みなさま、こんにちは。

緑がますます目に鮮やかな季節になりましたね。
私は先日ソウルから戻ってまいりました。
今日は、滞在中に訪れたドラマ『未生/ミセン』のロケ地、ソウルスクエアビルについて書こうと思います。


と、その前に。

ソウル滞在中にアップしたはずの、前のソニュドの記事ですが。
今日久しぶりにブログに取り掛かろうとして、一瞬目を疑いました。
なんと私、丸々1週間ほど寝かせていたようです。
確かにネット環境が不安定なところで書いてはいたのですが、まさかアップされていなかったとは。
せっかく滞在中に書いたのに、意味を成さずに残念です。(笑)


というわけで、私の中で目下最高傑作の座に君臨している『未生/ミセン』。
6月1日よりMnetにて字幕放送が始まるようです!
タイトルは『未生~ミセン~』。
訳すの放棄されたのですね、韓国の囲碁用語である、「未生(ミセン)」。(笑)

『未生/ミセン』詳細が掲載されているMnetのページへのリンクはコチラ

人物相関図などもあってサイトの内容は充実しているのですが、自動的に流れてくる宣伝動画の文句にびっくり。


「恋愛なし! 記憶喪失なし! 
今までになかった韓流ドラマが6月、ニッポンに初上陸!」


・・・・・・なにゆえにそんなに軽薄なの。(笑)


いや、そうなんですけどね。確かにないですけれども。
かといって記憶喪失がないとか御曹司じゃないとか、そんなレベルで「えー、じゃあ見てみよー♡」ってなります??
日本に入ってくると、映画にしてもドラマにしても、内容物が持つずっしりした重みを極力消してひとまずこういう宣伝の仕方になってしまうのは、どういうわけなのでしょうね。
宣伝する側が重たそうな雰囲気を嫌う傾向、著しくある気がします。
見る側がみんな軽いものを望んでいるわけでもないのに。
このドラマは韓国では「暗そうだったけど、見たら重いながらも面白かった」というのが多くの人々の感想だったりしたのですが、Mnetの宣伝文句を見る限りその逆になりそうですよね。「思ったより、なんか深刻!」みたいな。

いや、ほんと。
『未生/ミセン』はそんな軽々なドラマじゃないんで。
ずっしりくるんで。ええ。
これからご覧になられるみなさまは、重量感こそお楽しみくださいませ。(笑)


などと書きつつ、こんなに早くに『未生/ミセン』が日本に入ってきてくれて、本当に嬉しいです。放送を見られない方のために、早くDVD発売やレンタルなども始まるといいですよね。


というわけで、これから『未生/ミセン』を楽しみにご覧になろうという方々にはいささかネタバレになってしまう、『未生/ミセン』ロケ地訪問記。
まいります。


昨年10月17日から12月20日までの間、全20回で放送されたtvNのドラマ『未生/ミセン』。

初回放送直後から話題になっていた、主人公チャン・グレがインターンとして勤めるワン・インターナショナルの巨大なビル。
「碁盤ビル」、「チャン・グレビル」などと呼ばれていたそのビルは、ソウル駅の正面にある「ソウルスクエア」でした。



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「ソウルスクエア」は、もともとの名は「大宇センタービル」。
多くの人々は今でもこのビルを「大宇ビルディング」と呼んでいます。
ほぼ正四角形をしたこのビルは、韓国の財閥系企業の一つである大宇(テウ/デウ)実業(1967~)が1977年に竣工した地上23階、地下2階、敷地面積1万583㎡、延べ面積13万2560㎡規模の建物。立地がソウル駅の真ん前ということもあり、象徴的な「ソウルの関門」として、高度経済成長のシンボルとして人々に認識されてきたビルです。

5階建てでも高いとされた時代に建てられた地上23階のビルは、建立当時は青瓦台(大統領府)を見下ろせる状態だったそうで、大宇ビルに見下ろされるのを嫌った青瓦台の警護室が青瓦台方面を向いている大宇ビルの窓を遮らせたという秘話が残されています。
青瓦台が真下にあるわけでもあるまいに、いかにも軍事独裁政権下の韓国ならではのエピソードですよね。

このビルには大宇自動車、大宇建設、大宇電子、大宇インターナショナル、大宇造船など、大宇グループの全ての系列会社がかつて入居していました。一番上の階には大宇のキム・ウジュン会長の執務室。
一時は「一日のうち最も早く灯りが点り、最も遅くまで電気がついている、韓国で一番電力を使うビル」として知られていたそうです。

ドラマ『未生/ミセン』は、ポータルサイト「Daum」に掲載されていたユン・テホさんの人気ウェブ漫画『未生』を原作にしているのですが、ユン・テホさんは『未生』を書くために2年もの間、実際の商社で取材をされたそうです。
その商社というのが、かつてこのビルの中に入っていた「大宇インターナショナル」。
いまや外資の持ち物となってしまったかつての社屋「大宇ビル」でドラマが撮影されるのを見る大宇インターナショナル社員の人たちの気分は、どんなだったでしょうね。
ちなみに、ユン・テホさんがモデルにしたこの総合商社「大宇インターナショナル」は、現在は仁川広域市ヨンス区にあります。


現代、サムソン、金星(LG)とともに韓国4大企業と呼ばれ、1990年代末までは資産と売り上げ高で財界2位にあった大宇グループでしたが、1997年に迎えたIMF金融危機により多額の資金難に陥り、1999年にグループ解体となりました。

大宇ビルはその後、錦湖アシアナグループ(クムホアシアナグループ)が2006年11月に大宇建設を買収した際に錦湖アシアナグループの手に渡りますが、錦湖アシアナグループは「絶対に売らない」としていた大宇ビルを半年で不動産市場に売り出し。ビルは2007年7月には世界的な金融機関グループであるモーガン・スタンリーの不動産ファンドに買われます。
この時にビルの名前も現在の「ソウルスクエア」に改称。
2009年11月まで増改築工事(リモデリング)を行い今に至りますが、モーガン・スタンリーも結局2010年12月にシンガポール系の不動産投資会社に売却したので、現在の持ち主はアルファ・インベストメント・パートナーズ・コリアとなっています。

ビルの辿ってきた道のりを振り返るに、なかなか厳しいものがありますね。
次は一体誰の手に渡るのだろうかとふと考えてしまいます。
韓国における資本主義経済の縮図をこのビルに見るような。


資本主義経済の縮図といえば。

上記の写真はソウル駅1番出口をエスカレーターで上がりきったところにある、ロッテモールのところで撮ったものなのですが。

ここは外国からの観光客が買い物に訪れる場所なので、行かれたことのある方も多いと思いますが、とにかくロッテモールに向かう階段からその下の広場にかけて目に付くのが、ホームレスの人たちの姿なんですよね。

駅舎の中でも多数見かけますが、こちら側の出口には特にたくさんのホームレスの人たちが集まっています。
初めて行かれる方は驚かれるかもしれませんね。


ロッテモールに繋がる階段を下りていくと、大通りを挟んで真向かいにソウルスクエアがあります。
ソウルスクエア前の通りは、バス乗り場になっていて、各地へ向かうバス停留所がいくつもあり、タクシーも多数止まっています。



バス乗り場から一枚撮ってみました。



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いやはや、大きいんです。

大きいんですが、どういうわけでしょう。
『未生/ミセン』を見る前までは、このビルはただの風景だったんですよね。
改めて「こんなに大きかったっけ?!」と驚くという。(笑)

ちなみに、ソウル駅の出口から徒歩3分の距離にある会社に勤めて十数年になる友人は、当然のように「大宇ビル? 入ったことない」と即答。
ソウルを行きかう多くの人々にとって風景でしかなかったこのビルを一大観光地たらしめた(かもしれない)『未生/ミセン』のパワー、すごいです。


バス乗り場から振り返ると、こんな光景。



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普段こちら側に降りる用事がないので、今回まじまじと見て思ったのですが、駅がこんなに一企業のショッピングモールやスーパーと一体化してるのって、どうなんでしょう。

しかもロッテマートは、高いんですよねぇ。
って、話それてますが。(笑)


ちなみに、大宇ビルあらためソウルスクエアにはここからは行けません。
横断歩道がないので、渡れないのです。
なので、ここに行くにはソウル駅9番出口から地上に出る必要があります。



9番出口を出てすぐに見えるのは、こんな風景。




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すみません。
ほんと、どうでもいいただのビルの一角ですよね。
我ながらこのあたりから、テンションおかしくなってました。(笑)
ちなみに1階にはコーヒーチェーン店のTWO SOME PLACEが入ってます。


こちら側に渡ってみると、途端にぐっと減る人通り。
殆ど人通りのない道を興奮気味にまっすぐ進むと、さらにテンションの上がる光景が眼前に広がりました。

居並ぶ柱のうちの一つに、何か書かれてあるのです。

なんとそれは・・・・・・。






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激嬉!!


とうとうなにかが振り切られてしまったワタクシ、すかさず張り付きました。

柱に。(笑)





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そして正面からも。




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『未生』ファンが見たら泣きますね。間違いない。
って、泣きはしませんでしたが。(笑)

これはドラマ『未生』に出てくる名シーンの台詞なのですが、これが書いてあるとは全く知らずに行ったので、一気に血が沸き立ちました。
私、「似非チャン・グレ法」の広告塔になってしまったイム・シワンさんに色々モヤモヤ思ってたのですが、さすがにこの瞬間はそんなモヤモヤが飛んでしまいました。単なる『未生』ファンに舞い戻り。(笑)

ちなみにこの文字は、『未生』の最終回を目前にした12月17日に入れられたそうです。


そんなわけで、興奮気味にビルの中に入って行ったのですが、何しろそこは、オフィスビル。
ええ、ただのオフィスビル。

正面に受付があって、奥に銀行があって、真ん中の両サイドにはエレベーターがあって。

それだけです。(笑)


何も情報がないと、このまま気後れして退散してしまいそうな場所ですが、ここで帰ってはいけません。
ここまできたからには、地下に降りないと!

というわけで、トゥサムの前方にあった地下へのエスカレーターに乗って下りてみました。


ところがですね。
地下一階はブロック分けされたレストラン街のようになっていて、中にクリニックやコンビニ、ネイルサロンなどもあるのですが、ちょっと見た感じはコーヒーショップとお食事処が集まっているだけの印象。

グレが1話でお昼を食べた社内食堂が実際にビュッフェとして営業しているという情報を、去年どこかでみかけたのですが、それに該当しそうなお店も見つけられず。

私が行ったのは平日のランチタイムをとうに過ぎた時間帯だったのですが、いくつもあるコーヒーショップはどこもそこそこにぎわっていました。
柱の文字を見ただけでも充分満足してしまっていたので、ビュッフェを探すのをすぐに諦め、満たされた気持ちでコーヒーショップに立ち寄ろうと思ったその時でした。

前方になにやら光り輝く一角。

エスカレーターを降りて右手奥に、なんと!

『未生/ミセン』コーナーがあるではありませんか!



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遠くから『未生』の文字を見た瞬間、思わず小走りになってしまいました。

正直、大興奮。(笑)

場所は地下1階の真ん中あたりでしょうか。
広いので全貌を把握しておりませんが、感覚的には真ん中あたりの一角が『未生』特設コーナーになっていました。
上の写真は右端から左側に向けて撮ったもの。


こんなものも設けられているんですよ。



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「ワン・インターナショナル」の社員証をかたどったフォトゾーン。

左が「チャン・グレ」、右が「アン・ヨンイ」となっています。

ひとりだったので自分が収まることは不可能でしたが、次回は友人を引っ張ってきて強引なことをしてしまいそうです。(笑)


フォトゾーンの隣りには、ショーケースの中に飾られたドラマの小道具が収められています。いずれも実際に俳優さんたちやスタッフが使ったものなのだそうですが、碁石や台本、社員証などなどに胸ときめくことこの上ありません。



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壁にはモニターがあり、『未生/ミセン』の名場面が流れていました。

右端の場面は、オ課長とグレがタクシーを見送るシーン。



そしてこれは、台本と実際に使われていた碁盤!



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これはグレとソンニュルの人事記録。

画像はクリックで拡大できます。



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これ見てソンニュルのほうが年上だと知ったんですよね、グレ。

思い出してキャッときてしまいました。(笑)



そしてこれは、グレたち営業3課の席においてあった、ネームプレート。



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こちらは社員証。

この画像もクリックで拡大できます。



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「繊維1課」のビジター入館証や「ワン・インターナショナル」の手帳など。



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備品の小道具が精巧ですよね。

こんな手帳、確かに会社にありそうです。(笑)



ショーケースの隣りには、『未生/ミセン』でロケ地として使われた「ソウル・スクエア」の各所を紹介するコーナー。

以下も拡大できます。



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23階の屋上のシーンは、名場面でおなじみの場所ですよね。

他に、5階の連結通路にある屋外テラス&大きな窓や、4階の庭、13階のオフィスなどがロケ地となっています。

ドラマを見た人なら、写真を見ただけでどのシーンだったか思い出せますよね。

『未生/ミセン』は京畿道の南揚州(ナミャンジュ)市に500坪の大きなセットをつくり、繊維課や鉄鋼課などのシーンを撮ったそうですが、ソウルスクエアの13階でも営業1、2、3課と営業部長室のセットが作られ、オフィスが休みになる土日を利用して撮影が行われていたそうです。


これが、撮影が行われていたソウルスクエア13階。



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他の撮影場所の画像も貼っておきましょう。


これは5階の屋外テラスでのシーン。



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そしてこれは、4階の庭でのひとコマ。



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この庭にも数々の思い出がありますが、やはり一番はオ課長がアン・ヨンイに熱唱したシーンでしょうか。(笑)




ちなみに私が見つけるのを諦めた、1話に出てくる社内食堂。


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調べましたところ、ちゃんと地下1階にロケ地となったお店がありました。

お店の名前は”momchoi(マムチョイ)”。
ビュッフェというより、フードコートですね。

コーナーが3つに分かれていて、メニューは日替わりのようです。
営業時間は平日昼11時半から1時半までが基本で、食券を買って該当コーナーの前に行き、料理を受け取るシステム。
夜は予約制のホッピー屋さんになるそうですが・・・・・・やってるんでしょうか?(笑)

このビルには大宇証券が入っているのですが、大宇証券の社員には6000ウォンからの1割引で食事を提供しているそうですので、実際大宇証券の社員にとっては社食といった感じなのでしょうね。

実は私、マムチョイの看板をちゃんと目にしていたのですが、あれがそうだったとは気づきませんでした。オープンなつくりのお店とは想像していなかったので。

土日は営業しておらず、なおかつランチタイムの限られた時間帯だけの営業ですが、もしよろしければみなさま私の代わりにリベンジしてきてくださいませ。(笑)


そんなわけで無事終えた「ソウルスクエア」見物。

小道具の展示など充実した『未生/ミセン』特設コーナーを思いがけず訪問できて、とても幸せでした。

『未生/ミセン』への愛、再確認いたしました。




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元「大宇ビル」をロケ地に選んだプロデューサーのイ・ジェムンさんは、「熾烈な競争が繰り広げられる大企業の現場を実感を伴って描写するには、象徴的な建物が必要だった。また、ドラマのリアリティのためにも、ソウルの真ん中にある建物を選んだ」とその選んだ理由をかつてインタビューで述べていました。
「一時は韓国経済を象徴した大宇グループの建物だったという点にも、格別な意味があった」と付け加えたイプロデューサー。

ドラマを見終えて、改めてロケ地となったこの意味深長なビルを訪れてみると、色んな感慨が浮かびます。

ドラマの放送とともに、今後は日本からもドラマに魅せられた人たちがこの場所を訪れるのでしょうね。


 
ソウルスクエアの1階と地下1階は、ソウルの人気飲食店がずらりと軒を連ねているので、行かれる方はお食事も兼ねられて一石二鳥ではないでしょうか。
残念ながら2階より上はオフィスなので上がれないようですが、是非思い思いに楽しんで頂ければと思います。

ちなみに、9番出口を目指してくれば、地上に上がらずとも地下通路からそのままソウルスクエアに入ることもできます。

『未生/ミセン』ファンなら、まずは地上に出てあの“Yes!”を見に行くだろうとは思いますが、一応情報提供まで。(笑)


***追記***
2016年5月にお寄せ頂いた情報によれば、ソウルスクエアの表の柱の文字はもうなくなっているそうです。



ミセンOST