みなさま、こんにちは。

今日は韓国で3月29日に公開されたイム・シワンさんとチングさん主演映画『ワンライン』(邦題仮)の予告編などをご紹介します。

毎日があっという間に過ぎていくので、書くつもりでいたことがまったく追いつかない今日この頃。
ぐずぐずしている間に真夏になり、秋がきてそうな予感がするので、その前に春に見た映画をご紹介しておきます。

この映画の主演はイム・シワンさん。
2015年の『戦場のメロディ』(原題:『오빠 생각』)以来の映画出演となったイム・シワンさんですが、『ミセン』のチャン・グレが吹き飛ぶような「悪い男」役がこのところ続いています。

『ワンライン』のあと、ソル・ギョングさんとの共演作で5月17日に公開され、現在上映中の『不汗党:悪い奴らの世界』(邦題仮)でも、イム・シワンさんは犯罪もの映画にチャレンジしているんですよね。
『不汗党』についてはまた改めてご紹介するとして、今日は『ワンライン』のポスターおよびスチール写真、予告編などを。

まずはポスターから。
画像はすべてクリック数度で拡大します。

僕たちのシナリオどおりにやればお金が出ます

伝説のベテラン
チャン課長
チング

詐欺界の新星
ミン代理
イム・シワン

S大の偽造専門家
ソン次長
イ・ドンフィ

個人情報の女王
ホン代理
キム・ソニョン

野心に満ちた行動派
パク室長
パク・ピョンウン

物語のあらすじはこうです。

貧しくも一見平凡な大学生であるミンジェ(イム・シワン扮)は、あらゆる経歴を偽って銀行から金を借りる通称「作業ローン」界の伝説、チャン課長(チング)に出会い、才能を見出され瞬く間に銀行ローン詐欺業界の新星に。
頭脳明晰なミンジェは少年のように純な容姿を武器に、手がけた仕事をことごとく成功させていきます。ミンジェをこの世界に引き入れたチャン課長は期待以上の成長を遂げていくミンジェに満足げですが、チャン課長の長年のパートナーで武闘派のパク室長(パク・ピョンウン)はミンジェの活躍を快く思わず、チームには次第に亀裂が入り・・・・・・。
といった内容。

ミンジェが懇意にしている私文書偽造の達人、ホン代理役には『応答せよ1988』でソヌの母役を務めたキム・ソニョンさんが、またパク室長が子飼いにしているソウル大卒(推定)のIT専門家ソン次長役には同じく『応答せよ1988』でトンリョン役を務めたイ・ドンフィさんがキャスティングと、『応答せよ1988』ファンとしては密かに喜んでしまうラインナップにもなっています。
もっとも、イ・ドンフィさんに関してはウンパル以降も出演作が本当に多いので、ウンパルで括ることが既に若干古臭く感じないでもありません。ああ、月日が経つのはなんて早いんでしょう。(笑)

以下、いくつかスチール写真も貼っておきますね。


最後のスチール写真、正直どんなシーンだったかまったく思い出せません。
自分がいかにイム・シワンさんの美貌にうつつを抜かしてこの映画を見ていたかを、今つくづく実感しているところです。(笑)

監督は、今作品が初めての商業映画となるヤン・ギョンモ監督。
以前はインディペンデント系映画で何作かメガホンをとっています。
この映画では俗に「作業ローン」と呼ばれる韓国国内での詐欺手法がクローズアップされているのですが、実は本作も1995年にあった実際の詐欺事件をモチーフにしているそうです。
金融事故者や正規の審査を通してではお金を借りられる条件にない人が、経歴を偽り、銀行を騙して違法にお金を借り、業者に手数料を渡すといったものですが、銀行員自らグルになって詐欺に加わったケースも摘発されているそう。

というわけで本編でもしきりに「作業ローン」という言葉が登場するのですが、この言葉も日本に映画が入ってきた時に翻訳をどうするのか気になるところです。
要するに紛うことなき詐欺なのですが、「詐欺ローン」とするのもいまひとつだし、意味的には「仕掛けられたローン」ということなのですが、「仕掛けローン」もますます意味不明だし。(笑)
日本に入ってきたら、この部分もまたどんな華麗な訳になっているか見てみたいです。

というわけで、予告編にまいりましょう。

映像はふたつご紹介します。
動画はいずれも配給会社NEWのyou tube公式アカウントより。

まず一つ目、「メインの予告編」です。



銀行はつぶれねえよ
金を回収しやすい奴にだけ金を貸すからな

銀行のお金が必要ですか?

その人たちが銀行で金が借りられるよう助けてやるのが
俺の仕事だ

この表現が重要なんだ
‘助けてやる’

人助けをする
新種の犯罪詐欺団がくる!

僕の渡すシナリオどおりにやれば
お金が出ます

あいつはなんで
金を取りっぱぐれないんだろ

詐欺界の新星
ミン代理

こいつは人でなしの仕事に
人間味をもたせる才能があるんだよ
ジェントルでマナーがある

伝説のベテラン
チャン課長

金はどのみち どんな金も汚いんだよ
その汚い物が人間は大好きなんだ

野心に満ちた行動派
パク室長

合成のやりかたとか知らないの?
いいカラダだろ?

S大の偽造専門家
ソン次長

お客様です

個人情報の女王
ホン代理

2017年3月

最後にひとつだけ仕事しましょう
通称「ワンラインの‘作業ローン’」

名前 年齢 職業
すべてを偽れ!

リアル詐欺師の
最後の仕事が繰り広げられる!

仕事が片付いたらこの業界から消えます

ワンライン
3月29日大公開!

そしてこちらがもうひとつの予告編。



今日から働いてもらうミン代理だ

一緒にこの業界で成功しましょう

ワンライン ‘作業’成功映像

「新芽ローン」で2千までいこう

お前みたいなのは顔が武器になるから
必ず女性行員のところに行け

美人ですね

え?

完璧だ。ご両親に感謝しないとですね

今までどこで何やってたんだ?

お金出ましたけど

どうやってこじ開けたんだ?

すべての仕事には専門的な分業が必要なんですよ

銀行の金を空にする

僕の渡すシナリオどおりにやればお金が出ます

新種の犯罪詐欺団がくる!

今日の仕事の手数料として2千もらっていきますね

今日の仕事分の手数料は8千です

あいつはなんで金を取りっぱぐれないんだろ

体質だよ。人の心臓をマッサージする才能があるんだ

お疲れ様です!

ワンライン
3月29日大公開!

犯罪映画なのですが、イム・シワンさんの醸すオーラのせいなのか、明るい雰囲気なのがお分かりいただけるでしょうか。
勿論、明るく爽やかなだけの詐欺映画だと、それはそれで問題なので、のちのちシリアスにはなっていくのですが。

イム・シワンさん、この映画公開前のインタビュー記事もいくつか読んだのですが、かなり「悪い男」が憑依しちゃったみたいで、表情や表現もワルっぽくなっちゃっていました。

例えば3月26日付けハンギョレ新聞でのインタビューを一部抜粋してご紹介します。

「ひたすらお利口で素直な人間というのは、実際の私とは距離がある架空の人物ですが、皆さんは私のことを‘オンチンア(「母親が比較対象にする、自分の友人の完璧な息子」を意味する俗語)’のような人間だと思っていらっしゃるんですよね。皆さん良いふうに思ってくださってるんですが、どのみち私は自分を何らかのイメージで見せなければならない芸能人ですので、わざわざ変えようとも思わず、より上手に装って美しく見せているのが私の人生なんです。ある意味では、私も本当の詐欺師ですよね。ハハ」

「作品に取り組むたびに、影響をたくさん受けます。『戦場のメロディー』の時はキャラクターの影響で本当に声まで優しくなりました。自分でも自分の性格を単純で一次元的だと思っているのですが、『ワンライン』、『不汗党』、『王は愛する』などを撮る中で性格が変わっていくのを感じます」

「観客数は気にしません。それは私の管轄じゃないので。余計なことで悩みたくないんです。分業化が重要じゃないですか」

「単純で一次元的」ということは、よっぽど「単純」を強調したいんですね。(笑)
韓国語ですが、インタビュー記事へのリンクはコチラです。

いずれにしても役者としてのイム・シワンさん、かなりの「憑依系」であることは間違いなさそうです。
この映画では小悪党程度ですが、ものっすごく悪い役をやったりしたら危ない人になったりするのかも?!(笑)

ちなみにご本人が気にしないと答えていた観客動員数は43万4千人ほどと大きくは振るわず。
チャン・グレのイメージを引き継いだ前作『戦場のメロディ』は、公開時期がお正月映画だったのもありますが107万人弱なので、ここだけ取り上げるとまだ観客は「イム・シワン悪い子バージョン」には慣れていないということでしょうか。
いえいえ、そんな単純比較が出来るはずがありませんよね。
本当にすみません。(笑)

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私自身はそもそも大きな期待をせずこの映画を見たので、当初自分が予想したとおりの映画という意味でおおむね満足でした。

ひとつ予想に反したのは、チングさん。
イム・シワンを見に行ったつもりが、チングを再発見する。そんな映画ではありました。

公開をお待ちのファンの方々もいらっしゃると思うので、日本でも上映されるといいですね。