みなさま、こんにちは。

本日わたくし、脱力派宣言しても、よろしいでしょうか?

いえ、その、チャッカンナムジャの最終回を見届け、放心状態と言いたいだけなんです。
面倒臭くてすみません。(笑)

では、『優しい男』最終回、書かせていただきます。








・・・・・・笑ってる。マルが笑ってる。
ずっと泣いてたのに、なぜ最終回だけ?

これ見て震え上がりました。
ちょっとしたオカルトといっても、過言ではありません。(いえ、過言です)





病院でウンギの手を取り、今から二人で逃げようと言ったマル。

誰も探しに来れない場所に、二人で逃げようと言ったマル。

マルにとっては、一世一代のプロポーズにも等しいものでした。

そんなこととは知る由もないウンギ。
マルの手を払います。




「いやよ」









「何か勘違いしてるみたいだけど、私たちはもうとっくに終わったのよ。今の私にとっては、テサン、そして父、倒れたパク弁護士、真実を暴くことが、カン・マルよりずっと大切なの」








マルはショックを受け、うつむきます。
その時ウンギにかかってきた電話。
ウンギは用があると立ち上がり、去ろうとします。

思わずウンギの腕をつかみ、抱きしめてしまうマル。















ウンギをどこにも行かせたくないマル。
心の底から、このままウンギと逃げてしまいたいマル。

その思いを断ち切り、マルはウンギを行かせます。









マルの様子が気になりながらも、今のがなんだったのか確かめることができないウンギ。









その場からしばらく動けないマル。








ウンギは、チョ秘書に会いに行ったのでした。

自分の姿が監視カメラに映っていたことを突きつけられ、チョ秘書は誤解だと言います。
そんなことはしていない。自分はパク弁護士を尾行などしておらず、その道を通ったのもたまたまだとチョ秘書。なぜ自分が疑われるのかが悔しいと、チョ秘書は言います。

「確かに、それもそうですよね」

チョ秘書の言葉を引き取るウンギ。














ひとまず座って話そうと、チョ秘書に椅子を勧めるウンギ。
素直に応じ、席に着こうとしたチョ秘書の椅子を、ウンギが思い切り蹴り飛ばします。
椅子を弾かれ、尻餅をつくチョ秘書。








「そりゃそうよ。あんたごときを捕まえようと、こっちも色々手を回して調べてるわけじゃないんだから! あんたの上に誰がいるのか、吐きなさい! 吐かないなら、人として許されない手段を使ってでも吐かせるわよ!」








チョ秘書の首元を文字通り締め上げるウンギ。
その様子をドアの隙間から見ている怪しい男がいました。

怪しい男の向かった先は・・・・・・。









アン弁護士でした。

「カン・マルは今どこで何をしている?」

ウンギよりもマルの動きを警戒するアン弁護士です。



その頃マルは、ジェヒに会っていました。

「警察に行こう」とマル。


録音ファイルは、ここに来る途中、郵便に出した。
明日には警察に証拠が届く。
もう姉さんの逃げ場はない。








静かに説得するマルに、「一人では死なないと言ったわよね?」とジェヒは抵抗します。









「ソ・ウンギの脱税と不法行為のリストも、全部ぶちまけると言った筈よ?
それでもいいの? ウンギがどうなってもいいの?」







小さく笑うマル。

「その脅迫に恐れをなして、ウンギを連れて逃げようとしたんです。二つ返事でついて来てくれるとばかり思っていたのに、ウンギに拒絶されました。自分にはまだ守るべきものが残ってるし、やることがあるんですって」

ジェヒの目に、涙がたまります。
言葉を続けるマル。


「そんなウンギを見てたら、急にすっごく安心しちゃって。
あの子なら、この先どんな事態に直面しようとも、ちゃんと耐えていける。
もう僕が彼女の傍にいなくても、大丈夫だなって。
むしろ僕が傍にいたほうが、重荷になるかも知れないなって」

ウンギを思うマルの愛に触れ、複雑なジェヒ。
マルがジェヒの目を見据えます。

「どうぞ。バラしてください。受けるべき罰があるなら受けるべきだし、払うべき代価があるなら、払うべきだから」

がっくりとうなだれるジェヒに、マルは説得を続けます。

「自首してください。もうどこにも逃げ場はない。僕がいつまでも待ってるって言ったでしょう?」

その言葉に、悲しく顔をあげるジェヒ。

「でも、愛じゃないんでしょ?」







「絶対に、愛だけはあげられないんでしょ?」

視線を外し、そうだと答えるマル。

ジェヒが言葉を続けます。

「ハリボテなんかいらない。同情も、哀れみも欲しくない。絶対に自首しないわ。だったらいっそ、死ぬ」

ジェヒの言葉を制止するマル。
ジェヒは身を乗り出し、「一緒に死のう」と言います。

「マル、一緒に死のう。どうせ私たち、生きていたって地獄じゃない。人が愛を失って、どうやって生きていけるの? 今生は、ここで終わりにしよう」


その言葉に、怒りを露わにするマル。


「死にたければ、一人で死んでよ。僕は死なない」







「なんで僕が死ななきゃならないの? なにか悪いことした? 愛なんかなくても、ちゃんと僕は生きられる。今までだって、一度も欲しいものを手に入れたことなんてない。人生でせめて一度だけでも、自分のことだけ考えて、欲張って、自分のやりたいこと、欲しいもの、望むもの、僕が手に入れたことあった?
僕は愛なんてなくても生きていけます。どうやってでも生きていける。
死こそ地獄だよ。どうして生きることが地獄なんだよ?」


マルに気圧され、返す言葉が見つからないジェヒ。
マルが言葉を続けます。

「僕は絶対に死なな・・・・・・」


突然痛みに襲われるマル。

ジェヒに悟られまいと、急いで席を立ちます。









マルは無理やり笑顔を見せます。

「気が変わったらいつでも連絡ください。一人で警察に行くのが怖かったら、僕がついて行くから」


玄関に辿り着く前に、再び痛みに襲われるマル。

ジェヒはまったくマルの様子に気づきません。





















その頃ウンギは、病院に戻っていました。

二人で一緒に逃げようと言ったマルの言葉を思い出すウンギ。
本心ではマルについていきたいのに、目の前に横たわるパク・チュナを置いて逃げることなど、ウンギにはできません。
こん睡状態のパク・チュナの腕をさするウンギ。

その時、パク・チュナの指がピクリと動きます。
























パク・チュナの生還を、感激の面持ちで見つめるウンギです。










一方。

明かりの消えた家に、チェギルが帰宅します。
部屋に入り、明かりをつけるチェギル。






















マルに駆け寄るチェギル。
マルは意識を失っています。
呼びかけても返事をしません。











チェギルから連絡を受け、慌てて病院に駆けつけたチョコ。
足がもつれ、思うように走れません。

マルの病室の前にはチェギルがいました。
中にドクターが来ているとチェギル。
二人とも、既に泣き腫らしています。









「知ってたんでしょう? お兄ちゃんが病気だって」

悲しくチェギルを責めるチョコ。

「どうして言ってくれなかったの? 妹なのに。私は世界に一人しかいない、お兄ちゃんの妹なんだよ?」

涙を流しながら、チェギルが答えます。

「マルが、知られたくないって言ったんだ。俺も、そう思ったし」











チェギルの言葉に、床に座り込むチョコ。

「どうして気づかなかったんだろう? お兄ちゃんは、私がちょっと熱出しただけでもすぐ気づくのに。私がちょっと具合が悪いだけでも、すぐ気づいてくれたのに」






泣き崩れるチョコ。


「どうしてあんなに具合が悪くなるまで、気づけなかったんだろう?」

チェギルは「マルが兄貴で、お前が妹だからだよ」とチョコを慰めます。

チェギルはチョコに、病室に入るよう促します。
病室のドアを開けようとしますが、マルに会うのが恐ろしく、ドアを開けられません。









マルに会わず、無言で立ち去るチョコです。



病室では。

主治医が見守る中、マルが眠っていました。














目を覚ましたマル。
かつての医学部教授が付き添ってくれているのに気づき、慌てて体を起こします。


「まったく、人の言うことを聞かないにもほどがある。あいつにお前が目を覚ましたら半殺しにしてくれと頼まれたが、一体お前はどこを殴れば正気になるんだ?」








教授は、明日の朝手術するといいます。

「これ以上は引き伸ばせん。お前が馬鹿な真似をしてくれたおかげで、生存確率は50対50だ。医者の脅しも含めてな」








怖くないかと尋ねられたマル、思いのほか怖くないと答えます。

「死ぬ前に、したいことはないか?」

その問いに、表情が固まるマル。

「死ぬ前に会いたい人がいたり、金をもらっておくべく人がいたり、言えずにいる愛の告白なんぞがあるなら、行ってこい。特別に外出許可を出してやる」

静かに笑うマル。
なぜ笑うのかと教授が尋ねます。

「可哀相な患者を、そんなに脅したいんですか? 生還率が50%もあるのに、どうしてやたらに死ぬ死ぬとおっしゃるんです?」

そう冗談で返すマルに、「そんなの私の勝手だろ」と応じる教授。

笑顔を見せ、立ち上がる教授。
部屋を出て行きかけ、振り返って言葉を続けます。



「お前に頼まれてソ・ウンギを治療したこと、このところずっと後悔してる」









「記憶を取り戻した途端、お前を攻撃するだろうことが分かっていたのに。それを止めるはおろか、むしろ積極的に助けてしまった」







「お前、絶対に助かれよ」と教授。
「絶対に助かって、一度私と真剣に勝負しろ」

笑顔で応じ、教授を見送るマル。
その笑顔は、独りになった途端、跡形もなく消えます。



一方、パク・チュナは。
長い眠りから覚めたように、ぼんやり目を開けていました。





「私が誰だか分かる? ウンギよ。分かる?」




かすかにウンギを見つめるパク弁護士。

ウンギは涙を流し。










ジェヒはマルが去った後も、ダイニングで動けずにいました。

すっかり暗くなった部屋にたたずむジェヒ。










そこへずかずかとジェシクが押し入ってきます。

ジェシクの相手をする気力もなく、放っておくジェヒ。







ジェヒの隣りに座り、持ってきたホットドックを食べるジェシク。
お前も食べるかとジェヒの前に突き出します。

無反応のジェヒ。
ジェシクが昔話を始めます。

「覚えてるか? 母ちゃんを娼婦だって馬鹿にしやがったやつらを俺がぶっとばして少年院に送られた後、お前に会いたくてお前の学校の前まで行った時のこと。
あのときお前、友だちとホットドック食ってただろ。俺、すげえ腹減ってて、一口くれって言ったら、お前はホットドックをその場に投げ捨てたよな」








「覚えてんだろ?
あんときからお前は、俺を野良犬みたいに扱ってきたんだよ。
一度も”お兄ちゃん”と呼ばねえで」










硬い表情のジェヒ。

ジェシクは立ち上がると、ジェヒの髪をなでます。


「俺、マルをマジでぶっ殺そうと思ってたんだよ」


その言葉に、表情の変わるジェヒ。















「ハン・ジェシク! マルを殺したら絶対に許さないって言ったわよね!」

いきり立つジェヒ。
ジェシクが言葉を続けます。

「ビルをくれるっつーのに、お前が許そうが許すまいが、関係あるかよ?」








ジェシクを厳しく睨むジェヒ。

「だもんで、一思いにマルをぶっ殺そうと思って行ったんだけどよ。あれ、いるだろ、チョコ。あのガキが、なんでか俺に毎回飯を食わすんだよ。てめえの兄貴を殺しにきた人間に。
昨日も決心してマルを殺しに行ったんだが、あのガキがまた、俺の誕生日だからとか言いやがって、わかめスープを作ってくれてよ。それも上等な牛肉入りの」



ジェシクは激昂し、テーブルを叩きます。

「殺せるわけねえだろ、そんなやつの兄貴をよ!」








「わかめスープまで作ってくれたのに、殺せるわけねえだろ! あのガキのせいで、ビル一棟がパーになったんだ! 全部お前のせいだ! 
お前が少しでも俺を人間扱いして、せめておこげの一杯でいいから食わせてくれたことがあったら、俺がわかめスープとビル一棟を引き換えにすることなんてなかったのに! 全部お前のせいだよ!」









ジェシクの心の叫びが、いつになく胸に突き刺さるジェヒ。


珍しく黙って自分の話を聞くジェヒに、ジェシクも興奮を鎮めます。



「まあどうせ、マルの野郎、死ぬ病気らしいからよ」






「勝手に自分で死ぬみてえだから」


ジェヒの顔色が変わります。

「何の話?」

ジェヒに応えず、ジェシクが独り言を続けます。

「俺が前に車で衝突した時に怪我したやつだっつって、ビルの半分もらっちまうか?」

ジェヒが大声で怒鳴ります。


「何の話って聞いてるでしょ!」






「なんでマルが死ぬ病気なの?! なんのことよ?!」





マルは一人、病室の外を見つめていました。
思い出される教授の言葉。

『死ぬ前に会いたい人がいたり、金をもらっておくべく人がいたり、言えずにいる愛の告白なんぞがあるなら、行ってこい。特別に外出許可を出してやる』









ため息をつき、窓の外を見つめるばかりのマルです。



その頃チョコは。
ハイテンションでカラオケに興じていました。








見かねたチェギルがカラオケを止めます。
明日のオーディションの練習をするのだとチョコ。
チェギルはマルの顔を見に行こうと言います。
一人しかいない兄なのに、手術が終わるまで顔を見ないつもりか、と。

「万が一・・・・・・」、と言いかけて、言葉に詰まるチェギル。


チェギルはチョコの手を取りますが、チョコが払います。

「安心しちゃうもん。私の顔見たら、お兄ちゃん、安心しちゃうもん。『もうチョコの顔も見れたし、思い残すことはないな』って。それで死んじゃったらどうするの?」







「私も前、病気で死に掛けた時、お兄ちゃんが刑務所に入ってて、チェギル兄ちゃん一人しかいなかった時、あまりにもしんどくてもう死んじゃおうかなって思ったこと、あった。でも、お兄ちゃんに会うまでは死ねない、死んじゃだめって、必死になって生きたの。
だからお兄ちゃんも、私に会わずに手術室に入ったら、もし手術の途中であまりにつらくて、もういいやってなった時、『駄目だ。まだチョコの顔見てないや』って頑張って、死なないでちゃんと出てくるはずよ」


泣きながら話すチョコ。チェギルはチョコに頷きます。


「そうだな。お前の言うことにも一理ある。そうかもしれない」






「うちのチョコは、誰に似てこんなに賢いんだ? 俺が惚れちまうぞ、こいつ」

そう言ってチョコの頭をなでるチェギル。
その時チェギルの電話が鳴ります。

相手はジェヒでした。





マルに会うため、服を着るジェヒ。
手が震えてボタンがかけられません。

思い出される昼間の会話。








『死にたければ、一人で死んでよ。僕は死なない。なんで僕が死ななきゃならないの? なにか悪いことした? 愛なんかなくても、ちゃんと僕は生きられる。今までだって、一度も欲しいものを手に入れたことなんてない。人生でせめて一度だけでも、自分のことだけ考えて、欲張って、自分のやりたいこと、欲しいもの、望むもの、僕が手に入れたことあった?
人生に一度でも?』










涙の止まらないジェヒ。





外出しようとするジェヒ、ちょうど荷物を取りに戻ったウンギに出くわします。

ジェヒを冷たく睨むウンギ。























ジェヒは病院に戻るために荷造りするウンギの部屋を訪れます。
ノックもせずに入ってきたジェヒに、不快感を露わにするウンギ。

「なんの用です? もしやもう安心だと宣言でもするつもり?」

ジェヒが口を開きます。


「マルが病気なの」





「マルが、すごく悪いの」





その言葉に固まるウンギ。









病院に到着したウンギ。
青ざめた顔で病室へと向かいます。

チェギルから電話で聞いた話を思い返すウンギ。


『あの時、ウンギさんと事故を起こして、マルも頭に怪我をしたんです。事故の後も、ずっと少しずつ頭に出血していたらしくて』


事故当時のことを思い浮かべるウンギ。
















病室の前まで来ても、ウンギはなかなか中に入れません。

ウンギが来ているとも知らず、誰かを待つように窓の外を見つめたままのマル。























『病院からは手術を受けろと言われ続けてたのに、マルが聞かなかったんです。やることがあるって。自分のせいで失ってしまったウンギさんの地位を、取り戻すんだって。
ウンギさんと一緒にいられて、幸せだとか言っちゃって。今のありえない幸せを、もう少しだけ味わいたいって言ってたんです。手術を受けたら、結果がどうなるか分からないので』










ドアの外のかすかな物音が気になるマル。

思い切ってドアを開けてみます。












誰もいない廊下。









青ざめたまま、病院を後にするウンギ。

結婚式を台無しにした日、マルに放った言葉を回想します。



『私は今、頭にきて他に何も考えられない状態なの。
自分を刺そうが、あなたたちを刺そうが、自分の血が流れようが、あなたたちの血が流れようが、関係ない。私はあなたたちさえ潰せるなら、あなたたちさえ殺せるなら、なんだってやるつもりよ』








『私が怖ければ、逃げなさいよ。1度だけ私もチャンスをあげる。
それでもあなたが自責の念に駆られて、私の面倒を見て、ご飯を食べさせ、家に泊め、同情してくれたことを思えば、あなたにも逃げるチャンスを与えるべきよね』








『言うことないわよね? あったら人間じゃないわ』
















マルがどれほど自分を愛していたかも知らず、マルを傷つけようと放った言葉の刃。
その刃が今はウンギの胸を貫いています。
自分がしてしまったことに苦しむウンギ。



そしてジェヒも。

苦しみに耐えられずにいました。




 




失ってしまうかもしれないマルに、会いに行くことすらできないジェヒ。

部屋で一人嗚咽します。










その時かかってきた電話。

相手はアン弁護士でした。












「一度だけ言います。よく聞いてください。すべてはテサンを手に入れようとした私の野望から始まりました」







突然の言葉に、戸惑うジェヒ。何の話かと尋ねます。言葉を続けるアン弁護士。


「私が手に入れたかったのは、ハン・ジェヒではなく、テサンです。ハン・ジェヒは何も知らなかったし、アン・ミニョンに利用されたんです。だから私がソ会長を死なせ、ついにはソ・ウンギも」


驚いて立ち上がるジェヒ。


「なにをするつもりなの?! アン・ミニョン!」









『私がテサンを手に入れるのに決定的に邪魔になるので、ソ・ウンギまで亡き者にしようとしたんです』


ジェヒはアン弁護士を落ち着かせるべく、話をしようと言いますが、アン弁護士にジェヒの言葉は耳に入りません。


『もし警察に聞かれたら、そうお答えください。戸惑ったり、間違えたりせずに』


受話器の向こうでジェヒが叫ぶ中、アン弁護士は電話を切ります。
アン弁護士が前方に見据えているのは、ウンギでした。


ジェヒは急いでウンギに電話をかけますが、ウンギはジェヒからの電話に出ません。









何度かけても電話に出ないウンギ。

ジェヒは絶望にかられます。












マルの病室に戻ってきたチェギル。

チョコは友だちと旅行に出かけ、連絡が取れないと嘘を言います。

それならそれでよかったとマル。
知れば心配するだろうから、と。










ウンギとは会えたかとチェギルが尋ねます。
聞き返すマルに、さっき病室に上がっていくのを見たと答えるチェギル。












嫌な予感バリバリです。
・・・・・・あ、私の話です。





とぼとぼと歩くウンギ。

今朝のマルを思い出しています。

誰にも見つからない場所に二人で逃げようと言ったマル。
マルの手を払い、嫌だと答えた自分。
うつむいたマルの顔。










ウンギは立ち止まると、突如きびすを返し、今来た道を猛烈に走り始めます。








そして、やはり外に飛び出していたマル。

ウンギを探しています。


















信号の向かい側に、今にも泣き出しそうなウンギを見つけるマル。
















お互いの姿を確認しあいます。

















信号が変わり、嬉しそうに笑顔を見せながら足早に近づくマル。













その時。
マルの目が、愛しいウンギの背後から近づく男を捕らえます。


















ウンギに駆け寄り、抱きしめてウンギを庇うマル。



































マルのわき腹を刺したアン弁護士は、ちらりとマルを見ただけで無表情のまま信号を渡っていきます。
マルが自分の身代わりになって刺されたことに、まったく気づいていないウンギ。
突然抱きしめられ、感激したように涙を流します。


交差点で身動きが取れなくなったマル・・・・・・。






















・・・・・・最悪。
もう見れない。





一人決意を固めたジェヒ。

警察に自首すると電話します。









ウンギまでをも手にかけようとしているアン弁護士を止めるには、もはやこれしかないと覚悟を決めたのでしょう。




そしてマルとウンギ。

あろうことか、ベンチに腰掛けています。
必死に右手で刺されたわき腹を押さえているマル・・・・・・。









「何も言わずに出てきたから、ドクターが心配してると思うんだ。それに今日はなんだか疲れちゃって。話があるなら、明日にしない?」


言葉を搾り出すマル。
マルの言葉にウンギは戸惑います。明日が手術だと、ウンギはもう知っているのです。

「・・・・・・明日?」

「うん。明日。明日話そう」










って、そんな場合じゃないから!!!(怒!)



完全に血の気の引いたマルの顔。
ウンギはまだ、マルの異変に気づきません。

タクシーに乗り込もうとし、振り返るウンギ。

「一つだけ、聞いてもいい?」









だめ!!!(怒!)




痛みに耐えながら、ウンギに微笑むマル。

「いいよ」


「あの時、トンネルで、なぜ私を避けなかったの? 避けることも出来たのに、なぜ?」

マルが声を絞り出します。

「そうだな。どうしてだろう。思い出せないや」










今それ聞かなくても、よくない?!(怒!)




視聴者の怒りを読み取ったのか、タクシーの運転手さんが乗らないのかと怒ります。
意識も遠のきつつあるマル、早くウンギに乗るよう促します。


「それも、明日答えてあげる。一生懸命思い出してみるよ。
早く乗って。運転手さんが待ってる」

今にも倒れそうなマル。必死に笑顔を見せます。

タクシーに乗りかけたウンギ。

振り返ってマルに駆け寄ると・・・・・・。































殺す気なの?

マルを殺す気なの?

この脚本家はほんとにマルを殺す気なの?(泣)





警察で調書を取られるジェヒ。

アン弁護士を誘惑したのは自分だと供述します。
彼を操り、時に脅迫もした。彼は自分の命令に従っただけだとジェヒ。







「ソ会長の件も、パク弁護士の件も、すべて私の指示でした」

アン弁護士の罪をもかぶろうとするジェヒ。



「そして・・・・・・もう一つ告白することがあります」







「7年前のテサングループ・イム常務殺人事件、実は私がやりました。罪を逃れようと、カン・マルという人に、濡れ衣を着せました」


殺人の重大な告白を受け、刑事は弁護士を呼ばなくていいのかと確認します。
呼ばなくていいと答えるジェヒ。心変わりする前に、早く今の供述を書き取るよう伝えます。




そしてウンギとマル。






















「明日、朝一番に行くから」

名残惜しそうにマルと分かれるウンギ。
マルは気力を振り絞って平静を装います。

タクシーに乗り込もうとしたウンギが、再び振り返ります。

「私、それでも一つだけ、ハン・ジェヒに感謝してるの。
カン・マルに会わせてくれたこと」


















ふらつきながら車道に出て、ウンギを見送るマル。

刺されたわき腹を見ると・・・・・・。
















やめて。(泣)






息も絶え絶えの足取りで、病院へと帰るマル。

誰もいない道を歩くマルの、悲しいモノローグが流れてきます。














ウンギが尋ねた

なぜあのトンネルで車をよけなかったのかと

ウンギには思い出せないと答えたが

僕はその理由を正確に覚えている








あの時の僕は、世界と自分自身に疲れ切っていて

今生はこのまま終えても構わないと

そう思っていたように思う










そして

来世で必ずウンギに出会って

その時は誰にでも訪れるありふれた恋愛を

世界中の誰もがする平凡な恋愛を

新たに始めさせて欲しいと










神様にお願いしたんだと思う























月日は流れ・・・・・・。









7年後。

チョコは可愛い女の子のステージママになっていました。
娘のオーディションの準備にいそしむチョコ。

チョコとチェギルは結婚していました。
みんなで住んでいたあの家で、娘を育てながら暮らすチェギルとチョコ。

朝から幸せ一杯です。

















7年の歳月が流れ、すっかり新しくなったのは、チェギルとチョコだけではありません。










なんとジェシクが、まともな職についていました。
チキン屋の店長として働くジェシク。
会社の人に配るからと、チェギルがチキンのセットを30個も注文しています。

そこへやってきたヒョン秘書。
怒ったような顔で、なにかを取り出します。













「こういうものを渡してくれるなと、何度言ったら分かるんです?」

ジェシクが渡したラブレターに文句をつけるヒョン秘書。

「つづりも間違いだらけだし、何よりも“ヒョン秘書さま”って、なんですか! 
私の名前、知らないんですか!」


「知ってますよ。ジョンファさん」
平然と答えるジェシク。

「そんなに嫌なら、捨てますよ。捨てればいいんでしょ?」
そう言って手紙を丸めるジェシク。

持ってきた手紙をすべて捨てようとするジェシクと、そこまでしろとは言ってないと止めるヒョン秘書。
そんな二人を微笑ましく見守るチェギルです。


















そしてアン・ミニョン。

7年を経て、塀の外へ出てきました。









自分を迎えに来たのであろう、ジェヒの車を見つけます。

眠っているジェヒを起こさず、そのまま立ち去るアン・ミニョン。










すぐに気づき、追いかけようとするジェヒ。










そのジェヒをパク弁護士が止めます。

「そのまま行かせてあげてください」








「あれが、先輩が苦しんで出した答えなんです」


パク・チュナの言葉に頷くジェヒ。いつ出所したのかと尋ねられ、数ヶ月前と答えます。
ウンソクとはまだ会えてないのかと尋ねるパク弁護士に、簡単には許してもらえなさそうだと、寂しげに答えるジェヒです。

「それでもウンギとは、仲良くしているみたいです」と笑顔を見せるジェヒ。

パク弁護士も笑顔で応じます。

「ウンギとは毎日電話してるみたいです。ウンソクに好きな女の子が出来たらしくて、ウンギが熱心に相談に乗ってあげているそうですよ」









寂しげに微笑むジェヒ。

「ウンギに会ったら、ありがとうって伝えてください」



以前より美しい面差しのジェヒ。
その表情は寂しげです。

最近はどんなことを考えているのかと尋ねられたジェヒ、空の向こうに目をやります。

「あの山を、私一人で飛び越えられるかしら、って。そんなこと、考えてます」











そして。

とある港町。

女の子を背負って石段を駆け上がってくるウンギがいます。


















お腹を壊した女の子を、ウンギは保健所に連れてきました。









保健所の医師は別の町民を看に出かけていて、ちょうど留守とのこと。

女の子を看護師に任せ、ちょっと店に鍵をかけてくるとウンギは出て行きます。











テラスに並べられたテーブルと椅子。

止めてある白い自転車。


柔らかな日差しを浴びる、ウンギの店です。



鍵を閉めたウンギ。

別の自転車が止められているのを認め、再び石段を上がっていきます。












自転車は医師のものでした。

女の子を見る医師。

「急性腸炎だから、今日は何も口にしないこと。
ミョンジュ、すぐ良くなるからね」

低くて優しい声。




















マルでした。






「先生は、アメリカの大学に通ったんでしょう?」と女の子。

「うん。前も通ってて途中でやめたんだけど、病気をして大きな手術を受けたんだ。知り合いの教授がアメリカの大学で勉強するように手助けしてくれたんだよ」

二人の会話を、後ろで微笑みながら見守るウンギ。
医師はウンギにまだ気づいていません。

「そんないいところで勉強してきたのに、どうしてこんなところに来ちゃったの?」

女の子の質問に、マルが笑顔で答えます。


「別に、なんとなく。町もきれいだし、きれいな人も多いしね」








すかさず後ろから、自分をアピールするよう女の子に促すウンギ。










ウンギの意を受け、「きれいな人の中に、あのお姉さんも入ってる?」とマルに質問する女の子。

その問いに、マルが振り返ります。
















ウンギを凝視するマル。

「さあ、それはどうかな」

その答えにがっかりするウンギ。


女の子が言葉を続けます。

「ねえ、先生。みんなが先生のことを、昔大きな手術を受けたときに、記憶を全部なくしちゃったって言うんだけど。ほんと?」


頷くマル。

「記憶がないのに、どうやって医者になれるの?」

そう尋ねる女の子に、「記憶と学習して得た知識は別物なんだよ」と答えるマル。

「先生は、人に関する記憶がないんだよ。昔の知り合いとか、昔好きだった人とかね」













静かに二人の会話を見守るウンギ。



女の子が話題を変えます。

「それはそうと、先生。あのお姉さんのお店のサンドイッチ、本当にそんなに美味しいの?」

焦って女の子を止めようとするウンギ。マルは微笑み、なぜそんなことを訊くのかと尋ねます。

「だってみんなが、あのお姉さんの店のサンドイッチもクッキーも、全然美味しくないって」








マルが笑みを浮かべ、続きを促します。

「それで?」

「なのに先生は、あの店に朝も昼も夜も買いに行くでしょう? 本当に美味しいと思って食べてるの?」








笑みを浮かべ、おどけるマルです。







ウンギの店のテラスで、コーヒーを飲みながら新聞を読むマル。

ウンギは店の中から、マルを隠し撮りしています。

















撮られていることに気づき、険しい表情でウンギにカメラを持ってくるよう手招きするマル。

仕方なくウンギが出て行きます。























ウンギのカメラをチェックするマル。

呆れるほど、自分ばかりが映っています。














「なんなんです、これ? パパラッチですか?」

しぶしぶ答えるウンギ。

「似たようなもんです」

うなだれるウンギに、ちょっと顔を上げてみてとマル。

「僕に、気があるんですか?」

ウンギはマルを見据え、答えます。

「はい。かっこいい男が好きなんです。なんにでもすぐ感動しちゃう人間だし」

困ったような表情のマル。「いつから?」と尋ねます。









「はい?」

聞き返すウンギに、マルがもう一度尋ねます。

「いつから僕に気があったんですかって」

「結構前から」と答えるウンギ。

「結構前って、いつです?」とさらにマルが問い詰めます。

「もういいでしょう。これ以上恥かかせなくても」










むっとした表情のまま無言で店を後にするマル。

ばつが悪そうに髪を直すウンギ。

マルのモノローグが流れてきます。














そして

来世で必ずウンギに出会って

その時は誰にでも訪れるありふれた恋愛を

世界中の誰もがする平凡な恋愛を

新たに始めさせて欲しいと

神様にお願いしたんだと思う
















彼女について、知り合いに尋ねてみたり

時には彼女の家の前をうろうろしてみたり
















時には彼女の両親に気に入られようと

彼女の父親が好きな演歌を覚えて






(”外出しています。お急ぎの方は以下の番号に”)









囲碁も覚えて

なんでも美味しそうに食べる見せ方も覚えて
















時には彼女の好きなポップス歌手の歌も全部覚え

時には彼女がよく行く場所で一日中彼女を待ったりもして










会いたい時は会いたいと言い

恋しければ恋しいと伝え

ときめいては感謝をし










そんなふうに誰もがしているありふれた恋愛がしたいと

祈ったんだと思う





赤い小さな箱を取り出し、ウンギに渡すマル。



























マルはウンギと目を合わせません。

ウンギが箱を手に取り、開けます。

















驚いたウンギがマルを見つめます。

ゆっくりとウンギに顔を向けるマル。

流れるマルのモノローグ。











そして僕は、もう一度神に祈りをささげる










ありがとうございます











僕はいま、幸せです













(END)







マルーーーーーー!!(号泣)


ガッツポーズと涙のエンディング。
きました、私が夢見た荒唐無稽な! 荒唐無稽なまでの! 
荒唐無稽なまでのハッピーエンド!

もう、私的に満額回答です。
見てきてよかった。
みんなが幸せ、いいじゃないか! 私も世の中そうあって欲しいです。



7年前。

一人ぼっちで道端に倒れたマル。
でも助かったんですね。
ジェヒがマルに濡れ衣を着せたことを告白したために前科も消え、再び晴れて医学を学びなおすことができたマル。でもマルも、記憶を失ってしまいました。

そんなマルが最後ウンギに差し出した指輪。

あの指輪は、かつてマルがウンギに渡そうとしたカップルリングでした。

マル、ウンギを思い出したんですね。
記憶が戻ったくせに、ウンギにつれなくしてみたり。そのくせ毎食ウンギの店の美味しくもないサンドイッチを食べてたり。




もう既にマルに会いたいです。

世界のどこかにはいるでしょうか、マルとウンギ。

いたらいいなと。

そう思います。