みなさま、こんにちは。

今日は晦日。
先日、今年最後のつもりで年末のご挨拶をしたところですが、今年のうちにアップしておきたい記事が出てきたので、書いておきます。

『未生/ミセン』主演のイム・シワンさんのインタビュー記事です。

年末が押し迫っても、やっぱり『未生/ミセン』。
ここに、ようやく聴き込めたシプセンチ/10cmのブラボーな3枚目アルバムが加わり、脳内は完全に「青春モード」です。
年末年始の遠距離移動を思うと眩暈がしてきますが、『未生/ミセン』と「アフリカ青春だ」でなんとか乗り切れそうです。って、あれだけ言っておいて結局タイトルを「アフリカ青春だ」のままにしてますが。(笑)

そんなわけで、『未生/ミセン』。
放送を終えたあとセブ島に団体旅行に行っていた『未生/ミセン』チームが先日帰国し、その足でイム・シワンさんがインタビューに応じたとのこと。
他紙でもそのことについて既に記事は出ていますが、キョンヒャン新聞のスポーツキョンヒャンに記事が載っていたので、今日はそちらを取り上げようと思います。

記事の出典は、コチラ。内容は2014年12月29日付のものです。
26日に記者たちとの間で交わされたインタビュー全文ではなく、要点をまとめた編集になっています。

以下はキョンヒャン新聞がドラマ場面にインタビュー内容のキャッチをつけた画像。


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イム・シワンは今年、映画『弁護人』とドラマ『未生/ミセン』で
1980年代と2010年代を生きた20代を演じた

「20代のシンボルと受け止められるのは光栄なことです」

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チャン・グレを見ながら、芸能人としての自分の姿を思いました。
囲碁で言うなら‘いらない石’ではないかって・・・・・・。
専攻した工学を生かして会社員になろうかとも考えました」

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「“俺は自分が酒を飲みたい時に呑むけど、お前は人が酒が飲みたい時に飲む”という台詞が、一番記憶に残っています。
その台詞に、会社員になるという考えをすぐ改めました」

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「会社員の喜びと哀しみがどれほど大きいかを知りました。
彼らの人生に僕が共感したなどと言うこと自体、おこがましいと思います」

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「今を生きている多くのチャン・グレたちに申し訳ないです」

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「演じる中で初めて“僕に何かやれることが出来た”と感じました」

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「初めはチャン・グレを楽しむ立場だったのが、
段々責任感が大きくなって、“耐える”撮影になりました。
俳優からスタッフまで、情熱以上のものを持って取り組んでいる・・・・・・。
この現場は空気が違ったんです」

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「演技の底が露わになったと感じ、もがきました。
演技の面では僕はまだ‘未生’です」

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「シーズン2ではもう少し成長したチャン・グレを、シーズン3が制作されるなら、‘完生(ワンセン)’に近づいたという感じよりも、“またどれくらい成長しただろう”と期待させるチャン・グレになれたら・・・・・・」

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「2014年は信じられないような一年でした。高望みしてたくさんのものを得たわけではないように、自然体で認め、黙々と過ぎていけたらと思います」

では、以下インタビュー本文を翻訳したものを、どうぞ。

【インタビュー】
イム・シワン
「僕は未だに“未生”、現実の多くの“チャン・グレ”たちに申し訳ない」

有線チャンネルtvNのドラマ『未生/ミセン』(脚本チョン・ユンジョン、演出キム・ウォンソク)が与える感情は、最初も最後もひたすら主人公チャン・グレがもたらした。ドラマの初期に映しだされた彼の萎縮した肩に、人々は20代の若者のつらさと先の見えない未来を見た。そして最後、ヨルダンで砂漠を力強く疾走する車の中の彼の微笑からは、人々は「それでも踏ん張ろう」という慰めを得た。
5ヶ月以上ものあいだチャン・グレを演じた俳優イム・シワン(26)は、『未生/ミセン』によって同年代の俳優たちが進まなかった道を開拓した。彼の多くの作品は、金持ちの家の息子でもなく、秀でた才能も持たないものだった。だが各時代の20代が揉まれてきた苦難という感情の波、そして現実という壁を、余すところなく体験してきた。
『未生/ミセン』を終えた彼は、制作発表会の時よりも増えた取材陣の前で、落ち着いた様子でチャン・グレとして生きた5ヶ月について語ってくれた。

彼は「セブで飲んだお酒がまだ残ってるんです」と笑いながら口を開いた。
制作者と俳優らは『未生/ミセン』の放送終了にあわせ、フィリピンのセブ島に4泊5日の褒賞旅行に出かけていたのだ。イム・シワンがいうには、ひたすら酔いに酔う場だったそうだ。彼は『未生/ミセン』に取り組む中で心に生じた多くの感情の波を、セブの夕日の中に押しこめて戻ってきた。

「演じる中で初めて“僕に何かできることが出来た”と感じたんです。演出者や俳優やスタッフたちは、少なくとも現場では“演技にのみ没頭している”と感じさせてくれました。初めは自分がチャン・グレを表現し、そのキャラクターとして生きることを楽しんでいたのですが、時が経つにつれて段々と“ちゃんとやらなきゃ”、“責任持って取り組まなきゃ”という重荷を感じるようになり、耐える撮影へと変わりました」。

彼は劇中、韓国棋院の研究生として昇段を目指したものの、失敗し、ワン・インターナショナルという屈指の貿易会社にいわゆる「コネ」で入社する。あらゆる侮辱と屈辱に耐え、彼だけのやり方でインターン過程を通過するものの、学力が高卒と低いため、契約職に留まる。それでも彼は営業3課のオ・サンシク次長(イ・ソンミン)、チョン・グァヌン課長(パク・ヘジュン)、キム・ドンシク代理(キム・デミョン)など、「魂のコンビ」となる先輩たちに見守られる中で「商社マン」として育っていく。これらの過程では、社内で互いに牙をむきあう会社員たちの、ジャングルともみまごう日常の素顔が露わにもなった。

「チャン・グレを見ていると、自分の姿をしょっちゅう思い返すようになるんです。囲碁で言えば“いらない石”なんじゃないかと思えてならなくて。あえて芸能界で生きる必要があるのか、疑問に思ったこともありましたし。実際、歌手になったあとも、もう一度専攻の工学を生かし、会社員になろうかとも思っていたんです。なので、チャン・グレについては誰よりも共感できると思っていました。ところが、視聴者がチャン・グレに共感を寄せる部分のほうが、もっと大きかったんですよね」。

イム・シワンは今年、映画『弁護人』とドラマ『未生/ミセン』とで、1980年代と2010年代を生きた20代を演じた。彼は「20代のシンボルと受け止められるのは光栄なこと」としながら、「僕は世代を代表しうる人物ではありませんが、今までの苦労が認められたようで嬉しいです」と付け加えた。そして彼は、劇中オ次長が同窓生のピョン・ソンチョル(原文ママ)を接待している時に言われた言葉、「俺は自分が酒を飲みたい時に呑むけど、お前は人が酒が飲みたい時に飲む」という台詞を最も記憶に残る台詞として挙げ、本来夢見ていた会社員になるという考えを即座に改めたという。

「会社人がどういうものかを感じずらい職業のため、目で確認する機会がなかったんです。ただぼんやり“大変そうだな”とだけ思っていたんです。でもそれが可視化され、直接・間接的に体験したことによって、彼らの喜びと悲しみがどれほど大きいかを知ることになりました。彼らの人生に僕が共感したなどと言うこと自体、おこがましいと思えました」。

彼は最後にヨルダン出張に関するエピソードを伝えた。
劇中、サンプルを盗んだ職員を探すため、ヨルダンに急遽派遣されたチャン・グレは、ヨルダンの首都アンマン市内でスパイ映画を髣髴させる追撃戦とアクションを見せ、初期のチャン・グレとはまったく異なる姿を見せた。一角では「結局チャン・グレもスーパーマンにならないと生き残れないってことか」と自嘲気味の冗談が出るほどだった。

「『未生/ミセン』で映し出される常識的なチャン・グレの姿ではありませんでした。視聴者にお送りするプレゼントだったと思ってます。現実ではつらくて凄絶な目にあい不憫だった彼が、それでも現実を抜け出してカッコよくなれ、できることが増えるということが、カタルシスを与えるのではと思ったんです」。

彼は原作のウェブ漫画作者であるユン・テホが構想したシーズン2がドラマ化されるなら、「もう少し成長したチャン・グレが見られたらと思う」と語った。「完生/ワンセン」には近づけないまでも、それでも一日にほんの少しくらいは成長する姿を見せたいと。
2014年について、信じられないような一年だったと振り返りながら「高望みしてたくさんのものを得たわけではないように、自然体で自分の立場を認め、黙々と特にどうということもなく過ぎていけばいい」と付け加えた。

「ドラマをやる中で、認められたということよりも、演技の底が露わになったという気がすごくしていました。そのため、もがきました。演技の面で言えば、僕はまだ“未生”です。でも、ただ時間をやりすごすだけの作品ではなく、メッセージを与えられる作品がやりたかったんです。『未生/ミセン』は社会の本当の姿を見せてくれるじゃないですか。僕たちが生きている現実について考えることが出来ました。体験してみると、“僕がチャン・グレだ”と涼しい顔では言えませんでした。今を生きている多くのチャン・グレたちに申し訳ないです」。

様々な話をしていたイム・シワンの目が再び深くなる。果たしてこの俳優は、自身一世一代の演技となるであろうチャン・グレという役を、時が過ぎたあとどのように記憶しているのだろうか。そして「チャン・グレ」という大きな影からどのように抜け出すのだろうか。じっくりと見守りたいテーマが出来た気分だった。
所属事務所関係者は、イム・シワンが「このドラマのあと、運動で鍛えて体作りをするつもり」でいると言う。個人的には、まだそうしないで欲しい。20代の不安と焦りを象徴するその肩を、今度は誰に見出せというのだ。

出典:スポーツキョンヒャン ハ・ギョンホン記者 2014.12.29

実際のインタビュー自体はもっと長かったでしょうから、上記の記事はその要約と考えていいかと思います。
手が回りませんでしたが、もう一つ同じくキョンヒャンスポーツにイム・シワンさんの記事が載っているのでリンクしておきます。コチラです。
この記事では、イム・シワンさんが芸能界入りしたことで感じてきたよるべなさについての吐露や、であったが故のチャン・グレへの共感などが、詳しく掲載されています。
韓国語ですが、あわせてご覧になるとより『未生/ミセン』に向き合ってきたイム・シワンさんの人物像が伝わってくるのではないかと思います。

イム・シワンさんは確かに『弁護人』と『未生』でこの時代における韓国20代のアイコンとなった感、ありますね。とはいえ特段彼に何かを背負わせようとは思っていませんが。あくまで自然体に、あまりプレッシャーに思わずに、これからもいい演技を見せてくれたらと願うのみです。
監督もオ次長役のイ・ソンミンさんもイム・シワンさんの人間性について「本当に真面目でいい青年」だと口々に言っているのを見ると、こういう役が回ってくる資質をイム・シワンさんが備えているのだろうなという気がしてきます。
ずっとこのまま、真面目で真摯で謙虚なままいて欲しいというのは外野の勝手な願いと承知しつつ、イム・シワンさんにはこれからもいい俳優さんとして素敵な姿を見せて欲しいですね。
・・・・・・こんなふうにどこかで誰かに書かれるたびに、前からZE:Aのファンだった方々は寂しい思いをしているとも目にするので、「俳優」の面ばかり強調するのが申し訳なくはあるのですが。

記事でも触れられているとおり、ウェブ漫画の『未生/ミセン』はシーズン2として来年春からまた連載が始まる予定で、連載がいつ終わるかは分かりませんがその後再びドラマ化されると言われています。
シーズン2でもワン・インターナショナルのグレの同期たちも変わらず登場するそうなので、イサン・ネットワークという新たな活躍の場を得たグレがどんなふうに元同期たちと絡んでいくのかとても興味が沸きますよね。
ドラマに魅せられてしまった視聴者としては、明日からでもまたシーズン2が始まって欲しいくらいですが。(笑)

本当に実現するかは分かりませんが、もし『未生/ミセン』のシーズン2がドラマ化されるなら本当に小躍りするほど嬉しいです。
そうなると、シーズン2のウェブ漫画を読むべきか読まざるべきかがまた悩ましくもなりますが。
これを機に、今出ている『未生/ミセン』の原作本を読もうと思っていますが、ドラマ化されるならぐっと我慢して取っておきたい気もします。
もしシーズン3まで出ることになったら、その時は、きっとグレたちは30代ですね!

延々と続いて「課長島耕作化したらどうしよう」と今からありえない心配まで先取りしておりますが、本当に『未生/ミセン』シリーズが続いていくなら、それはそれでいいかも。
今を生きる人々の物語は、この先もずっと続きますもんね。

『未生/ミセン』、本当にいいドラマだったなと、また噛みしめてます。

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