みなさま、こんにちは。

今年最後の連休も最終日。
これを過ぎると、いよいよ「年末来たる」の感が強くなりますね。

今年観た映画のまとめも終わらぬうちに、あれですが。
今日は現在韓国で公開中のソン・ガンホさん主演映画『변호인 弁護人』のご紹介を。

『スノーピアサー』、『観相』立て続け大ヒットの興奮も覚めやらぬうちに、またやってくれそうです、ソン・ガンホさん。

今度は実在の人物と事件を扱った映画『변호인 弁護人』(邦題仮)。

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主なキャストはソン・ガンホさん、キム・ヨンエさん、オ・ダルスさん、ZE:Aのイム・シワンさん、クァク・トンウォンさん。

キャストもご覧のとおりの素晴らしさなのですが、なんと言ってもこの映画は故ノ・ムヒョン前大統領をモチーフにしている点で、多くの人たちにとって特別な映画となっています。

ノ・ムヒョン大統領がもうこの世にいないという事実を思い出しただけで泣けてくる人は無数にいて、私もそのうちの一人ですが、1981年軍事独裁下の釜山で起きた「釜林(プリム)事件」を題材にしたこの映画が公開から4日にして150万人の観客動員を記録していることに、映画の出来栄え以上の意味を分析しないわけにはいきません。

怒ってるんですよね、みんな。
「軍事独裁に後戻りか!」みたいな、ノ・ムヒョン大統領以降の前政権と現大統領に。

この映画、上記のポスターにもあるように、当初公開予定日は12月18日となっていたのですが、やってくれました。急遽19日に変更。
12月19日といえば、去年投票に行った韓国人なら忘れることのできない、韓国大統領選挙のあった日です。
ああ、思い出すだにブルー。
その日にぶつけてくれたんですから、心踊らないはずがありません。(笑)

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「あなたの大切なお金を守ります」
金も後ろ盾も学歴も無い税務弁護士、ソン・ウソク

ソン・ガンホ

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「うちの弁護士さん・・・。本当にありがとう」
ソン弁護士行きつけクッパ屋の主人

キム・ヨンエ

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「うまくいけば全国区の弁護士として有名になれるぞ」
ソン弁護士の頼れる右腕かつ事務長

オ・ダルス

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「考えてみろ。あんたにできる“愛国”がなんなのか」
事件の担当刑事

クァク・トンウォン

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「お前、稼ぎがよくて退屈でもしてたか?」
ソン弁護士と同じ高校出身で社会部の記者

イ・ソンミン

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「おじさん・・・。僕は何も悪いことしてません」
ソン弁護士の人生を変えたクッパ屋の息子

イム・シワン

独裁者が一方的に市民に「共産主義者」のレッテルを貼りさえすれば、人々を恐怖で支配し、弾圧し放題だったかつての韓国。
プリム事件もあまたの不条理なねつ造事件のひとつですが、不当逮捕で拷問を受けた青年に接見して義憤に駆られ、事件を担当することになったのがノ・ムヒョン弁護士(当時)でした。
ノ・ムヒョン弁護士と同じ事務所で人権弁護士として働いていたのが、去年大統領候補として選挙を争ったムン・ジェインさんなので、いやが応にも色々オーバーラップするというものです。

イヤー、早く見たい!

はやる気持ちを抑えつつ、予告編のご紹介。

ここで食い逃げした者です。7年前。

あの司法試験の勉強してたおじさん!

受かったのかい?

はい。今は弁護士になりました。

ほら、あのソンなんとかっていうやつ。テジョン(大田)から来たやつの話聞いたか?
ナイトクラブの客引きみたいに名刺を配って歩いてるそうだが。

なに人の店の前でチラシ配ってんだよ!

私弁護士です、弁護士

弁護士 ソン・ウソク

弁護士のソン・ウソクと言います

ところで先輩。僕、文無しなんです。金貸してくださいよ。

金無く

まったくアホなことを

後ろ盾無く

大学はどこを出たの?

大学も何も、高卒らしいぞ

学歴も無く

金でも稼ごうかと
僕は俗物の税務専門弁護士ですからね

お金が大好きな弁護士

あなたの大切なお金を守ります
税金専門弁護士のソン・ウソクが

かっこいいね!

事情によりしばらく休みます

ジヌ、この傷はどうした?

2013年12月

こんなことするなんて!
こんなこと、あっちゃ駄目でしょ?

ソン弁護士の特別な物語が始まります

やります
弁護人、引き受けます

弁護人
12月封切り

もうひとつ。
こちらがメインの予告編です。

ソウル大、延世大、高麗大は、私みたいな商業高校の高卒なんて相手にしやしない
俺は歯を食いしばって実力で踏ん張ってるんだよ

金無く後ろ盾無く学歴も無いが

私、必殺アイテムがひとつあるんですよ
税金のほうはどうですか?

税金?

あなたの大切なお金を守ります
税金専門弁護士のソン・ウソクが

かっこいいね!

稼ぎのいい弁護士 ソン・ウソク

事情によりしばらく休みます

あんた、弁護士だったよね?
弁護士先生、ちょっと助けておくれ

こんなことするなんて!
こんなこと、あっちゃ駄目でしょ?

やります
弁護人、引き受けます

言います、僕が弁護人を引き受けるって

今日限りでソン弁護士は、自分の安楽な人生を自ら捨てるんだぞ

ソン弁護士の人生を根こそぎ変えてしまった

諦めません
絶対に諦めません

5回の公判が始まる!

少なくともジヌは無罪だと信じています
無罪なら無罪判決を出させないと
それが私の仕事です

大韓民国の主権は国民にあり
すべての権力は国民から生み出されるんだ
国家とは、国民なんです!

弁護人
12月封切り

いやーー。
予告見ただけで涙きちゃいます。
これはやばいのが始まりました。

日本ではご存知の方は少ないでしょうが、予告編にもあるとおりノ・ムヒョン大統領は最終学歴高卒で弁護士になった方でした。経済事情から大学に進学できなかったのだそうです。
誰もが身を縮めていた恐怖政治の時代に、知ってしまった不正義に目をそむけられず人権弁護士の道を選び、のちに大統領にまでなった方。
そんな誇らしい方を失った悲しみが、映画を観たらみたで、またぶり返しそうではあります。

ちなみにソン・ガンホさん。
この映画でもその演技力が高く評価されているのですが、『弁護人』が観客動員150万人を突破したのを受けて、韓国初の「年間観客動員数2000万超え俳優」となられたそうです。
すんごいですよね。(笑)
ソン・ガンホさんクラスになると、ギャラとか度外視で仕事選んでそうですよね。いえ、なんとなくですが。
ソン・ガンホさんをキャスティングしたい監督さんが、それこそ山ほどいそうです。

早いところ見に行きたいのですが、最大の問題はあれですね。
寒さ。
日程問題もさることながら、極寒のソウル。

って、ここまで持ち上げといてそんな理由か!って感じですが。(笑)

ロングランにロングランを重ねて、どうか春まで上映してくれますように。