みなさま、こんにちは。

本日も早速『未生/ミセン』第9話、まいります。

この回はですね。

予告から覚悟はしていましたが、ストレス度高いです。

営業3課に新たに配属されたパク課長。

その顔を見た途端、オ課長とキム代理の顔には一気に緊張がみなぎります。

misaeng9_1

「よぉ、キム代理。相変わらず仕事できそうな顔だな」

misaeng9_1_1

misaeng9_2

言ってることとやってることが合ってませんよね。

いきなり人の首根っこをつかむって。

しかも自己紹介したグレのことを「コネ入社の契約社員で高卒」とのっけから馬鹿に。

misaeng9_3

怒ってます、キム代理。

そう。
この回は、オ課長とキム代理がどれほどグレを大事にしているかが分かる回でもあります。

オ課長は早速キム部長に抗議。

「他の人を寄越して下さい。それが難しければ人員増員はなかったことにして構いません。私は営業3課に役に立つ人間を入れて欲しいと申し上げたんです」

そんなオ課長に怪訝そうなキム課長。

子どもじみたことを言うな、そんなに完璧に合う人間などいないと言います。
自分が資源課にいた頃も仕事だけはきっちりやる人間だったので、仕事第一に考え互いに合わせていけと聞く耳を持ちません。

misaeng9_5

納得のいかないオ課長はチョン課長に、この間のことを根に持ってわざとパク課長を推薦し送りこんだのだろうと不満をぶつけます。

自分はリーダーシップが足りなくて使えなかったが、オ課長ならと思って送っただけだととぼけるチョン課長。

misaeng9_6

この顔見るだけでオートマティックにイラッとくるんですが。(笑)

オ課長が席を外した隙に、早速グレいじめを始めるパク課長。

「オイ、高卒」

何事かと隣りの営業2課まで聞き耳を立てる中。

「お前、高卒どころか、高卒資格検定しかないんだって? 入社試験はどうやってパスした? キム代理、まさか答案用紙事前に見たわけじゃないよな?」

misaeng9_5_0

パク課長はグレには何の能力もないといきなり決め付けています。

「でもまぁ可愛い顔してるから、顔で客取れそうだ。営業には顔も大事だから、まぁ気にすんな」

misaeng9_5_1

席に戻ったオ課長が異様な雰囲気を察し、グレに席に着くよう声をかけたため、パク課長のイジメは一旦は終了。

キム代理はグレを外に連れ出し、あんなこと言わせておかずに言い返せばいいのにと言いますが、すぐにそれは無理だと前言撤回します。

どうしてパク課長がきてしまったのかと深刻そうな表情のキム代理を、不安げに見つめるグレです。

ヨンイはというと。

この子は今日も有限実行。
ハ代理にぴったりついて、雑用係を自ら引き受けていました。

呆れたハ代理は自分のゴミ箱を空にし、他の人の分も一緒に洗ってこいと命じ。

misaeng9_10_1

影から見ていたベッキはそんなヨンイに耐えかね、ヨンイの持っていたゴミ箱を奪います。

「これがチームの一員になる方法ですか?」

怒りながら男子トイレに入りゴミを捨てるベッキ。

用を足していたキム代理は、ゴミ箱にゴミを捨てているベッキを何事かと見ていましたが、いきなりヨンイが入ってきたため狼狽。(笑)

このシーンは後ほど詳しく。(笑)

怒ったような顔でトイレから出てくるベッキ。

misaeng9_10_2

ヨンイはゴミ箱を奪うと、話そうと外に連れ出します。

見ないフリをしても、二人の様子が気になってしまうグレ。
それは他の人たちも同じでした。

トイレから出た後、歩いていく二人の様子を見ながら、付き合ってるんじゃと怪しむキム代理。

「なんだあれ? あの雰囲気。まさか恋愛中じゃないよな? 答えろよ、チャン・グレ」

「知りません」

「そうか」

misaeng9_10_4

めっちゃ疑ってます。(笑)

外に出て、先に声を荒げたのはベッキでした。

ヨンイも自分もこんな扱いを受ける人間ではない。望まれないなら未練を捨てればいいのに、まだあの部署に未練があるのかとベッキは続けます。

今後はこんなふうに介入しないで欲しいというヨンイの言葉をさえぎるベッキ。

「負けろといったのは、そういう意味じゃないです。問答無用に負けるのがヨンイさんの方法ですか?」

「はい」

「そんなのは方法じゃあありません!」

「じゃあ他にどんな方法があるんですか? 教えてください。一生懸命やっても駄目、やらなきゃもっと悪くなるのに。心を閉ざした人になにをどうしたら私の気持ちが伝えられるのか、分からないんです。そんな方法は学校では習わなかった。数学にも、英語にもないんです。だから馬鹿な真似してるんです。やれることはなんでもやる。これが私の見つけた方法です。チャン・ベッキさんも自分の方法を見つけたんでしょう? 互いに首を突っ込まずに自分のやり方でやればいいと思います」

misaeng9_10_5

怒って去っていくヨンイの背中に「僕は会社を辞めます」と宣言するベッキ。

misaeng9_10_6

その言葉に少なからぬショックを受けるヨンイです。

・・・・・・付き合っちゃうんですかね?

ラブないって話でしたけど。

・・・・・・てかグレじゃないの?

とグレも思ってそうですが。(笑)

しかしヨンイの下手に出る戦略、何か秘められた意味があると思っていたのですが、違うんでしょうか。

というわけで。

ある意味9話のハイライト。
ヨンイに突撃されるキム代理のシーン、動画を貼っておきましょう。

キム代理の疑う表情に、ご注目を。

あの目。(笑)

そしてこの回はですね。

癒し系のポジションにきつつあったソンニュルの受難を描く回でもありまして。

ソンニュルの上司ソン代理は、おごりと称して限度額越えのクレジットカードを渡し、ソンニュルにコーヒーを買ってこさせるんです。

misaeng9_20

「悪い。現金無いや」

まんまと自腹を切る羽目になるソンニュル。

コーヒーをたかるにとどまらず、やれ夜中12時に取引先に電話をかけろ、明日朝5時からのホテルでの朝食会議を設定しろ(自分は出張でいないから)と、仕事をどんどんソンニュルに押し付けるソン代理。

「おかしい。バイトでただ働きさせられた時みたい。裏切られた気がする」

休憩室でモヤモヤするソンニュル。

misaeng9_21

グレに電話をかけたところ、グレもすぐ傍にいました。

「あのさ。聞いて判断してくれよ。お前も知ってのとおり、うちのソン代理は凄くいい人じゃない?」

「知りません」

misaeng9_21_1

仲がいいんだか悪いんだか。(笑)

ソン代理のことをまだ最後まで話さぬうちに、「仕事を押し付けられてる気がするんですか?」と鋭いグレ。

「お前もそう思う?!」

質問の直後、グレに見知らぬ番号から電話が入ります。

パク課長でした。

misaeng9_22

パク課長に言いつけられ、革靴を手にしているグレ。

何度かけてもパク課長は出ません。

misaeng9_23

なんと勤務時間にビリヤードやってるんですよね、この男は。

グレの電話を無視して。

misaeng9_24

グレから靴を受け取ると、自分のサンダルを持っていくよう命じ、取引先に言ってくると嘘を言ってサウナに直行。

湯につかりながら、オ課長への不満をひとりごちています。

「結局ただの月給取りだろ。大したことねえ奴が偉そうに」

misaeng9_30_2

嫌過ぎる。

席に戻ったオ課長は、いつの間にか戻っていたパク課長に何処にいっていたのか問いただします。

「オイ、高卒! 取引先に行くと伝えるよう言っただろ!」といきなりグレを怒鳴るパク課長。グレが伝えたといい終えるより早く、オ課長が割り込みます。

「最近は取引先とサウナで会うのか? ヨモギの臭いが充満してるぞ。業務時間にサウナにいくのもやめろ。明らかに勤務怠慢だぞ」

misaeng9_30_5

相変わらずサンシク兄さんは鼻がいいなどと笑うパク課長に、私的な場ではないので呼び方はちゃんとしろとオ課長。パク課長は前はそんなことなかったのに知らない間にずいぶん権威的になったんだなと返し。

なにを思ったかやおら中東の案件をやってみると言い出すパク課長。
オ課長はキム代理をサポートにつけようとするのですが、グレをつけてくれとパク課長は言います。

「グレにはまだ」と言葉を濁すキム代理に対し、高卒でも出来る程度の仕事しかやらせないとまたグレを侮辱するパク課長。

黙るオ課長に、たまらずグレが立ち上がります。

「許可して頂ければ、パク課長のサポートをいたします」

misaeng9_30_6

パク課長が気に入らないキム代理は、グレがオ課長とパク課長に同格の敬語を用いたことを注意。

「言葉遣いをちゃんとしろ。オ課長とパク課長、どっちが上なんだ」

misaeng9_30_7

「お前も細かいこというなよ」

「お前ってなんですか!」

「なんだ、やんのか?!」

misaeng9_30_8

大声で静止するオ課長。

昨日までの和気藹々とした雰囲気から一気に殺伐としてしまった営業3課。

通りがかった部長は、早速仲良さそうだなとトンチンカンに声をかけ。
一体どこに目がついてるんでしょう。
でももっとビックリなのは、別人のように猫なで声で部長に近づくパク課長の二面性なんですよね。

「期待してるぞ」などといわれて「頑張ります♪」などと答えてるんですから。

はぁ。

いつものホルモン焼き屋さんですっかり気落ちしている3人の図。

misaeng9_40_2

オ課長はパク課長について口を開きます。

「もともとは仕事熱心だったんだ。中東の専門家だから、うちで役に立つのは間違いないしな」

渋々頷くキム代理。

「鉄鋼課にいた頃、ヨルダンの案件で1億2千万ドルの輸出契約を結んだ話は伝説でしたよね。自他共に認める契約成功の立役者だった」

彼がいかに現地をうまくまとめたか付け加えるオ課長。

「受け入れよう。営業3課に来た以上は、うちの仲間だ。仕事は逃しても、人は捨てないのがわが営業3課の決まりだろう」

「課長の決まりでしょ」

「そんな言い方はナンセンスだぞ」

キム代理の強い拒絶反応を受けながらも、オ課長はグレにサポートにつくよう指示します。

「大変だろうけど、頑張れ。お前の専売特許だろ、我慢するの」

misaeng9_40_3

思わず顔を上げるグレ。
キム代理も間髪入れずに反応します。

「僕はそこも気に入らないんですよ」

グレに向き直り言葉を続けるキム代理。

「チャン・グレさん。仕事で足りないことを指摘されるのは当然だけど、人身攻撃は別の問題だよ。嫌なら嫌って言わないと」

misaeng9_40_4

「プライドないのかって言われるだけだよ」

misaeng9_40_4_1

キム代理、嫌なんですね。グレが黙ってやられているのが。

プライドないのかと言われ、少なからずしょんぼりしてしまったグレ。

家に帰ってひとりお酒を飲んでいます。

misaeng9_40_5

部屋に戻り、囲碁のノートを開くグレ。

危険な場所に果敢に飛び込むことだけが勇気ではない

飛び込みたい誘惑に強く駆られる所に捉われることなく、黙々と自分の道を進むのも勇

理にかなうものに逆らおうとする流れに対し、即座に反応するのは愚かなこと

misaeng9_40_6

相手が逆流した時に自分の道理を維持することは、相手から見れば逆流となる

よって自分の流れを揺るがずに堅持することこそ、最大の防御であり攻撃手段なのだ

囲碁の神童ですからね。

グレにはグレの戦い方があるんです。

人から見て分かりやすかどうかは別として。

翌朝、エレベーターでベッキと乗り合わせたグレは、ベッキが転職しようとしていることには触れずに資源課でのパク課長はどんな人だったか尋ねます。不機嫌そうな声で上司の悪口は言えないというベッキでしたが、グレにどういう態度を取るかは想像がつくの、なにを言われても無視するのが一番だとアドバイスをし。

グレは言われた資料を早々に集め、パク課長に驚かれていました。
それでもどうにかグレをけなそうと、書いてある貿易用語の意味は分からないだろうとパク課長。ところがグレはなにを聞かれてもすべて答えてしまいます。

グレの出来の良さが内心嬉しくてたまらないオ課長とキム代理。

グレが予想外に業務を把握できていることを知ったパク課長は、グレの上に立つために英語を繰り出します。

misaeng9_50_1

グレは英語は分かりません。

勝ち誇ったように、商社に勤めるには英語は基本だとパク課長。

「処置なしですね」とオ課長に言い残し、パク課長は席を立ちます。
その姿が見えなくなるや「幼稚なヤツ」とせせら笑うオ課長とキム代理。

勝ち誇ったかのように見えたパク課長はグレに敵意を向け「生意気なガキ」と密かに睨みつけていました。その様子を偶然見てしまったベッキ。

このあたり、後に絡んできそうです。

そのベッキですが。

辞めるつもりでヘッドハンティングの会社に面接の日取りを決めてもらうなど、もう自分の課の仕事には興味もないのですが、上司のカン代理が出張に出ている間に財務部に通さなければならない急ぎの書類が生じ。

資源課や営業3課も関わる仕事だったため、カン代理はベッキが提出することに同意します。

初めて仕事らしい仕事をすることになり、自信を持って取り組むベッキ。

そしてトラブルメーカーは。

またしてもグレをいじめていました。

肩が痛いから揉んでくれといい始めるパク課長。
グレへの仕打ちに、オ課長やキム代理のみならず営業2課も眉をひそめますが、そんなことに構うパク課長ではありません。

misaeng9_50_2

見かねてすぐにやめさせるオ課長。

ところがパク課長は、席に戻ったグレに、今度は足の裏が痛いと足を投げ出し。

misaeng9_50_3

怒りに堪えながらグレを見つめるキム代理。
グレはしばし戸惑ったあと、足を揉むために立ち上がります。

キム代理と視聴者が今にも求めに入りそうになった瞬間。
電話が鳴り、外に出て行くパク課長。

はー。危なかった。

グレの態度に業を煮やしたキム代理は、屋上にグレを呼び出します。

「なんで? 名前のせい?」

「え?」

「名前がグレだから、なんでもYESって言うの?」

グレの名前は「そうだ」など肯定を意味する言葉と同じなんです。
だからって名前のせいなはずないんですが。

苛立ちながら言葉を続けるキム代理。

「違うなら違う、嫌なら嫌、出来ないなら出来ないって言えよ。言ってもいいんだよ。
パク課長のことだけで言ってるんじゃない。普通は会社に入ったら現実にぶつかって挫折するなりなんなり、自我が出てくるものなんだよ。でも君はそういうのが全然ない。どんなことでも俺たちの言うことに全部従うじゃない。一言も不満を言わずにさ」

misaeng9_50_5

「君は何でもかんでも受け入れるつもりで会社に入ってきた感じがするんだよ。なんていうか、元長期服役囚みたいっていうの? なにが何でも社会に適応しようと頑張ってるっていうか・・・・・・」

misaeng9_50_6

「ごめん。言葉が過ぎた。でもチャン・グレさんはさ、本当にそうでしょ? 俺はチャン・グレさんの過去について全然知らないじゃない? 高卒資格検定試験出身で、今までに何もやったことがないって。でもさ。一体どんな過去があるからって、君はそこまで協力的で自己犠牲的なの?」

misaeng9_50_7

「俺は近いうちにもっとチャン・グレについて知りたいよ」

寂しそうな顔でグレの肩を叩き、戻っていくキム代理。
何も言わずにその後姿を見送るグレです。

ソンニュルの受難、その後。

会社に泊まって取引先に深夜に電話をかけ、朝から朝食会議の段取りまでつけたソンニュルは、椅子に座っているのがやっとの状態で眠気と闘っていたのですが。

課長にねぎらわれる中で、実はソン代理が自分に仕事を押し付け、いく必要のない出張に出たことを知ってしまいます。残業したと課長に嘘もついているソン代理。

その上自分がまとめるべき仕事の資料は、ソンニュルがまとめたと一切言わずに、さも自分がやったかのように課長に提出。

misaeng9_60_3

自分が仕事を押し付けられているとはっきり悟ったソンニュルは、先輩を呼び出します。

misaeng9_60_3_1

自分の仕事もたくさんあるので、これ以上ソン代理のやるべき仕事を自分に押し付けないでくれとはっきり断るソンニュル。

そこまでは良かったんですが。

そんな抗議で引き下がる生易しい相手じゃないんですよね、ここの上司も。

誰が仕事を教えたと思ってるんだ、先輩の仕事を少しくらい手伝うことも出来ないのかとものすごい剣幕で反撃。

ああ、とうとうソンニュルまで。

ソンニュルの笑顔がないと、ドラマもとってもつらいです。

ベッキはベッキで、財務部長に書類を返されていました。
理由は書かれておらず。

資源部の先輩に尋ねたところ、それは自分で理由を見つけろという意味だと。「基本がなっていないか、なにか重要なものが抜けているかのどちらか」だと言われ。

ヨンイはヨンイで、今度はハ代理だけでなくチョン課長や別の先輩にも雑用を命じられていました。

みんなのデスクを拭くよう指示されるヨンイ。

上司は自分が落として割った陶器まで、ヨンイに片付けるよう命じます。

通りがかったグレとソンニュルは、同病相哀れむの様相でヨンイの方付けを手伝い。

misaeng9_60_4

・・・・・・そこまで人手はいらないと思いますが。(笑)

通りがかり、こちらも足を止めるベッキ。

ソンニュルは同期の現状を嘆きます。

「なんで俺たちこうなんだろ。みんなに蹴られるサッカーボールに、いじめられるコンジュィに、塩漬けにされた白菜、そして尽くす男!」

misaeng9_60_4_1

てかその顔。(笑)

みんなに蹴られるボールはグレのこと、コンジュィとは昔話でいじめられる女の子の名前=つまりヨンイ、塩漬けの白菜はベッキ、尽くす男は自分のことですね。
ここどうやって翻訳するんだろうと、また気になります。直訳してもまったく意味が通りませんよね。(笑)

ソンニュルはヨンイに、「やり返せよ。強くといけと言ったはずだぞ」といいますが、珍しくグレが口を挟みます。

「道理に逆流する者に即座に反応するのは、愚かなこと・・・・・・」

misaeng9_60_4_2

グレは無意識に喋っていたのです。

驚いてグレを凝視する同期たち。

誤魔化すように立ち上がりながらも、グレは言葉を続けます。

「つまり、相手が逆流した時自分の道理を維持すれば、相手にとっては逆流になるんです」

misaeng9_60_5

「・・・・・・なんて?」

misaeng9_60_6

一人だけ意味が分からない子。(推定)

ベッキは面接を明日に設定し、突き返された書類に取り掛かります。
頭を抱えているところにオ課長が通りがかり、問題点を指摘。

「この見たこともない様式はなんだ? 新鮮だな」

ベッキはその言葉に、カン代理に以前言われた言葉を思い出します。
ベッキがオ課長から指摘を受けたのは、カン代理に言われたことと同じことだったんですよね。

「チャン・グレでもそんなふうには作らないぞ」と嫌味も残していくオ課長です。

そしてグレは。

キム代理に「見せたいものがある」と電話をかけ、自分の家に連れて行くことに。
貧しさをにじませる坂の上の家。

食事の心配をするグレの母に、すぐ帰るから気を使わないでくれとキム代理。

「チャン・グレさんが見せたいものがあるというので、ちょっと寄っただけですので」

「見せたいもの?」

「隠してるお嫁さんだったりして?」

misaeng9_70_2

グレの母は、「そんなはしたない噂をされるなんて、なにして歩いてるの、この子は!」といきなりグレをぶち始め。慌てたキム代理が「冗談です!」と止めに入りますが。

「分かってますよ。冗談言うなら、これくらいやらなきゃ。上司さんの冗談は面白くもないし、感動もないわね」

お母さんのも面白くないですけどね。(笑)

そして、お母さんの美味しくないサバの煮物を食べ終え、物のない殺風景なグレの部屋を見回すキム代理。なぜこんなに物がないのかと尋ねるキム代理に、すべて捨てたからとグレは答えます。出所した長期服役囚に獄中で使っていたものは必要ないから、と。

無礼な表現だったと再び謝るキム代理。

ふと碁石に気づいたキム代理。グレは実はずっと囲碁をやっていたのだと告白します。

プロになるために11歳の時からこの道一筋だったとグレ。
研究生と囲碁道場の友達がすべてだった10代の頃。
プロ入りに失敗し、囲碁に関するものは殆ど捨てたものの、これだけはどうしても捨てられなかったのだとグレは箱にしまっておいたこれまでの対局日記を取り出します。研究生になって以来、すべての対局についてこうして思ったことを記してきたのだと言いながら。

misaeng9_70_7

びっしり書き込まれた図や言葉たち。

なぜ負け、なぜ勝ったのかについて、自分の納得のいく答えを書き込み、師匠がそこに寸評を加えてくれたのだとグレ。

これを見るだけで当時の状況が思い浮かんでくるとの言葉に、キム代理は感心しながら相槌を打ちます。

キム代理は後ろにあった用紙に気づき、これはなにかと尋ね。会社に入ってからの対局だとグレ。

misaeng9_70_7_0

いまは会社での毎日を碁の対局に例えてつけているのだと。

なぜ一日に何枚もあるのかと尋ねられ、囲碁には一人が複数を相手にする対戦があるのだとグレ。
囲碁では強い人が複数の弱い人を相手にし、大抵は強いほうが勝つものなのだが、囲碁と違って会社は弱い側も何人も相手にしなければならないのだとグレは続けます。

キム代理、オ課長、他の部署との一戦。競争相手とも闘わなければならないと。

misaeng9_70_7_1

「そしていつかは会社を相手に試合しなければならないでしょうね」

グレは立ち上がり、碁石を手にします。

「囲碁に、置石というものがあります。棋力に優劣のある者どうしが対戦する場合、弱い方が先に目を置いて始めるルールです」

misaeng9_70_5

「4点、8点といった具合に先において始めるんです。でも会社では、弱いほう、つまり新入社員を相手に強いほうが先に目を置きます。強いほうが既に4点、8点、数え切れないほど多くの白石を既に置いている場所に入っていかなければならないんです。でも恐ろしいことに、黒石のルールは変わらないんですよね」

棋力に弱くても囲みは残さなければならないのだが、自分は人と同じようになっても居場所を残せそうにないとグレ。何も経験がないのに何かは残さなければならないのが新人社員ではないかというグレの言葉を、大きなため息で聞くキム代理です。

帰途につくキム代理を下まで送りがてら、会話を続ける二人。

どういう経緯で会社に入ってきたのか尋ねられ、中小企業を経営するとある後援者がチェ専務の知り合いだったので紹介されたとグレ。

「専務のコネだったのか。だからあの時課長が・・・・・・」

misaeng9_70_8

オ課長がグレに出て行けと怒鳴った日を思い出すキム代理。

「完全なメインストリームのコネじゃん」

「専務は僕を覚えてもいません。会社で一度も個人的に話をしたことありませんから」

それにしてもその社長はもっと早く面倒見てくれれば良かったのにと続けるキム代理に、グレは面倒見てもらったと答えます。

高卒検定試験に合格後、自分に会社に就職させてくれたのだと。

「なんでやめたの?」

「その時は・・・・・・。囲碁をやっていた過去を隠さなかったんです。初めは好奇心、だんだん疑いの目に変わり、最後には確信に変わっていったんです。囲碁をやっていたから融通がきかない、囲碁しかやったことがないから堅物なんだ、と。どうにか1年勤めて、兵役に逃げました」

だから過去を隠していたのかとキム代理は尋ねます。

失敗した人間だと思われると思ったのかと。

「君は失敗してないよ」

キム代理は言葉を続けます。

「俺も地方の大学を出て、就職に苦労したんだ。
ところが実際就職してみたらさ。成功したというより、単にドアが開いただけだという気がしたんだ。もしかしたら俺たちは、成功とか失敗じゃなく、死ぬまで目の前のドアを開けながら生きていくんじゃないかなって思うんだよ」

「じゃあ、成功って?」

「そうだな・・・・・・。自分がその瞬間にどんな意味を付与するかによって変わるんじゃない? 働いてるとさ、駄目になった契約でも成長できたなって満足感を得られるケースがあるんだよ。それって失敗かな?」

misaeng9_70_9_1

「負けても気分のいい碁もあります。そんな感じでしょうか?」

misaeng9_70_9_1_2_1

「よくは分からないけど、そうなんじゃない?」

misaeng9_70_9_1_3

misaeng9_70_9_1_2

キム代理は笑顔でグレに手を差し出します。

「明日からも、よろしくな」

misaeng9_70_10

misaeng9_70_10_1

泣ける。

キム代理は実はツイッターのIDを持っているのだといいます。グレもやらないかと。

「俺をフォローしなよ」

「ネットの掲示板に、上司とSNSするのは良くないってあったので」

misaeng9_70_11

こうして笑顔で分かれる二人です。

いやもう、なんでしょう。

この坂道の会話のシーン。
泣けます。

そして翌日。

屋上にやってきたベッキ。

いままで自分がカン代理にト交わしてきたやり取りを回想しています。

misaeng9_71

misaeng9_71_1

「基本がなっていない」の言葉に過剰に反応した自分。ベッキは自信満々だったのです。
そしていまは、その「基本」がなっていないために財務部につき返され。

「そのままやり返せよ」

突然話しかけられ驚くベッキ。

いつからいたのか、声の主はソンニュルでした。

misaeng9_72

先輩だろうがなんだろうがやっちまえと言う割りに、すっかり元気のないソンニュルです。

どうしても問題点が分からず、ベッキは観念してカン代理に電話。

misaeng9_90_2

カン代理はベッキがなぜかけてきたのか勿論分かっていました。

ここでもオ課長と同じ箇所を指摘されるベッキ。
カン代理にはベッキがどんなミスを犯すか、見えていたのです。

misaeng9_90_1

具体的な数字や必要な情報を事細かに指示するカン代理。ベッキはそれらをメモにとります。

「チャン・ベッキさん。また明日」

小さな声ではいと答えるベッキ。

自分の足りなさにようやく気づき、会社にとどまることに決めたのでしょう。ベッキには小さな笑みが浮かんでいました。

そしてグレは。

やらないといっていたツイッターで、キム代理をフォローします。

misaeng9_80_1

なにも呟かず、一人のフォロワーもいないキム代理。
それはグレも同じでした。

キム代理も笑顔でグレをフォロー。

misaeng9_80_4

そして流れるグレのモノローグ。

見せることの意味は分からないけど

見せたい人がこれほどまでに多い世の中

人々はなぜ自分を告白するのだろう?

misaeng9_80_5

囲碁は全体が部分を決定する

横に19、縦に19の碁盤が決定する世界

もし碁盤が無限なら

世界が無限のキャンバスなら

勝ち負けを決められるのだろうか

 

misaeng9_80_6


土地という全体が、私という部分を決める

慰めを得るため

理解されるため

自分を見せる人々

最後は「この調子では一緒に仕事できない」と対立するオ課長とパク課長でラストです。

前半はパク代理が嫌過ぎてギリギリきましたが、後半はグレとキム代理の心の交流がメインに描かれていて。

すっかりジーンときてしまいました。

ベッキがカン代理に言われていたことの意味に気づき、受け入れたのも良かったですよね。

一方でソンニュルは自分を体よくこき使っていただけの上司のずるさに気づいてしまい、今日も相変わらず雑用係のヨンイ。

見ていてなかなかにつらい状況ではありますが、人々の少しずつ心を開き、自分が何者なのかを見せることにしたグレなので、きっとそのうち同期とも心通じ合え、いいアドバイスをし合える関係になるのではないかと期待する視聴者です。

それにしてもソンニュルは、気づくの遅いんですけどね。(笑)

ミセンOST