みなさま、こんにちは。

本日二本目の『ポセイドン』話題です。
ブログに記事をアップして、すぐ10話を見たのですが、これは!
私の大いなる勘違いだったのかも?!

急展開の10話のあらすじ、書いてもよろしいですか?

あらすじに入る前に、『ポセイドン』の視聴率問題に恐らく関係しているだろう『千日の約束』のことから触れてみます。

SBSで今週の月曜日からはじまったドラマ『千日の約束』。
放送日が月・火と『ポセイドンと』重なっています。
ですが問題は、その強力なコンテンツ。
スエとキム・レウォンのラブシーン満載だそうです。(笑)

婚約者のいるキム・レウォンがスエと許されぬ恋に落ち、かたやそのスエは記憶を徐々に失っていく病に侵されている、といったストーリーのようですが、韓国にいる私の友人たちも「物凄く観たいのに、年頃の娘がいるから観れない!」と大興奮するほどのシーンがあるようです。

弱い! それに比べたら『ポセイドン』はなんて弱いんだ!
だって、こちらの最大の見所は、なんといっても悪役のオジサマたち!(笑)

数字を取れるはずがないなと、一人妙に合点してしまいました。

しかし、そんなことよりも気になるのが内容です。

キャプチャーをとる意欲がいまひとつ沸かないので字だけにしますが(早くも挫折です)、私が前の記事で褒めた「脚本家の脱北者への視線が優しくて良い」という読みが、真っ向から崩れるかもしれないという危機に直面してしまいました。

物語はチェ・フィゴンの手下であるチャンギルの携帯電話の分析から始まります。解析の結果、チャンギルが所有していた携帯電話が死んだはずのスユンの父名義のものであると判明。
私情に駆られたスユンはソヌが止めるのも聞かずに登録してある住所地に出向きます。

そこは大きな染色工場で、従業員も多数いる模様。
捜査に来たことを伝えても、会社の関係者と見られる人間に正式な捜査手続きを踏むよう断られます。
その過程でスユンとソヌは、その会社は社会的弱者を主に雇っており、その中にセトミン(「新天地を求めてきた人」という趣旨を表し、「脱北者」に代わって近年用いられている韓国語)もいることを知らされます。

署に帰り、二度と単独行動をしないようジョンリュルにきつく叱られたスユン。
しょげ返ったスユンを励まそうと、炭酸飲料を思いっきり振って渡すソヌがキュートです。

一方、染料に必要な無水酢酸はヘロインの原料でもあることに気づいた切れ者のオ・ヨンガプ。チャンギルが電話をかけ、スユンの父名義の携帯電話の契約者住所でもある染料工場に、アンダーグラウンドな匂いが漂ってきました。

それだけではありません。

チャンギルが実は1989年に父親と弟とともに脱北してきた者であることが分かります。
チャンギルは一人生き延び、脱北者が暮らす施設で育ったのですが、なんとその施設(ドラマ上ではシェルターとなっています)、例の密航船に乗せられていた兄妹のいる施設でした。

ちょっと待った!!

ここでとてつもなく嫌な予感。

脱北してきた子どもたちの施設で育ったチャンギルは、今とんでもない悪党になっているということですよね。
その悪党を生んだ施設の理事長も、善人に見せかけた悪党というオチなのでしょうか?
となると、理事長を褒めていた私って一体?(笑)

脱北した時期を89年としていますが、1989年当時といえば、ベルリンの壁崩壊の時期です。この時期、一部政府高官を除いては北からの人々が脱北する事態にはなっていません。北の人々が大量に脱北することになったのは、90年代半ばからの深刻な食糧難以降のことです。

うーん。
ずっと脚本家を褒めてきたのですが、ちょっと褒めるの慎重になってきました。
このあたりの社会的事実を適当に書かれると、急に薄っぺらく感じてしまうのですよね。
ドラマの展開を見つつ、慎重に脚本のレベルを見極めたいと思います。

ともあれ、チャンギル。
お約束どおり、チェ・フィゴンへと繋がるおとりになってもらうため、移送中に脱走させます。
もちろん、二重スパイのカン・ジュミンの手配によるものです。
そろそろカン・ジュミン、自分の部下である特攻隊員にも怪しまれそうな気配です。

うまいこと逃げたチャンギルは、いつ怪我をしたのか左手に傷を負いながら、どこぞの工場地に逃げ込みます。

チャンギルを逃がす前、チャンギルに睡眠薬入りの昼ご飯を食べさせて眠らせ、なんと体の中に発信機を飲み込ませたのですが(かなり無茶です)、その発信機の信号を追って捜査9課が後を追います。

チャンギルはチェ・フィゴンと思しき人物に脱走したことを告げ、待機しています。チャンギルの元にほどなく男が訪れるのですが、その男は有無を言わさずチャンギルを撃ち殺してしまいます。
その男というのが、冒頭の染料工場で、「正式な手続きがないと捜査は認めない」とした工場の関係者でした。

捜査9課も踏み込むのですが間に合わず、男を取り逃がしてしまいます。
ここでエンディング。

んーーーーーーーー。

どうでしょうね。

ずっと面白かったんですけど、10話で急に雲行きが。(笑)

私はこの前の記事で「本筋とは関係ない子どもたちのシーンを差し挟んでくる脚本に好感がもてます」と書きましたが、思いっきり本筋と関係ありましたね。
ただ気になるのは、関係の仕方です。
どういう結論に落とし込むつもりなのか、見守りたいと思います。

あと気になるのは、韓国ドラマにありがちな、竜頭蛇尾になるのではという危惧です。
風呂敷を広げるだけ広げて、結局収拾できなかった、なんてことにならないで欲しいと願うばかりです。

ソヌの父親が年に一度しか戻ってこない「海の男」として会話上にだけ登場するのですが、父親がどんな人物なのかも気になります。
とりあえず、「ソヌの父親がチェ・フィゴンだった」というオチだけは回避できそうなので胸をなでおろしてはいますが、かといってチャンギルを殺した男がチェ・フィゴンとはまだ断定できません。

チャンギルが身を寄せていた養護施設(シェルター)の理事長も、善人なのか、悪党なのか気になりますし、脱北者を最終的にどのような存在として描くつもりなのかも非常に気になります。


色々と気になる点が出てきて、ただ面白いというレベルではなくなってしまいましたが、つまらなくならないよう祈りつつ、次の放送を待とうと思います。

そういえば、10話には一度もポパイが出ませんでした。
さみしいです。
私にとっては、あの怖い顔あっての『ポセイドン』なのに。(笑)