みなさま、こんにちは。

①に続き、韓国映画観客動員数11位から20位までを取り上げてみます。




まずは11位。

年末に駆け込み公開でTOP 10入りを果たした『鋼鉄の雨』と『神と共に―罪と罰―』にはじき出され、惜しくもTOP 10から外れてしまったのが、ナ・ムニさんとイ・ジェフンさん主演映画『I Can Speak』。








惜しい!

9月21日に韓国で公開されたこの映画は、累計観客動員数3,279,094名。
この映画は女優さんの名前が一番最初にくる、唯一のTOP 10入りした映画になるはずでした。
押し出されてしまった結果、TOP 10入りした映画の中には女性を主役にした映画が一作もないことに。
オーマイガ。(笑)

こちらも私が知る限りでは、日本公開の予定がまだないようですね。

植民地統治下、日本軍慰安婦にされた実在の人物であるイ・ヨンスさんをモデルにしたこの映画は、歴史の痛みを抱えて生きる被害女性を単なる「被害者」として見ることをせず、自らの意志で力強く人生を生きようとする女性として生き生きと描いたことが感動を呼びました。この映画、惜しくもTOP 10入りは逃しましたが、日本でも是非公開されて欲しい作品です。
ナ・ムニさんがこのナ・オクプン役で見事「青龍映画祭」で主演女優賞にも輝いたことは、以前ご紹介した通りです。



12位は、3月23日に公開され2,931,897名を動員したハン・ソッキュさんとキム・レウォンさん主演の『プリズン』。
この映画は『監獄の首領』というタイトルで来年1月13日より日本公開されることになっています。








なんか邦題が怖いですね。『監獄の首領』って。
ヒットの法則「〇〇の〇〇」を踏襲したのでしょうか。
なぜか『死霊のはらわた』が浮かんでしまいました。
・・・・・・発想が貧困ですみません。(笑)

私が見ていない映画なので、感想は述べられません。
悪しからずご了承くださいませ。(笑)



13位は、こちらも来月27日から日本公開を控えている『殺人者の記憶法』。

韓国では2,658,289名を記録しました。









「知っておいても役に立たない神秘的な雑学辞典」略して「アルスル」で私の心をわしづかみにした、キム・ヨンハさんの同名小説を原作にしたこの映画。

小説とはかなり異なる設定で映画化されているとのことです。

全編にわたる不気味な雰囲気がたまりません。
激痩せして「老け顔」をつくったというソル・ギョングさんの顔が、相当怖いです。(笑)



14位はイ・ソンミンさん&チョ・ジヌンさん&キム・ソンギュンさんがタッグを組んだ犯罪コメディ『保安官』(邦題仮)。









「どうしてこの映画にこんなに」、とつい驚いてしまう、まさかの200万超え達成です。(2,588,628名)

・・・・・・あ、いけない。心の声が。(笑)

「なにも考えずに見れるって、たぶんこの映画のことだな」と思える映画でした。
とにかくおぢちゃんがいっぱい。(笑)


15位は『操作された都市』。この映画も来年1月日本公開ですよね。
累積動員2,515,501名でした。











つづく16位は、チョンウさんとカン・ハヌルさん主演映画『再審』が大健闘のランクイン。
実際の冤罪事件を扱ったこの映画は2,421,197名を達成。









カン・ハヌルさん、大活躍ですよね~。

ランク外ですが、130万人を集めた『記憶の夜』(邦題仮)も11月に公開となり、今年は一年中カン・ハヌルさんの顔が劇場にかかっていた感じでした。



17位はイ・ジェフンさんとチェ・ヒソさん主演映画『朴烈』。









2,359,206名の観客を集めたイ・ジュンイク監督のこの映画も、本当に良かったんですよね~。

金子文子役のチェ・ヒソさんが映画祭で軒並み新人賞から最優秀女優賞まで獲得したことは、以前記事でもご紹介した通りです。
この映画も入ってきて欲しいところですが、今のところ日本公開の文字を見つけられずにいるのが残念。
ただ、日本語のセリフがかなりの割合になるので、案外韓国語のまま見ても理解できるかもしれません。(笑)
この映画、カン・イヌさんはじめ在日コリアンの俳優さんたちがたくさん出演されていて、韓国映画によくありがちな「日本人役のはずなのに片言の日本語」というストレスが全くなく見れる点でもとても良かったです。


そして18位は、TOP 20唯一のドキュメンタリー映画がランクイン!
故・廬武鉉(ノムヒョン)前大統領の記録映画、『廬武鉉です』。









英語タイトルが“OUR PRESIDENT”となっているのを見て、もう泣ける・・・・・・。

この映画は廬武鉉前大統領が人権派弁護士から国会議員となり、大統領候補者に選ばれるまでの軌跡を、実際の映像記録と周辺人物たちへのインタビューを通じて構成しており、大統領になるまでを描いたものなのですが、笑ったかと思ったらしゃっくりあげるの連続で、大変なことになりました。
クラウドファンディングで製作費を工面したこの映画、ドキュメンタリー映画ながら1,855,149名の観客動員を記録しました。


19位はキム・ソンギュンさんとアン・ジェホンさんが新たな最強タッグを感じさせたコメディ時代劇『王様の事件手帖』。
こちらは1,635,003名を記録です。









勿論私がえこひいきしているテヒオッパことチョン・ヘインさんの活躍にも、いまいちど触れておかねば。


ということでテヒオッパ画像。








キャ

ってアホだ。ドアホだ。(笑)

この映画は本当に楽しいので、日本公開されれば人気が出そうに思うのですが、公開はあるのでしょうか?
ってここで聞いてすみません。(笑)


ようやく最後、20位は、マ・ドンソクさんとイ・ドンフィさん主演の『ブラザー』。1,465,449名の動員獲得。









マ・ドンソクさんにピヨちゃん着せてるあたりで、もう反則ですよね。(笑)

これまで韓国映画では、主役が魅力的すぎる時などにしばしば「ジャンルはカン・ドンウォン」などの言い方をしてきましたが、これからは「ジャンルは、マ・ドンソク」な時代がきそうな予感。
ほんと、存在自体が、ずるいです。(笑)



以上ここまで、全編に引き続き2017年に公開された韓国映画TOP 10および20位までの作品をご紹介してきました。


観客動員がすべてではないとはいえ、自分がお勧めしたいいい映画に観客が集まると嬉しいですし、すごく良かったのにそれほど日の目を見られなかったりしたら残念に思うのが人情というもの。

私としては、今年公開の映画の中で、100万に届かなかったもののやはり『不汗党:悪いやつらの世界』は今一度取り上げておきたい映画です。








カンヌにも呼ばれたのになぁ~。

舌禍事件には気をつけましょうね、ピョン監督。(笑)


さて、「映画と女性」についても、少し取り上げておきましょう。

ブロックバスターが上位を占めるのは仕方ないこととしても、女優たちの活躍の場が狭まっているのは相変わらずな韓国映画。今年公開となった204編の商業映画のうち、女性監督の割合はわずか2%だそうです。
観客動員TOP 10の中には女性を主役とした映画はなく、20位まで範囲を広げてようやく『I Can Speak』が出てくる状況。キム・オクピンさんの『悪女』(120万)やキム・ヘスさんの『ミオク』(24万)、ムン・グニョンさんの『ガラスの庭園』(2万)なども公開されたのですが、いずれも人々の印象に残るほどの成績は収められず。
有名女優をもってしても、女優ワントップではなかなか観客を呼べない状況が続いています。
男性が主役の映画に登場する女性たちも、『犯罪都市』しかり『青年警察』しかり、暴力にさらされ性的に消費されるだけの存在にとどまっているので、作り手が問題意識を持たないことにはこうした描き方には変化が訪れないように思われます。

『サニー 永遠の仲間たち』のような、女性だらけの楽しい映画をまた見たいですよね。
エンタメ作品の中で、女性キャラクターを生き生き楽しく描いて欲しいのですが。
女性たちの共感を呼べるような作品が多様に表れる2018年であったらいいなと思います。


また今年の韓国は、大統領が憲法裁判所に罷免され、新たな大統領が前倒しの選挙で選ばれるという、大変な激動を経た年でした。罷免された前任者と、さらにその前任者らによる9年に渡る国家の私物化が今もどんどん暴かれています。
9年間の膿の一端を示す「ブラックリスト問題」が明るみとなり、ソン・ガンホさんをはじめとした映画界の綺羅星たちが政権からダイレクトに不利益をこうむったり、「国威発揚」のための映画が露骨に支援されてきたことなどがこれまで分かっています。

そんな中をかいくぐって製作され、公開された今年の映画たち。
ラインナップからも韓国映画人たちの気概を存分に感じます。

また、今年の韓国映画のキーワードは「ドキュメンタリー」。

時局柄を反映し、政治的なテーマのドキュメンタリーも数々お目見えした年でした。

言論弾圧の中、いかにジャーナリズムが踏みにじられ、報道が「嘘」となったのかを追求した、MBCの元PD、チェ・スンホ監督による『共犯者たち』は258,480名の観客を集めましたし、李前大統領の裏金疑惑に追る週刊誌『時事IN』のチュ・ジヌ記者を追った『貯水池ゲーム』などもありました。
















また、俳優たちも、自らの舞台挨拶など大衆の前に立つ場面で、チョン・ウソンさんをはじめとした幾人ものスターが政治状況に対する思いを臆することなく述べたり、行動で表してもきました。
世の中がおかしくなっているのに「おかしい」と言えない息苦しさが蔓延している時、そうした声を一人の人間としてスターたちが挙げてくれたことが、多くの人々を勇気づけもしましたよね。
容姿ばかりでなく心も麗しかった俳優さんたちを見直し、ますます応援したくなる1年でもありました。

ちなみに以前ドキュメンタリー映画『共犯者たち』の記事の中でご紹介したMBCとKBSのストライキ問題。
あれから劇的な変化がありました。


まず、MBC。

報道局長時代から問題の多かったキム・ジャンギョム社長が11月13日に大株主である放送文化振興会の理事会で正式に解任。
MBC労組はストライキを終えるに至りました。

これを受け、MBC次期社長を新たに選定するプロセスに入る中、2012年に不当解雇された『共犯者たち』監督のチェ・スンホさんが立候補を表明。

結果、3人の候補者の中で最も適切な人物として12月7日に新社長に任命されるに至りました。

12月8日、MBC労組委員長と共に姿を現したチェ・スンホMBC新社長に、MBC社員から盛大な拍手が送られたのは言うまでもありません。


労組委員長と手を取り合って社長室へ向かい、社員たちと一緒にエレベーターに乗り込んで社長室のテーブルに着いたチェ・スンホさんの姿が非常に印象的でした。

















そして、チェ・スンホさんらしく、12月12日には偏向報道機関だったMBCの最大の犠牲者であるセウォル号遺族のもとに経営者全員で出向き、謝罪。








勿論チェ・スンホさんは、MBCを不当解雇された後立ち上げたオルタナティブ・メディア『ニュース打破』の中で、ずっとセウォル号遺族に寄り添う報道を行ってきましたが、MBCの社長となったからには社として謝罪するのが道理だと考えての行動でした。

MBCがまともに見えるということがあまりに久しぶりで、なんだかキツネにつままれたような気分さえ起こるほどです。


また、チェ・スンホ新社長は自らも含め5年前に会社に不当解雇された記者らの12月8日付での復職を決定。
腹膜癌で闘病中のイ・ヨンマ記者ら6名が12月11日、MBC新社屋にて盛大な歓迎の中、復職を果たすことになりました。









今やメインニュースも装い新たになり、人々の信頼を報道機関として裏切ったことを詫びながらの再出発を果たしたMBC。
ダイナミックな転換に感嘆しつつ、多くの視聴者がMBCの今後を見守っているところです。


一方難航しているのがKBS。

こちらはストライキ100日を迎えてもまだ社長の解任手続きに至っておらず、人々の関心もMBCで一段落してしまった状況にあったのですが、なんと思わぬところで援軍が。


国連難民機構の親善大使としてKBSのニュース番組に招かれたチョン・ウソンさん。
ロヒンギャ族の問題を話すために招かれた席上、「他にも気になる社会問題はないか」と尋ねられ、「KBSの正常化」と答えていました。

構成員がスト中なのに番組に出ている時点で、ニュースキャスターたちがどんな人たちなのかはおのずと分かりますよね。
目を伏せ絶句する二人に、「一番の国民公営放送としての位相を、早く取り戻してくださることを願っています」と付け加え、女性キャスターが「努力します」と応じる事態が繰り広げられました。










また翌日の21日には、ストライキ中のKBS労組の人々に向けて、応援メッセージを送ったチョン・ウソンさん。










やることなすことイケメンすぎて、ビックリです。(笑)

訳はありませんが、関連動画を掲載しておきます。

この映像は、KBSでストライキ中の労組の方々が作成・編集したものです。
思いがけないチョン・ウソンさんからのエールに、歓喜と共に涙ぐむ人の姿も見られます。








これまでのKBSの偏向報道が、どれほど人々を無視し、国民不在であったか。
その結果としていかに国民に無視されるKBSに転落したか。

と、厳しいことを言うのも忘れないチョン・ウソンさん。
そうしたことを真摯に反省して欲しいとしながらも、言論を立て直すためのたたかいは応援を受けてしかるべきと続けています。
「みなさんは、ひとりではありません。元気出してください!」の言葉に、本当に勇気づけられたでしょうね。

この間の偏向報道に対する責任を痛切に感じ、KBSにも早く生まれ変わって欲しいです。

ちょうど今日、KBSも問題のある理事の解任勧告が出され、大統領が承認したので、ドキュメンタリー映画『共犯者たち』の中での偏向報道の主役たちも、そろそろ相応の罪が問われる事態を迎えそうな気配となっています。

『共犯者たち』の公開がほんの4か月前だったのを思えば、劇的な変化が短期間に訪れたと言えそうです。







以上、2度に渡って今年を彩った韓国映画をご紹介しました。

改めて、本当に色々な映画があり、世の中的にも色んな出来事があった濃い1年間でした。

みなさまにとってはこの1年、どんな年でしたか?

お気に入りの映画は見つかりましたか?

私にとっては、心に響く作品があれば、「どーなの、これ?」と呆れかえるようなものもあり。
そうなんですよね。いい映画ばかりのはずがないんです。(笑)

本音を言えば「ワースト3」なども発表したいところですが、ファンのみなさまからのブーイングを恐れ、自粛することにいたします。
いやー、でもほんとに、アレとアレは歴史に残る級の酷さだった。

「アレ」と「アレ」にお心当たりの方は、そっとお知らせください。
ビンゴな方にはプレゼントを・・・・・・用意してません。すみません。(笑)

色々ありながらも、きたる2018年、またお気に入りの作品に出会えるといいですよね。


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最後に。

今年もこのブログを訪れて下さり、ありがとうございました。

みなさまからの温かく楽しいコメントに、いつも感謝しています。
多くのことを教えて下さり、大変ありがたく拝見しています。

みなさまにとって良い年が訪れますよう、心からお祈りいたします。
そして私たちみんなの世界が、平和であたたかいものでありますように。

みなさま、良いお年をお迎えください!