みなさま、こんにちは。
本日の関東地方は快晴です。6月はお天気のいい日がことさら貴重に感じられますね。

さて、人名タイトルシリーズというわけではないのですが、本日は思いつきにのっとって人気のMC、キム・ジェドンさんをフィーチャーしてみようと思います。

イケメン韓流スターの流れを思いっきりぶった切るチョイスですみません!(笑)

キム・ジェドンさんは1974年生まれの37歳ですので、名司会と呼ぶにはまだお若いかもしれませんが、トーク番組やバラエティなどにこの方が出ていると番組を非常に安心して楽しめるという、唯一無二の存在感をお持ちです。
キム・ジェドンさんが出ていれば、ハズレはないと思わせるほど話芸が達者。
体つきも小柄なため、なにを話してもマッチョ感ゼロ。超安全地帯の匂いがプンプンするキム・ジェドンさんは、女性にとってはとりわけ親しみやすいキャラクターではないかと思います。

目が細くて小さいことをからかわれることが多いキム・ジェドンさんですが、「目に虫が入らなくてよい」とすかさず反撃に出てます。そういう時のセリフがまた、絶妙なユーモアに満ちていて笑わせてくれます。

「僕の目が小さいと気の毒がる人たちは世の中を広く見れているかも知れませんが、僕はこの小さな目で細かいところが見えるんですよ。皆さんはしょっちゅう目にゴミが入るでしょうが、僕は目にゴミも入りませんしね。つまり、人が勝手に思う基準に自分を合わせることなどないんですよ。僕には人々の考えや基準に同意しない自由もあるんですから」

いつでもこんな調子です。

キム・ジェドンさん、他にもなかなかの名言をお持ちです。

「常に幸せに、なんてやめましょう。いつも幸せだと、生きるのがつまらなくなりますよ。いつも快晴だと砂漠になってしまうでしょう? 時には雨や雪も降らないと」

「世の中で一番大事なアドバイスは、その人を信じてあげることです。“全部は分からないけど、理解するよ”ということ。しんどいと言っている人に頑張れというのも、また別の暴力です。深く理解し、励ましてあげればいいんです」

キム・ジェドンさんが障がいを持つ人たちための夜間学級に呼ばれて講演をした時の言葉として紹介されたものですが、テレビを見ていても彼は大抵こんな調子で「ちょっといいこと」を言うのが常です。

テレビで「ちょっといいこと」を言う人は、下手に転ぶとかえって胡散臭く感じられたりするものですが、彼の場合はあの風貌のおかげも手伝ってか、ちっとも嫌味にならずに素直に聞けるから不思議です。

韓国のバラエティ番組、トーク番組は日本よりもはるかに毒気が少ないのが特徴です。
日本よりも韓国のほうがテレビにおける「公意識」が強く働いていることの表れですが、私などは韓国のトーク番組のほうがよほど楽しめるようになってしまいました。
逆に、韓国から来た10代や20代の人たちには、日本の毒のあるバラエティのほうがオモシロイそうなので、一概にどちらがいいという話でもなさそうですが。

さて、キム・ジェドンさん。
おばちゃんっぽい人の良さが彼の持ち味なのですが、番組中にある大物歌手を過剰にかばったおかげで、思わぬバッシングに見舞われたこともありました。ありましたと過去形で書くにはまだ早いかもしれません。

韓国MBCテレビに『日曜の夜に』という番組があるのですが、春先に実力派の歌手が人の持ち歌を歌って点数を競うという『私は歌手だ』という新コーナーがお目見えしたんです。7人のうち一番点数が低かった歌手が脱落し、新たなチャレンジャーを迎えるという、歌手の全プライドを賭けさせるコンセプトに期待が集まっていたのですが、なんと初回の点数最下位がキム・ゴンモ。キム・ゴンモといえば、日本で言うと西城秀樹さんくらいの立ち位置でしょうか? ・・・・・・いや、違うな。えっと、久保田利伸さん?

・・・・・・無理やりの例えをする必要性もまったくないので例えるのをやめますが、とにかく一言でいうとヒット曲を何曲も持つ「超大物」なのです。
そのキム・ゴンモさんが無情にも最初のコンテストで最下位の判定をもらうことになってしまったから、大変。結果にショックを受けた歌手のイ・ソラさんが「大先輩を落とすなんてありえないわ!」とばかりに収録中にスタジオを飛び出し、事態を収拾すべくキム・ジェドンさんが「再チャレンジ制度を導入して欲しい」と制作側にお願い。その結果キム・ゴンモさんが再チャレンジ権を得たというのがことのあらましなのですが、ここで書いているだけでもどれだけつまらない展開か目に浮かびます。

だって、これでは番組のコンセプトがまったく変わってしまいますよね。
大物歌手が落ちる姿こそが見ものだったのですから。
いくら出演者の中でキム・ゴンモが一番年長だったからと言って、そんな理由で救済してはシラけて当然です。

視聴者からは大ブーイングの嵐、審査した人たちも納得いかず、プロデューサーが更迭される騒ぎにまで発展しました。結局救済されたキム・ゴンモさんはその後自主的に番組から降り、企画がひと月も中断するという異例の事態にまで発展。プロデューサーを変えて今また新たに放送中なのですが、キム・ゴンモさん救済案を提案したキム・ジェドンさんには放送直後から「お節介が過ぎる」と非難が殺到してしまったのだそうです。

楽しみにしていた番組がぶち壊しになり、視聴者が腹を立てるのはもっともだと思いつつも、キム・ジェドンさん好きな私としては、そこまで責めないであげて欲しいと思ってしまいます。
むしろ私は、この一件で一つ見直してしまいました。
この番組は「出来レース」ではなかったんだな、と。

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うん、本音を言えば、私もキム・ゴンモが正々堂々と落とされるのを見たかった人のうちの1人です。MBCさん、次に期待していますからね~。(笑)

そんなこんなで、ぶっちぎりの好感度になにやらケチがついてしまった感のあるキム・ジェドンさんですが、長い人生色んなことがありますから、ひょうひょうとたおやかに話芸を続けていただければと思います。