みなさま、こんにちは。

11月にはいり、また一段と寒くなりました。
暦の上ではもう冬。周囲には風邪を引いている人もちらほら見かけます。
みなさまも体調管理にお気をつけください。

さて今日は、満を持してパク・シフさん&チョン・ジェヨンさん主演映画『殺人の告白』(原題:私が殺人犯だ 내가 살인범이다)を振り返ってみようと思います。



先日授賞式があった大鐘賞映画祭で新人監督賞を受賞したこの映画。
韓国では昨年10月に公開になり、日本でも6月から全国で公開になりました。
パク・シフさんのファンのみなさまはおそらくご覧になった方が多いのではないかと思います。



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各地での上映も終わったようなので、ネタバレ満載で書かせていただきます。

これからご覧になるという方は、大変申し訳ありませんがこのまま閉じてくださいませ。何しろ今回は本当に、ネタバレしてます。(笑)




さて、この映画。
詳細に入る前に私のざっくりとした評価を言いますと。


俳優の演技      マル
スピード感       マル
ストーリーの斬新さ  マル
アクション        マル
メッセージ性      バツ



「最後だけ、なんでバツなんだ?」

その心は。


はい、書きます。書かせていただきます。


ネタバレしますよ!!






映画はとある雨の日、小さな大衆食堂で酒を飲む、口元に傷のある男のシーンから始まります。

酒を注文する男を嫌そうに見つめる女将の首にも、わけありげなおどろおどろしい傷。

その時、なにものかが戸を突き破って乱入してきます。




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乱入してきたのは、誰かの胸倉をつかんだまま飛び込んできた、「男」自身。




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開始数分で思わず叫んだ人、続出じゃないでしょうか。

現在と過去を巧妙に交差させた回想シーンが始まります。

男は刑事で名はチェ・ヒョング。
連続婦女殺人容疑者を追ってこの店に流れ込んできたのでした。
チェ・ヒョングの体を店の水槽に叩きつけ、女将を人質にとる容疑者。
残忍に女将の首を切りつけ、逃走します。

女将を同僚に任せ、雨の中、必死の形相で追うチェ・ヒョング。



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縦横無尽に逃げ回る容疑者を負けじと追いかけ、屋上でいよいよ追い詰めるものの。




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容疑者は屋上からまさかのダイブ。ビルの看板にぶら下がったあと地上に落下します。そして今度は、チェ・ヒョングが追い詰められる番に。





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犯人はチェ・ヒョングの口元をナイフで切り裂き、まだ殺さないと言い残して不敵に去っていきます。
切り裂かれた刑事の唇から吹き出す血・・・・・・。



それから15年。
犯人を取り逃がし、女将の首に痛ましい傷を残したその店で、チェ・ヒョングは「ヨンゴク連続殺人事件」の公訴時効を告げるニュースを見ていたのでした。チャンネルを変えた他の客に因縁をつけるヒョング。15年前に喉をかき切られ声が殆ど出なくなった女将に追い出されたヒョングは、表で怪しい人影を目撃します。
連続殺人犯ではないかと緊張しながら後を追うヒョングですが、一本の電話が追跡の足取りを制します。

母亡き後、実兄のように面倒を見てくれたと礼を述べる青年。電話の主は連続殺人事件の被害者遺族、チョン・ヒョンシクでした。
涙声のヒョンシクにただならぬ気配を感じたヒョングはすぐさま駆けつけますが、遺族の青年は制止も空しくヒョングの目の前で飛び降り自殺を図ります。
下を通りがかったバスのフロントグラスを突き破り、落命する青年。


そして2年の年月が過ぎ。


週末は洗車屋を営む母のもとで過ごすことにしているヒョングは、毎度の深酒で寝ぼけているところを一本の電話で起こされます。

言われるがままにテレビをつけると、そこには「ヨンゴク連続殺人犯」を名乗る男が記者会見を開く様が映し出されていました。



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イ・ドゥソクと名乗るその男は、自らの犯した連続殺人の詳細を本に著し、記者会見を開催。いまさら完全犯罪の謎解きをするわけを記者に問われ、「“罪悪感”ということにしておく」と答えるイ・ドゥソクは、「他の誰かさんも同じ罪悪感を感じてると思う」と意味深な一言を付け加えます。
自分が犯人であることを証明するために、イ・ドゥソクは17年前にチェ・ヒョング刑事に撃たれた時の傷跡を見せるのもいといません。肩にかざした金属探知機から銃弾の存在を知らせるアラームが鳴り響き、驚愕する記者たち。
勝ち誇った様子で「チェ班長?」と呼びかけるイ・ドゥソクを、茫然自失で見つめるヒョングです。


イ・ドゥソクは、殺人鬼らしからぬ甘いマスクであっという間に世の女性たちの心を席巻していきます。
罪への悔悟を示すため、メディアを引きつれ遺族の元を訪ねるパフォーマンスも繰り広げます。



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謝罪の言葉を口にしながらも、遺族にだけ見せる不敵な笑み。

被害者の父はたまらずイ・ドゥソクの頬を殴りつけます。

一斉にたかれるフラッシュの嵐。



イ・ドゥソクの登場でいきり立っているのは、遺族だけではありませんでした。
殺人鬼が一夜にしてスターに躍り出る様を見ながら、穏やかでない警察。所長は昼食をとろうとするヒョングに、よく食事が喉を通るものだと苛立ちを隠しません。


そこへ今度は記者を従えたイ・ドゥソクが登場するのです。


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久しぶりの再会なのに嬉しくないのかと、軽口を叩くイ・ドゥソク。


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非行少女たちもうっとりさせる「時の人」ぶりです。

握手を求めるイ・ドゥソクにヒョングはつばを吐いて応じます。

いきり立つヒョングに顔を寄せ、なにやら小声で耳打ちするイ・ドゥソク。



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記者を従えて警察を出ようとするイ・ドゥソクを呼び止め、食べていたジャージャー麺を思いきり投げつけるヒョング。




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こうした美貌の殺人鬼の一挙手一投足は、時々刻々とメディアによって報じられていきます。


連続婦女殺人犯と刑事との直接対峙で、いやおうなく高まる緊張感。

ここからの展開に見る者の期待も高まるのですが、ここで映画は予期せぬ方向に転換。


刑務所から出所したばかりの男を迎えに来た、とある女性。男は見知らぬその女性とともに、人里離れた場所にある小屋までやってきます。
トイレを我慢していた男は、車を降りるなりいきなり草むらで用を足し始めるのですが、眼前になぜか迫りくる毒蛇。
そして後ろにはボウガンを構える若い女。

襲い掛かる蛇をよけるべく男は真後ろに倒れこみ、女は正面から見事蛇を射抜いて見せます。




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・・・・・・ナニコレ???



男が連れてこられた小屋には、イ・ドゥソクに家族を殺された遺族が集っていました。もはや法では裁けないイ・ドゥソクを自らの手で殺すべく集まることにした、二組の遺族。
復讐を企てる遺族有志をまとめるのは、「会長」と呼ばれる女性、ハン・ジス。
会長をサポートする息子テソクの他に、ボウガンを操るチェ・ガンスクとその父が復讐のメンバーです。
会長の娘はくだんの連続殺人犯と思しき者に拉致された後、なんの手がかりもないまま今日を迎えていました。娘は既に殺されていると会長は考えています。出所してきたばかりのカン・ドヒョクは自分の手で犯人を殺すと息巻き出て行こうとしますが、娘の遺体を捜し出す前にイ・ドゥソクを殺したら、お前を殺すと凄む会長。


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同じ痛みを抱えてきた遺族により、かくしてイ・ドゥソク捕獲作戦が始まります。

始まるのですが。



突然のB級コメディーモード、まったくついていけません。

開始直後から続いていたスリルと緊張感を一気に下げた遺族の会同シーンがこの後も映画をB級ポジションに据え置く役割を果たすことは、先に言っておきます。


そして。
遺族に命を狙われていることなど露知らぬイ・ドゥソクは、ファンクラブまで結成されスター作家然と持ち上げられていました。
女性が被害者だというのに、罪を責めるはおろか美貌の殺人鬼に声援を送り、歓声をあげる女性たち。

サインをもらおうと並ぶその列には、チェ・ヒョングの姿がありました。


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挑戦的なヒョングの登場に緊張が走る会場。
この様子もメディアに大きく取り上げられていきます。



その頃、遺族チームの作戦も水面下で進んでいました。

護衛の隙を塗って、貸切プールで泳ぐイ・ドゥソクを狙うことにした遺族たち。
清掃員に扮したガンスクの父タンクンがプールに蛇を放ち、噛まれたイ・ドゥソクを救急車で搬送するふりをしてアジトに連れ込もうという魂胆です。


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狙い通り、水の中で蛇に噛まれるイ・ドゥソク。
イ・ドゥソクの身柄を救急隊員に扮したチェ・ガンスクとカン・ドヒョクが受け取ろうとしますが、本物の救急隊と鉢合わせになり、カーチェイスを繰り広げることに。


車中で目覚め、逃げようとするイ・ドゥソクと、彼を救急車に連れ戻そうとするカン・ドヒョクは、走る車上で命がけの攻防を繰り広げます。



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「近年の韓国映画では、最高」と称される、このアクションシーン。

「コレは一体どうなってるの?!」と目を白黒させてしまうほど迫力満点。

ではあったのですが。



・・・・・・長い。

いかんせん、長い。


まるでアクションの技巧を競うかのようなポージングとカメラワークの数々。

アクション。確かにすごいんです。
すごいんですが、長すぎると曲芸に見えてくるんです。
ハラハラドキドキより、若干コメディー寄り。
ジャッキー・チェンの映画みたい。

イ・ドゥソクが結局CG処理で救急車に収まったので、さらにそう思えるのかもしれません。
「そんなわけないでしょ!」の突っ込みどころが満載過ぎる。(笑)


アクションスクール出身なんだそうですね、監督。
やっちゃいましたね。
過ぎたるは及ばざるが如しとは、けだし名言でございます。



こうして「誘拐犯」にイ・ドゥソクを連れ去られてしまったチェ班長。
イ・ドゥソク誘拐事件の対応を迫られます。
誘拐したのは遺族ではないかとの記者の質問を、なぜかチェ班長は言下に否定。


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確実に顔を見られたはずなのにと、ニュースを見ながらいぶかしむタンクン。
実際にヒョングは、救急車を運転するタンクンを見ていました。

遺族をかばったのは、自分が犯人を検挙できなかった懺悔からなのか?

観客が悩んでいる間にもチェ班長は救急車の購入者から持ち主を割り出し、ハン・ジス会長の息子テソクが絡んでいることを突き止めます。居所をつかんだチェ班長は、アジトに単身乗り込んでイ・ドゥソクを取り返すのに成功。
停電させた真っ暗な部屋に遠赤外線装置を装着して忍び込み、遺族に顔を見られることもなく逃げおおせます。

気絶しているイ・ドゥソクを宿に一人おいてくるヒョング。



翌日。

自分を誘拐したのは思い余ったファンの所業なので、処罰は望まないとするイ・ドゥソクの病床インタビューを、ヒョングは湿気た面持ちで見つめていました。
イ・ドゥソクとテレビ討論番組で共演することになり、いかにも憂鬱そうな面持ちを浮かべているものの、実はこのテレビ出演には、ヒョングのある企みが隠されていました。



「イ・ドゥソクは何を目的に本を出版したのか」をテーマに始まる生放送。

イ・ドゥソクの側には彼を擁護する女性弁護士が配置され、チェ・ヒョングの側には犯罪を金儲けの道具に悪用していると断じる男性の学者が配置されます。




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悔恨なのか、それとも金儲けなのか。

イ・ドゥソクの肩を持つ女性弁護士と、彼を断じる学者との「討論シーン」のあと、チェ・ヒョングはテレビに出た最大の目的を口にします。

イ・ドゥソクは連続殺人事件の犯人ではない、と。

10人の女性が殺された連続殺人事件の他に、同一犯によると思われる女性失踪事件が起きているが、本にはそのことが記されていないとするチェ・ヒョングに、イ・ドゥソクは泰然と、それは自分の犯罪ではないからだと応じます。

そうではなく、事件の詳細に関する資料が手に入らず、書けなかったに過ぎないと詰め寄るヒョング。イ・ドゥソクを「詐欺師野郎」呼ばわりする荒っぽい言葉に弁護士が制動をかけるなど、収録現場は一気に緊張を高めます。

クールダウンもかねた、視聴者からの電話コーナー。

イ・ドゥソクのファンからの電話の後、「J」と名乗る男性が電話口に出ます。

イ・ドゥソクに対し、チェ刑事が100メートルを何秒で走るか知っているかと、突拍子もないことを尋ねるJ。知らないと答えるイ・ドゥソクに、12秒を切ったことがあるらしいと。

それを知っていたから、逃げ道には裏通りを選び、直線の道を避けたのではないかと思って尋ねたのだと質問の動機を説明したJは、続けてマッコルリの店でチェ刑事を背負い投げたとあるが、柔道経験者かと尋ねます。柔道経験者じゃなくても背負い投げくらいできると笑うイ・ドゥソクに、自分は体育大学で柔道を専攻したのだと言います。だからといって力が強いだけでなく、楽器も上手で料理も得意だと、今度は自分語りに入るJ。

司会はJに制動をかけ、質問ではなく意見を述べるよう促します。

構わずJは、チェ刑事が時間にルーズなのは知っているかと尋ねます。自分ではなくチェ刑事のファンのようだと笑って応じるイ・ドゥソクに、Jは本当にこんなことを尋ねられる意図が分からないのかと続け。
分からないと答えるイ・ドゥソクに「それが今までオレが捕まらなかった理由だから」とすごむJ。

「イ・ドゥソク。芝居こいてんじゃねぇぞ」

その一言を残し、Jは電話を切ります。


テレビを見ていた遺族たちも、顔色が一変。
自分たちが狙っていたのは真犯人ではないとハン会長は悟ります。


一方、父に嘘をついて一人仇討ちに出ていたチェ・ガンスクは、真犯人が現れたことなど知る由もなく、テレビ局から出てきたイ・ドゥソクの肩をボウガンで射抜いてしまいます。



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・・・・・・よく死ななかったなの一言です。(笑)



Jからの電話を逆探知し、部下とともに現場に急行しようとしたチェ・ヒョングは、発信元が実家だと告げられ、半狂乱になりながら駆けつけます。

母の姿がなく、感情を抑えきれないヒョングは暴れだしますが、ヒョングの部屋で寝ていただけの母が迷惑そうに起きてきます。
母を抱きしめ無事の喜びをかみ締めるヒョングですが、その時飛び込んできた男の姿。
懐中電灯で「J」となぞる男を捕らえるため、ヒョングは再び表に飛び出します。

Jは自分が真犯人であることを証明するために、ナイフとビデオテープを残していったのでした。

ビデオには、まだ遺体の見つかっていないチョン・スヨンが「死ぬ前に一度だけあの人の声が聞きたい」と懇願する様子が収められていました。
口を押さえられ、涙を流しながら、受話器の向こうから流れてくる声を聞くスヨン。声の主はヒョング自身でした。恋人だったスヨンの無残な最後を見せ付けられ、涙をにじませるヒョング。



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ヒョングは記者会見を開き、Jと名乗る人物が残したナイフに残る血痕を照合したところ、自分の血液と一致したと公表します。
イ・ドゥソクは真犯人ではないのかとざわめきだつ記者団に、まだ断定できないと言い残し、会見場を去るヒョング。

一方イ・ドゥソクは、自分がテレビに出ている間に何者かが自宅に侵入し、金庫の中からナイフだけを盗んで行ったのだと病床からインタビューに応じます。連続殺人犯という自分のタイトルを奪おうとしたようだが、やることはまるでアマチュアだとせせら笑うイ・ドゥソク。
視聴率を稼ぐ絶好のチャンスと考えるテレビ局は、病床でのインタビューを流しながら、Jに向かって連絡を取りたいと電話番号を流していました。

あくまでも自分こそが犯人だと主張するイ・ドゥソク。その様子を街角のテレビで見守る群衆の中に、Jがいました。
自分こそが真犯人だと世に知らしめたくてうずうずしているJは、テレビ局の狙い通り電話をかけてきます。


翌日イ・ドゥソクは病院で記者会見を開き、Jが狙っている印税200億ウォンあまりは、すべて遺族に寄付すると発表します。自分をボウガンで射抜いたチェ・ガンスクについても、訴えるつもりはないと明言するイ・ドゥソクの様子を、画面の向こうで呆然と見つめる遺族たち。
いよいよ本当に、イ・ドゥソクは犯人ではないと遺族が確信する瞬間でした。

その時、記者会見場の記者たちに一斉に連絡が入ります。
今からJが生中継でインタビューに応じるというのです。
ワンセグで映像を確かめるイ・ドゥソクに、画面越しに語りかけるJ。
自分とチェ刑事を交えて、3者で誰が本物の犯人かはっきりさせようとのJの言葉に、イ・ドゥソクは余裕の笑みで応じます。


連絡先を残していく代わりに、テレビ局のプロデューサーに一本のテープを残していくJ。
テープにはとある林の前に立つJの姿が収められていました。
この木の下に、自分が真犯人であることを示す決定的な証拠があるとJ。
生放送が始まる3時間前に正確な位置を携帯メールで送ると伝えると、男は目印として木にスプレーで「J」と記して立ち去ります。


3者が討論番組で相見えることが分かった遺族たちも、この日をJとの決戦の日とすべく人員配置を行います。
観覧客として内部に潜入することにした会長は、Jが犯人であることが確定したら、この手で殺すことを許して欲しいと願い出ます。
娘の遺体を見つけられずとも、胸のうちに眠らせると悲壮な決意を語る会長。


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B級コメディーに落とし込まれそうな遺族のシーンを、キム・ヨンエさん演じるハン会長の鬼気迫る表情が持ちこたえさせてるんですよね。



こうして相見えることとなった3者。




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司会者の求めに応じ、Jは仮面を脱ぎます。
素顔をさらしたJは、我こそが真犯人であるとじきに証明されると口を開き、プロデューサーに中継に切り替えるよう合図を送り。

突如映し出された発掘現場の模様。
Jが印をつけた木の下を掘り進む様子が映し出され、リポーターはこの下に11人目の被害者チョン・スヨンの遺体があると情報提供があったと説明します。
ほどなく服を着たままの白骨死体が・・・・・・。

怒りと悲しみに身を震わすハン会長。

チョン・スヨンは誘拐された当日、白いコートを着ていたと笑うJに、ヒョングは思わずつかみかかります。


ここからは、この映画最大のどんでん返し。



それまで連続殺人犯を名乗っていたイ・ドゥソクが、自分は犯人ではないと告げたのです。

驚愕しつつ、犯人しか知りえない詳細な内容が書かれているではないかと尋ねる司会者に、書いたのは自分ではないと、イ・ドゥソクはまたも爆弾発言。

ゆっくりと司会者に向き直るチェ・ヒョングは、自己顕示欲の強い犯人をおびき寄せるために自分が書いて仕組んだのだと真相を告白します。

ではイ・ドゥソクは何者なのか?

そしてチェ・ヒョングは時効の過ぎた真犯人とどう対決するのか?



ラスト30分はどんでん返しにつぐどんでん返しです。
最後は映画をご覧になってご確認ください。
DVDも発売されるようなので、レンタルでもご覧になれると思います。

まぁ、ここまで書いたらもう完全にネタバレしたも同然ですが。(笑)



さて、この映画の感想を。


私は時間を空けて2度観たのですが。

1度だけ見たほうがいい映画だと思います。(笑)



最初に見終えた時の感想は、「とてもよくできたB級映画」。


何度も書いておりますが、この映画、遺族のシーンがよくないです。
中途半端にコミカルと言うか、ドタバタしてると言うか、チープと言うか。

1度目の鑑賞の時は、Jの登場とラスト30分からのどんでん返しが強烈で、遺族シーンの残念さがかすんでいました。むしろ最初に見た時に気になったのは、ラストシーンのほうでした。

ラスト。
チェ・ヒョングと遺族たちの記念撮影の場面で終わるのですが、あれがどう考えても蛇足ではないかと、見終えた瞬間残念でたまらなかったんですよね。
せっかくの映画なのにラストカットでぐっとチープになってしまったと。


しかし。
2度見ると、また印象が変わります。


2度見ても相変わらず筋のどんでん返しは見事でしたし、全部分かった上で見るとチェ班長の演技もイ・ドゥソクもまったく違って見えてきて、細かい色んなシーンが上手に仕込まれていたことに感心もさせられます。

その一方で、アクションシーンの印象は、まるっきり変わりました。

「すごい」よりも「・・・・・・コメディー?」。(笑)


1度目に見た時はパク・シフさんを見るのに集中しすぎて、全体を俯瞰(ふかん)できていなかったことに気づきました。
パク・シフさんへの集中をちょっと引くと、粗が目立ってくるという。(笑)

2度目で引っかかったのは、監督のブラックジョークのセンスの悪さですね。



言うならばこの映画。
いろんなことを揶揄で表現したい映画なわけです。

・時効を迎えた殺人犯を、遺族が自分の手で殺そうと企むという、「時効制度」へのアンチテーゼ。
・視聴率至上主義の醜悪なテレビ局。
・「顔さえよければ無罪」な社会の風潮への痛烈な皮肉。


本来的にこうしたことが描きたかったと思われるのですが、全然そういうメッセージが真剣に伝わってこないんですよね。

この映画は、本来は時効を迎えた犯人を遺族があだ討ちしてしまうという、割とシビアな投げかけを観る者にしているはずなんです。現在の法体系も社会通念もあだ討ちを認めていませんし、今後も認められることはないでしょう。筆舌に尽くしがたい残虐な犯罪が起きた場合、感情に任せて群衆心理が「処刑」に傾くとしたら、それは果たして望むべき社会の有様なのか。心情は理解できても、被害者遺族のあだ討ちを是としていいのだろうか。
そういったことが観終えたあとテーマに十分なりえた筈だったのですが、実際はまったくそんなつくりになっていません。ただテーマとして消費されただけで。

遺族の描き方がドタバタ劇のように安っぽい。
そのくせあだ討ちは成功させてしまう。
時流に乗った感情論の表出を見るようで、登場人物たちがみんなにっこりしていても、いい気分はしません。
深く考えさせる場面がないからです。

筋はいいのにチープ感が漂うのは、細部の描き方に説得力が乏しいせいもありましょう。
たとえばテレビでイ・ドゥソクを擁護する女性弁護士。
初めて会った日、自分の罪を悔恨するイ・ドゥソクの言葉を聴いて涙が出たと思い出し泣きをするシーンがあるのですが、その彼女をわざわざ「人権弁護士」と自称させるんですよね。
「無知な者の勇敢さ」という言い回しを韓国ではしますが、まさしくそれ。
ぼんやりしたイメージだけで描いてしまったのでしょうが、そんな馬鹿げた「人権弁護士」はいないです。揶揄する方向が完全に間違ってます。

似た傾向の表れとして、イ・ドゥソク vs Jの構図でテレビ放映をするシーンで、イ・ドゥソクファンの少女たちが局の外で「イ・ドゥソクこそ真犯人」と祈るようにろうそくを持って集まっている場面があるのですが、こういう描きかたも、なんだかなぁ。ろうそくデモを揶揄の対象とするのは、むしろ監督のレベルが透けて見えるだけなんですけどね。

ブラックジョークは的を射てこそ人を唸らせるので、この監督には今後もう少し風刺の何たるかを学んでいただきたいです。せっかく面白いモチーフだったのに、細部に説得力や見識が感じられないと、本物の感じがしないんです。

とはいえ、ストーリーを組み立てる力のある監督だと思うので、今後もあっと驚くような斬新なストーリーを世に送り届けて欲しいですね。次回作もまた見た上で、監督の傾向は判断しようと思います。


この映画、私はパク・シフさん目当てで見たのですが、実はチョン・ジェヨンさんが凄く良かったですね。

パク・シフさんは正体不明のイ・ドゥソクの不気味さをとてもよく演じていて、特に出版社の女性社長に見せた怖気たつような冷たい目は、ほんの短いシーンだったのに非常に強烈でした。怖いのなんのって。パク・シフさん、サイコを演じてもハマりそうです。あまり見たくないですが。(笑)

後はとにかく、パク・シフさんの体を張ったアクションが凄すぎる。あんなに凄いのに、ジャッキーの映画に見えてくるんじゃ、気の毒すぎます!(笑)

今回は初めての商業映画ということで色々欲もあったでしょう。その表れがこの冗長なアクションシーンと映画のラストカットだと私は思っているのですが、次作は削る美学、捨てる勇気を期待いたします、監督。

そう、ちなみにそのラストカットの集合写真シーン。

この映画を完全にB級映画だと思ってみれば、「あってもいいかも」とまた評価が変わります。2度目の鑑賞の時は完全にB級映画に見えてしまっていたので、そう思うと、「ん~~、いいかな? ないほうがいいけど、あってもいいかな?」と思えてきたのが不思議でした。

そんな意味で、やっぱり二度見をおすすめします?!(笑)




そしてチョン・ジェヨンさん。

演技がうますぎて、何も申し上げることはございません。
まさにチェ・ヒョンシクそのもの。
悲しみと怒りと悔恨と。すべてを抱え、仕舞い込んでいるチェ・ヒョンシクを見事に体現していました。ご本人、アクションは大の苦手でかなり苦労されたそうですが、全然そんなふうには見えませんでした。



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上記は最後のカーチェイスシーンです。


途中ドタバタ感がありながらも、メインのストーリーが全部持っていってくれるような、パンチの効いた『殺人の告白』。
連続婦女殺人事件というおどろおどろしいテーマながら、残虐なシーンは多くはなく、スリラー映画として十分に楽しめる作品でした。
アクションシーンも「どうやって撮ってるの?!」のオンパレードで、2度見しなければ十分度肝を抜かれます。(2度見るとジャッキー映画っぽく感じちゃう可能性、大です。笑)

未見のかた、是非ご覧になってみてください。

って、散々ネタバレしておいてなにをかいわん! すみません!(笑)