みなさま、こんにちは。

ソウルの暖かな陽気も一変し、今朝の気温は3℃。
それでも帰国した日本のほうが寒く感じるから不思議です。
体がすっかりオンドル部屋の暖かさに慣れてしまい、室内の冷たさを余計に感じます。
ソウル滞在中の色々なことを後付けながら記しておこうと思います。

韓国に旅行に行って伝統茶屋でお茶を飲む方も多いと思いますが、今日は「五味子(オミジャ)茶」について。

日本のスーパーなどで普通に売られている韓国の伝統茶といえば、代表格は柚子茶ですよね。
甘すぎてカロリーがついつい気になってしまいますが、風邪を引きそうだなと思った時に温かい柚子茶を飲むと症状がちょっと収まることがよくあります。

柚子茶ほどにはメジャーではないですが、同じく伝統茶に「五味子(オミジャ)茶」という漢方の飲み物があります。

主に夏場に冷やして飲むイメージですが、冬場にホットで飲んでも美味しい五味子茶。
「五味子」と呼ばれる漢方を一晩水に浸して養分を抽出し、黒砂糖や蜂蜜などの甘味料を好みで加えた飲み物が五味子茶なのですが、その名のとおり甘み・酸味・苦味・辛味・塩味の5つの味を併せ持つとされています。
ロゼの色合いと赤い実がきれいなので私も伝統茶屋でよく注文するのですが、甘味料の甘みと酸味、多少の苦味までは感じられるものの、辛味と塩味は今のところ私は感じたことがありません。

漢方的な効果としては咳止めや疲労回復、消化機能の正常化などの効能があり、寒い季節にも最適なその五味子茶を今回の滞在中仁寺洞(インサドン)で飲む機会がありました。

マッコリとチジミ(パジョン)を提供するお店は大抵伝統茶も売っているので、友人たちは粉末の松の葉入りマッコリ、私ともう一人のお友だちは五味子茶を頼みました。
松の葉の粉末がいかにも溶けそうもない感じでたっぷり入ったマッコリを韓国の友人が「混ぜれば溶ける!」と力強く断言するので、宴席を共にした人たちが面白がって代わる代わる混ぜてみるのですが、これが本当に溶けません。

この全然溶けていない感じ、伝わるでしょうか。(笑)

すり鉢の要領で鉢にこすり付けてみたりと悪戦苦闘するものの、木の器の中で液体が無情にぐるぐる回るばかり。
結局みんな粉末の塊を浮かべて飲んでいました。

そして、私が頼んだ松の実を浮かべた五味子茶。

一口飲んだ瞬間に感じたシュワシュワ感。
なんだかスパークリング・ワインを口に含んだ時のような口当たりです。
まさか、五味子茶にアルコールが入っている筈がないと思いつつも、お酒の飲めない人間はアルコールに敏感です。
そろそろと口をつけていたのですが、やっぱり何かおかしい。

なんとなくあまり飲み進めずにふと隣を見ると、一緒に五味子茶を頼んだ下戸仲間のお友だちの顔が真っ赤ではないですか。
これは間違いないと確信し、お店の人に尋ねてみたところ、なんと五味子茶には醗酵・熟成させたものとそうでないものがあるとのことで、このお店のものは醗酵させたものでした。

かくして我が下戸グループは、五味子茶で酔うという前代未聞の事態に陥りました。(笑)

付け加えますと、醗酵・熟成させた五味子茶も、かすかなシュワシュワ感があることを除けば一般的な五味子茶の美味しさと変わらず、よほどお酒が飲めない人でない限り赤くなったり酔うほどにアルコール度が高いとは言えないだろうというのが、飲んでみての感想です。
五味子茶で顔が赤くなるのは、人類多しと言えども全世界に100人もいないのではないかと思います。
数字はでまかせですが。(笑)

アルコール化した五味子茶もあるとの新たな発見をした数日後、今度は本草学(漢方)を学んだ友人手作りの五味子茶をいただく機会を得ました。
五味子茶のエキスを好みの濃度で水で割って飲むのです。
五味子の赤い実がいかにも美味しそうなのですが、実は食べるとものすごく不味いとのこと。
絶対に食べちゃ駄目と念を押されたので、冒険はしないでおきました。


黒砂糖で甘みをつけた手作りの五味子茶、とても美味しかったです。

韓医院(漢方医院)で仕入れた五味子を友人が分けてくれたので、私も美味しい五味子茶作りに初チャレンジしてみます。