みなさま、こんにちは。

今日も引き続き『六龍が飛ぶ』第12話、まいります。

続く12話は、「ペク・ユンを殺した」と書かれた書に関するバンウォンへの追求で幕開け。

捜査を担当する捜査官は、これまで何度もイ・インギョムの不正を正そうとして流刑に処せられた、石頭で有名な人物です。

ヨニはチョン・ドジョンの荒業に、「ペク・ユン殺しの背後と誤解され、イ・バンウォンがより危機に陥る」と憂慮しますが、チョン・ドジョンは、「官僚たちはバンウォンの部屋から見つかった手紙をなかったことにする筈だ」と言います。本当にイ・ソンゲと内戦にでもなったら大事なので、イ・インギョムを疑う方向に行く筈だと。

語り合う二人の傍ら、都の人々にも北方でのイ・ソンゲの大勝が伝わり、村人は喜びに沸きます。

石頭の捜査官が、捜査は継続すると原則的な態度を崩さなかったため、チョン・ドジョンの読みのとおり、手紙を無にしようとし始める官僚たち。
「この手紙にはイ・バンウォンの名前もイ・ソンゲの名前もない」、「こんな匿名の手紙を根拠に捜査は出来ない」、「捜査方法がおかしい」、「匿名の手紙を残した人間こそ捕まえなければ」などと口々に訴えます。

その傍では、手紙がすりかえられた敗北感に密かに打ち震えるイ・インギョム。

囚われのバンウォンは偽の手紙の内容を聞かされ、「例の刺客がチョン・ドジョンに宛てたものが、なぜ?」と混乱します。

『サムボンは私を殺そうとしてるのか? いや、そんな人ではない。でもそんなことをすれば父も危険になるのに、なぜ?』と心で呟くバンウォン。

議会のあと、キル・テミは「あんな大それた工作をするなんて、イ・インギョムはおかしくなった」と呆れますが、ホン・インバンはチョン・ドジョンを疑っています。

そうキル・テミに伝えようとしたところへ、ハムジュに使いにやったチョンニョン和尚を伴ったイ・ソンゲの長男イ・バンウが現れ。

一方イ・インギョム宅では。
女将チョヨンは手紙がすり変えられたことに驚愕。傍らで「影のせいだ」と呟くイ・インギョム。

バンウォンの拷問を中断させたとするイ・インギョムに、チョヨンは「あの捜査官は言うことを聞かないのでは?」と心配します。
ところが。おもむろに開けられた秘密の扉から、例の捜査官が姿を現すのです。
いつの間にか、この「石頭」を自らの配下においていたことに、さすがはイ・インギョムだといたく感心するチョヨンです。

このシーンも動画を貼っておきましょう。

この捜査官、人々からはあだ名「ナム・コルトン」と呼ばれています。
「コルトン」は「石頭」より本当はもっと悪いニュアンスなんですが、ひとまず「石頭」としておきます。

チョヨンに、かつてサムボン(チョン・ドジョン)に煮え湯を飲まされた時と同じ感じだと語るイ・インギョム。チョンニョン和尚が以前ホン・インバンに頼まれてサムボンを探していたことを思い出したチョヨンは、確かにホン・インバンの後ろにチョン・ドジョンがいるかもしれないと頷きます。
バンウォンも知っているであろう「影」を聞き出すよう、捜査官に取調べを続行させるイ・インギョムです。

その頃ホン・インバン&キル・テミは、チョンニョン和尚とともに現れた長男と会合。
手紙を残したのはサムボンに違いないとのホン・インバンの言葉に、兄は手紙を屋敷に忍ばせた男を証人として捜すことにします。

おりしもイ・インギョムの命によって女将チョヨンの手下に消されかけていた男を助ける長兄。

一方捜査官は、イ・ソンゲが戦で大敗したと嘘の情報をバンウォンに聞かせ、恐らく戦死しただろうと伝えます。

衝撃のあまり倒れるバンウォン。
見守っていたイ・インギョムは、殺さない程度に追い詰めるよう念を押します。
ちょうどその時、始末した筈の男を連れてバンウォンの兄がやってきたため、慌てるイ・インギョム。一緒にやってきたホン・インバンとキル・テミは、まだイ・インギョムと捜査官がグルであることを見抜けていません。

町では。

チョン・ドジョンがさりげなくタンセの事を聞きつつ、カップニの隣りでご飯をかき込んでいました。そこへタンセが怒りの形相で現れ、チョン・ドジョンを追い返そうとします。

「警告しただろ。今度会ったら、その時は殺すかもしれないって。
俺もあんたを忘れる。あんたも俺を忘れろ。二度とくるな」

タンセの悲しみと失望の大きさに、何も言えないチョン・ドジョンです。

悲しみが滲むタンセのシーン、動画でご覧ください。

タンセ、つらいんですよね。
チョン・ドジョンを恨んでも、何も変わらない。でも、もう信用することが出来ない。そんなつらさがチョン・ドジョンを見る目に滲んでいます。

気落ちするチョン・ドジョンにヨニは、そんなことよりイ・ソンゲ上京に備えるべきだと進言。
でもチョン・ドジョンは、イ・ソンゲはこないと断言します。
来たら本当に戦争になってしまうので、いまは妥協点を探っている筈だと。加えてバンウォンに関しては、助けはするが責任は取らせるとチョン・ドジョン。

自分がしでかしたことの責任はイ・バンウォンが担うべきだ、外界と断絶されて負けそうになった時にどうするかで真価が分かる、苦しみに甘んじるのが責任だと知ることになるだろう、などと語るチョン・ドジョン。
まるでバンウォンを試しているかのようです。

牢で目覚めたバンウォンは、自分のしでかしたことのせいで父の注意がそがれて死んだのではとの思いに、ここから出してくれと泣き叫んでいました。

牢の中で泣き崩れるバンウォンのシーン、動画でご覧ください。

泣き疲れたバンウォンは。
しばらくすると、父が追い詰められて篭城した後、城を攻め落とされたと語った捜査官の言葉をいぶかしむように思い返します。

隣りの牢では、囚われの証人が鍵を投げ入れられ、罠とも知らずまんまと脱獄。ほどなく捜査官に弓で撃たれてしまいました。

イ・インギョムを追い詰めるための証人が死んだと聞かされ、捜査官もイ・インギョムの手下になっているのかもしれないとようやく疑い始めるホン・インバン&キル・テミ。

その一方でキル・テミは、あの手紙を書いた主は、ホン・インバンを襲ったあの刺客ではないかと推論を立てます。剣豪は筆跡にも同じ癖が出るものだと言いながら、捜査官に見せてもらった手紙の字を思い出しているのです。同じく刺客と剣を交えたことのあるチョニョン和尚とシミュレーションし、やはりあの字はあの時の刺客だと確信するキル・テミ。そして刺客はイ・インギョムの育てたに違いないと断じます。タンセに追求の手が迫る予感です。

しかしながら。
時々無駄に切れ者の顔を見せるキル・テミシーンは、もしやキル・テミファンへのファンサービスでしょうか? あの顔で、時々妙に鋭いんですが。(笑)

イ・インギョムの狙いは、息子を助けたいイ・ソンゲに安辺策を撤回させた上で、ホン・インバンとの関係も切らせること。
捜査官ナム・コルトンはバンウォンから自白を引き出すため、裏にチョン・ドジョンがいるのではとダイレクトに尋ねますが、バンウォンは捜査官を見据え、「篭城? イ・ソンゲ将軍が篭城などするわけない」と笑い出します。

「今まで150回もの戦を闘ったが、父は一度も篭城などしたことない。もし大敗が本当なら、3日もあれば開京は攻め落とされているだろう。そんな時最初に逃げるのが高麗の官僚だろう? なのに、お前はなぜ悠長に私の追求などしている?」とバンウォン。どんな手を使っても自分を屈服させることは出来ないと続けます。

「私は戦争を知っている。そしてお前は戦争を知らない。戦争が何か知っているか? 戦争は、すなわち人を殺すことだ。俺は12歳で既に戦争を始めている。それがイ・バンウォンという人間だ」

バンウォンがここ一番の啖呵を切っている頃。
インギョムの家には父イ・ソンゲが弓を持って訪ねてきていました。

イ・ソンゲは怒りの形相でバンウォンを無条件で解放しろと迫ります。
イ・インギョムは安辺策撤回とで取引しようとしますが、交渉するつもりはないとイ・ソンゲ。

イ・インギョムはイ・ソンゲの弱みに付け込み、あのことをばらされてもいいのかと脅しますが、イ・ソンゲは自分が誰よりも家族を大事にしていること、イ・インギョムに屈したのも家族にまで不名誉な汚名が残ることを避けるためだったと語り、一歩も譲りません。

イ・インギョムは6人の武士をはべらせ、今すぐ殺してやろうかと脅しますが、6人がかりでもイ・インギョムのほうが自分の弓に先に討たれるとイ・ソンゲ。結局イ・インギョムは護衛に刀を下げさせる他ありませんでした。
明日の朝までにバンウォンを解放しろと言い残してイ・ソンゲは去っていきます。

外には義兄弟のイ・ジランがただ一人待っていました。
二人だけで乗り込んできたイ・ソンゲの肝の座りっぷりを物語るためのシーンです。

このシーンも動画でご覧ください。

息子を取り戻すために気迫たっぷりで乗り込んできたイ・ソンゲのシーン。

してやられたかに見えたイ・インギョムでしたが。

イ・インギョムはイ・ソンゲが軍を従えずにやってきたのを逆手に取り、バンウォンの自白を引き出した上で、ペク・ユン殺害の罪を明日イ・ソンゲに問うことに決めます。
とにかく悪知恵がすぐ働く爺さんなんです。(笑)

イ・ソンゲ登場の知らせをヨニから聞かされ、読み間違えてしまったと焦るチョン・ドジョン。早く探し出して会わなければと慌てるのですが。
その時バンウォンの兄弟子イ・シンジョクがイ・ソンゲを連れて入ってきます。

かくして再び向き合うことになった二人。

「新しい国を作ろうといったな? わしは新しい国など作れない。わしは自分の領地内の者、戦友、兵士たち、兵士たちの家族しか守れない」とイ・ソンゲ。では何故ここまできたのだと問うチョン・ドジョンに、バンウォンを救うためだとイ・ソンゲ。
救うのはバンウォンだけかと問われ、「いいや。バンウォンを助け、自分の守るべき人たちを守るには、政治に入らなければならないと分かった」と思いがけない言葉を続けます。

「お前はわしに仕えると言った。わしの策士になると言った。バンウォンを助けられるか?」と尋ねるイ・ソンゲに、「勿論助けられます」と答えるチョン・ドジョンです。

こちらのシーンも動画でご覧ください。
自分が守るべき人々を本当に救うには、自ら政治に関わるしかないのだと決意したイ・ソンゲのシーンです。

翌日。
イ・インギョムはイ・ソンゲが昨日会いにきたと明かしながら、よほど身の潔白に自信があるようなので、この際疑惑をはっきり払ってあげようと議会で切り出します。そのためにイ・ソンゲを呼び出したいと。
打ち合わせどおりならバンウォンの自白を引き出せているはずなので、イ・ソンゲを追い詰められると計算していたのですが、イ・ソンゲを呼び出さなくてもここにいるとチョン・モンジュ。
イ・ソンゲが官服を着て現れ、イ・インギョムを驚愕させます。

自らの口で「手紙は捏造されたものだ」と主張するイ・ソンゲに、驚愕しつつも証人がいないと応じるイ・インギョム。

「証人はいる」とイ・ソンゲはあの時殺されたはずの証人を出してきます。
議会の場で自ら手紙を忍ばせたと白状する男。

この者に命令したものを探し出せば終わるとのイ・ソンゲの言葉に、固まるイ・インギョムです。

そうなんです。
実はあの捜査官、イ・インギョムの手下のふりをしたチョン・ドジョンの仲間だったんですよね~。
早朝、覆面をさせられて捜査官に連れ出されたバンウォンでしたが、連行された先にチョン・ドジョンがいたため、目を白黒させます。イ・ソンゲは無事だとバンウォンに話す傍ら、チョン・ドジョンには「最後まであなたの名を吐かなかった」と笑顔で報告する捜査官。
名は「ナム・ウン」だと名乗り、バンウォンに手を差し出します。

「ナム・コルトン」と呼ばれていた男が素性を明かすシーン、動画でご覧ください。

ナム・ウンは朝鮮王朝建国に貢献した歴史上の実在人物ですね。
チョン・ドジョンとは最後まで志を共にする仲間だったと知られています。

ナム・ウンはバンウォンに握手を求めるのですが、バンウォンはむしろチョン・ドジョンに食って掛かります。

自分を殺したほうが万事上手くいった筈なのに、人間的な情けをかけて生かしたのかとバンウォン。もしそうなら失望したと。

そうではなく、バンウォンがまだ若いという一点に賭けたのだとチョン・ドジョン。若いからこそ、チャンスがある。そこに賭けたと。

自分のような“爆豆”、つまり、「何をしでかすか分からないリスク」こそ、若いうちに摘むべきではないのかとなおも食いさがるバンウォンに、「そういう考え方が幼いと言ってるんだ。その考えを改めさせてやる」とチョン・ドジョン。
「これからは師匠と呼べ」との言葉に、仲間になることを許されたと知り、顔が明るくなるバンウォンです。

このシーンも動画でご覧ください。
一回り大きくなったお坊ちゃまが感じられるシーンです。

12話はこれでラスト。

・・・・・・の前に。

実はタンセ緊迫のシーンも挟まれてました。

キル・テミがチョンニョン和尚からあの刺客は講談師(講唱師)だったと聞き、村に偵察に来たのです。

呼ばれて出てきたタンセの仮面の奥を覗き込み、仮面を脱いでくれないかと緊張の一言を繰り出すのですが、続きは次回に持ち越しです。
タンセ、危うし!

キル・テミが偵察に来るシーンは、こちらです。



キケーン!

タンセ、キル・テミとは剣を交えていますので。その時目を見られているので。仮面を取ってはまずいです。
13話にこの続きが描かれるのでしょうが、ハラハラしますね。

そんなわけで、予想通りタンセの登場シーンが非常に少なかった11話&12話。なのですが。
おじさんたちの繰り広げる陰謀やら政治やらが相変わらず見ごたえがあり、予定外にもまたストーリーをフルカバーしてしまいました。
なんてことなの。
見たいのはおっさんの権謀術数じゃなくて、タンセなのに。(笑)

実は私、イ・ソンゲ役のチョン・ホジンさんにあまりピンと来ていなかったんです。
ですが、11話のラストの「ギッ!」に続いて、12話の「わしは息子を失った虎だ!」とイ・インギョムに凄むシーンが迫力満点で。ようやく役がハマりました。
ぼんやりまったり進んで欲しいのに、ああ、なんて名優揃い。(笑)



予告を見るに、次回はタンセの場面も多そう。
とはいえハラハラさせるシーンのようなので、ちょっと心配です。
急にラブがきたっぽい主役二人も、なにやら進展がありそうですが・・・・・・。

ソ・ジソブさんとシン・ミナさんの新ドラマに対抗するために、急いでラブを入れてきたんじゃないかと、内心ちょっとうがっていなくもない視聴者です。(笑)