた人に裏切られた事実を、父は知ってしまっていたんですか?」

「それだけでなく、あの二人を一気に潰すための計画を立てておいででした。計画を秘密裏に遂行するよう、私に言づけていらっしゃいました」

初めて聞かされる重大な新事実に、興奮が収まらないウンギ。
そんな重大事をなぜ今まで隠していたのかと、不信も露わに声を荒げます。

「一体なぜ私に隠してたの? 何を考えてたの?」

ウンギの怒りを正面から受け止めるパク弁護士。
なおもウンギが続けます。

「記憶が戻ったら話すと言ってたのって、これだったの?」

もの言いたげに、ウンギを見つめるパク弁護士。

「まだ他にもあるの?!」

「まだ何か私に隠してるのね?! 話して。全部話してちょうだい!」

ベンチに座り、あの夜のことを回想するパク弁護士。

今の会話は全て録音した。

録音した音声を持って、今すぐ警察に行く。

そう話すパク弁護士に、今すぐ行けと答えたアン弁護士。

『お前の父親が奥様を事故に見せかけて殺すよう指示した書類も、一緒に持って行くんだな』

愛するウンギの最愛の母を、事故に見せかけて殺すよう指示したのが、自分の父親だという事実。
ハン・ジェヒとアン弁護士がウンギの父親を故意に見殺しにしたことを伝えれば、必然的になぜそれを隠したのかも明らかにせねばならず。

深く苦悩するパク・チュナです。

マルの部屋を訪ねるパク弁護士。

マルに話があると言います。

お昼時なので、一緒にランチを食べながら話そうと応じるマルに、重要な話なのでここでしたいとパク弁護士は言います。

「時間が経ったら、気が変わるかもしれないので」

険しい表情を見せるパク弁護士から、ただならぬ事態を予感するマルです。

どこかに一人で向かうマル。

そこに重なる、ウンギのモノローグ。

誰にでも、避けられない記憶のいたずらがある

記憶は、たえまなく美化され

たえまなく色あせるものだ

私の記憶は

どれほど確かなものなのだろう

記憶とは、どれくらい信じられるものなのだろう

あの日私が見たものは

なんだったのだろう

泣き崩れるジェヒと、ジェヒを抱きかかえるマルを、傷心の面持ちで見つめるウンギの顔で、ラスト。

韓国語で申し訳ないのですが。
自問自答、恐縮です。
18話は、名づけて「メンブンの回」です。

メンブン/멘붕
「メンタル崩壊」を略した造語。日本語的に言えば、精神的恐慌?

ラスト、なんだったのでしょう?
不確かな記憶? 記憶の美化? 
ウンギ、またマルの何を誤解したんでしょうか?



もうあと残り2回しかないのに、まだ手術を受けてないマル。
まだ病気をチョコに隠してるマル。
もしや最後、マルをジェヒと一緒に死なせようってんじゃないでしょうね? え?
そんなことになったら、全人類的にマルファンが暴れますよ!

・・・・・・いや。その前に。
メンブンで立ち直れないですね・・・・・・。