みなさま、こんにちは。

『優しい男』11話。
足がガタガタ震える展開となっております。
心を落ち着けて書かせていただきます。

マルの実兄と詐称してウンギを呼び出し、ウンギをどこぞへ売り飛ばそうとしていたジェシク。
怒り心頭のマルに捕まります。

ジェシクの腕をひねりあげ、ぼこぼこに殴るマル。

ところが、騙されていることに気づいていないウンギが、「お兄さんになんてことを!」と止めに入ってしまい、その隙にジェシクが逃げ出す大アクシデント発生。

誘拐犯とも知らずに庇うウンギに、怒りのやりどころのないマル。ついウンギに怒鳴ってしまいます。

「君を呼んだ覚えはない! バカか? 知らない奴にもホイホイ付いて行くなんて!」

その言葉に、ウンギは深く傷つきます。

大好きなマルに呼ばれたとばかり思っていたのに。
それで嬉しくてたまらなかったのに。

「そんなに嫌われてるとは思わなかった。
もう分かったわ。私がいけなかった。私があなたに呼ばれもしないのに、勝手に付いてきたの。お兄さんを怒らないで。私が悪いの」

そう言って涙を浮かべるウンギ。

ウンギは、ジェシクが勝手にウンギを呼んだために、マルが激怒したのだと誤解し、ショックを受けてしまったのです。
こんなに嫌われていたのかと。

記憶を失った純真なウンギに、一体何をどう話せばいいのか、マルにも見当がつきません。

車に乗せ、家に送ろうとうするマルを振り切るウンギ。

「これ以上私を惨めにしないでください。
記憶を失っても、恥ずかしいことをしたことくらいは分かります」

そう言って泣きながら去っていくウンギを、なすすべもなく見送るマル。

あんなに必死に救いにきたのに、なぜこんなことに。(涙)

泣きながらタクシーに乗るウンギ。

一人車の中で沈むマル。

「俺がどんな気持ちでお前から離れたと思って・・・。なんでまた戻ってくるんだよ」

マルーーーー!

愛してたのね、ウンギを!

一方テサンでは。

ジェヒがジェシクから送られてきたウンギの動画を見ながら、歯噛みしていました。
この動画を渡されたときのことを思い出すジェヒ。

あの日ジェシクは、アン弁護士に会った後、ジェヒにも会っていたのでした。

「あいつには決裁権がないんだとよ、光化門のビルの。お前ならできるだろ?」

そう言いながら、ウンギを国内から追い出す代わりに対価を要求したのでした。

睨むジェヒに、だったらウンギの存在をテサンにバラすというジェシク。

「私にだってそんな決定権ないわ」とジェヒは返したのでした。

ウンギの動画を忌々しく睨むジェヒに、ジェシクからメールが届きます。

“ことは成功した。これでお前も安泰だ。約束したビル、早く俺にくれ”

家に戻ったウンギ。

マルとの一件ですっかりしょげ返っています。
医師が訪ねて来るも、どうせ良くならないと治療を拒否します。

秘書のヒョンがなだめても、かたくななウンギ。
聞きたくないといわんばかりに、ラジカセのボリュームを上げます。

ところが。

スピーカーから流れる曲に、一瞬記憶がよみがえります。
成り行きでチョコを一緒に迎えに行ったあの夜、マルの車から流れていたあの曲。

家についたマルは、さっきの傷ついたウンギの顔をまた思い出していました。

『私、本当に頭がおかしくなったんだわ』

そう言って泣いていた、可哀相なウンギ。

マルの心も張り裂けそうでした。

ジェシクは不法賭博で有り金をすべてすったところでした。

ジェシクは苛立ちながらジェヒに電話をかけます。
約束した金を早く振り込めと。

ところがジェヒは、娘には指一本触れるなと言ったはずだと返します。

賭博場に鳴り響くサイレン。
ジェシクはジェヒにはめられたのでした。

「私が頼んだ証拠ある? 知り合いに聞いたら、兄さんの刑、誘拐と脅迫に色付けると、あわせて10年は豚箱にいられるそうよ。兄さんがビル一棟で黙るタマ? 死ぬまで人にたかって搾り取る奴じゃない。
10年入ってきなさいよ。出所する頃には、私の財産を半分くらいあげる気になってるかもしれないわよ」

兄にウンギを始末させ、その上で刑務所に入れようとたくらんだのですね、この女は。

とんでもない。

とはいえここは、食えない男ナンバーワンのチンピラ、ジェシク。
マルに阻止されたことは、ジェヒに伝えないのですね。

ああ、言いたくないのに。
兄。グッジョブ。(笑)

朝。

沈んだ表情のマルが家に戻ってきます。

夕べから何度もジェシクに電話をかけていますが、ジェシクは電話を取りません。

マルが家に入ろうとしたその時、ジェシクがマルの肩をつかみます。
マルの帰りを待っていたのでした。

いきり立ったマル、ジェシクの襟をつかんで締め上げます。

「ジェヒに頼まれてやったんだ!」

その言葉に、ヒョン秘書の言葉を思い出すマル。

ウンギの状態が知られたら、テサンの経営権が奪われ、下手をしたら命も狙われると、あの日ヒョン秘書は言ったのでした。
ソ会長の死にもジェヒが噛んでいるに違いないと。

その言葉通り、ウンギの身に危険が及んでいると知ったマル。

ジェヒに殺される、助けて欲しいというジェシクからウンギの家を聞き出し、猛ダッシュでウンギのもとに向かいます。

その頃、ウンギの隠れ家にはアン弁護士の指示でチョ秘書が来ていました。

「予想どおり、ヒョン秘書の家に間違いありません」

画像と見比べ、アン弁護士に報告の電話をするチョ秘書。

アン弁護士は、今からそこに何人か送ると伝えます。

その時、アン弁護士のもとへパク弁護士がやってきました。

ウンギを追い出せば、テサンがすべて手に入るとハン・ジェヒさんは思っているのかと尋ねるパク弁護士。
何が一体そんなに不安だから、ウンギを追い出そうとするのかと。

お前、ウンギがどこにいるのか知っているだろう、と質問を切り返すアン弁護士。

パク弁護士はしらばっくれますが、アン弁護士はなおも続けます。

「なにかあるのか? ピンピンしているのに姿を現さないのには、なにかワケが?」

「いっそウンギを連れて、外国にでも行け。
この非情なジャングルよりも、もっと彼女が幸せになる道を考えろ。
そうすれば、お前が一番ばれたくないあのことにも、おのずと蓋がされるというものだ」

そう言って肩に手をかけるアン弁護士の手を払いのけ、部屋を後にするパク弁護士。

アン弁護士は、ウンギの拉致を急ぐよう、人を遣わせます。

アン弁護士。知らないんですね、ジェヒが兄にウンギを国内から消すよう頼んだこと。

ますます食えない女です、ジェヒ。

一方マルは、ウンギの隠れ家の近くまで来ていました。

ちょうど歩いているヒョン秘書を見つけ、車に乗せるマル。

「関わりたくないと言っていたのに、なぜ?」

いぶかしむヒョン秘書の問いには答えず、「どこまでやればいいですか?」と尋ねるマル。

「最終目標はどこですか? ハン・ジェヒさんを踏み潰して、テサングループのCEOになること? そこまでやればいいですか?」

その時ヒョン秘書が、目の前で住民に聞き込みをしているチョ秘書を発見します。

敵陣が隠れ家を割り出したことを知り、焦る二人。

車を降り、様子を探っているあいだに、ウンギをかくまっておいて欲しい。

ヒョン秘書はそう言って家の鍵をマルに渡します。

ウンギは庭にいました。

突如入ってきたマルに驚きながらも、「どちらさま?」と冷たい態度を取るウンギ。

マルは強引にウンギの手を引いて家から出そうとしますが、ウンギは断固拒否します。

「バカみたいに知らない人にホイホイ付いて行くなと言ったのは、誰?
なぜ来たの? 言い過ぎたと思って? それとも可哀相になったから?」

ウンギの態度に焦るマルはまた大声を上げてしまいますが、かえってウンギをより頑なにさせてしまいます。

立ち上がり、マルを思い切り押し出すと、ウンギは家に入ってしまいます。

ウンギが置いて行った「おおかみ少年」の絵本を手に、しばし途方にくれるマルです。

パク弁護士はヒョン秘書からメールで知らせを受け、驚愕。

時間を稼ごうと粘るヒョン秘書。

ウンギが映った動画を見せられ、息を呑みまが、徹底してシラを切り、ウンギが逃げるための時間を必死に稼ぎます。

そんなこととは露知らぬウンギは。

部屋に立てこもってしまいました。

マルがどんなに呼ぼうと、ドアを叩こうと、一向に出てこようとしません。

マルに焦りの表情が色濃く浮かびます。

ドアにもたれ、しばし心を落ち着けると、マルは静かに語り始めました。

「僕と君が初めて会ったのは、飛行機の中だったんだ。君は気を失ってたから、覚えてないけど」

「二度目に会ったのは、君がバイクで事故を起こしたとき。
君の大事にしていた人形が崖から落ちそうになって、それを僕が拾ったんだけど、怪我をして。
ところが君は、なんで助けたんだ、死んだら人のせいにするつもりだったんだろ、それとも一生恩に着せてたかるつもりかって。
あんなに傲慢で人を信じない礼儀知らずの女は、初めてだったよ。
ありがたいときに礼が言えず、すまない時でも詫びも言えない、そんな女は」

とうとうウンギが反応します。

「誰?」

「誰のこと? まさか私?」

何も答えないマルに痺れを切らし、とうとうウンギがドアを開けます。

「悪いけど、その返事は車の中でしてもいいかな?」

こうしてマルはウンギを脱出させるのに成功します。

チョ秘書らは既に門の前まで来ていました。

ウンギはいないと何度言っても、男たちは信じません。
一人が塀を乗り越えて家の中に押し入ろうとした瞬間、パク弁護士が現れます。

「家宅侵入罪がどれほど重罪か、知らないんですか?」

そういって奴らを追い返すパク弁護士。

パク・チュナとヒョン秘書が家に入ると、ウンギの姿はありませんでした。

マルが無事連れ出してくれたのだというヒョン秘書の言葉に、再び驚くパク弁護士。

ウンギは無事マルの車に乗っていました。

「さっきの答えを聞かせてあげる」とマル。

「君は本当にそういう人だったよ」

「記憶がないからって、勝手なでたらめ言わないで」と不機嫌なウンギです。

「三回目の時は、君が僕の家まで訪ねてきたんだ。
会いたければ会いたいといえばいいのに、文句言って、悪態ついて。
その時思ったよ。独特な子だなって。
好きだっていう気持ちを、怒りながら伝える子なんだなって」

「私が覚えてないのをいいことに、勝手な話を作り上げないで。
私もう、あなたのいうことなんか全然信じないんだから。悪い人」

そう言ってウンギは反発します。

「あの日僕は、妹を迎えにいってたんだ。
そこで、君に見られたくないいくつかの出来事があって。
帰りの車の中で君は・・・」

「どうせまた悪態ついたって言うんでしょう?」

むくれるウンギに、つい笑顔がこぼれるマル。

「今日はここまでにしよう。ソ・ウンギの頭が爆発しちゃう」

不機嫌なウンギ、もうマルの話は聞きたくないとばかりにオーディオのスイッチを入れます。
その時流れてきた、あのときの歌。
昨日より鮮明に脳裏に浮かぶ、あの夜の光景・・・・・・。

よみがえったのは、一瞬の記憶だけでなく、あの夜のときめきもでした。

ウンギを連れてくるのに失敗したチョ秘書は、詳細をアン弁護士に報告します。
パク・チュナまでやってきたところを見ると、いよいよ本当にあの家にソ・ウンギがいるのだなと話し合う二人。

アン弁護士はジェヒに呼ばれ、緊急の理事会に出向きます。

テサンリゾート代表解任案を提出するジェヒ。

役員たちの中には、手を上げない者が相当数います。

ソ理事がいなくなってまだ経った1年なのに、臨時会長はなにか他の企みがあるのではないかと、逆に役員から追及されるジェヒ。
ソ理事の持ち株を売却しようとしているとの噂も聞いていると、不信感を露にします。

それに対しジェヒは、役員にウンギの動画を見せます。
娘は自分の意志で帰ってこないのだと。

事故にあう前に男のことで噂があったのは、皆さんも知ってのとおりだ。
娘はもう、女としての幸せを欲している。
母として、娘の幸せを願うのは、当然の道理だ。
自分が成り代わって、テサンの発展のために率いていく。

ジェヒの計算されつくした猿芝居に、いとも簡単に騙される役員。

ウンギの解任案が通ったことを知り、パク・チュナは緊張感を高めます。

マルの家では。

家出したはずのチェギルが戻ってきていました。
失踪したはずのウンギが庭にいるのを見て、驚愕するチェギル。

チョコも自分もマルも、失踪したと聞いてずいぶん心配したとチェギル。
勿論ウンギは何も知りません。

ウンギが自分のことを何一つ覚えていないことを知り、さらに衝撃を受けるチェギル。

マルがチェギルを呼んだのは、引越しするためでした。

「ここは危ない。ジェソク兄さんもジェヒ姉さんも知っているから」

「俺が引っ越そうって言った時は、ぜんぜん耳を貸さなかったくせに。なんで急に?」

そう不平を言うチェギルにマルが答えます。

「だって、戻ってきたから。ソ・ウンギ」

その返答に驚くチェギル。

「つまり。今まで引っ越さなかったのは、彼女を待ってたから? お前、彼女が戻ってくるのを待ってたのか?」

「つまり、本当に好きなのか? 復讐に利用してるんじゃなくて、本気で?」

マルは無言のまま荷物を片付けます。

庭ではウンギが童話を読んでいました。

ウンギが好きだから、ウンギの帰りを待っていた。

改めて言葉にされて、自分の後戻りできない思いを確認するマル。

ちょうどその時、パク弁護士からメールが届きます。

家の近くまで来ているので、会いたいというパク弁護士。
マルは出かけていきます。

自分はマルとジェヒの長い付き合いについても、あなたが復讐目的でウンギに近づいたことも知っている。
本当のことをばらしたら、どうする?

そう尋ねるパク・チュナ。

マルはこう答えます。

「そうしたければ、どうぞ。ソ・ウンギの最終目的地がテサンのCEOではなく、パク・チュナなら。ウンギが好きなんですか?」

同じく家に戻ったチョコ。

記憶を失ったウンギを気の毒がります。

「お兄ちゃんを許してあげてください」とウンギに抱きつくチョコですが、チェギルが目配せし、それ以上のことを言わぬようチョコを黙らせます。

再び、緊張高まる男二人。

「僕に何をどうしろと?」

そう問いかけるマルに、「頼めば聞いてもらえるんですか?」と返すパク・チュナ。

「それは用件を聞いてから」

そう答えるマルに、パク・チュナが口を開きます。

「ウンギを、助けてください」

「ウンギを目的地まで安全に連れて来て下さい。僕とヒョン秘書は面が割れてしまったので、頼れるのはあなたしかいません」

「今ウンギが一番信じていて、好きで、言うことに従うのは、カン・マルさんだから」

マルに託す理由をそう話すパク・チュナに、マルが尋ねます。

「それだけですか?」

そして。

なんとあの女が。

「どの面を下げて」とは、こういう時に使うのではないでしょうか。

こんな取り込み中にジェヒがやってくるなんて。
緊張高まる視聴者です。

ところが。

家はもぬけの殻でした。

庭に腰掛け、涙をこらえるジェヒ。

ジェヒに見つかる前に、マルは脱出に成功していました。

うとうとしながらも、マルの手をしっかり握り締めるウンギ。

ウンギを見つめる、マル。

なにかを見据えるようにハンドルを握る、マルの横顔です。

そしてジェヒは。

とうとう、念願のテサングループ会長の座を手に入れました。

晴れて正式な会長となり、就任式で演説するジェヒ。

来賓を前に、力強くテサングループの前途について語ります。

「1年前、私は耐え難い痛みを経験しました。ですが今、その痛みを乗り越え・・・」

演説するジェヒが、突如言葉を詰まらせます。

ジェヒが見たのは。

ウンギ。

「ごめんなさい。あまりにもお待たせしました。
お元気でしたか? お母さん」

「今までどこで何をしていたの? ずいぶん探したのよ」

壇上を降り、ウンギに声をかけるジェヒ。

「ごめんなさい、お母さん」

ジェヒに詫びるウンギ。

「いいのよ。もういいのよ、帰って来たんだから」

ジェヒはそう言ってウンギを抱きしめます。

再び詫びて、涙を流すウンギ。

ウンギは割れんばかりの拍手で迎えられます。

「皆様、お元気でしたか? ご無沙汰してしまいました。
ご承知のとおり、私は大きな交通事故に遭い、闘病しておりました。
絶対安静が必要な状況だったため、静かな場所で療養しておりました。
努力の甲斐あって、再びテサンに戻るための準備を、すべて整えることができました」

「ただ、事故の後遺症で顔面失認症になり、皆様のお顔が誰だか分からないことがあります。健康状態も万全ではないため、助けが必要です」

ウンギが会場に目をやり、呼びかけます。

「カン・マルさん」

会場の一角に、すっくと立ち上がる人影。

「テサンの家族の皆様に、一番最初にご紹介したいと思っていました。
私の婚約者であり、今後私とともにテサンを率いていく、カン・マルさんです」

立ち上がり、会釈するマル。

会場の、割れんばかりの拍手と、崩れ落ちるジェヒ。

マルを見つめるウンギと、ウンギを見つめ返すマルの笑顔で、ラスト。

いやはや。

嘘・大袈裟・紛らわしいを抜きにして、膝がガクガクしてしまいました。(笑)

ウンギが出てきたのも驚きましたが、まさかマルがあそこに座っているなんて。



いよいよウンギをCEOの地位に戻すためのジェヒとの闘いの火蓋が、切って落とされました。ドキドキします。

それにしても気になるのは、「おおかみ少年」の絵本。
韓国でも「すわ悲劇の伏線か?」とやたらと騒がれていますが、マルの愛を記憶の戻ったウンギが疑うとかいう筋じゃないですよね、まさか?

私は封切されたばかりの、ソン・ジュンギさんの映画『狼少年』の宣伝説に、一票入れたいです。ええ、そうであって欲しいという願望です。(笑)