みなさま、こんにちは。

茫然自失の『優しい男』17話。
本日もさっそくまいります。

16話ラスト、ウンギが理事会で自ら脳損傷による記憶喪失の状態にあることを明かした衝撃の場面から17話は幕を開けます。
理事職を降り、テサンのいち社員としてやり直すチャンスが欲しいとウンギは言いました。

理事会を終え、コーヒーショップに一人佇むウンギ。
記憶を失う前のいつぞやのように、コーヒーにいくつも砂糖を入れます。

ウンギの前に座ったのは、ヒョン秘書でした。

一体何を考えているのかと、取り付く島もないほどの剣幕で怒るヒョン秘書。
怒ると方言でまくしたてるところが、ヒョン秘書の魅力です。

これからは、全てをマルさんに任すとウンギ。
他にも、父が隠していた裏金、スイス銀行などに隠してあるお金があれば、全てあげたいと言います。

ヒョン秘書は、なにもかもマルに渡した後に捨てられたらどうするつもりかと怒りますが、ウンギはマルは些細な嘘もついたことのない人だから、そんなことはないと答えます。

「考えられない。会長、誰でも彼でも信じるこの理事を、一体どうすればいいですか?」

涙を浮かべて天を仰ぐヒョン秘書。

その時、ウンギが呟きます。

「ヒョン秘書だって、私を騙しましたよね」

顔色の変わるヒョン秘書。ウンギは言葉を続けます。

「私と事故でぶつかった相手がカン・マルであること、隠したじゃないですか」

「ヒョン秘書もあの人たちの一味なんですか?」

ウンギはマルとパク弁護士、ヒョン秘書が自分をはめたと疑っていました。
すっかり喋り方まで戻るウンギ。

ウンギーーーーー!! 

先に言っておきますが、この回はストレス度がかなり高いです。

その頃、マルは宝石店でウンギとのカップルリングを選んでいたというのに・・・・・・。

記憶が戻ったのかと問われたウンギは、しばらくの間はパク弁護士とマルには秘密にして欲しいといいます。

ウンギの言葉に涙を流して喜ぶヒョン秘書。亡くなった会長の加護だと、感謝の言葉を口にします。
非業の死を遂げた会長が、あの世で安らかに眠れるよう、あとのことは任せて欲しいと誓ったものの、危うくその約束を守れないかもしれないところだったと、嬉し泣きするヒョン秘書。

その言葉をウンギは聞き逃しませんでした。

「父に、何かあったんですか? 安らかに眠れない理由が、何か?」

意を決したようにウンギを見つめるヒョン秘書。

ヒョン秘書から、父が亡くなるに至った経緯を聞いたウンギが、納骨堂を訪れます。

こうしてウンギは、マルに会いに行ったのでした。
自分が望んだプレゼントを受け取り、マルに偽りのキスをするウンギ。

ウンギは部屋で、かつての自分の日記を読み返していました。
そこにはマルに出会った日のことや、早く記憶を取り戻して、ヒョン秘書とマルを喜ばせたいなどと綴られています。

マルの似顔絵と共に、「カン・マルは世界のどこにもいない優しい男です」と書いた、かつての自分。

ウンギはそのページを破ろうとしますが、チョコに声をかけられ、手を止めます。

無邪気にウンギを写真に収めるチョコです。

すぐさまチョコに笑顔を見せる、偽りのウンギ・・・・・・。

静かに階下に降りるウンギ。
料理の支度をするマルを、不信感一杯の目で見つめます。

振り返ったマルに満面の笑みを見せ、チョコとチェギルの用意する朝ごはんが美味しくなかったので、マルが料理してくれて嬉しいと喜んでみせます。

料理するマルの背に抱きつくウンギ。

「今日、夢を見たの。100人くらいの人に会う夢。“お前のお父さんだよ”、“友だちだよ”、“恋人だよ”って、人々が口々に言ってくれるのに、マルさんだけが何も言わないの」

その言葉に、固まるマル。

ウンギが言葉を続けます。

「“ウンギ、君を本当に想っていて、大切にして、愛してるのは僕だよ”って、嘘でもいいから言ってよって怒鳴ってるのに、マルさんは最後まで黙ってるの」

ウンギの言葉を、無言で聞くマル。

「“ウンギ、僕は君の味方だよ”って、一言だけでも言ってくれればいいのに。そうしたら、私、有無を言わさず信じたのに。たった一言でよかったのに」

マルは料理の手を止めます。

背を向けたまま、静かにウンギに語りかけるマル。

「ウンギ。僕たち、どこか遠くに逃げて暮らそうか?」

「知り合いが一人もいない場所。本当に二人っきりでいられる場所。南極でも、北極でも、アフリカでもいい。そういうところに二人で行って暮らそうか? そうする?」

ウンギは笑顔で即答します。

「いいわ。私は文句なしにOKよ。それ、乗った」

その言葉を、思いつめたような表情で聞くマルです。

一方ジェヒは。
またしてもマルのかつての家を訪れていました。

庭に一人たたずむジェヒを見つけた町内のおばさんが、驚いて声をかけます。朝からなぜこんな場所に?と。
家にいるより、ここにいるほうが暖かいからとジェヒは答えます。

ジェヒの言葉が理解できないおばさんは、ジェヒの家のボイラーが壊れたのだと思い込みます。
話を合わせるジェヒ。

帰ろうとするジェヒを、ためらいがちに呼び止めたおばさん。
ここで誰ぞを待っているのかと尋ねます。
マルを待っていることに、おばさんも気づいたのです。

ある日忽然といなくなるような人は、戻ってこないと思うとおばさん。
暗にジェヒに諦めるよう伝えているのですが、ジェヒは、であれば戻らざるを得ないようにすればいいと答えます。

門を出ると、またしてもストーカー、じゃなくて、アン弁護士が立っていました。
一挙手一投足を監視するような真似は、いい加減にしろと怒りを露わにするジェヒ。

「たかだか企業の法務部長に過ぎない分際で、私を監視するとはどういうつもり? 私はあなたの上役よ。あなたなんか手も届かない位置にいる人間よ!」

声を荒げて立ち去ろうとするジェヒの腕を、またしてもつかむアン弁護士。

ウンギが記憶喪失を告白したのは、きっと何か裏があるに違いないと言います。まだ安心していい状況ではない、怪しい、と。

試合終了だと思って気を緩めてると、いつでも後ろから刺される。
誰に刺されるかなんて、分かったものではない。

またしても、脅迫めいた言葉を口にするアン弁護士。
ジェヒは怒りをこめてアン弁護士を睨みます。
そんなジェヒの視線に構う様子もなく、自分のマフラーを外してジェヒの首にかけるアン弁護士。
マフラーを握る手に力を込めます。

「風邪ひきますよ」

不気味なアン弁護士に、返す言葉もないジェヒです。

一方マルは。

ウンギの部屋にいました。

あの日買った指輪を、嬉しそうにウンギの机の上に置くマル。

部屋を見渡すと、丸められた紙くずが散らばっていました。

しゃがんでゴミ箱に捨てるマル。
何気なく、そのうちの一枚を開いてみます。
そこに書いてあった文字に、驚愕するマル。

カン・マルは世界のどこにもいない優しい男

その時、マルの脳裏に浮かぶ回想。

ウンギの机に、交通事故の内容を記した封筒を置くマル。

なんと!
マルだったのですね!

マルはウンギの記憶が戻ったことに気づきます。

ウンギが戻ってきた

心の中で呟くマルです。

その頃ウンギは、会社で荷物の整理をしていました。
人事が決まるまで、休むことにしたウンギ。
そこへパク弁護士が、結婚式の招待状を持って現れます。

式は3週間後の予定だとパク弁護士。

婚約発表についても疑う声が出ているため、結婚式は予定通り推進せざるを得ないとパク弁護士は言います。

了解し、微笑むウンギに、思わず顔の曇るパク弁護士。

パク弁護士が去り、二人きりになると、ヒョン秘書はもう式を挙げる必要はないのではと心配します。
式はしないだろうと応じるウンギ。
「では、なぜ?」と問うヒョン秘書に答えず、ウンギはマルに電話をかけます。

「マルさん、招待状、見た? 夢みたい。私、夢見てるんじゃないよね?」

残酷なウンギ。

その声を、同じくテサンの一室で聞くマル。
マルのモノローグが流れます。

ウンギは嘘をついている

僕のことが信じられないという意味だ

僕に怒っているということであり、僕を許せないという意味だ

マルの悲しすぎるモノローグに、胸の痛む視聴者です。

ウンギはジェヒの執務室を訪ねます。

人事が決まるまで、自宅で養生するとウンギ。
ジェヒは、健康第一だと応じます。

ウンギはジェヒに、無邪気に願い事をします。
母親として、一緒に婚礼支度をして欲しい、と。

引きつるジェヒを、構わず引き回すウンギ。

食器を選び、新婚生活でマルと着るパジャマを選びます。

そこに重なる、マルのモノローグ。

僕には分からない

何を考えてそんなことをするのか

尋ねてもウンギは答えてくれないだろう

「どうです?」

ジェヒにドレスの感想を求めるウンギ。
ジェヒは言葉が出てきません。

そこへ呼ばれてやってきた、マル。

美しいウンギを、悲しみを隠して見つめます。

重なるマルのモノローグ。

ただ、僕に分かるのは
ウンギの行こうとする道に
どこかへ行こうとしているウンギの隣に

僕が一緒にいてあげられないかもしれないということ

Noーーーーー!!(泣)

ホテルの化粧室で手を洗うウンギ。
悲しげな表情を浮かべています。

わざとジェヒとマルを二人っきりにしてるのでしょうか。

テーブルに二人きりで向かい合うマルとジェヒ。
ジェヒは「残酷すぎる」と口を開きます。

「私を婚礼支度に狩り出すなんて。あなたたちのパジャマやら、ウエディングドレスを選ばせるなんて。ウンギは私たちの関係を知らないわけだし、あなたのアイデアなの?」

その言葉に、内心驚くマル。勿論マルも初めて聞く話でした。
無言でジェヒの言葉を聞くマルです。

マルがワインに手を伸ばすと、その手をジェヒが握ります。

「あなたの目的が、私を嫉妬させることにあるなら、私、勘違いするかもしれないわよ。まだあなたの中に私への思いが残っているのかもしれないと思って、馬鹿なことを夢見るかもしれないわ」

ジェヒの言葉を、マルは静かに否定します。

なおも言葉を続けるジェヒ。

「じゃあ、何が目的なの? 本当に結婚支度を手伝ってくれる人がいなくて、私を呼んだの?・・・・・・私、ウンギが来たら、全部話すわ」

マルがその言葉を冷たく遮ります。

「話すって、なにをです? 僕らが長いこと恋人だったってこと? またそれですか? ウンギと僕と会長のうち、この関係が人々に知れて一番致命傷を受けるのは、誰だと思います?」

ジェヒが絶句しているところに、ウンギが戻ってきます。

ジェヒが急いで手を引っ込めるのを目にしてしまうウンギ。

何事もないかのように席に着くウンギ、チョコとチェギルはまだかと尋ねます。
二人が招待されていることを聞かされていなかったマルとジェヒは、驚きを隠せません。

驚いたのは、チョコとチェギルとて同じでした。

「ジェヒ姉さんが一緒なんて、聞いてない!」

驚くチョコの口を、慌ててふさぐチェギルです。

ウンギはジェヒに、チョコとチェギルと知り合いなのかと尋ねます。

焦って顔色の変わるジェヒは、うやむやに返事をします。

状況を把握したチェギルとチョコ、以前ウンギを訪ねてきた時に会ったことがあると嘘を言います。

そんなウンギをつらそうに見つめるマル。

ぎこちない雰囲気の中、席に着くチェギルとチョコ。
ウンギはなおも攻撃を仕掛けます。

「え? でも、じゃあなんで、チョコが寝ながら泣くこととか、チェギルさんが閉所恐怖症だってこと、知ってたんです?」

引きつりながら、ジェヒはそんなことを言った覚えはないと言います。

気まずい空気の中、家路につく4人。

流れるマルのモノローグ。

ウンギが戻ってきた

でも今の彼女は、僕の知っているかつてのウンギではない

何を思い出し、何を忘れてしまったのだろう

何を手放し、何にしがみついているのだろう

ウンギが戻ってきても、僕はまだあの子を待っている

決して疲れることなく、慌てることなく、焦ることなく

墓地の前でひざまづくチェギル。
父の墓前でした。

「親父。ごめん。謝るから、マルのこと、助けてくれよ。
マルがこれで終わりなんて、こんなの正直お話にならないだろう?
親父を信じてる。マルを必ず守ってくれ」

「そしたら、毎日墓参りに来るからさ。花だって持って来るし、雑草も抜くよ。
何でもやるから、マルだけは助けてくれよ、親父」

視聴者涙腺決壊。

マルは部屋にぽつんと佇んでいました。

紙くずをみて、ウンギの記憶が戻ったと気づいた日。
ウンギの机の上に置いたカップルリングは、その時引き取ったのでした。

指輪をしばし見つめ、引き出しにしまうマルです。

偽りのウンギに気づくはずもないチョコ。
ドライヤーをマイクに見立てて、一生懸命歌を歌っています。
ウンギの結婚式で歌う歌を、ウンギに選んでもらっているのでした。

チョコの歌う愛の歌を、うつろな面持ちで聴くともなしに聴くウンギ。
そんなウンギに気づかぬチョコ、お金をかけたプレゼントは出来ないものの、最高の歌を歌ってお祝いすると言います。

「お兄ちゃんといつまでも愛し合って、いつまでもお幸せにね!」

屈託のないチョコの笑顔に、表情のこわばるウンギ。

笑顔を取り繕って見せます。

階下では、マルが会社に行こうとしていました。
チョコがとても素敵な歌声を披露してくれたと報告するウンギ。

マルに幸せかと尋ねます。
笑みを見せ、幸せだと答えるマル。
ウンギはマルに歩み寄り、抱きしめます。

「チョコの言うとおり、私たち、ずっと愛し合って、ずっと幸せに暮らしましょう、マルさん」

ウンギの嘘に、静かに答えるマル。

「そうだね。結婚して、ずっと健康に、ずっと大切に思い合って、ずっと幸せに暮らそう」

心の中で、マルと同じセリフを呟くウンギ。

マルのモノローグが、抱き合う二人に悲しく重なります。

ウンギが戻ってきた

だけど僕は、まだあの子を待っている

決して疲れることなく、焦ることなく

こんな二人、見たくない。(涙)

テサンでマルは、ジェヒの執務室に呼ばれます。
今日行われるアウトドアの新ブランド設立に向けた会議に、参加して欲しいと言うジェヒ。
マルに資料を渡します。

立ち去ろうとするマルに、突然謝るジェヒ。
あんなことさえなければ、あなたは今頃立派な医師になって、望みどおりのまばゆい人生を送っていただろうにと、声を震わせます。
出来る限りのことをして、マルに償いたいと言うジェヒ。
あなたから奪った未来を、どんなことをしてでも取り戻す。
私にはそれができる、と。

そんなジェヒにマルが冷たく答えます。

「その前に、僕は会長を消すつもりなんですけど」

「ソ・ウンギの記憶が戻った時に邪魔になりそうなものは、僕が全て片付けるつもりです。最後にね」

マルの言葉に固まるジェヒです。

アウトドアブランド立ち上げ会議。
担当者は、アウトドア全般にわたる製品開発と、10代から60代までの幅広い層をターゲットにしたプランを発表しますが、マルはアウトドアブランドの後発組としては、もう少し目新しさがないと勝てないと言います。

了承を得て、プレゼンを行うマル。
マルの案は、アウトドア全般にわたる商品開発よりも、25歳から35歳までのトレンド・セッターをターゲットに据えた、タウン・ウエアとしてもデザイン性で遜色のないアウトドアブランドにすべきというものでした。
マルの意見にうなづく参加者一同。

気を良くしたジェヒ、マルの提案どおりにコンセプトをまた練り直すよう、担当者に指示します。
この際マルがロンチングまで担当してみてはどうかと提案しますが、マルはこのアイデアは、実はハン・ジェヒ会長がつぶしたソ・ウンギ理事のものだと言います。

「このプロジェクトは、もともとはソ理事の用意していたものでした。
それをハン会長がつぶし、まったく別のコンセプトに変えさせたと聞いています」

「会長はまさか、ソ理事のプランだから検討もせずにつぶしたわけではないですよね?」

会議後、マルのオフィスにやってきたジェヒ。

あなたの頭の中には、ソ・ウンギしかないのかと怒鳴り散らします。

「あなたのことが嫌いで離れたんじゃない。自分の恨めしい運命が嫌で、それで離れただけ。あなたが嫌いになったわけじゃないのに」

その声を、マルに弁当を作ってきたウンギが聞いてしまいました。

「ウンギとの結婚・・・・・・」

マルがその言葉を遮ります。

「やめろと言われても、やめません」

ジェヒが意外な言葉を口にします。

「そうね。したらいいわ。ウンギと、結婚。
そうやってでもあの子を守ってあげたいなら、そうするしかないじゃない。
そうやって自分の自責の念を埋めたいなら、そうしたらいいわ」

その時、パク弁護士がにこやかにウンギの傍にやってきました。

「入らないんですか?」

ドアから漏れ聞こえるジェヒの声。

『ウンギと結婚して、こんなふうにでもいいから、顔を合わせよう』

その声にパク弁護士は焦ります。
黙って立ち去るウンギ。

部屋の中では、まだジェヒが言葉を続けていました。

『あなたを取り戻すことが出来ないなら、こんなふうに手の届く範囲で、顔を見ながら過ごすわ。これ以上離れずに、せめてこんなふうにでも、顔を合わせましょう』

ウンギを心配して追いかけたパク弁護士は、何か誤解をしたのではと気遣います。ウンギはそれに答えず、マルのために作ってきた弁当を一緒に食べないかとパク弁護士を誘います。

一方、一人になったマルは疲れたように椅子にもたれかかり、何か考え込んでいました。

部屋の外に出たマル、弁当を前に向かい合って座るウンギとパク弁護士を目撃します。

弁当を前に、ウンギはパク弁護士に質問します。
どういうつもりで私とカン・マルの結婚を仕組んだのかと。
禁治産者にさせないためかと。

パク弁護士は、それもそうだし、カンチーム長であれば、理事を任せるに十分な人だと思ったからと答えます。
その答えにウンギは、そんなにマルのことを知っているのかと尋ねますが、記憶を失う前から理事が選んだ人だから、その選択を自分は信じていると答えます。

「もし私が間違っていたら?」

そう問うウンギに、「絶対にそんなことない」と断言するパク弁護士。
ウンギがもう一度同じことを質問すると、もしそうなら、そういう星のもとだと思うとパク弁護士。
その答えに、思わず笑うウンギ。

ウンギが再び尋ねます。

「もしかして、私に隠し事、してません?」

言葉に詰まるパク弁護士に、再度ウンギが問います。

「ありません? 隠してること」

ないと答えるパク弁護士。

二人のやり取りを見つめるマルです。

並んでエレベーターを待つウンギとパク弁護士。

沈黙を破り、ウンギが口を開きます。

「記憶が戻ったら、聞かせる話がたくさんあるって、以前言いましたよね。
それって、何です? 一つも漏らさず、全部話すって言いましたよね?」

パク弁護士はウンギに、「記憶が戻ったら話すと言ったはずです。記憶が戻ったらいつでも言ってください」と応じます。

再び口を開くウンギ。

「マルさんとの結婚、どういうつもりで仕掛けたんですか?」

そのことは、さっき答えたと言うパク弁護士。
ウンギは、私のこと好きじゃなかったのかと尋ねます。
狼狽し、否定するパク弁護士。

「それとも、男が好きっていう、あの話?」

驚愕するパク弁護士。
ウンギにゲイだと言ったのは、はるか前のことなのです。

「理事・・・・・・もしかして・・・・・・?!」

パク弁護士に微笑むウンギ。

「あんな話、私が信じると思ったんですか?」

ウンギの記憶が戻ったことを知り、パク弁護士は目をうるませます。

「もうその聞かせたい話とやら、してくれますよね?」

微笑むウンギを、感激の面持ちで見つめるパク弁護士。

その時エレベーターが開き、中からアン弁護士が出てきます。

慌てて涙を拭うパク弁護士。

その様子をアン弁護士は見逃しませんでした。

話があると、ウンギを自分の執務室に呼び出したアン弁護士。
なぜカン・マルと結婚するのか、カン・マルのことでソ会長の胸をどれだけ傷つけたか、なぜそんな男と結婚するのか。
ウンギは自分のことは自分で解決すると言います。

カン・マルに殺人の前科があることは知っているかとなおも尋ねるアン弁護士。
知っていると答えるウンギに、誰を殺したかも知っているかとなお問います。
口を開こうとするアン弁護士を、黙らせるウンギ。
もう自分の病状については告白したし、過去に何があったかは、関心ないと言います。

席を立ったウンギ、再びアン弁護士を振り返り、尋ねます。

「父が亡くなった時、アン弁護士とハン・ジェヒ会長が第一発見者だったそうですけど?」

駆けつけた時には既に亡くなっていたと答えるアン弁護士に、疑問を投げかけるウンギ。

「父の死が病死ではなく、他殺と考える人が大勢いますが、そうした話を聞いたことは?」

そんなことはありえないし、聞いたこともないと答えるアン弁護士に、自分は何度も聞いたことがあるのだがとウンギ。

「たしかに、ありえないですよね。いずれにしても、ご忠告は承りました」

そう言って出て行くウンギを、呆然と見送るアン弁護士です。

マルは一人で何かを考え込み・・・・・・。

そしてやってきた式当日。

ウンギはドレスを着て化粧を施されています。

自宅の鏡の前で、支度するチェギル。
独り言を呟いています。

「結婚式さえすんだら、もう待ったなしだ。終わり次第、お前に手術を受けさせるぞ、マル」

ところがマルは、忽然と姿を消していました。

その日を辛い面持ちで迎えるジェヒ。

パク弁護士も出かける支度をしていました。

『もう、話してくれますよね?』

ウンギの言葉を思い出し、表情の曇るパク弁護士です。

その頃、とある新聞社の社会部デスク宛に、茶封筒が届いていました。

テサングループのハン・ジェヒ会長
義理の娘の婚約者と内縁関係

式場に到着したジェヒとウンソク。

マルは一向に姿を現しません。

チェギルが電話しますが、電話に出ないマル。

どこかに車を止め、悲しげに佇むマルです。

ウンギが電話しても電話に出ないマル。

その時チョコが、携帯にとある記事を受け取ります。
驚いて固まるチョコ。

パク弁護士がチョコの携帯を見ます。

言葉を失うパク弁護士です。

一報は、すぐさまアン弁護士の耳にも入りました。

招待客に挨拶をするジェヒのもとに、早くも殺到するメディア。
アン弁護士はジェヒを素早く人々の目から遠ざけます。

財閥企業の一大スキャンダルは、瞬く間に報道を通して巷に広まり・・・・・・。

一人佇むマル。

やはりチェギルからの電話を取りません。

記事を見たチェギルは、頭を抱えていました。

自宅が記者に囲まれているため、アン弁護士の家に一旦引き上げるジェヒ。

「一体誰がこんな真似を!」

怒りの収まらないパク弁護士。

式は流れ、無言のうちに自宅に戻ったチェギルとチョコ。

すっかり飾りつけも外された式場の控え室では、マルが来るまでは動かないとウンギが粘っていました。
ウンギを案じるヒョン秘書とパク弁護士。

そこへ、どこからともなくマルが現れます。

ウンギの前に現れたマル。

なぜ来なかったのかと責めるウンギの問いに答えず、話がしたいとウンギを連れ出します。

「私を捨てて、どこにいってたの?」と責めるウンギ。

「これが君の結論なのか?」と目をむくマル。
ウンギはなおも、どこに行っていたのかと詰問します。

その頃、式場に残されたパク弁護士は、ヒョン秘書から衝撃的な事実を聞かされていました。

「理事とカンチーム長と会長の関係をメディアに流したのは、理事の指示でした」

にわかには信じられないパク弁護士。
「理事がやったことなのですか?」と聞き返します。

ため息をつくヒョン秘書。

「私も止めたのですが・・・・・・」

「なんてことを・・・・・・」

二の句が次げないパク弁護士です。

そして、車中では。

「全部知ってるんだよ、ウンギ。君の記憶が、全て戻ったこと」

マルのよもやの告白に、驚きで絶句するウンギ。

マルが言葉を続けます。

「僕がどんな奴だったか、とうとう君が思い出したってことをね」

ウンギを恐ろしい形相で睨むマルの顔で、ラスト。

アイゴ、オットッケ!
名づけてアイゴオットッケの回です。
ショックすぎて、日本語が出てきません。(笑)



こんなの、ありですか?
あと3回なのに。
もう、ウンギが嫌いです。
もう、君は、ひどすぎるよ。
しかも、予告を見たら、マルがジェヒに、一緒に死んで消えよう、的なことを言っているではないですか。
これだけ一生懸命見てきたのに、そんなラストってないです。
こんなウンギ、イヤ過ぎます。