みなさま、こんにちは。

あっという間に5月最後の週になりました。
今日も先日訪れたソウルについて書いてみようと思います。
今日ご紹介するのは、新村にある中華料理店「福盛閣」です。


ソウルメトロ2号線の停車駅である新村(신촌/シンチョン)。
この辺りの沿線沿いは大学が多数あり、若者が集う街です。
私の大好きな10cm(シプセンチ)もインディーズ時代の名曲『恋は喫茶“銀河水(ウナス)”で』で、そういやいみじくも歌っていました。「君のいないホンデ、サムス洞、シンチョン、イデ、イテウォンなんて歩けやしない」と。

イテウォン(梨泰院)は少し距離がありますが、シプセンチの歌のようにここは「あのあたり」とひと括りで語られる一角。
シプセンチのクォン・ジョンヨル君が通っていた延世大をはじめ梨花女子大、弘益大、西江大などがあり、明るい活気に満ちた場所です。

新村駅の近くの書店で用を済ませたあと、いつものように中華料理屋さんの「福盛閣/복성각/ポクソンガク」で食事をすべく足を運んだのですが。

なんと。

「福盛閣」、『星から来たあなた』のロケ地だったんですね!

ドラマをあれだけ熱中してみていたのに、表に出ていた看板を見るまでまったく知りませんでした。(笑)


「福盛閣」は2号線新村/シンチョン駅の3番出口を出てしばらくいったところにあります。

地図で見ると、こんな感じ。青の▼が「福盛閣」です。
地図はクリックで拡大できます。



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こちらは地図の拡大バージョン。
これもクリックで大きくなります。


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3番出口を出たところの広い通りを、そのままずんずんまっすぐ行く感じです。徒歩5分はあるかと思いますが、道が単純なので2号線新村駅3番出口から向かえばすぐ見つけられると思います。

途中、天使をモチーフにしたコーヒーチェーン店“Angel-in-us/エンジェリナス”が右手に出てきたら、そろそろお店が近づいてきた合図。次の小さな路地で顔を右に向ければ、「福盛閣」の看板がすぐに目に入ってきます。


これがその「福盛閣/ポクソンガク」。



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目の前まで行って知る、驚愕の事実。
ト・ミンジュンがソンイの弟ユンジェとともにソンイのお父さんに初めて会った中華料理屋さんが、ここだったなんて。(笑)



ええ、まさにこの場面です。

18話、お父さん涙の「娘を頼んだぞ」シーン。



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で、お店の入り口がこんなことになってるわけです。



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あまりの思いがけなさに、すっかりウキウキに。(笑)


落ち着いた雰囲気で、店内の内装も綺麗なこのお店。
本格中華を味わえるお店ながら、美味しくてリーズナブルなメニューも豊富なので、平日は延世大の学生などでにぎわっています。
私も延世大出身の友人に教えてもらい、気に入って通うようになったのですが、こうしてテレビに出ても案外気づかないものなんですね。
あのシーン、てっきり仁川あたりの中華街のお店かと思っていました。


お店に入る前、2階に続く階段の様子。



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入り口の真向かいには、こんなふうに椅子や置物が置かれています。



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ある種の写真スポットです。(笑)


店内、入ってすぐのところはこんな感じ。



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私が行ったのはちょうど休日で、お客さんが切れ目なく訪れていました。

人がいなければもう少し写真も撮れたのですが、さすがにお食事中の方々にカメラを向けるわけにはいかず。店内の趣きある内装を殆どお見せできないのが残念です。


1953年に華僑の方が創業したというこちらのお店。
今年で62周年ですので、まさに韓国現代史とともに歩んできたという感じですよね。
お店は地下1階から3階まで。
地下は予約しておかないと案内してもらえないなどと聞くと、ピョルクデで使われているこのテーブルが何階のものか、にわかに気になります。(笑)
少なくても人々が最も案内される率の高い1階ではなさそうです。
撮影されたテーブルがどこか、聞けばよかったですよね。


ところで、韓国で食べる中華ですが。

日本には高級なお店に限らず、街の中華料理屋さんも美味しいお店がたくさんありますよね。
美味しい中華料理に慣れている日本の人たちには、韓国の中華料理屋さんはかなり期待値に満たないのではないかと思われます。

韓国で中華といえば、「チャジャン麺(ジャージャー麺)」。
テレビドラマや映画などでも、しょっちゅう食べているシーンが出て来ます。
黒い餡(あん)が麺にかかった物なのですが、味のほうは日本で食べるジャージャー麺とはまったく似て非なるものなので、初めて食べた時に何味かわからず、戸惑う方もいらっしゃる気がします。

それもそのはず、実は一見中華料理の調味料である「テンメンジャン」に見えるものの、チャジャン麺など韓国の中華に使われている黒い味噌は、テンメンジャンではありません。
「春醤(チュンジャン)」と呼ばれる、テンメンジャンをアレンジした調味料なんです。
テンメンジャンよりも甘く、コクや香り、塩味が全体的に薄い、なんだかぼんやりした味。なので、テンメンジャンの味かと思って口に運ぶと、一瞬混乱をきたすという。(笑)

そして。
「春醤(チュンジャン)」で味付けをしたチャジャン麺(チャジャンミョン)と並ぶ韓国中華の二大トップメニューといえば、「チャンポン」。

日本の「ちゃんぽん」から来ているネーミングなのですが、こちらも長崎ちゃんぽんとはまったく違って、とにかく辛い。スープも真っ赤です。
ただ、韓国チャンポンは、辛いものが大丈夫な方なら美味しく召し上がって頂ける味だと思います。

ということで、「チャジャン麺」といえば、「タマネギをメイン具材にした、テンメンジャン風味の黒い餡が麺に乗ったもの」のことなのですが、こちら「福盛閣」には一般的なチャジャン麺だけではなく「赤いチャジャン麺」、「黄色いチャジャン麺」というものがあり、私はいつも「黄色いチャジャン麺/노랑짜장/ノラン チャジャン」を食べにこちらに通っています。

普通のチャジャン麺はわざわざ食べに行くことも、出前で頼むこともないのですが、このお店の「黄色いチャジャン麺/ノラン チャジャン」は食べやすくて美味しいんです。
日本の方なら、大抵はお口に合うのではないでしょうか。


「福盛閣」の基本のセッティングはこんな感じ。



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何の変哲もないです。(笑)

そういえば、いつもはお箸もスプーンも「福盛閣」とプリントされた紙に包まれて出されるのですが、この日はそのままでした。
もしや忙しくて手を抜かれたのでしょうか。(笑)


この段階では、何がどうということはありません。
薄味のジャスミンティーと、おなじみ「タマネギ&春醤」。アンドたくあん。
いたって普通。


そしてこれが「福盛閣」オリジナルの「黄色いチャジャン麺/ノラン チャジャン」です。



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ご覧のとおり、餡かけのメイン具材は、玉ねぎでございます。(笑)
これも忙しさのなせる業なのか、今回麺の上に餡があらかじめかけてありましたが、以前は麺と餡が別々にサーブされていました。

ドラマや映画を観て「食べてみたい」と思われる方が多いと思しきチャジャン麺ですが、恐らく実際に食べれば、「あの味がすごく好き」という方はあまりいない気がします。
味が分かればもういい、という感じではないでしょうか。
日本で食べる中華に慣れていると、春醤には味のぼんやり感が拭えないですよね。

私自身、日本で韓国チャンポンは食べに行っても、チャジャン麺は頼みません。あれはやはり、“ソウルフード”と呼ぶべき物ですよね。


なのですが、このお店の「黄色いチャジャン麺」と「赤いチャジャン麺」は、名前こそ「チャジャン」となっていますがチャジャン麺とはまったく違います。そしてどちらもとても食べやすい味付けです。

「黄色いチャジャン麺」、見た感じは日本で食べる餡かけ焼きそばや、五目焼きそばのようですが、恐らくオイスターソースは入っていません。
韓国に「ヌルンジタン/누룽지탕」という、中華料理のおこげの海鮮餡かけに似た食べ物があるのですが、その「ヌルンジタン」の餡を麺にかけたような感じです。

このお店のオリジナルメニューなのに、実は頼んでいる人を店内であまりみかけない「黄色いチャジャン麺」。
ですが皆さまもこのあたりにいらっしゃることがあれば、一度は福盛閣の「黄色いチャジャン麺」を食されてみてもいいのではないでしょうか。韓国での辛い食事、食べ慣れない料理に疲れた胃に、この食べやすさが救いになること請け合いです。(笑)
たしかお値段も4500ウォンと、とてもリーズナブルでした。

(*現在は「黄色いチャジャン麺」はなくなりました)


もう一つご紹介しておきましょう。
こちらはこのお店の人気メニュー、「福盛閣チャンポン」。
韓国の人たちにとってはそこまで辛いチャンポンではありませんが、日本の人たちにとっては全部食べ切るには途中つらくなる可能性があるので、辛いものが得意な人向けということでご紹介しておきます。



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具は海老やイカなどの海鮮と豚肉、野菜を炒めたもの。
スープも美味しかったです。
お値段は7000ウォンだったかと。

チャンポンやチャジャン麺など、服にはねたら困る料理を食べる際は、お店の人にエプロン(앞치마/アチマ)をもらうのが基本です。
中華料理屋さんはどこでもエプロンを用意しているので、必ずエプロンして食しましょう。でないと大変なことになりかねません。(笑)

ちなみにこちらのお店、外国人観光客にも知られているのか、私がいる間も二組見かけました。
『星から来たあなた』効果なのかは知る由もありませんが、静かに写真を撮りつつ楽しそうにお食事されていたので、隣りのテーブルにいた私まで嬉しくなりました。
場所柄、もしかしたら留学生の方だったのかもしれませんね。


3番出口を出た駅前の大通りは、路上においてあるピアノを弾いている人がいたり、インディーズ出身の歌手がデビュー記念に路上ライブを行っていたりと、個性を感じさせる街、新村なのですが、「福盛閣」の帰りに見かけた新村らしい観光案内所についてもあわせてご紹介しておきましょう。


街中に置かれたこの赤いバスが、それです。


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以下は場所を記した地図。オレンジの星印のあたり。
ちょうど「現代U-PREX」の裏です。
この画像もクリックで拡大できます。



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近づいてみると、こんな看板が。


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“SHINCHON PLAY BUS”。

せっかくなので、バスの中に入ってみました。

中に入るや、「文化の解放区 新村(シンチョン)」の文字とともに目に飛び込んでくる、韓国の70年代-80年代を飾ったミュージシャンたちのCD。



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ヘバラギ、ハン・ヨンエ、シンチョンブルース。

チョ・ヨンピルさんのアルバムもあります。


そして向かい側のラインナップは、インディーズ!
こちらの写真は拡大できます。



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真ん中は、『未生/ミセン』の『明日』を歌っていたハン・ヒジョンさんなんですよね。

思わずテンション上がってしまいました。



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一番人気は、この方。

ルシア。



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私がいる間にこの前に立って言葉を放った人のうち、3人中3人が口にしたのが「あ、ルシアだ!」でした。

ルシアはちょうどこの間行われていた韓国内最大規模の音楽フェス‘GREEN PLUGGED SEOUL 2015’にも出演されていたようですよね。私はこの時の人々の強い反応でインプットしたのですが。(笑)
ちなみに左端の“Epitone Project”もフェス参加組み。
どんな音楽を奏でる人たちなのか、興味が沸いてきます。


写真にあるようにヘッドフォンが置いてあり、かざせば音楽が流れてきます。
他のCDが聞きたければ、係りの人にリクエストすればいいとのこと。

普通の観光案内所を想像して入ったので、してやられました。
こんなところまでオシャレ。
新旧の音楽で街の特色をアピールしてくるとは、心憎いですよね。


バスの前方はDJブースになっていて、古いレコードと新村の昔の様子を映した写真パネルが展示されていました。


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昔の新村駅周辺の様子や、70年代のファッション、かつて流行った音楽喫茶、舞踏場など、文化の発信地である新村のかつての様子を伝えるパネルには、韓国語と英語の簡単な説明文が添えられています。



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これを仕掛けた方、センスを感じます。
新村という街のアイデンティティを、音楽の側面から切り取ったわけですよね。
色んなことを詰め込むよりも、「らしさ」が際立ちます。




一般的な観光案内のパンフレットなども置いてあり、腰掛けられる椅子も中にあるので、新村で見かけたら是非中を覗いてみてください。

そういえばこのバスは2階建てだったのですが、うっかり上を確認せずに出てきてしまいました。もしかしたら上にも何かあったのかもしれません。

きっといずれまた「黄色いチャジャン麺」を食べに行くので、その時にでも確かめてくることにします。