みなさま、こんにちは。

なんだかんだとすっかり更新が遅れている『職場の神』12話。
楽しみにお待ちくださっているみなさま、すみません。
決して『職場の神』への愛が冷めたわけでは! ネバーネバー!

・・・・・・のっけからノリが怪しいですね。気を取り直します。(笑)

『職場の神』。
前回11話までは一話完結の構成でドラマが進んだのですが、残り4話となった12話からは連続ものになってきます。

注目はパーマ氏とミス・キムとム・ジョンハンの恋のトライアングルの行方。
イヤ、恋とか以前にミス・キムの心の傷は癒されるか問題のほうが私としては関心が大きいですが。

では、まいります。

朝。

始業開始とともに、なにやらいつになく熱心にデスクに向かっているYジャンの面々。

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怪しい気配に満ち満ちています。

立ち上がり、ミングのパソコンをこっそり覗き込むチャン・ギュジク。

「“カジュアル・ラーメンカフェ”?」

「おおっとー!」

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「だ、駄目っすよー、これも一応競争ですからー!
1次審査に通ったら、お見せしますね」

「なんだよ、ケチだな。見なきゃいいんだろ、見なきゃ」

舌打ちするチャン・ギュジクですが、他の部員も見られまいと一斉に目をそらし。

「チッ!」

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目が合ってしまった草食君ことケ・ギョンウも、なにやら企画書と思しきものをしかと胸に抱いて隠す仕草。

睨みつけるチャン・ギュジクの視線を避け、コピー機の前にいるミス・キムのところに歩み出ます。

「あの・・・・・・。これ、ミス・キムさんに見ていただきたいんですが。ミス・キムさんなら冷静に評価してくださると思うんで・・・・・・」

「なんですか?」

「社内コンペの企画案です」

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表紙にちらりと目をやったミス・キム。

「間違いなく落選です」

・・・・・・透視能力でも発揮したんでしょうか?(笑)

そういわず見て欲しいと頼まれ、珍しく受け取るミス・キム。

鬼のような速さでページをめくっていきます。

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「あ、あれね! あれが噂に聞く、スキャン速読ってやつね! そうなのね!」

そんな速読法あるんかいなと、思わずググッてしまいました。(はい、なかったです。笑)

みんながおののく中、あっという間に目を通したミス・キム、企画書を戻しながらギョンウにアドバイスします。

「内容が長すぎます。もっとも言いたいことの核心を最初に書き、結論は2,3行にまとめること。補足項目は別途記すように。
しかし。なによりも深刻な問題は・・・・・・!」

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「つまんないです!!!」

・・・・・・ミもフタもない。(笑)

わがことのように成り行きを見守っていた面々、一斉に自分の企画書パワポをデリートしだし。デリートにつぐデリート、またデリート。

その光景を見ていたチャン・ギュジク、したり顔で企画案の極意を話します。

「企画書で重要なのは3つのT。よく聞けよ。タイトル。テーマ。タ・・・・・・」

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「ティヤオォ~ッ!!」

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ブルース・リーばりの奇声を上げて書類を突如叩きつけるミス・キム。

危なすぎ。(笑)

「ワー、ビックリした!! なんなんだよ!!」

「ご覧のとおり、処理させていただきましたが、なにか?」

書類をかざしてみせるミス・キム。

・・・・・・ハエがつぶれてます。

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汚いからっ!!!!(笑)

「あ。最後のTはタ、ワー、ビックリシタ、ではなくて、タイミングです。
タイトル、テーマ、タイミング」

「んなこと俺も知ってるわ!」

そんな毎度毎度な二人ですが。

今日はさすがのチャン・ギュジクもちょっと様子が違います。
掃除中のミス・キムに、そろりと近づくチャン・ギュジク。

「あのさ。俺たちもうちょっと柔軟に考えれば、ビジネスのほうで関係を発展できそうだと思うんだけど。ま、例えば、一緒にチームを組んで画期的なアイテムを開発するとかさ」

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「なにが言いたいんですか?」

怪訝そうなミス・キムの眼前に取り出した企画書。

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『ザリガニの手を持つミス・キムのタラバガニ・ショー』

「どう? めっちゃイケてるだろ? アンタのカニさばきと俺の卓越した営業力を合わせて、タラバガニに挑戦するんだよ! この際歴史に長らく名を残す素晴らしいプロモを一緒に作らないか?」

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厳しく睨むミス・キム。

「到底付き合いきれません。私は外してください。幼稚でやってられません!」

バシバシと企画書を叩きながら返すミス・キム。

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ホントに痛そう。(笑)

一方ジュリ。羨ましげに社内コンペのポスターを見つめています。

そこへやってきたム・ジョンハン。

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ジュリの気持ちを察して、コンペに応募してみてはどうかと言います。
社内コンペは正社員、契約社員問わず応募できるとされていました。

床掃除にきたミス・キムにもム・ジョンハンは応募してみてはどうかと声をかけますが、定められた業務からいかなる名誉も別途受け取らないのが契約社員と、ミス・キム愛想なしの返事を返します。
折りしもやってきたチャン・ギュジクも、契約社員が社内コンペなんてとんでもないと否定。

「じゃあ、契約社員は応募できないんですか?」

ジュリの問いに、口を合わせる二人。

「できません!」

「できないよ!」

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珍しく息が合ったなと嬉しそうなチャン・ギュジク。
せっかく気が合った記念にとまたタラバガニ・ショーをと切り出すも、ミス・キムに透明人間のごとく完無視され、自身もブリブリ怒って出て行きます。(笑)

そしてム・ジョンハンは、残された床磨き中のミス・キムの足を悲しげに見つめ、盗み見てしまったやけどのあとを思い出しています。

「チーム長。3歩右にお願いします」

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どいてくれと声をかけられ、我に返るム・ジョンハン。

まあ、勝手に足を洗っているところを盗み見され、火傷のあとの原因が銀行での火災事故だろうというところまで推測されちゃってるんですから、これが知れたら間違いなくミス・キムに嫌われますよね、ム・ジョンハン。

お昼休み。

いつものごとくみんなでお昼に行くかと思いきや、ム・ジョンハンは取引先とランチの約束をしていると言ってどこかに消えていきます。手にはなにやら怪しい紙袋。

疑いもせず送り出したチャン・ギュジク、ちょうど出てきたビンナと目が合い、自分も約束を思い出したと席をはずします。

案の定。
ミス・キムの平穏なランチタイムに顔を出した、招かれざる客。

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お昼を食べにきただけなので気にしないで欲しいと言われても、気にならない筈ありません。

そしてビンナとランチするチャン・ギュジク。
ビンナは夕べ聞いたギュジクの父のことで落ち込んでおり、ご飯が喉を通りません。
そんなビンナに「まだ仕事があるんだから、食欲がなくても食べなきゃ駄目だ」とチャン・ギュジク。

「お父さんは、どうして・・・・・・?」

父がなぜ自殺したのか尋ねるビンナ。その言葉をギュジクが遮ります。

「父が亡くなったあと、俺は悟ったんだよ。今日誰かが死んで、そのせいで俺の一日が死ぬほどつらいものになっても、結局明日は来るし、また夜は明ける。そうしたら、何事もなかったように会社に行かなきゃならないんだってことを。
だから、食え。食って、ちゃんと仕事しろ」

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つらいですよね。ギュジク・・・・・・。

一方、食事を終え、なんとなく二人で歩いているミス・キムとム・ジョンハン。
ム・ジョンハンはとうとうミス・キムに紙袋を握らせます。

「なんです?」

「ズボンです。この間、業務中に濡れちゃったので」

「結構です。たくさん持ってますので」

「駄目です。たくさん持ってても、もらってもらわなきゃ駄目なんです」

意味不明なことを言われ、ますます怪訝なミス・キム。

「なぜです? なぜ私が何度もこういうものをもらわなきゃいけないんです? しかも今日は給料日でもないのに」

「申し訳ないからです。ごめんなさい。僕があの時買ったスカート・・・・・・」

完全にはてなマークだらけのミス・キムが、「スカートがどうかしました?」と尋ねたところ、「はけないものを差し上げたから・・・・・・いえ、サイズを44にしてしまって! 今回は66にしました」と答えるム・ジョンハン。
勿論、申し訳なさの本当の理由など言えません。

ちょうどランチを終えたビンナとチャン・ギュジク。
ギュジクは紙袋を返そうとするミス・キムとム・ジョンハンのやり取りを目撃してしまいます。

「オッパさえ良かったら、私、またやり直したいと思ってる・・・・・・」

そんな大事な女子の告白を、まったく聞いていないチャン・ギュジク。
ム・ジョンハンとミス・キムのやり取りに、目が釘付けです。

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ビンナ、いい子なのにギュジクはもう全然関心がないんですよね。
元彼としての優しさは持っていても、もう完全に心はミス・キムに持っていかれてます。

そして派遣社員の女子たちのランチタイムは、毎度の「粉な物屋」。

海苔巻きやトッポッキなどでお腹を満たす率の高い契約社員の女子たち。いつもちょっとお金が足りなくて小銭を借りるジュリに、お給料日前のジランはちょっと不機嫌です。お金がないのはみんな同じなので、慌ててすぐ返すと謝るジュリ。

二日に一度はここに来ている女子たちは、いい加減こういう食事も食べ飽きたし胃ももたれると口々に不満を言い募り、ポンヒの提案で明日からはお弁当を持ち寄ることにします。

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ランチを終え、トイレでム・ジョンハンに取引先との会議は上手くいったかと尋ねるチャン・ギュジク。ム・ジョンハンは「上手くいった」と嘘をつきます。

思わず鏡越しにそんな友を見つめてしまうチャン・ギュジク。

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トイレを出て「なぜキムさんと飯食ったこと隠してんだろ?」といぶかしむギュジク。
嘘をついたム・ジョンハンも「なぜ本当のこと言わなかったんだろ?」と自問し。

会社から帰り、田舎の母と電話しながら明日からお弁当を持っていくことにしたのだと話すジュリ。おかずはあるのかと訊かれ冷蔵庫を開けてみますが、キムチ以外ほぼ何もない状況にちょっとため息です。

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翌日。

約束どおりお弁当を持ち寄り、給湯室で広げる女子たち。
経済的だし、塩分のとりすぎも抑えられるし、最高だと喜んでいます。

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ところがこれも、阻止されちゃうんですよね。

昼食から帰った部長がオフィスがキムチ臭いと気づき、ちょうど出てきた女子たちに不機嫌そうな一瞥を食らわせたのです。

「なに考えてんだよ。これからは外で食えよな」

ギュジクに睨まれ、何も言い返せない女子たちなのでした。

・・・・・・かわいそう。
確かにオフィスでキムチの臭いはどうかと思うけど、最近は弁当男子も増えてるってのに。

って、それは日本の話でしたか?(笑)

せっかくのアイデアが一日でつぶされ、しょんぼりと家路に着くジュリ。
おまけに今日持っていったタッパーからキムチの汁が漏れちゃって、テンションさらに駄々下がりです。

そこへかかってきた母からの電話。
おかずはなにを持って行ったのかと何度も訊かれ、イラッとしたジュリは「あるやつ持って行ったって言ってるでしょ! なんで弁当のことばっかり訊くのよ!」と切れてしまいます。

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疲れてるのにごめんと明るく謝る母に、急に胸が痛むジュリ。
大人気ない自分にさらに落ち込みます。

ほんとにねぇ。

世界にお母さんだけですよねぇ。八つ当たりでキレられても縁切り返したりしない存在って。
・・・・・・って、時には母からの逆襲もあったりするでしょうが。(笑)

翌日。

ジュリ同様すっかりへこまされてしまった女子たちは「作るのが面倒」という表向きの理由で全員弁当を持ってきていませんでした。

その一方、まだ昼前なのに会社の調理室でなにやら即席ラーメンを作っているク代理とポンヒ。
ここでお昼を食べようというわけではなく、コンペに出す料理の試作品作りに取り組んでいるのです。

「ダーリン。これがコチュジャン、味噌(テンジャン)、醤油(カンジャン)をベースにしたラーメン料理ってことなのね?」

「そういうこと! 国内初、3つのジャンをベースにしたヌードル・フランチャイズ、名づけて“スリージャン・ヌードル企画”。どう、可能性ありそう?」

「超画期的よ~!!」

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なかなかおめでたい二人です。(笑)

つか、そんなんしょっぱいわ! しかも袋麺だし!(笑)

オフィスの1階では。

マーケティング営業部はどこかと尋ねる、とある女性。
その姿をチャン・ギュジクが見止めます。

チャン・ギュジクが連れてきたその女性に絶句するジュリ。

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「サ~プラ~イズ!」

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分かっていましたが、ジュリママです。(笑)

ジュリの同僚全員が食べられるほど、大量のお弁当をわざわざ釜山から作って持ってきたジュリのお母さん。

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歓声を上げながらのランチタイムが始まります。

外にお昼を食べに行こうとしていたミス・キムに声をかけるジュリとジュリの母。

「味見だけでもしていって欲しい」とジュリママは半ば強引にミス・キムを連れて行きます。

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とはいえミス・キムも、勿論嫌な気持ちになどなっていません。
「ご飯食べていきなさい」と言ってくれる暖かい手に弱いんです、ミス・キム。

そう。ここにもそんな手の持ち主が一人。

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初めて輪に加わったミス・キムに、嬉しそうな笑顔を見せるコ課長。

「どんな風の吹き回し?」と軽口を叩くものの、やっぱりミス・キムの合流が嬉しいチャン・ギュジク。

「そこのトングランテン、取って」

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ぶっきらぼうに渡されたおかずの皿に、それでも笑顔がこぼれてしまうチャン・ギュジクです。

それにしても、あー、トングランテン食べたい!
トングランテンは合い挽き肉とお豆腐と各種野菜のみじん切りを混ぜてこねこねして小麦粉と卵をくぐらせて焼く、丸いミニハンバーグみたいなものですが、このドラマ、お味噌会社が舞台だからかやたら食べてるシーンが多いんですよね。
見るたびにお腹減っちゃいます。(笑)

ジュリのお母さんの美味しい手作り料理に舌鼓を打ちながら、自分の母親の得意料理を思い浮かべる面々。そんな中、「うちの家政婦さんのチャンジョリム(肉の醤油煮込み)も、すっごく美味しいんです~」と話の輪に加わるビンナ。

家政婦さん発言に引かれていることに、全然気づいていません。(笑)

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ビンナも可愛い。(笑)

まだ食べ始めたばかりなのに、胃もたれがすると席をはずす、わけありげな・ジョンハン。
気を使って外に出てきていたジュリの母親と顔を合わせます。

なにやら封筒をム・ジョンハンに握らせるジュリの母。

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まさかお金?!

・・・・・・のわけないですよね。(笑)

ベンチに座り、封筒を開けるム・ジョンハン。
入っていたのは手紙でした。

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『うちのジュリが言う、正社員と契約社員の違いなんて、私には分かりません。私にとってはどの人もみんな自分の娘、息子みたいなんです。自分の血を分けた子どもじゃなくても、同じ釜の飯を食べればみんな家族じゃないですか? 
いつも家族のようにジュリによくしてくれて、ありがとうございます。これからもジュリをよろしくお願いします』

お国訛りで書かれた手書きの手紙に、笑みがこぼれるム・ジョンハン。

ちょうど母を見送ったジュリが気づき、近寄ります。
実は昨日電話で母親に八つ当たりしたので、心配して訪ねてきたのだと白状するジュリ。
そんなジュリにム・ジョンハンはとつとつと話し始めます。

「母親の気持ちって、きっとみんな同じなんですよね。
警察に勤務していた時、母親くらいの年齢の人たちに対しても、鎮圧したりしたんです」

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突然の告白に驚くジュリ。

「日中、その方々がデモをする時などは、上からの命令に従って盾で押し返したり、放水したりしたんですが、夜になるとそのおばさんたちが車両にやってきて、お弁当の差し入れをしてくれるんですよ。息子を思い出すって・・・・・・。
まったく。上からの命令だからって、容赦なく押し返すようなやつらの、一体なにが可愛いいんだか・・・・・・。
お弁当を見ると、そのときのおばさんたちのことを思い出しちゃうんですよね」

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「母親の気持ちって、きっとみんな同じなんですよ、ジュリさん」

兵役義務に就いていた間、望まぬながらもしてきたことに胸を痛めているム・ジョンハン。
それできっと、押し合い圧し合いする通勤ラッシュの地下鉄にも、乗れなくなっちゃったんでしょうね。
この脚本家さん、やっぱり社会に対する普遍的な視点が生きてます。
視聴者、またまた『職場の神』に感動。

そしてこの人も。

すれ違いざま、ジュリを呼び止めるチャン・ギュジク。

「お母さんに、お昼ご馳走様でしたとお伝えしてくれ」

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意外な暖かい言葉に、一瞬目を見張るジュリ。

対するチャン・ギュジクの笑顔は、どことなく寂しげです。

午後の勤務時間になり、とても美味しかったと口々に礼を言うコ課長と草食ギョンウ君。

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一方、いつもどおりツーンとすまして座っているミス・キムは、ジュリにお昼ごはんは口にあったかと尋ねられ。

「とーっても・・・・・・美味しかったです」

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まぁ、それ以外のこと言ったら、人間にあらずです。(笑)

仕事を終え、ベッドの上で一人食事をとっていたミス・キム。
ふと今日会ったジュリの母親を思い出します。

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そして同時に、かつての上司、チン係長のことも。

仕事の手際が悪いと窓口で怒鳴り散らす顧客。
支店長を出せと大騒ぎになり、キム・ジョムスン(ミス・キム)は固まってしまいます。

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怒りの収まらない顧客に、部下に代わって跪いて詫びるチン係長。

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お昼休みになり、チン係長はベンチにお弁当を並べますが、ジョムスンは涙が止まりません。

「いつもヘマばっかり。チン係長のお荷物になるばっかりで・・・・・・」

メソメソするジョムスンの涙を優しく拭うチン係長。

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「ジョムスン。あんたはお荷物なんかじゃなくて、私の金魚のフンよ。
私が好きでフンをくっつけて歩いてるんだから、そんな下らないこと考えないで本物の金魚になれるまで私の後ろにちゃんとくっついてればいいの。
分かった?」

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「さあ、泣いてもいいから、まずは食べてからにしなさいな」

そう言いながら、笑顔でお箸を握らせてくれたチン課長。

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悲しげに黒い髪留めに眼をやるミス・キムです。

これはもしや、チン係長からもらったものなのでしょうか?
それとも遺品?

こんなに優しくしてくれた上司を失ったのですから、ミス・キムの悲しみは計り知れないというものです。

その頃、二人で飲みにきているム・ジョンハンのチャン・ギュジク。

小学生でもあるまいに、母親が会社に訪ねてくるなんてと言いながらも、愉快そうな笑顔を見せるチャン・ギュジクの姿がそこにありました。

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「でも、久しぶりに母親の手作り弁当を食べたら、すごくいい気分だった。本当に美味しかったよ。いつも外食ばっかりだから」とム・ジョンハン。

「そうだな。家庭料理を食べたの、いつぶりだろう。思い出せないや」

チャン・ギュジクもジュリの母親の手料理に、思うところがあったのです。

言葉を続けるチャン・ギュジク。

「あのさ。母さんが亡くなって、どんな時に一番寂しく感じるかと言えばさ。
テンジャンシレギ(葉物の味噌煮)が食べたい時なんだよ」

「え?」

「うちの母さんのテンジャンシレギ、すごく美味しかったんだ。肉をちょっと入れて煮込むと、さらに旨くてさ。時々すっごく食べたくなる時があって、ふと思うんだよ。“ああ、もう俺は母さんのテンジャンシレギは、一生食べられないんだな”って。それがすっごい悲しく感じるんだよ。笑うだろ? テンジャンシレギが食べられないのが悲しいなんてさ」

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やーめろよ、お前ー。

涙ぐむなよなー。

ずりーよ。

と視聴者も涙目になる瞬間です。

というか最近、「泣いてる人見るだけでオートマティックに泣いてるんじゃないか、自分」疑惑が、なくはないのですが。(笑)

ギュジク、お父さんだけでなく、お母さんも亡くしていたんですね。
ム・ジョンハンがかつてジュリに、ギュジクを見ると可哀相でかばってあげたくなると言っていたのは、こういうこともあるからなのでしょう。

そしてジュリは。

部屋でム・ジョンハンと交わした言葉を思い返していました。

お弁当を見ると、かつて鎮圧したデモ隊のお母さんたちを思い出すと言ったム・ジョンハン。
母の心は、みんな同じだといった言葉。

『企画書の3つの要素 タイトル テーマ タイミング』

ジュリはパソコンに貼り付けていたメモに目をやり、なにやら打ち込み始めます。

ジュリも企画書を出したい気持ちになったのです。

母親の愛が感じられるお弁当をコンセプトに、企画書を書き進めるジュリ。

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翌朝。

始業前体操に今日もいそしむミス・キム。

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体操というより、太極拳のような動きですが。(笑)

体操中のミス・キムに、企画書を見て欲しいと頼むジュリ。
続いて出社した草食君もジュリが企画書を書き上げたことを喜ぶのですが、「こんな書き方で合ってるか、見ていただけませんか?」とのジュリに、ミス・キムは表紙を一瞥しただけで、一言。

「間違ってます」

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見もせずに一刀両断。(笑)

「下らないことをしたもんですね、ジュリさん。契約職が企画書だなんて。
絶対に正社員に見せちゃ駄目よ。こないだみたいに盗まれたくなければね」

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体操しながらの忠告。

動きも絶妙です。(笑)

かくして集められた企画書。

どれを部署のものとして出すかを吟味するチャン・ギュジクの動きに、部署内は気が気ではありません。

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「3ジャンラーメン。これ、誰の企画だ?」

嬉しそうに立ち上がるク代理。
Yジャン商品を最大限生かした料理だと胸を張りますが、しょっぱいのではと訊かれてしまいます。
塩分はオン家の塩を使えばどうかとの返答に、そんな高価な塩を使ったのでは話にならないと剣もほろろに却下されてしまうク代理。

続けて呼ばれたのは、セリフのない彼の「醤油キャンディー」。

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この彼、セリフがないどころか、ウンもスンも、声すら出しません。(笑)
よって企画も、当然却下。(笑)

「ブッキング・ランチカフェ? これは誰だ?」

颯爽と立ち上がるミング。

「独り者のわびしいサラリーマンのためのブッキングカフェです。合い席してカップルになったら、半額! 暗くくすんだナイトクラブの文化を明るいものにするんです!」

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ろくな営業マンがいません。(笑)

結局マーケティング営業部の企画案は、ビンナのYジャンパスタ麺を使ったパスタとサラダbarの店にすることにし、部署内全員でブラッシュアップすることに。

一方、マーケティング営業サポート部のほうはジュリの企画意図に耳を傾けていました。

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ジュリのアイデアはビュッフェ形式でお弁当のおかずを顧客が好きなようにカスタマイズするというものでした。
どの家庭にもひとつはある母親の得意料理をコンセプトに、ビュッフェのおかずを取り揃えるというアイデアです。

話を聞き、すごくいいと絶賛するム・ジョンハン。
草食君にもこのアイテムはいけると褒められ、笑顔を見せるジュリ。

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マーケティング営業サポート部はジュリのアイデアを部署の企画として提出することにします。
明日の締め切りまでブラッシュアップしたいので協力して欲しいといわれたミス・キム。契約職の自分には係わりのないことではあるが、ム・ジョンハンの業務命令なら従うと応じます。

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ジョンハンたちのチームの代表企画がジュリのものだと聞き、表情を曇らせるチャン・ギュジク。正社員も契約社員も問わないなどというのは建前に過ぎないので、本当にその案を出すのならジョンハンの名前で出すよう影で忠告します。

もう嫌な予感がします。

席に戻り、ジュリのブラッシュアップを手伝うム・ジョンハン。
もっとコンセプトを明確にするとよいとアドバイスをするのですが、ジュリは近づいてきたその顔にドキドキモード。

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ま、これだけ顔が近いのは、若干迷惑ですけども。
パーソナルエリアを守っていただきたいと、私なら思ってしまいます。(笑)

市場調査もして資料に加えたいとのジュリの意向を受け、コンビニや市場のおかず売り場を訪れる面々。

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チームのリーダーム・ジョンハンは、ジュリの企画案「母さんの惣菜弁当カフェ」という名称では少しインパクトが弱いので、もっと印象的なものにしたほうがいいと提案し、再び頭を悩ませる面々。
母親と関連したタイトルがいいだろうとのコ課長の言葉を受け、草食君ギョンウが「母さんに優しくしよう」と呟きます。

「お弁当を食べながら、お母さんのことを思い出してくださいって意味で」とギョンウ。

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「そのネーミング、すごくいい!」と喜ぶム・ジョンハン。
ジュリもその名前にすると応じます。

黙って聞いていたミス・キム。
終業時間に間に合わせるべく密かに企画案をパワポにまとめていました。
あまりの早わざに驚くム・ジョンハン。

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問題は、企画者名。

ム・ジョンハンは当然ジュリの名前にすべきだというのですが、ミス・キムは企画書を通したいかとム・ジョンハンに尋ねたあと、企画書に企画者名を打ち込み、そのまま帰宅します。

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ミス・キムがコンペに提出した企画書につけられていた名前は、「ム・ジョンハン」。

ジュリは気にせずム・ジョンハンの名前で出して欲しいと言いますが、他の面々の気持ちは優れません。

話を聞いたチャン・ギュジクは、それが正解だというのですが、当然ム・ジョンハンは引っかかりますよね。

ジュリはビンナと食事しながら、チャン・ギュジクがお父さんを亡くしたことが別れた本当に理由だったと聞かされ、同情します。
お母さんも亡くなったのにお父さんまでなんて、あまりに可哀相だと同情一杯のビンナ。

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気の毒で優しくしてあげたいとのビンナの言葉に、ついム・ジョンハンへの自分の思いを重ねてしまうジュリです。

ジュリは、あれなんでしょうね。
優しすぎるム・ジョンハンがラッシュの地下鉄に乗らない理由を知って、一層心が惹かれちゃったんでしょうね。

でもム・ジョンハンはなんだかんだと理由をつけては、ミス・キムに会いにいってるんですが。(笑)

barマチュピチュに行き、なぜ企画署名を自分の名前に変えたのかと尋ねるム・ジョンハンに、契約職のジュリには何の得にもならないからと答えるミス・キム。
契約社員だろうが正社員だろうが関係ないじゃないかと力説するム・ジョンハンに、あなたは牧師か神父になったほうが合っていたのではとミス・キムは言います。
まったくです。(笑)

会社では正社員も契約社員も、互いに成長させてあげるべきだと思っていることを力説するム・ジョンハンを純粋だと鼻で笑いながら、もしその成長させようとする気持ちのせいでジュリが傷ついた場合は彼女を助けられるのかと厳しい表情で問いただすミス・キム。

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このお化粧は、ちょっと怖いです。
って、いらぬことをすみません。(笑)

ひるみながらも、守れると答えるム・ジョンハンを、ミス・キムはまたしても鼻で笑ってしまいます。

「だからチーム長は純粋だと申し上げたんです。それに、チーム長はチョン・ジュリを守れません。彼女の企画書も守れません」

預言者のようなミス・キムに、守ってみせるとなおも答えるム・ジョンハン。
呆れたミス・キムはム・ジョンハンを残して部屋に上がってしまいます。

予言に戸惑いを覚えながらも会社に戻り、企画者名をジュリの名前に変えるム・ジョンハン。

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自分の決断に満足げです。

・・・・・・っていうか電気つけて欲しい。
怖いっす、真っ暗なオフィス。出る。アレが出る。(アレの中身はご想像に。笑)

そして、審査結果発表の朝。

マーケティング営業部の面々は緊張の面持ちで有力候補を予測しています。
噂では別の部署の案が最有力候補だとかで、渋い面持ちのチャン・ギュジク。
審査に通らなければ、ファン部長の機嫌が一気に悪くなることは火を見るよりも明らかです。

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同じく落ち着かない面持ちで結果発表を待つファン部長。

結果を知らせる電話を受け、笑みを浮かべます。
ビンナの案が通ったのかと思いきや・・・・・・。

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「おい。チョン・ジュリさんの名前で出された企画書が最終審査に残ったと連絡が来たぞ。どういうことだ?」

ファン部長の言葉を聞きつけ、思わずジュリの元に集まる面々。

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ム・ジョンハンがジュリの名前で出したことを知り、ファン部長は厳しい表情のままム・ジョンハンを部屋に呼びます。

ジョンハンはジュリに拍手を送り、部長の部屋に行きますが、ああ、案の定。
「お前の名前で出しなおせ」と言われてしまいます。

「契約社員の企画案が通っては問題だ。上からもそう言われるだろう。
提出しなおせ」

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できないと答えるム・ジョンハン。

あれはジュリのアイデアなので、そんなことはできないと大真面目です。

「そんなことが大事なのか? 企画が流れるかもしれないんだぞ!」

部長に怒鳴られても意志を変えないム・ジョンハン。

ムムム!!

マズイ。これはマズイ。マズそうです。

席に戻ったム・ジョンハンに、なぜ名前を書き換えたのかと尋ねるジュリ。
ジュリのアイデアなので当然だとム・ジョンハンは答えます。
塩の時も手柄を全部自分のものにしてくれたと感謝するコ課長に、やっぱり同じように答えるム・ジョンハン。

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ジュリの快挙に喜びムード一杯の部署内ですが、二人だけその輪に加わらない人がいました。

ミス・キムと、この人。

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ランチタイム。

ギュジクはジョンハンに、部長の言うとおりにするべきだと説得します。

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人の手柄を奪うような真似をしたくないと首を振るジョンハンに、そんな簡単な問題じゃないとチャン・ギュジク。

「何十年も続いてきたYジャンの伝統ある社内コンペで契約社員の企画案が通るとなれば、部長の立場がどうなるかは考えたのか?
ましてや、本当にその案が通ってしまった時に、事業化を手伝う他の部署が快く進めてくれると思うか?
これは色んな立場を熟慮した上で決断すべき問題なんだぞ」

その言葉に、「立場とか、よく分かんない。誰かの立場を守るためにチョン・ジュリさんは傷ついてもいいのか?」と返すム・ジョンハン。

「傷つく? おい! ここは大学のサークルじゃない! 会社だぞ! 
3ヶ月したらいなくなる契約社員に、何の責任を負わせられる?」

「でも企画が通れば、彼女はまた契約が延長されるかもしれないじゃないか」

「は? お前は契約を延長させるために、企画を出すのか?!」

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組織人として至極全うなチャン・ギュジクの言葉を、頑として受け入れないム・ジョンハン。この企画はジュリの名前で出すの一点張りです。

うーーーーん。

どうですか、これ?

これはチャン・ギュジクに軍配じゃないでしょうか? と私は思ってしまいました。
いい人を通り越して、幼い感じがしますよね、ム・ジョンハン。

・・・・・・もしや私もいつの間にかチャン・ギュジクに染まってしまった?!

パーマに?! あの嫌なやつ代表のパーマに?!(笑)

そんなことになっているとは夢にも思わないジュリは、お母さんのおかげで自分の企画案が上位3位に残ったと喜びの報告をし。

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ゴミ袋を持ってやってきたミス・キムにも、先輩のおかげだと礼を言います。

そして二人が乗り込んだエレベーターには、先に乗っていたファン部長の姿が。

「チャン・ジュリさん、じゃなかった、チョン・ジュリさん。契約期間はどれくらい残ってますか?」

「はい、2ヶ月残っています」

「そうですか。頑張ってください」

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きそう! なにかきそう!

ジュリの企画書を見ながら、ため息をつくファン部長。
ほどなくチャン・ギュジクが「お呼びですか?」と訪ねてきます。

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「ジョンハンは、変わらんか?」

「はい、おそらく・・・・・・」

「そうか・・・・・・」

深くため息をついたファン部長。
衝撃の一言を繰り出します。

「チャンチーム長。チョン・ジュリさんの契約、解除しろ」

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衝撃の一言に思わず凍りつくチャン・ギュジクの顔で、ラスト。

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イヤ~~~~~。

ミス・キム、預言者ですね。間違いない!

って、ドラマですけれども。(笑)

いやはや、きっびっしー話になってまいりました。なんて可哀相なジュリ。
でもYジャンの社風やファン部長の性質からして、こんなことになるのは分かっていた筈ですよね、ジョンハン。
しかもあれほどチャン・ギュジクが筋道立てて説得したのに、耳を貸さない。
「これって自分がいい人でいたいだけなんじゃ?」と初めて視聴者がム・ジョンハンに駄目出ししたくなる瞬間でした。



職場勤めの人たちの気持ちをわしづかみにして余りある『職場の神』。
こうしたリアリティあふれるエピソードが、共感を呼ぶんでしょうね。

残りあと4話。いよいよ佳境です。
って、もうとっくに最後まで見終えているのですが。(笑)

次回もまた、お楽しみに。