みなさま、こんにちは。

毎日本当に寒いですね。

『チョンダムドンのアリス』9話、早速まいります。

8話ラスト。

視聴者の心を凍てつかせた駐車場の告白場面から9話は始まります。

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実は自分はジャン・ティエル・シャなのだと告白するスンジョ。
初めて聞くかのようなフリをするセギョン。
スンジョはセギョンに隠してすまなかったと詫びます。
心の中で騙してごめんなさいと詫びるセギョン。

「僕は、悪い男です」

(私は、悪い女です)

「すぐ話すべきだったのに」

(すぐに全て話せばよかったのに)

「僕はそういうやつなんです。自分の心も信じられないし、他人のこともあまり信じられないんです」

(私のことは信じてるんですか?)

交互に重なる二人の告白。

スンジョは告白を続けます。

「でももう信じます。セギョンさんの心。そして僕の心を。僕はセギョンさんが好きです」

(私もです。私も、本当に、好きです)

セギョンが書いた手紙を取り出すスンジョ。
その姿を後ろから見つめる者が。

タミー・ホンです。

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って、至近距離すぎ!!

ギャグ?!
なんですか、この距離の近さ?!(笑)

開始3分で登場する、まさかの爆笑シーンでした。

セギョンが書いた手紙を読んで、本当に嬉しかったと素直に伝えるスンジョ。
スンジョの言葉を聞き、呆れて首を振るタミー・ホン。
セギョンは心の中で詫びると、「混乱してます。会長と私では、あまりに遠いので」と言い残し、スンジョを置いて去ります。

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スンジョが思わずセギョンの手を取るも、冷たく振り払って去っていくセギョン。

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スンジョを傷つけ、そんな自分に傷つくセギョン。
聖堂に吸い寄せられるように入っていきます。

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スンジョにキスされ心が揺れた日のこと、キム秘書とは働けないと冷たく伝えた日のこと、キム秘書がジャン・ティエル・シャであることを知らされた日のこと、またキャンディに戻ればいいといわれた日のこと、たった今演技で混乱していると伝えたことを、セギョンは涙を浮かべながら思い出します。

手を合わせるセギョン。

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「一度だけ許してください。お分かりでしょう? ただ一度だけのつもりで、悪いことをしました。二度とあの人を傷つけるような真似はしません。いけないことをした分だけ、あの人に尽くします。
だから、お願いです。あの人を好きでい続けさせてください」

涙を流しながら、心で祈るセギョンです。

肩を落として会社に戻るスンジョ。
スンジョを心配したトンウクがやって来ていました。

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セギョンに遠く感じると言われたと伝えるスンジョ。
トンウクは意外にも落ち着いているスンジョに気づきます。
告白を受け止めてもらえなかったのに、不安にならないのかと心配するトンウク。

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「俺が会長と知った途端受け入れたら、不安になったと思う。でもハン・セギョンはただ悲しそうだった。その瞬間見えたんだ」

怪訝な顔で「何が?」と尋ねるトンウク。
スンジョは立ち上がり、やることがたくさんあると勢いづきます。

「何をすべきかがダーッと見えて、うまくいきそうな予感がガンガンきた!」

驚いたように笑うトンウク。

「そう。この気分がなんなのかわかる。あの時もそうだったんだよ。ソ・ユンジュが俺を捨てていった時。あの時も何をすべきかはっきり分かったんだよ。成功して復讐するんだって。俺はあの時既に分かってた。必ず成功するってことを。そして今も分かる。あ、一つだけ違った。あの時は、地獄の気分だったけど、今は違う」

嬉しそうなスンジョをよそに、トンウクは心配そうな表情を浮かべています。
何をするつもりかと尋ねられ、「焼酎を買いに行く」と答えるスンジョ。

上機嫌のスンジョはコンビニで焼酎とつまみをしこたま買い、その足でセギョンの住む家に向かったのでした。

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セギョンのいない家に上がり、いきなりおじきをするスンジョに、家族は何事かと戸惑いを隠せません。

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「お母様。お父様。僕はセギョンが好きです。でも、振られました」

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いきなりの展開に戸惑いながらも「なぜ?」と尋ねるセギョンの父。

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「なぜなら、実は僕はキム秘書ではありません。キム氏でもありません」

もしかしてうちと同姓同本なのかと尋ねるセギョンの父に、そうではなく氏はシャなのだと答えるスンジョ。

「私はアルテミスコリアの会長で、名前はジャン・ティエル・シャです」

ちょっとそれますが。
ここはあれですね。
韓国は長らく同じ姓で同じルーツの者同士の結婚を禁じていたので、そのことを指してますね。
キムだと安東や慶州など、自分の家系のルーツが色々あるのですが、同姓同本の人たち同士は結婚してはいけないと2005年まで法で定められていました。同姓同本の人を好きになったら泣いて諦めるというのがかつては当たり前でしたので、法が禁婚を解いてもいまだに習慣的に嫌う人は多いです。
日本はいとこ同士の結婚が許されているので、ここは大きな違いですね。
このシーン、日本で商品化する際にどう訳すのか気になるところではあります。(笑)

そんなことになっているとは露知らぬセギョン、浮かぬ顔で帰宅します。
門を開けようとした瞬間、セギョンを呼び止める声。
タミー・ホンでした。
「セギョンさんのですよね?」と言いながら携帯電話をかざすタミー・ホンに、息が止まりそうになるセギョン。

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スンジョは事情を説明する前に酒を用意して欲しいと、買ってきたものをセギョンの母親に任せていました。

台所に立った隙に、アジョンにメールを送るセギョンの妹。
キム秘書がおかしくなったようだがセギョンはどこかと尋ねます。

セギョンはタミー・ホンとともに、コーヒーショップにいました。

「電話がかなりかかってきましたよ。キム秘書から。いや、シャ会長と言うべきかな?」

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以前も自分に全てばれたことがありましたねとタミー・ホン。
セギョンは何のことか分からないと答えます。
自分が知りえた情報をセギョンに伝えるタミー・ホン。
キム秘書が本当は誰なのかを知りながら、シャ会長に手紙を書いてキム秘書が好きだと告白したこと、病欠届けを出し身を潜めていたこと、その上で自分と会長では遠すぎると答えたことを指摘され、うつむくセギョン。

「陳腐ではあるけど、公式どおりですね」と笑うタミー・ホン。
何を言われているのか分からないと、あくまでシラを切ろうとするセギョンですが、分からないなら携帯メールをシャ会長に送ろうかと言われ、言葉を失います。

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「自分の告白により、初めて会長である事実が知られたと固く信じてるでしょうね。あるいは、セギョンさんが自分で明らかにすることも出来ますが。会長だとすぐに分かったが、ほんの一瞬だけ会長好みの純情な女のフリをしたのだとね。シャ会長、なんて言いますかね? 」

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「ほお。見えますね。セギョンの目に。挫折と怒り」

タミー・ホンを見つめるセギョン。タミー・ホンは言葉を続けます。
全てばれる前にまだこの道を進む方法があるとしながら、タミー・ホンは一通の封筒を取り出します。

一方スンジョは。

以前話した、父親との絶縁やパリでの苦労話は本当なのかとセギョンの父に尋ねられ、本当だと答えていました。アメリカで勉強している途中、自分の意志でパリに行ったのだとスンジョ。その過程で父親と絶縁し、パリでの苦労を経て、自力でここまできたのだと答えます。

なぜ会長を姉は拒否したのかと妹に尋ねられ、自分を遠く感じると言われたと正直に答えるスンジョ。

自分はどん底を経験したが、だからと言って何度も倒れたりはしない、何よりもセギョンを心から好きなので力を貸してほしいと真摯に両親に訴えるスンジョ。事態を窺っていたアジョンもその言葉に驚きます。
戸惑いを隠せないセギョンの両親。セギョンの父はひとまずスンジョに酒を勧めます。
飲めない焼酎をセギョンの両親の手前、無理してあおり続けるスンジョ。

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コーヒーショップでは。
パリデザインスクールの入学願書をセギョンに見せるタミー・ホン。
このまま静かに旅立つよう迫ります。

「なぜここまでするのかって? これが僕の仕事なんです。シャ会長との縁談を取りまとめて欲しいと依頼がきたんです。相手はハン・セギョンさんもよくご存知のシン・イナチーム長。
縁談を進める上での障害を取り除くのが僕の仕事です。この界隈ではよくあることですしね」

呆然とタミー・ホンの言葉を聞くセギョン。タミー・ホンは言葉を続けます。

「すぐに旅立てるよう、手続きしてあげますよ。帰ってきたあとのことは僕が面倒見ます」

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セギョンは自分が何を望んでいるかをはっきり分かっている、賢い人だとタミー・ホン。このまま消えればシャ会長にとってもセギョンはいい思い出として残ると続けます。パリに行ってアップグレードされれば、シャ会長よりもいい人に出あえる可能性もあると。

ため息をつくばかりのセギョン。
あまり待たせないで欲しいと言い残し、席を立とうとしたタミー・ホンは、「どうしてそんなに早く気づいたのですか?」とやおら尋ねます。

「僕もかつて服飾学科で1度も1位を逃したことがなかった。でもそれと成功とは何の関係もありませんでした。それに気づくのに5年はかかったかな。ところがセギョンさんは社会人になった途端、それに気づいたんですよね。
実に怖い人ですね。だからこそ、成功するんでしょうしね」

家の前まで来てもなかなか部屋に入れないセギョン。
ようやく家に入ってみると、そこには酔っ払って父と「マイウェイ」を熱唱しているスンジョの姿が。

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完全に本当に酔っています。(笑)

セギョンを見つけ、嬉しそうに駆け寄るアジョンから事情を聞き、ため息をつくセギョン。
酔っ払ったスンジョがセギョンに大声を上げます。

「おい、ハン・セギョン! なんて言った? 俺が遠いだって? お父さん、僕、遠いですか? お母さん、僕、遠いですか? ほら見ろ! めっちゃ近いんだから! マイウェイが18番ってところまで、同じなんだからな! 何にも知らないくせに!」

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いたたまれないセギョンは、部屋に戻り膝を抱えます。

翌朝。
二日酔いの父は、セギョンの妹と妻にセギョンが自分で結論を下すまで口を挟むなと釘を刺します。あの容姿でお金持ちなら、最高の相手ではないかと反論するセギョンの妹に、セギョンは思慮深い子だから、本人の考えを尊重するよう告げる父。
その言葉をドアの向こうで聞き、より複雑な心境になるセギョンです。

会社では、今日ロイヤルデパートでロンチングとなるアルテミスとGNファッションとのコラボブランドの式典のために、セギョン以外の社員は総出で張り切っていました。
特にジャン・ティエル・シャに気を使うように伝えるシン・イナの声に、一瞬動きの止まるセギョン。

セギョンに近づいたシン・イナ、なぜあの日アルテミスのパーティに呼ばれたのか尋ねます。

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元彼の不祥事を通じてアルテミスの会長に出会ったことを知ったシン・イナは、スンジョがセギョンの手紙に心を動かされ、セギョンの恋人を許し、パーティにまで招待したことを知り、興味津々になります。

その手紙は直筆だったのか、それともパソコンで打ったのかと細部を尋ねるシン・イナ。

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スンジョとイナの縁談が持ち上がっていると話したタミー・ホンの言葉を思い出すセギョン。

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セギョンは手紙は直筆だったと答えます。
勘のいいイナは、その返答からスンジョがどういうものが好みなのか瞬時に把握します。
セギョンにどんな字なのか見せて欲しいと言うシン・イナ。
セギョンの驚いた顔に要求を引っ込めますが、執務室に戻ると嬉しそうにカードと色鉛筆を取り出しています。

浮き浮きした愛らしい様子のイナをじっと見つめるセギョン。

同じ頃、会社にはユンジュも来ていました。

夫に今日行われるロイヤルデパートでのロンチングパーティに出席するよう言われ、驚愕するユンジュ。

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行きたがらない様子の妻をシン会長は案じます。
妹の結婚がまとまれば会社も自分のものになるのに、なぜ最近あまり乗り気じゃないのかと尋ねる夫に、体の調子が悪いと答えるユンジュ。
それでも一緒に行くと答えます。

ロイヤルデパートでは。

やってきたスンジョをイナの部下たちは整列で迎えます。
椅子に腰掛けるイナを見つけ、近づくスンジョ。
イナはカードを書いていました。

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   パク・シフさま お越しくださって深く感謝いたします

「パク・シフさまへ」って!

油断もすきもないです、このドラマ。(笑)

スンジョに気づき、立ち上がるイナ。

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直筆のメッセージと色鉛筆で書かれたデザイン画に、スンジョは好意を示します。
招待客の心に残る小さな物を用意したかったので、自分の好きなクラシックなデザインで絵を描いたとするイナに、こういうものは確かに心に残ると満足げなスンジョ。

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自分の狙いが当たり、内心してやったりのイナ。
スンジョと並んで写真に収まりながら、スンジョを時折見つめています。

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会場を訪れ、偶然その様子を目の当たりにするチャ会長。

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容姿端麗でお似合いの二人に、人知れず満足げに頷いています。
そこへ遅れてやってきたシン会長とユンジュ。
シン会長は妻のユンジュをチャ会長に紹介します。
初めましてと挨拶するユンジュ。

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夫が招待客の元へ行き、スンジョとイナが並ぶ姿を見て、チャ会長に挑むように近づくユンジュ。
ユンジュはスンジョにお久しぶりですと声をかけます。
戸惑いながら挨拶を返すスンジョに構わず、来シーズンは義妹とバッグのコラボはどうかと滑らかに続けるユンジュ。イナは馴れ馴れしいユンジュの行動に違和感を隠せません。
一方で、はたから見てもすっかりうろたえているスンジョ。

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その様子を後ろで見守るチャ会長も気が気ではありません。
入り口に父親の姿を認め、ますますうろたえてしまうスンジョ。

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イナは兄に呼ばれ、別の招待客の元へ行きますが、ただならぬ雰囲気で立ち話しているスンジョとユンジュの様子が気になって仕方ありません。

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「なんなんだよ」

「どっちみち顔をあわせなきゃいけないんだし。気楽に行きましょ」

「なんでいつまでも絡んでくるんだよ?」

「お父様が縁談を進めていらっしゃるわ」

「俺は関係ない」

耐えられなくなり、スンジョは席を外します。
一部始終を怒りの眼で見つめるチャ会長。

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ユンジュはスンジョの父と二人きりで話し合うことにします。

「どうなさいます? 私はビジネスなのでなんともありませんが、スンジョさんには耐えられません。それでもお続けになりますか?」

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ビジネスなのでと余裕の笑みで答えるスンジョの父。
ユンジュは笑い出します。

「だから会長はスンジョさんとうまくいかないんです」

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「私のせいだと? いいえ。その前からスンジョさんは、会長から逃げていました。アメリカからパリまで、私に会いにきたわけではありません。父親から逃げてきたんです。会長に会えばあの時のこと、あの日の言葉を思い出してしまうから。スンジョさんのお母さんのことです。会長の息子さんは絶対に会長の言うことを聞きません。
私の過去? 私が一人で潰れるとでもお思いですか? 会長は息子さんと永遠に駄目になるんですよ」

立ち上がったユンジュに声をかけるチャ会長。

「だから、抜けてください」

驚いて見つめるユンジュ。

「お前の過去など、誰が明らかにするものか。お前だけ静かにいなくなればいいんだ、あの家から。お前さえいなければ、何の問題もないんじゃないのか?」

チャ会長はもはやユンジュに礼をわきまえるつもりもありません。
またしても屈辱を受けるユンジュ。
昔と同様自分を人間扱いしないスンジョの父に、悔し涙をこらえ切れません。

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一方、一人残されたスンジョの父も、涙ぐみながら佇んでいました。

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ロンチングパーティの後片付けを一人任されたセギョン。
浮かない顔で洋服をしまっていると、隠れていたスンジョが顔を出します。

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さっさと片付けてご飯を食べに行こうと明るく誘うスンジョを、冷たく突き放すセギョン。

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セギョンの頑なな態度に傷つきながらも、スンジョはメールを送ります。

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『セギョンさん、病欠してたんですって? どこか具合が悪いんですか? 
話したいことがあるんです。後ろを振り返ってみてください』

メールを読むセギョンの背中にぴったり体を寄せるスンジョ。

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そうとは知らぬセギョンが振り返ると、真後ろにいたスンジョと思いがけず唇が触れてしまいます。

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って、なにこの中学生みたいなシーンは!
いくらでも歓迎するぞ!(笑)

どう見ても狙ったとしか思えないポジション取りをしながら大いにうろたえるスンジョと、同じく戸惑うセギョン。

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照れ隠しなのか、どうだ近いだろうなどと、わけの分からないことを言うスンジョ。
興奮のあまり、また言葉が訛っています。

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「おい、ハン・セギョン! 俺は絶対諦めないからな!」

セギョンを大声で叫ぶと、ハートマークを繰り出し、独特な求愛ダンス(?)を踊るスンジョ。

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スンジョのことが本当に好きなのに、どうしてもそのことを伝えられないセギョン。
暗い気持ちで片づけを終えると、ユンジュに出くわします。
落ち込んでいる者同士、飲みに行く二人。

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誰かのことを諦めようと思うということは、そこまでしか愛していないという意味だよねと確認するセギョンに、諦めるつもりなのかと尋ねるユンジュ。
セギョンは答えず、信仰はあるかと尋ねます。
教会や寺、聖堂に行ったことがあるかと尋ねるセギョンに、行ったのかと聞き返すユンジュ。

「私が悪かったです。これからは善良に生きます。これから善行します。そう祈ったの?」

「一度だけ許してくださいって。今回だけ見逃してくれたら、これからはもっと善良になりますって」

言い終える間もなく、セギョンの頬を涙が伝います。
セギョンの気持ちが痛いほど分かるユンジュは、涙ぐみながら焼酎をあおります。

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「私たち、そんなに悪いことした? そうよ。嘘ついたこともあるし、利用したこともあるし、人に血の涙を流させたこともある。でも、私だって血の涙を流したよ。流さないわけないじゃない。
どこから間違っちゃったんだろう。どうして私たちばっかり良心的に生きなきゃならないの?」

泣きながら悔しさを訴えるユンジュが席を立つと、セギョンは電話をするために外に出ます。
相手はタミー・ホンでした。

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タミー・ホンに一度だけ見逃してくれないかと頼むセギョン。
自分と似た境遇だったなら、今の心情やなぜこうなってしまったのか、よく分かる筈だと続けます。

セギョンの気持ちは分かるとタミー・ホン。自分も今のセギョンのように人に哀願したことがある。それでも、駄目だった。駄目なものは駄目なのが、世の中だ。それでもセギョンは自分がいい道を開いてあげただけまだマシなので賢明に判断しろと、タミー・ホンはセギョンのわずかな希望を打ち砕きます。

このあたりの展開は、なかなか評価の分かれ道ですね。
大人が見るには、ちょっと幼稚?
大袈裟すぎないか?っていう心の声が拭えません。(笑)
セギョンのしたことは褒められることではないものの、人に脅されるほどの悪事ではないですよね。
私なら絶対こんなことで脅されないなと思ってしまうので、感情移入に阻害が。
まあ、いいです。若い子向けドラマということで割り切ります。(笑)

席に戻ってユンジュとひたすら焼酎をあおるセギョン。
二人はすっかり酔いつぶれます。

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テーブルに突っ伏し、すっかり出来上がったセギョン。
どうしたものかとユンジュが困っているところへ、キム秘書の名でセギョンの携帯にメールが入ります。

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セギョンの時計ウサギだと気づいたユンジュは、酔いつぶれたセギョンを家につれて帰って欲しいとメールを返します。

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メールを見てすぐさま飛び出すスンジョ。
場所を聞き、3分以内に着くと返信します。

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セギョンのいる日本風居酒屋にやってきたスンジョ。
ユンジュはトイレに立ち、席を外していました。セギョンを連れにきた男を店の柱から見守るユンジュ。
一人でテーブルに突っ伏すセギョンをおぶって嬉しそうに店を出たのは、スンジョでした。
セギョンの時計ウサギが自分が愛したスンジョだったと知り、衝撃が走るユンジュ。
表に出て、去っていく二人の姿を呆然と見つめます。

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時計ウサギが自分のことを好きだと話したセギョンの言葉を思い出すユンジュ。
あまりの衝撃にすっかり動転します。

一方、セギョンをおぶって家まで連れてきたスンジョ。

すっかり酔いつぶれた娘を見た両親はスンジョを責めますが、スンジョは自分は送り届けただけだと事実を話し、部屋にセギョンを連れて行きます。

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目を閉じたままのセギョンに優しく語り掛けるスンジョ。

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「もし目が覚めてたら、寝た振りしたまま僕の話を聞いて」

セギョンの手を取り、自分胸に当てるスンジョ。

「すごく鼓動が早いでしょ? 僕はセギョンさんの前だとすぐこうなっちゃうんです。
セギョンさんは決断力があって、正直で、勇気のある人だけど、僕は中身の薄っぺらな人間です。子どもっぽいし、臆病で、小心者。それでも僕は言ったでしょう? セギョンさんのことが好きだって。だからセギョンさんも怖がらないで」

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セギョンの手を取り、「やればできる」とガッツポーズを取らせ、嬉しそうに出て行くスンジョ。
スンジョが出て行ったのと同時に寝返りを打つセギョン。
その目から、涙がこぼれます。

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スンジョが出てくるのを待ち構えていた妹。
今度の木曜日が何の日か知っているかと尋ねます。
もしやセギョンの誕生日かと大袈裟に反応するスンジョ。いちいち反応が面倒くさいスンジョに妹は呆れますが、スンジョはめげずに応援を頼みます。

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当日朝。
アジョンはセギョンに芸高時代の友人がギャラリーで絵の展示をやるので、夜一緒に見に行こうとセギョンを誘います。自分も一緒に行くのでお姉ちゃんも一緒に行こうと妹。
普段は姉と呼ばない妹が慣れない呼称を使うのを見て、セギョンは何か企んでいるのだろうとすぐに察します。

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何かあると知りつつも、行くと答えるセギョンです。

夜、スンジョの父は広報用の写真を取るため、ホワイトプロジェクト1号店であるセギョンの父の勤める店に向かっていました。
その時やってきたセギョン。
チャ会長は、父と娘の中むつまじい様子を車の中からしばし見守ります。

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訪ねて来た娘に、焼きたてのパンと飲み物を渡す父。

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「いい人だぞ。暮らしぶりがうちと違うだけで」
そう切り出す父に、スンジョのことだとすぐに気づき、うつむくセギョン。

「セギョン。辛い道じゃないと思うぞ。愛されるのはいいもんだよ。父さんはいい気分なのに、どうしてお前は最近そんな顔してるんだ?」

セギョンが口を開きます。

「お父さん。うちの会社のチーム長ね、すっごく優雅で、お高く止まってて、カリスマもすごいの。ちょっと怖いくらいに。その人がね、結婚したい人が出来たみたい。相手に気に入られようと、あれこれ気を使ってるの」

「怖いチーム長には似合わないんだろうな」

笑顔で合いの手を入れる父。セギョンもしばし笑顔を見せ、言葉を続けます。

「でもその姿が、すごく愛らしいの。私はそんなふうに見えないと思う」

「なんで? うちの娘がどれだけ愛らしいと思って!」

即座におどける父。セギョンは笑顔を見せながらも心の中でつぶやきます。
お金持ちが貧しい人を愛せば褒められるのに、貧しい人がお金持ちを愛すとあざ笑われると。

セギョンに浮かぶ寂しい表情が気になる父は心配そうな声を出しますが、悟られまいとセギョンは元気に振舞います。
父の仕事着を直し、父にハグするセギョンの様子を車からじっと羨ましそうに見つめるチャ会長。

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店に入り、嫌そうなセギョンの父と広報用の写真を写すと、娘と一体何をそんなに楽しそうに話していたのかと尋ねるチャ会長。

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セギョンの父は、食事をしたかどうか尋ねたり、まだなら一緒に食べたりするだけだと答えます。
そんなやりとりは小学生で終わりではないのかと驚くチャ会長。
一緒に食事する間に自然と職場の話にもなるし、先日は娘を好きだという人がやってきて一緒に酒を飲んだのだとセギョンの父は答えます。

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もし子どもと食事をしないのなら、一緒にしたらいいと言われ、「まずは食事から始めるか」とひとりごつチャ会長です。

一方アルテミス本社には、今日のイベントを用意してくれたムン秘書とトンウクが来ていました。

ちゃんとギャラリーも貸切にしてくれたかと念を押すスンジョに、そうだと嬉しそうに答えるトンウク。

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「お前、一番大事なことはチェックしたのか? ハン・セギョンは来るって?」

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その言葉に、急に心配になるスンジョ。

その頃チョンダム駅では、約束の時間になっても現れないセギョンにアジョンとセギョンの妹がやきもきしていました。

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セギョンはタミー・ホンの元を訪ねていました。

タミー・ホンは入学願書と覚書をセギョンに提示し、サインを求めます。

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この界隈の人たちは結婚前にも婚前契約書を結ぶものだとタミー・ホン。
上流階級の仲間入りをしたいのなら、セギョンもこうしたことに慣れていたほうがいいと言います。
契約書には、サインしたあとはチャ・スンジョに関わるすべてのことを放棄すると書かれていました。この契約書は帰国後も有効だと。
ため息をつくセギョン。

セギョンは涙をためながら、タミー・ホンに気持ちを伝えようとします。

「こんなことを言うと、笑われてしまうかもしれませんが、私はジャン・ティエル・シャ会長、いいえ、チャ・スンジョさんを、本当に心から・・・・・・」

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両手を挙げ、その言葉を遮るタミー・ホン。
まさか心から愛しているなどと言うつもりじゃないだろうなと言います。

「それはちょっと、醜すぎません?」

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「あなたがどうやって意図的に近づいたのか僕には分かっているのに、あまりにも醜いですよ。愛? 愛なんてただの名前ですよ。この世に名前なんてあまたあるでしょう? そういう名前の一つってことです。セギョンさんが愛と呼びたいなら、そう呼べばいいでしょう。どう呼ぼうが、それはその人の勝手だから。でも、僕の前ではやめてください」

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涙を見せるセギョンに容赦なく言葉を続けるタミー・ホン。

「これを言うのは2度目ですね。最初は間違いがあったけど、今回は確実。
そういうのやめましょうよ。お互い玄人同士なんだから」

言いたいことを言い終え立ち上がったタミー・ホンに、反論するセギョン。

「シン・イナチーム長も結婚したい人によく見せようとしてるのに、なぜチーム長がやると可愛らしくて、私がやると醜いんですか? チーム長だって政略結婚しようとしてるのに、なぜ私だけ悪人呼ばわりされるんです? なぜ私にだけ道徳性が求められ、なぜ私だけが愛以外は何も知らない女でいることを求められるんですか?」

涙ながらに訴えるセギョンに「僕はなぜこんなことまでやり始めたと思います?」と聞き返すタミー・ホン。

「事情の分かる者同士、互いに苦しめ合うのはやめましょうよ」

その言葉に二の句が告げないセギョンです。

一方。
ドキドキしながらギャラリーに着いたスンジョ。
中は概ね用意が整っています。
飾られた二枚の絵をじっと見つめるスンジョ。

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その時アジョンとセギョンの妹がギャラリーに駆けつけます。
セギョンが待ち合わせ場所に来ず、家にも帰っていないと告げられるスンジョ。

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折りしも鳴ったスンジョの携帯。相手はセギョンでした。

どこにいるのか尋ねるスンジョに、今日呼んだのがスンジョだということは知っているとセギョン。
でも自分は行けないと続けます。

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「それと・・・・・・。会長と私は、駄目です。ごめんなさい」

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「セギョンさん、僕の話を聞いてください」

「ごめんなさい」

自分を呼ぶスンジョの声に耐えられず、セギョンは電話を切ります。

トンウクに何を言われたのかと尋ねられ、自分とは駄目だと言われたと力なく答えるスンジョ。そうとも知らぬ運転手さんが、スンジョに頼まれた花束を抱えてやってきてしまいます。
あまりのタイミングの悪さに焦るムン秘書。

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うなだれるスンジョに、トンウクはむしろハッパをかけます。

「どうすんだよ? どんな思いでここまで準備した? まずは見て、その上で駄目とか言うべきだろ?」

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「だってそうだろ? 別れたとしても仕方ない。でも、見せてあげないと」

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トンウクの言葉に女子たちが頷きます。

「お前はどんな気持ちで、どうしてこれを用意した? お前はありがとうの一言を引き出すために、状況を設定してシナリオを考える男だろ。俺たちがどれだけ完璧に用意したと思って?」

「全部失敗だよ。ハン・セギョンに対してだけは、計画どおりに進んだ試しがない」

うなだれるスンジョをなおも鼓舞するトンウク。

「まだ分かんないだろ。今回はどうなるか分かんないって。まだ終わってないよ。どうやってでも探し出して、お前が見せようと思ったものは全部見せてやるんだ。これを見てもハン・セギョンが駄目だって言ったら、その時認めろよ。その時認めても、遅くないよ」

トンウクの言葉に頷く一同。
運転手さんも、とにかくこの花束だけでも渡したらどうかと促します。
セギョンを探し出そうと提案する一同。
アジョンはセギョンの位置を追跡できることを思い出します。
セギョンが携帯をなくしたときに、探すためにパスワードなどを聞いておいたのだとアジョン。
一同張り切ってスンジョの車に乗り込みます。

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完全に人数オーバーですが。(笑)

セギョンがいるらしい場所に到着し、探し回る一同。

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スンジョはセギョンに電話しながら走り回りますが、セギョンは電話に出ません。

焦燥感に駆られるスンジョ。その時、階段の下にセギョンを見つけます。

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セギョンは川を見ながら涙を拭っていました。
階段を駆け下りるスンジョ、無言でセギョンを振り向かせると、セギョンの泣いている顔が目に入ります。思わずセギョンを抱きしめるスンジョ。

「行かないで」

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「行かないでください。行かないで、セギョンさん。行かないで!」

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「僕、今日、セギョンさんに告白しようと思ってたんです。素敵な映画を流して、名台詞をそらんじながら、カッコよく告白しようと思ってたんです」

離れようとするセギョンを再び抱き寄せるスンジョ。

「”愛は一気に訪れるものだと思っていた。こんなふうに徐々に染まっていくものとは思いもよらなかった。もし愛に有効期限があるなら、僕の愛は1万年にしたいんだ。僕が死ぬまで、僕を愛してくれる?” “いやよ。私が死ぬまで、あなたを愛するわ” そんなカッコイイ名セリフを伝えようって。
でも、全部違う。僕には似合わないんです。僕は臆病者です。愛する人が僕を捨てるんじゃないかって、いなくなっちゃうんじゃないかって、怖いんです。恐ろしいんです。子どもの頃、僕を手放した母や、いきなり荷物をまとめて出て行った昔の恋人が夢に出てくるんです。酷い時は、怖くて明かりをつけっぱなしにしてるくらい」

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「分かるでしょ? 僕はカッコイイ会長なんかじゃないんです。セギョンさんを救ってあげる王子様でもない。僕はただの、セギョンさんのことが好きな、ガキっぽい男です。ガキっぽくセギョンさんを愛してます。だから、こんな僕を受け入れてくれるかは、セギョンさんが決めてください。
頼むから、僕を捨てないで、どこにも行かないで、セギョンさんが救ってください」

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スンジョの涙の告白を上から見守る一同。

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セギョンは1時間だけ待っていて欲しいと言い残し、どこかに走り去ります。
凍てつく寒さの中、セギョンを待つスンジョ。

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セギョンが向かったのは、タミー・ホンのブティックでした。

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前置きもなしに、いきなり本題に入るセギョン。

「愛なんて、ただの名前に過ぎないと言ったわよね? なんと呼ぼうが、その人の勝手だって」

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「そうよ。チャ・スンジョに対する私の心は醜いわ。でもね、醜い愛も、愛なのよ。だから私は、今からチャ・スンジョに対する私の愛を、醜い愛って呼ぶことにする。私の好きに呼んでいいって言ったから、私はそう呼ぶことにするわ。
醜くても、私はチャ・スンジョを醜く愛する。だから、あなたが諦めて。私はこの醜い愛を、絶対に諦めない!」

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入学願書をつき返すセギョン。

そして、セギョンの帰りをひたすら待つスンジョ。

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セギョンに気圧されるタミー・ホンと、断固たる意志を伝えるセギョンと、ひたすらセギョンを待つ子犬のようなスンジョの顔で、ラスト。

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セギョンの挽回、キターーーー!!

そうこなくっちゃ、もう! ですよね!

イヤー。思いのほかあっさり挽回しましたね~。
脚本的に大丈夫なんでしょうか? 世論に迎合してないんでしょうか? あんなに年末何がきても見届けようと覚悟に覚悟を重ねたのに。(笑)

このドラマ、ストーリーがなんかこう、細部にもう少し整合性が欲しいですね。
脚本に緻密さを大いに求める視聴者としては、苦笑させられる箇所もしばしば。
とはいえ既にこのドラマが好きなので、勿論最後まで見届けるつもりではいますが、目下最大の問題は、書く時間がないということ。
すみません、急かされても出て来ない時は出てきません。しかも長いー、このドラマ! (笑)

この回は、稚拙さと深さが行ったりきたりする回でもありました。
ユンジュとセギョンが居酒屋で泣きながら交わすセリフなどは、真に迫っていましたね。
なぜ私たちだけが良心的で道徳的であることを求められるのかと怒りをぶちまけるシーン。
さんざっぱら悪いことをしても見逃される政治家や、無責任なことを放言し放題の人などは、初めから社会に与える良い影響を期待されてもいないのに、世の中を少しでも良くしたくて奮闘している善良な人がほんの少しイメージと違うことをしただけで寄ってたかってバッシングしてつぶす風潮、ほんとにありますよね。
なんで一方的にあっちの責任は問わず善良な人にばかり責任を問うのよ!(怒!)と、現実に頭が取られて、ユンジュへの同意を超えてむかっ腹すら立ってしまいました。(笑)

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8話からのこの展開は楽しめましたが、セギョンがいい子の本領を発揮してきたので辛さは倍増です。どうなるんでしょう。

スンジョ、母親に捨てられた過去があるんでしょうか? それが大きなトラウマに? ああ、怖い。

スンジョが傷つくことになってもセギョンに同情票が多数寄せられることが見込まれますが、やはりそうなるとかわいそうで見ていられないかもしれません。

二人とも傷つかないでと願うばかりです。