みなさま、こんにちは。

本日も早速『チョンダムドンのアリス』第5話、まいります。

4話ラスト。

タミー・ホンに頭上から醤油をかけ、一発お見舞いしたスンジョ。

「新しい時計ウサギを探せ」と言われ戸惑うセギョン。

殴られたタミー・ホンを残し、逃げるようにスンジョは去っていきます。痛そうに手を振りながら。
・・・・・・さっきまでのかっこよさはどこへやら。(笑)

タミー・ホンはチャン社長に「2度も詫びる羽目になり、申し訳ありません」と頭を下げますが、チャン社長はむしろタミー・ホンに腹を立ててしまいました。

「アルテミスの社長に、もう少しで大失態を演じるところだった。人で食べている君なのに、感覚が鈍ったのか?」とチャン社長は出て行ってしまいます。

タミー・ホンのところの女性職員も、今回は人を見誤ったのではと言います。

一方、セギョンを探し回るスンジョ。
どこにもセギョンは見当たりません。
セギョンに電話をしますが、留守電に繋がってしまいます。

セギョンは、パーティー会場に戻っていました。

このままでは終われないと、タミー・ホンの元にやってきたセギョン。

現れたセギョンにタミー・ホンは驚きます。

謝りにきたものとばかり思ったタミー・ホンは、「謝ってもらいにきました」の言葉にさらに驚きます。

「私のことをアルテミスの会長がデザイナーとして推薦したと聞きました。それが気に入らなかったのなら、断ればすむこと。私をあんなふうに扱ったことについては、正式な謝罪を受けるべきだと思います」

タミー・ホンは今日のセギョンの印象について振り返ります。

「ハン・セギョンさんは今日、会場に入るや否や誰かを待つかのように入り口で10秒ほど待っていましたね。待つ人もいないのに。そして、私が紹介したお客様のことを詳しく知っていた。もちろん歴史、野球、ドラマ、果てはコスタリカの幸福指数まで、知っていることはありえますよ。でもその全てに一人の女性が関心を持つケースは、稀です」

「なんのことか・・・」

セギョンは口を挟みますが、タミー・ホンは言葉を続けます。

「そして、ハン・セギョンさんがずっと意識していいたのは、僕でした。ですよね? なぜ僕に? アルテミス・コリアの会長がパトロンなら、僕によく見せる必要などないだろうに、一体、なぜ?」

「アルテミス会長と先生の関係を考えて決着をつけにきたのですが、謝るつもりはないのですね。もう帰ります」

去ろうとするセギョンをタミー・ホンが呼び止めます。

セギョンをじっと見つめるタミー・ホン。

「そういうことか。目を見たら分かりました。本当にごめんなさい。心からごめんなさい。僕が誤解したみたいです。パトロンが欲しいんだろうなんて、侮辱でした。
ハン・セギョンさんはチョンダムドンに入りたいんですね?」

本心を見抜かれ、ぎくりとするセギョン。

「そういうことか。どうします? もう僕にばれちゃったけど」

ますます困惑するセギョン。

セギョンはタミー・ホンを見つめ、私の目に何が見えるのかと尋ねます。
欲望と答えるタミー・ホン。

「怒り。挫折。そういうものは見えませんか?」
セギョンは真剣にタミー・ホンを見つめます。

会場を後にするセギョン。
失敗したと落胆します。

「見誤ってなどいない。数年前の誰かに似ている」と職員につぶやくタミー・ホン。

セギョンは慣れない靴で歩き、バランスを崩した拍子にヒールのかかとを折ってしまいます。

寒い中、裸足で歩くセギョン。ベンチに座り込みます。
その姿をようやくスンジョが見つけます。

セギョンに近づくスンジョ。

電話に出ろよなとぶつぶつ文句を言います。

まさか、探していたのかとセギョン。
スンジョは怒りながらまくし立てます。

「これ秘密ですけどね、ほんと会長にむかついてるんですよ。なんで秘書にこんなことまでさせんだよ」

いきなり切れられ、怪訝な顔のセギョン。

スンジョはセギョンをどこかに連れて行きます。
行った先はアルテミスの夫人靴売り場でした。

セギョンに新しい靴をはかせ、紳士服コーナーにつれてきたスンジョ。

洋服について語りだします。

「シャツがもともとインナーだったのは知ってますよね? 18世紀までは上着を汚さないために着るものだった。だから素材は基本的に綿100%でないといけない。色はベーシックに白とブルー」

「急になんなんですか?」
セギョンは不満そうな声を上げますが、スンジョは構わずスーツや靴の基本について話を続けます。

苛立ったセギョン、再びなんなのかと尋ねますがスンジョは今度は時計やベルト、ネクタイ、カフスなど、アクセサリーについて講釈しようとします。

怒って帰ろうとするセギョンに、構わず話し続けるスンジョ。

「身長182センチ、足の大きさ28センチ、体重71キロ。好きな色はグレー、ブルー、ホワイト。好きな素材、リネン、コットン、スウェード」

背を向けたセギョンの後ろから、なおもかぶさるスンジョの声。

「名前、ジャン・ティエル・シャ。職責、アルテミス・コリア会長。ハン・セギョンさんがスタイリングする顧客です。やってみます?」

名刺を差し出すスンジョ。
セギョンは呆気にとられています。

「ジャン・ティエル・シャ会長がハン・セギョンさんをプライベート・スタイリストにとお望みです」

なぜ自分なのかと尋ねるセギョンに、会長が今日のことを知ったからだとスンジョ。
今もハン・セギョンさんを助けたいと思っていると付け加えます。

「理由は私にも分かりません。会長はハン・セギョンさんの略歴もご覧になりました。お気に召したようです。どうします? やるつもり、あります?」

答えられないセギョン。

勿論荷物も運ばなきゃ行けないし、あちこち走り回らなければならないだろう。

でもそれは、小間使いではなく、スタイリストとしての仕事だとスンジョ。

そして一番大事なのは、会長の好みに合わせていくうちに、物の見る目を養える点だと。

こういうことがやりたかったのではないのかと尋ねられ、今日は会長の名誉を傷つけるような出来事もあったのにと、セギョンは戸惑いを隠せません。
自分などと関わらない方が会長のためでは、と尻込みするセギョン。

それを聞き、「あなたも会長のような人は初めてだと言いませんでした?」とスンジョ。

他の人なら喜んで引き受ける。何ならこの機を利用するくらいの勢いなのに、せっかくの幸運をつかもうとしないのは、あなたの病気だとは思わないかと言われ、衝撃を受けるセギョン。

「なぜ自分の人生にはこういうことは起きないと思い込んでるんです? チャンスですよ。つかみなさいよ」

その時脳裏に浮かぶ、ユンジュの声。

『新しい時計ウサギを探すのよ』

セギョンは目線を上げ辺りを見回します。

セギョンを帰したあと、しょんぼり座っていたさきほどの姿を思い出し、胸を痛めるスンジョ。

一方のセギョンも、家に帰り今日一日の出来事を思い出していました。
タミー・ホンに侮辱されたこと。
チョンダムドンに入りたいのだろうと言われたこと。

セギョンはユンジュの日記を開きます。

目に飛び込んでくる文字。

『急ぐな。ただし、チャンスが訪れたら、すぐにつかめ』

『自分をさらすな。ただし、真心は全て見せろ』

「”時計ウサギも人間”」と日記を読むセギョン。

「”誰かを時計ウサギにするということは、単なる利用ではなく、その人の心を得るということである”」

スンジョにもらったアルテミス会長の名刺を見つめるセギョン。

翌日。

スンジョに会い、スタイリストを引き受けるとセギョンは答えます。
GNでの勤務が午後3時までなので、会長のスタイリストとして午後4時からパートタイムで働くことに決まります。

何からすればいいのかと尋ねられ、スンジョは2週間後にアルテミス主催のクリスマス・パーティーがあると告げます。会長就任後、初めて参加するパーティーのスタイリストをやってくれとスンジョ。

セギョンはパーティーのコンセプトを尋ねます。

スンジョはフランス語で「パリ」と気取って答えますが、「パリって言っても、どんなパリですか?」と聞き返され、しどろもどろに。

「そうだな、”ダイナミック・パリ”?」「”ハーイ、パリ”?」と手を振りながら意味不明なことを言うスンジョ。

呆れたセギョン、何をそんなに楽しそうにしているんだ、自分は真剣なのにと不満を露わにします。
「キム秘書の言うとおり、この幸運をどうするかに私の人生がかかってるんです。いい仕事をして、会長にいいところを見せたいんです」とセギョン。
可能なら、パーティーの資料も全部渡してくれと真剣です。

「分かりましたよ。何かっていうと、すぐマジになるんだから」とぶつぶつ言いながら、またもや妙なしぐさをするスンジョ。

・・・・・・客観的にはただの変な人ですよね。(笑)

セギョンはスンジョに構わず、会長にはいつ会えるのかと尋ねます。

会長には会えないとスンジョ。
外国にいるのかと問われ、「会長はハン・セギョンさんに絶対会いません」と告げます。

「会わずにどうやってスタイリングを?」と驚くセギョン。
心の中で、時計ウサギに会えないなんてとつぶやきますが、会長は人に会うのが大嫌いなので自分を雇っているのだとスンジョ。

会長のことは、自分に聞けば詳細に教えてあげると言います。

「このパーティーが人前に出る最初のパーティーなんですよ。人前に出るのを異常に嫌がるんです。病気なんだよ、病気」

恨めしげにスンジョをみるセギョンに、ネットで検索したところで会長の写真は一枚もでてこないとスンジョ。

セギョンはネットを調べてみますが、確かに検索をかけても会長のイメージは一向に出てきません。

検索の達人、アジョンも動員して調べますが、結果は同じです。

年は若いが、未婚かどうかまでは分からないとアジョン。

会社でのイメージを尋ねるセギョンに、アジョンは悪魔のようだと答えます。
売り上げについての厳しさは、歴代で一番だと。

一方アルテミス本社では。

パーティーのコンセプトを聞かれ「パリ」と答えたムン秘書が、どんなパリかと突如スンジョから大目玉を食らいます。

資料にはパリとファッションの歴史について講師を招いて語り合うと記されていました。
招待客はVVIPの顧客。

スンジョは満足げに進行の企画案や講師のプロフィールを持ってくるよう指示します。
合わせてパーティー資料を全て持ってくるよう指示するスンジョ。

あれほど出たがらなかったのに、なぜ急に興味を持ったのかと尋ねられ、VVIPとの大事な場に出たがらないはずがないだろうと大声を上げるスンジョ。
ムン秘書をびくつかせると、資料に目を通してにやけます。

こんな上司がいたら大変です。(笑)

セギョンの家では。

遊びに来たアジュンに、引き取ってもらえる家具がないか尋ねるセギョンの母。
家具や持ち物を整理しているようです。
セギョンの妹は、絶対にバッグを手放さないと頑張り、父と揉めています。

そんな中、諦めきれずにまだジャン・ティエル・シャのイメージをネットで探しているセギョン。アジュンは呆れます。

タミー・ホンやらジャン・ティエル・シャやら、一体どうしたのかと尋ねられ、詳しいことはそのうち話すとごまかすセギョン。

そしてスンジョは。
トンウクの元を訪れ、スタイリストとして非正規職のセギョンを雇ったと伝えます。

「劣悪な環境で働いている人を助けるのは、いいことだろう? やっているうちにハン・セギョンも物を見る目を養えるだろうし、いいデザイナーになれるかもしれないし、こういうのがまさしく社会への還元であり、ノブレス・オブリージュ(位高ければ徳高きを要す)さ。」

吹き出すトンウク、「楽しいか?」と尋ねます。

「ヒーリング、楽しいか? 嬉しそうだから聞いてるんだよ」

「実は知りたいんだ」とスンジョ。

「なにを?」とトンウクは前のめりになります。

「女か? それぞまさしく・・・」
トンウクの言葉を遮り「自分について」と答えるスンジョ。

「自分のことが知りたいんだ。完全に閉ざしたと思っていたけど、ちょっと開きつつあるようにも感じるし」

「なにが開きそうなんだ?」と尋ねるトンウクに「俺の心」と真面目に答えるスンジョ。

トンウクは嬉しそうに見つめます。

「どこまで開かれるか、知りたいんだよ」と静かに答え、寂しげに笑みを浮かべるスンジョです。

そしてセギョンは、ユンジュの日記で勉強中でした。

「“この世で一番難しいのは、人の心をつかむこと。人の心をつかむということは、その人が私を信頼しているということ。そして信頼とは、常に疎通によってもたらされる。疎通とは、共感である。共感は情緒からもたらされる。そして情緒には、真心がこめられていなくてはならない”」

「信頼」「疎通」「共感」「情緒」とキーワードを繰り返すセギョン。

ため息をつき、「なんにしろ、会わなきゃ始まらないじゃない」と独りごちます。

一方タミー・ホンのブティックには、スンジョの父が来ていました。
タミー・ホンの話を聞き、ジャン・ティエル・シャは好き嫌いがはっきりしているので、女を囲うような真似をする男ではないと断言します。
なぜ彼のことにそこまで詳しいのかといぶかしむタミー・ホン。

なぜジャン・ティエル・シャと女について調べているのかと尋ねられ、屈服させるためと答えるチャ会長です。

チャ会長が去ったあと、デパートへの入店を断られたからではないかと言う女性職員。
そんなことなら、他のブランドにも同じことをやる筈だとタミー・ホン。
感情的な何かがあるのか、あるいは昔の因縁でもあるのではないのではないかとタミー・ホンは推測します。

「待てよ。ロイヤルグループには、息子がいたはず」

チャ会長の家族関係証明書を職員に用意させるタミー・ホン。

一方スンジョは。

やってきたセギョンに、会長がどんなタイプのスーツが好みかを売り場で直接見せます。
熱心にメモを取るセギョン。
ICレコーダーで録音すればいいのに、やることなすことダサイとスンジョはぶつぶつ言います。携帯を取り出し写真を撮るセギョンに、携帯まで古いと再三茶々を入れるスンジョ。

他の女たちはローンを組んでまで新しい物を買うのに。だから見る目がダサイのだとNGワードを口にし、セギョンに睨まれ固まるスンジョ。

めちゃめちゃ一生懸命でよろしいと言いなおします。

からかわれ怒ったセギョン、会長に会いたいと強力に訴えます。
体の寸法を測らせろ。
スタイリストにそんなこともさせないなんて、私の仕事に対する侮辱だとセギョン。

自分が測るので測り方を教えろとスンジョ。

セギョンは渋々測り方を指南します。

測られながら嬉しそうなスンジョ。背中、腕、胸囲を測られ、くすぐったそうに身をよじります。

首周りを測るので身をかがめるよう言われるスンジョ。
顔が近づきドキドキしてしまいます。高鳴る心臓の鼓動。

「指一本くらい入るゆとりを」と言いながら首周りを測り続けるセギョンの声が、のぼせた頭にぼんやり聞こえてきてしまいます。

一度やってみるよう言われ、ヘラヘラとセギョンの動作を真似します。

・・・・・・。
絶対ただの変人です。(笑)

打ち合わせを終え、スンジョはセギョンを食事に誘いますが、資料を会社においてきたのでとつれないセギョン。

笑顔で見送るスンジョと対照的に、会長に会えず落ち込むセギョンです。

その頃ユンジュはギャラリーに義母といました。

ユンジュは義母からイナの縁談をすすめていると聞かされます。
あの子が結婚するからと言ってGNファッションがお前のものになるわけではないと義母。きょうだいの仲を裂くわけにいかず、お前のことを認めたのだと厳しい言葉を口にします。
タミー・ホンに絵画を持っていくよう指示する義母。
イナの縁談をユンジュに任せると言われ、感激するユンジュです。

一方GNでは。
アルテミスとのコラボの件の進捗状況を確認するシン会長と妹のイナ。
コラボの件で広報がアルテミス会長へのインタビューを依頼しているとの言葉に、駄目元で先方の広報に伝えるとイナは答えます。

縁談について聞いているだろうとシン会長。
興味を示さないイナ、まずは仕事と答えます。

笑顔でGNにやってきたユンジュ。

イナににこやかにおめでとうと声をかけます。
「お義母様から話は聞きました。煩わせることなく、最大限手伝わせてもらいますから」
その言葉に、イナは冷ややかです。

夫の元へ行き、義母と交わした話を報告するユンジュ。この件をちゃんとまとめ、夫のGNでの立地をしっかり固めるからと嬉しそうです。

エレベーターでユンジュは浮かない顔のセギョンに遭遇します。

「タミー・ホンに醤油をかけたんだって?」とユンジュ。
自分はかけられたほうだと答えるセギョン。
ユンジュは楽しそうに笑い出します。

「確かに彼が醤油をかけられた筈だけど、あんたじゃなかったのね」とご機嫌です。

「とにかく、あんたとの取引はこれで終わりよ」とユンジュ。
最初に言ったとおり、自分がしてあげられるのは日記と時計ウサギの紹介がすべてだと言います。

「その代わり、友だちとして、もう一つだけ忠告してあげる。
あんたがやめないつもりなら、この先3度の危機が訪れるわ」

「努力が自分をつくる」とフランス語をそらんじて去っていこうとするユンジュに、セギョンはユンジュの時計ウサギは誰だったのかと投げかけます。
「そして時計ウサギの心は、どうやって開いたの?」

その質問にユンジュは顔をこわばらせます。

6年前、パリ。
スンジョの父と向き合うユンジュ。

「提案がある? 3千万ウォンで駄目なら、いくらならいいんだ?」

その言葉に、ユンジュは小切手の入った封筒を戻しながら答えます。

「提案は、2つあります。一つ目は、ここで学業を終えさせてください」

ユンジュは二つ目の提案に、韓国に戻ったらチャ会長の名前で紹介状を書いて欲しいと続けます。

韓国の上流階級と縁が出来る場所への紹介状をユンジュは頼んだのでした。

かつてを思い出すユンジュ。
紹介された先は、外部に知られていない秘密のブティックだったとユンジュはセギョンに話します。
そのブティックで必死に働いたとユンジュ。
やってくる奥様方のバッググラウンドを調べつくし、何も言われなくともその人が何を望んでいるのかを把握しているとアピールするのがポイントだったと。

そのうち、ある奥様から私用を頼まれるようになったとユンジュ。今セギョンにやらせていることを、かつて自分もしていたと明かします。

「その家に行き来しているうちに、その家に息子が一人いるのを知ったの。離婚歴のある、いい年をした息子」

「そう、今の夫よ。そしてその奥様というのが、私の義母。
その後も簡単ではなかったのよ。
大事なのは、その紹介状がチャンスを与えたということ。
あの人たちは外を出歩かない。自分が定めた半径の外には、絶対に出てこない人たちなの。私たちみたいな女は、生涯そういう人たちに出会うことすら難しいのよ」

その言葉に頷くセギョン。

時計ウサギの心をどうやって開くのかを聞くところをみると、もうそういう人を探したのかと尋ねられ、確かにいるのだが会えないとセギョンは答えます。

笑い出すユンジュ。

「あんたが出会えると思ったの? 上流階級の人はそうなの。簡単に会えないのよ」

そうじゃなくて、本当にいるのに会えないのだとセギョン。

なぜ会えない人を時計ウサギに選んだのかと尋ねられ、確かに上流階級の人で、理由は不明だが自分によくしてくれ、仕事までくれたのだとセギョンは答えます。

そこまでしてくれているのに会えないとはと不思議がるユンジュ。

その人の秘書には会えるとするセギョンに、ユンジュはまずは秘書を自分の味方にするようアドバイスします。

「二つ目。情緒の攻略。
人に会いたがらない人は、センチメンタルな人だったり、個人主義の人なの。つまり、傷つきやすい人か、人に傷つけられたことのある人なのよ。
だから、相手がプレッシャーを感じることのないように、粘り腰で、密かに進めること。
その人のちょっとした気分をあんたに示してもらえる方法を考えて。
そうやって習慣のように浸透させるのよ」

顔も見れないのにどうやってとセギョンは聞き返しますが、疎通は顔を見なくてもできると言われ、納得します。

「誰なの? 私が手伝えそうな人なら助けてあげる」

口を開きかけたセギョン、口をつぐみます。

「やめとく。あんたの日記に書いてあった。『200%自分の味方じゃない限り、むやみに打ち明けるな』』

セギョンにしてやられるユンジュです。

セギョンは家に帰り、デザインを書きながらユンジュのアドバイスを思い出しています。
どこかに出かけるセギョン。

セギョンに会うのが楽しみなのか、スンジョはオフィスで微笑んでいます。

セギョンとの打ち合わせを終えたスンジョが前回同様食事に誘うと、セギョンは自分が美味しい物をおごるといいます。

車に乗り込む二人。ご機嫌に運転するスンジョ。

質問を100問用意してきたセギョンは、会長に答えてもらって欲しいと頼みます。
住んでいる場所などの基本情報のほかに、他人からなんと言われることが多い人なのかや、最近よく会う人、会長にとって愛とはなにかなど、質問は多岐に及んでいます。

スタイリングのためにそんな情報まで必要なのかと尋ねられ、会長について全て把握してこそ完璧なスタイリングが出来るとセギョンは答えます。
カリスマと言われることが多いのか、シックと言われることが多いのか、普段はどんな人とどんな場所で会うことが多いのかといった情報を知ってこそ、性格やTPOにあわせてスタイリングできるのだと。

質問が100個もあるのかとスンジョは呆れますが、これでも減らしたとセギョン。
カメラを差し出し、ドレスルームの写真も所望します。
どんな服を持っているのか知りたいとの言葉に、少しは息を抜いたらどうかとスンジョは呆れ顔です。
セギョンがどんなものをご馳走してくれるのか楽しみで仕方ないスンジョ。
行き先を聞き、ハンドルをグルグル回すフリをしながらはしゃぎます。

一方タミー・ホンは。

女性職員からロイヤルグループの息子に関してかつて流れていた噂について聞かされます。
20歳の時にアメリカに渡って以来行方不明。
麻薬で廃人になったという噂や、精神科の病院に入院しているとの情報もあると女性職員。

もうすぐチャ会長の家族事項をファックスで送らせる手筈になっていると報告します。

そこへやってきたユンジュ。

義母に頼まれた絵画を渡しながら、イナの縁談をよろしく頼むと言います。

必ず成功させてくれと言われ、タミー・ホンは努力中と答えます。

相手がアルテミス会長と聞かされ、驚いて手に持っていたカップを落とすユンジュ。

その足で弟のもとへ向かうユンジュ。
話を聞き、ユンジュの弟ホミンも驚きを隠せません。
ユンジュの弟は、心配かけまいと黙っていたが、チャ会長のプロジェクト1号店にこの店が選ばれ、先日もチャ会長と顔を合わせたばかりと言います。

チャ会長の指示で新しいパン職人も就職させたとユンジュの弟。
みるとそれはセギョンの父でした。

震えながら店を出るユンジュ。

話それますが。
このドラマのスポンサーであるパリバケット。
イートインできるパン&カフェのチェーン店で、このお店も思いっきりロゴを出していますが。

むしろイメージダウンになりはしないでしょうか?(笑)

一方タミー・ホンのブティックには。

母が進めている縁談から手を引くよう伝えにきたシン・イナ。
ジャン・ティエル・シャは所詮サラリーマンに過ぎない。自分はGNを大きくするために流通業界に関心があるのだと伝えます。

デパートの御曹司を望んでいると知り、調べておくと約束するタミー・ホン。

イナが帰ろうとした時、頼んでいたロイヤルグループの家族事項がファックスで入ってきます。
イナを呼びとめ、ロイヤルグループの息子はどうかと持ちかけるタミー・ホン。

その人は精神科に入院しているのではと聞き返すイナに、もしそれがジャン・ティエル・シャだったとしたらどうかと言葉を続けるタミー・ホン。
確立は50%とするタミー・ホンに、75%までになったら連絡してくれ、あとは自分で確かめると伝え、イナは去っていきます。

チャ会長の住民票を見つめるタミー・ホン。

チャ会長とアルテミス会長の名刺を見比べながら、ロイヤルグループの息子チャ・スンジョのチャはジャン・ティエル・シャのシャではないかと推測します。

そしてセギョンは、女子大のキャンパスにスンジョを連れて行きます。

なにやら足音をしのばせ、こそこそと進むセギョン。

やたらと物陰に隠れます。

・・・・・・何のプレイ?(笑)

着いた先は学生たちの作業室でした。

セギョンはつくりかけのぬいぐるみを手に取ります。
笑顔、悲しみ、怒り、喜びなどを表したぬいぐるみ。

これを会長に渡し、会長の日々の気分をぬいぐるみを通じて教えて欲しいとセギョンは頼みます。
会長のような立場の人は、状況に応じてスタイルを演出する必要があると思うとセギョン。
役員会議がある日などはカリスマを感じさせる必要があるだろうからと、ぬいぐるみを手に「これがベストですか?」と「シークレットガーデン」のジュウォンの真似をしてみせます。

次々とぬいぐるみを見せるセギョンにいいアイデアだとスンジョも応じます。
ファッションに感情をこめるということだねとスンジョ。

本当は会長からその日の気分を教えてもらいたいのだが、直接答えてもらうわけにはいかないのかと泣き顔のぬいぐるみをかざすセギョンに、思わず伝えてみると答えるスンジョです。

ふとスンジョの目に留まった何本ものペットボトル。
ペットボトルの液体を水と間違え、スンジョはベンジンを口にしてしまいます。

・・・・・・普通、キャップを空けた瞬間気づきますけどね。(笑)

かくして病院に運ばれるスンジョ。

セギョンはキム秘書の名前を確認するため、ムン秘書に電話します。
キム秘書の名前を教えてくれといわれ、会長を指していると気づくムン秘書。
救急で手当てを受けていると聞き、驚いて立ち上がります。

一方、スンジョが運ばれてくるのを目撃した看護師も、トンウクに友人が運ばれてきていると知らせます。

眠っているスンジョの携帯が鳴り、音を消そうと静かに取り出すセギョン。
タミー・ホンからのメールを読んでしまいます。

『醤油をかけられたタミー・ホンです。
明日会長にお目にかかり直接お詫びしたいのですが』

文面を見たセギョン、もしやユンジュが言っていた、タミー・ホンに醤油をかけたという人は、スンジョのことではないかと思い当たります。

セギョンの顔を見て、タミー・ホンにやられたのかと怒っていたスンジョを思い出すセギョン。

なぜキム秘書がと不思議に思うセギョン。
その時スンジョが唐突に目を覚まします。

ベンジンを飲んだと聞かさ、俺になんてものを飲ませてくれたんだと怒り出すスンジョ。
体は大丈夫なのかと大袈裟に大騒ぎします。

そうでした。
4話のラストがあまりにかっこよかったので忘れてましたが、スンジョのあだ名は찌질이/チジリ=ガキンチョでしたね。(笑)

大騒ぎ中のスンジョの目に、突如飛び込んできたトンウクの姿。

トンウクを黙らそうと、大声で「ジャン・ティエル・シャ会長の秘書、キム・秘書です」と連呼するスンジョ。わけの分からないトンウク。

セギョンにもアルテミス会長の知り合いの医師だと紹介します。

自己紹介するセギョンに、口裏を合わせて会長の知人だと答えるトンウク。

ところが今度はムン秘書が登場してしまいます。

スンジョはまたもや大声で駆け寄り、ムン秘書に喋る隙を与えません。
セギョンが看護師と話している間に、自分と口裏を合わせるようムン秘書を威圧するスンジョ。

とにかくムン秘書を帰らそうと、頭まで下げて部下のフリをするスンジョ。

ムン秘書を帰らそうとしたところへ、今度はお抱え運転手。
スンジョを家に送らせようとムン秘書が呼んだのでした。

運転手とムン秘書をどうにか追い返すスンジョ。
ふらふらしながら病院を後にします。

スンジョは家に送るというセギョンを連れ、ぬいぐるみを取りに大学に戻ります。
明日自分が持って行ってもよかったのにというセギョンに、せっかく徹夜で頑張ってつくってくれたのだから持っていくとスンジョ。
嬉しそうにぬいぐるみを箱に詰めるスンジョの横顔を、セギョンも嬉しそうに見つめます。

セギョンは名前を尋ねます。
スンジョと答えるスンジョ。

「キム・スンジョです」

箱を抱え、家に帰ろうとするスンジョを呼び止めるセギョン。

「もしかして、あの日・・・・・・」と口を開きますが、聞き返され、なんでもないと答えます。

「話しかけといて」と笑うスンジョ。

去ろうとするスンジョを再び呼び止め、しばらくスンジョを見つめるセギョン。

何か言いたいことでもあるのかと尋ねられ、静かに「ありがとうございます」と口にします。

その言葉に、笑顔がこぼれるスンジョ。

「やっとありがとうって言ったね」とスンジョ。

「でも、なにに?」

セギョンは「ただ、なにもかもが、ありがたいんです」と答えます。

優しいまなざしでセギョンを見つめるスンジョ。

笑顔で見つめ返すセギョン。

嬉しそうにみつめあう二人で、ラスト。

うーん。
なんなんでしょう、このドラマ。
なんかウルッとくる。

編集的に「スンジョ、二日続けて同じ服??」な場面があったり、ベンジンを水と間違えて飲むなどというリアリティナッシングな場面もあるのですが(笑)、そんなこんながありつつも、なぜかウルッときてしまいます。

PR広告


全編に流れる優しい感じに、ほだされますね。

変人だけど優しいスンジョと、頑張り屋で賢くて、人の優しさをちゃんと受け取れるセギョン。

なんだかそれだけで胸いっぱいです。

もしや私、いまドラえもんを見ても泣く状態なのでしょうか?(笑)

不思議な魅力のドラマです。