みなさま、こんにちは。

雪の予報が出ていた関東地方。
どうやら降らずにすみそうですが、相変わらず寒さは続きます。
みなさまも風邪などにお気をつけ下さい。

では、本日もまいります、『チョンダムドンのアリス』14話。

13話ラスト。

映像を見終え、自分の知っている人に似てる人が二人いると言ったスンジョ。

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驚いたイナは、似ている人ではない、ちゃんと見たのかと尋ねますが、スンジョはちゃんと見たと答えます。
アウトレットの件は、検討の上また連絡するとスンジョ。

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(まさか、知っていたの?)
心で呟くイナ。

「農地の用途変更はなかなか許可が下りないでしょうけど」

スンジョは何事もなかったように会議を閉めようとします。
スンジョの反応に、混乱するイナ。

(それとも、なかったことにするつもり?)

「お疲れ様でした。ではまた」

何事もなかったように出て行くスンジョ。

イナは納得がいきません。キム代理が隣にいるのもかまわず、独り言を呟きます。

「なぜ反応がないの? 本当になかったことにするつもりなの?」

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その頃セギョンはトンウクに話を聞いていました。

「父親と絶縁したのも、その時知ったんです。これはまずいと思ってまたパリにいったんですが、スンジョがいなかったんです」

「いなかったって?」

「アパートも引き払い、学校にも授業料を払わず。半年ほど捜し歩いて、やっとみずぼらしい倉庫みたないところで見つけました。すべて捨ててしまっていたんです。そうやって1年間、放心したように過ごしてました」

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その言葉にうなだれるセギョン。

「もしスンジョさんに、また耐え難い衝撃的なことが起きたら・・・・・・?」

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「なぜそんなこと言うんです?」

「人には、何が起きるかわからないじゃないですか」

「絶対にスンジョの人生にそんなことがあってはいけませんけど、もし万が一また起きたら、いつ爆発するかわからない時限爆弾だと思って、絶対に一人にしないでください。必ず傍にいてください」

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オフィスに戻るスンジョ。

椅子に座ると浮かべていた笑みが消えます。

苦しみ始めるスンジョ。目には見る見る涙が浮かびます。

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トンウクとわかれたセギョンは、ほどなくスンジョからの電話を受け取ります。

スンジョの家に向かうセギョン。
呼び鈴を押してもなかなか出てこないのでドアを開けてみると、鍵は開いていました。

人気のない室内。セギョンは家中を探しますがスンジョが見当たりません。

ダイニングでワインを用意するスンジョを見つけ、安堵するセギョン。

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「あ。いらっしゃい」

「家にいないかと思いました」

「僕がどこに行くんです? さあ座って」

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「急にどうしたんです?」

「前にワイナリーのこと話したでしょう? あそこのワイン、注文しておいたんです。飲んで」

ワインを注ぐスンジョを見つめるセギョン。

二人は乾杯します。

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何もなさそうだとほっとするセギョンです。

一方タミー・ホンは、イナとスンジョの会議が終わったと報告を受けます。

会議を終え、普段どおりにスンジョが会社を出たらしい。気分が良さそうにすら見えたようだとユンジュに報告するタミー・ホン。

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イナが言わなかったのだろうかとタミー・ホンはいぶかしみます。
ユンジュは確認してくるとGNに駆けつけます。

イナの部屋を見つめるキム代理を見つけ、どうしたのかと声をかけるユンジュ。

アルテミスとの会議が、どうやらうまくいかなかったようだとキム代理は肩を落とします。
自分が会議資料の草案を用意し、後からイナが映像を足したのだが、反応がなかったと言われたとキム代理。

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その時部屋から出てきたイナ。

ユンジュは話したのかとイナに確認します。

「話したの?」

「たいしたものね、ジャン・ティエル・シャ。でも、どれだけ我慢できるかしら」

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その答えに、イナが告げたのだと知るユンジュ。

すぐさまタミー・ホンに報告します。

すべて話したようだと聞き、驚愕するタミー・ホン。

セギョンはスンジョの家で子どもの頃のアルバムを見ていました。

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「目がとっても可愛いです。今も、きれい」

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セギョンを見つめるスンジョ。

どうしたのかと尋ねられ、スンジョは首を振り、もう一本持ってくるとワインを取りにいきます。

そのときかかってきた電話。相手はタミー・ホンでした。

セギョンは化粧室で電話に出ます。

何もないのかと尋ねるタミー・ホン。

「なぜです?」

「チャ・スンジョ、全部知っています」

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「はい?」

「シン・イナが、全部話したそうです」

愕然とするセギョン。衝撃のあまり、頭がぐらぐら揺れます。

さっき見つけた時のスンジョの様子を思い出すセギョン。

脳裏によみがえる、トンウクの声。

『スンジョは現実を認めなかったんです。現実を認めたら、生きていけないから』

その場に座り込むセギョン。タミー・ホンは何度も呼びかけますが、セギョンは返事をできません。

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そのとき外から聞こえてきた、セギョンを呼ぶスンジョの声。

「切らないと」

タミー・ホンにそう伝え、這い上がるセギョン。恐る恐るドアを開けると、普段と変わらないスンジョがそこにいました。

セギョンを見て笑顔を見せるスンジョ。

「トイレにいたんだ。探したじゃない。来て。話があるんです。こっちに来て」

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セギョンはこわごわ隣に座ります。

「僕たち明日から、めちゃめちゃ忙しいですよ。式場も見に行って、家も見に行って、結婚写真も撮って、招待状も刷らないと。いっこいっこ片付けましょう。いいですね?」

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小さくうなづくセギョン。

変わらぬ様子でスンジョはワインを飲みます。

再びタミー・ホンに合流したユンジュ。
タミー・ホンはセギョンが電源を切っていると心配します。

「一体どうなってるんだ? 変ですよ。僕がセギョンさんに教える前から、ずっと何も言ってないなんて、おかしくないですか? 怒ったり、罵ったり、なぜなのかと問い詰めるところでしょう?」

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スンジョがなぜそうなのか、心当たりのあるユンジュ。

「もしくは、このままなかったことにするつもりなのか?」

黙っているユンジュにタミー・ホンは苛立ちを見せます。

「何とか言ったらどうなんですか? いまハン・セギョンは、チャ・スンジョと一緒にいて大丈夫なんですか?」

ユンジュがようやく口を開きます。

「セギョンが選んだことじゃないですか。セギョンが受け止めるべきことです」

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居眠りするスンジョを涙を流しながら見つめるセギョン。

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セギョンはスンジョをベッドに寝かしつけます。

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一生黙って傍にいろと言ったチャ会長。
絶対一人にせず、必ず傍にいて欲しいと言ったトンウク。
その言葉を思い出し、スンジョの手を握るセギョン。

(すべて引き受けます。
ここで終わりになっても、私の責任だから。
私は絶対に逃げません)

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心で呟くセギョンです。

翌朝。

目覚めたスンジョは、昨日の映像を思い出します。

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似ている人ではないとのイナの言葉。

キッチンで音がするので見に行くと、セギョンが朝食を用意していました。

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「起きました?」

「泊まっていったんですか?」

「ええ、リビングで。あれっぽっち飲んだだけで眠っちゃうんですか? 本当にお酒飲めないんだから。お父さんも酒が飲めないって、心配してました」

テーブルに向き合う二人。

「夕べは、よく眠れました?」

「ええ」

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「スンジョさん。前、私に言いましたよね。自分はかっこいい王子様なんかじゃなく、ガキっぽい男だって」

「ええ」

「でも、スンジョさんのそういうところ、私は見たことありません。全然ガキっぽくない」

スンジョは弱い笑みを浮かべます。

「私にいいところだけ見せなくてもいいんです」

その言葉に、つらそうに視線を落とすスンジョ。

「スンジョさん。私は・・・・・・」

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セギョンの言葉をさえぎるスンジョ。

「僕、今日セギョンさんに見せるものがあるんです。早く食べて出かけましょう」

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二人は車に乗り込みます。無言のまま運転するスンジョ。

スンジョが連れて行ったのは、教会でした。

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笑顔で入っていくスンジョ。

「なぜここに?」

セギョンの問いに答える代わりに、両サイドは白い花で飾るのだとスンジョ。

「前はろうそくで飾るつもりです。綺麗でしょ? 当日は、セギョンさんが一番綺麗だろうけど」

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「スンジョさん・・・・・・」

セギョンは何か言おうとしますが、スンジョは手を取るよう差し出します。

「入りましょうか?」

手を取り合って進む二人。

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「そこにアジョンさんが来てますね。あそこにはムン秘書と運転手さん。
そしてトンウク」

スンジョは想像で招待客の位置を示します。

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「セギョンさん、挨拶して」

スンジョの空想に合わせて手を振るセギョン。

空想のなかでおめでとうと声をかける人々。

「セジンさんはあそこだ。そして、お父様とお母様」

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「そして、うちの父」

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笑顔を消し、セギョンをにらむ空想の中のチャ会長。

目の前には空想の神父まで現れます。

『新郎に尋ねます。この新婦を妻とし、神の意に従って生涯固く貞節を守ることを誓いますか?』

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「はい。誓います」

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『この新郎を夫とし、神の意に従って生涯固く貞節を守ることを誓いますか?』

「はい。誓います」

ためらいながら誓いを立てるセギョン。

二人は空想の中で指輪の交換を行います。

セギョンに向き合い、誓いの言葉を述べるスンジョ。

「僕の愛と信頼の表れとして、あなたに捧げるこの指輪を受け取ってください」

スンジョはセギョンの手を取り、指輪をはめるフリをします。

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「愛と信頼の表れとして、あなたに捧げるこの指輪を受け取ってください」

同じく架空の指輪をはめるセギョン。

『これにて二人はひとつとなります。神が結びつけたものを、人が分かつことはなりません。したがって、この結婚に異議のある者は、今名乗り出るか、永遠に沈黙してください。新郎、異議はありますか?』

「ありません」

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スンジョを見つめるセギョン。

『新婦、異議はありますか?』

スンジョのプロポーズを思い出すセギョン。

『ところがある日、ある女性がこう言ったんです。愛しているの反対は、あなたを愛していない、お前を利用する、ではなく、その人のためにしてあげられることが何もないことだって』

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『世の中に恐ろしくない愛もあるということを、セギョンさんが示してくれたんです』
『でも、もう見つけました。セギョンさんが僕の家なんです。ないと思いながらも、探し続けた僕の家なんです』

セギョンに早く答えるよう促すスンジョ。

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「スンジョさん。私、話があります」

セギョンはとうとう切り出そうとします。

「スンジョさん。私・・・・・・」

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スンジョは笑顔で遮ります。

「何を言うつもりです? 早くセギョンさんも異議はないと答えてください。早く」

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「スンジョさん。私の話を聞いてください。聞かなきゃいけないんです。
私、スンジョさんに嘘を・・・・・・」

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豹変するスンジョ。

「やめろ。一言でも喋ったら、殺すからな」

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消えていく幻の招待客たち。

二人は現実に取り残されます。

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「何も言わないで下さい。何もないんですよ。何も変わらない」

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「ごめんなさい」

涙を流すセギョン。

「ごめんなさい、スンジョさん。私が悪かったんです。スンジョさんじゃなく、私が。だから、自分を傷つけないでください。一人で耐えようともしないでください。これはスンジョさんではなく、私が受けるべきことなんです。地獄に行くべきなのは、スンジョさんではなく、私なんです」

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涙をためながらセギョンを睨むスンジョ。

「お前が全部駄目にしたんだ」

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スンジョは一人で出て行ってしまいます。

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セギョンはその場に座り込み、声を上げて号泣します。
チャペルに響くセギョンの泣き声。

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『僕は、自分を全部見せても互いに抱えあえるのが、愛だと信じてます』

泣きながらも、動画のなかでそう話してくれたスンジョを思い出すセギョン。

セギョンは涙を拭き、立ち上がってスンジョを追います。

去っていくスンジョの車。

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セギョンは泣きながらスンジョに電話をかけます。

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電話を取らないスンジョ。
セギョンは諦めず、何度もかけ続けます。

画面を見つめるスンジョ。

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セギョンは何度も何度もかけ続けますが、スンジョは電話に出ません。

スンジョは車を端に寄せて止めます。

電話に出られないスンジョ。
セギョンからの電話を拒否し、車の中でむせび泣きます。

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セギョンはトンウクに電話をかけ、助けを求めます。

「どういう意味です? スンジョに何があったんです?」

『詳しいことはあとでお話します。まずはスンジョさんに電話をかけてみてください』

「わかりました」

でもスンジョは、トンウクの電話にも出ません。

トンウクと二人で部屋にかけつけるセギョン。スンジョは帰っていませんでした。

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切られたままの電話。

「電話に出ません。一体何があったんです?」

「あとで全部お話します。今はスンジョさんを探さないと。ひとまずここにいてください。スンジョさんが帰ってきたら、一緒にいてください」

「ええ」

トンウクに一礼し、出て行くセギョン。

キム秘書に電話し、一緒に会社にやってきますが、やはりスンジョはここにもいません。

「電源が切られてますけど。なにかあったんですか?」

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「スンジョさんの行きそうなところを教えてください。スンジョさんを探さないと」

父・チャ会長もスンジョと連絡が取れないと秘書から聞かされます。
会議時間の確認のために連絡を取ったのだが、電話に出ないと秘書。

電話をかけ、電源が切られているのを確認し、驚くチャ会長。

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セギョンを呼びつけ、チャ会長はいきなり怒鳴りつけます。

「なぜシラを切らなかった!」

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「スンジョさんは自分を苦しめていました。ずっとそうさせるわけには・・・・・・」

「それでもシラを切るべきだったろ! 私は知らない、シン・イナが仕組んだことだと、言うべきだっただろうが!」

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怒り任せに怒鳴り散らす会長。

「それで? あいつはどうした?」

「私と別れたあと、車に乗って出て行きました」

「何が何でも探し出せ。スンジョを無事にわしのところに連れて帰れ! いいな!」

「はい」

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街を歩き、画廊の前を通った瞬間、スンジョの行きそうな場所を思い出したセギョン。

スンジョの絵が飾ってあるギャラリーに駆けつけます。でもそこには別の絵がかかっていました。

ギャラリーの職員に絵はどうしたのかと尋ねるセギョン。職員はセギョンとスンジョを覚えていました。今日は別々に来たのかと職員。

午後にスンジョがやってきて、絵はどこかと尋ねられ、ケリー・パクのギャラリーに行ってみるよう伝えたことを知ります。

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オフィスでスンジョを案じる父。
秘書は事故記録はあがっていないと報告します。

GN一族は、会議のためにロイヤルの応接室に集まっていました。

「今週中に敷地を確保して、契約を終わらせないと」

ミニョクの言葉に父は上機嫌に頷きます。

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そこに現れたチャ会長。

シン会長はチャ・スンジョ会長は遅れているようだと挨拶します。

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「来れないと思います。私たちも、ここでストップしなければならないようです」

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突然の言葉に驚くシン会長。

「チャ会長、急に一体・・・・・・?」

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「ロマンアウトレットは別のパートナーと進めることになりそうです。
GNとはやりません!」

厳しい口調に驚いて顔を見合すミニョクと父。
チャ会長はイナを見据えます。

「理由はシンチーム長がよくご存知でしょう」

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取りつく島もなく部屋を出るチャ会長。
どうなっているのかと父に訊かれ、家に帰ってすべて話すとイナは答えます。

家からホミンに電話で報告するユンジュ。

「じゃあ義兄さんにも知られるじゃないか。そうなったらまずは仕事に影響が出るぞ」

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またもや自分の心配ばかりのホミン。
また連絡するとユンジュは静かに電話を切ります。

急いで戻ってきたユンジュの義母。

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ロイヤルが事業を中止するといってきたと義母。
ほどなくミニョクらが戻ってきます。

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勢ぞろいするGNの家族。その時がきたと覚悟するユンジュ。
イナはまたもやタブレットを持っています。

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すれ違いざまにユンジュを鼻で笑うイナ。

イナは家族に動画を見せます。

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途中でもう止めろという父。義母は続きを見ようとしますが、義父はそれを制止します。

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立ち上がり、ユンジュに水をかける義母。

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「あんたを嫁にするんじゃなかった! どこの馬の骨かもわからない浅はかな女が、うちをめちゃくちゃにするなんて! どこの出だかわからないやつは恐ろしいと言うけど、あんたって本当に怖い子ね。いや、怖いんじゃなく、たいしたもんよ。屈指の大企業の会長と息子を手玉にとったんだから。人様を絶縁させただけで飽き足らず、嫁ぎ先の親も夫も騙して、義妹まで笑いものにして、なにするつもりだったのよ!」

ユンジュを激しくなじる義母を、義父がやめろと一喝します。

立ち上がり、部屋に来るよう伝えるミニョク。

シン会長は怒りを娘に向けます。

「イナ! 腹いせでこんな浅はかな真似をするとは、何事だ!」

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「じゃあ、この子はどうすべきだったと言うんですか? こんなものを見せられても、伏せておけって言うんですか? 私が黙ってられませんよ。先に私に言うべきだったのよ、私に!」

興奮する母に、もしそうしていたら、ソ・ユンジュのことだけ解決し、ハン・セギョンのことは伏せておいただろうと反論するイナ。

「当たり前だ! お前の感情ごときで、一体何千億の仕事をなくしたと思ってるんだ! 結局お前は何を得た? お前の器はこれしきのものだったと、底の浅さを見せた以外に、何がある?!」

「そうさせたんじゃないですか! 私の縁談を壊したのはチャ・スンジョです。なのにどう対応なさいました? 向こうに先に頭を下げ、私にまで下げさせたじゃないですか!」

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「お前が負けたからだ。ビジネスの途中で相手がパートナーを変えれば、負けだ。まだそんなことも分からんか!」

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父の言葉に、自分は確かにセギョンに負けたのだと悟るイナ。

そしてミニョクは。

「話って、これだったのか? なんだ? 俺に全部打ち明けようとしたのか? 俺だけでも料理しておけば、追い出されないと思ったのか? そんなに手放したくなかったのか? 義妹とチャ・スンジョの話にもならない縁談を我慢してまで、取り入ろうとしてたのか? 一体どこから、いつから、何をどう隠してここまできたんだ? 話してみろ!」

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黙って聞くユンジュの両頬を涙が伝います。

「そんなこと、いまさら重要ですか? 私、離婚されるんですか?」

ユンジュの言葉に衝撃を受けるミニョク。

「そうだよな。君には初めから、そんなものは大事じゃないんだ。君がなぜ俺を好きだった? 性格? 見た目? 違う。この厳しい世の中で守ってくれる人が必要だったからだ。安らかに守ってくれる人が。知ってはいたが、あまりにもあけすけだな。知りすぎてしまったよ」

足早に出て行こうとする夫に、ユンジュが訴えます。

「そんなに取り入りたかったのかって? いいえ。私も守ろうとしたんです。私を守ってくれる人によく思われたかったし、頑張りたかったし、うまくやろうとあがいて、躍起になって。私も、守ろうとしてたんです!」

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涙を流すユンジュ。夫はしばし耳を傾け、静かに出て行きます。

一人で家の外を歩くイナ。ユンジュと顔を合わせます。

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ユンジュにいまさらすまなそうな視線を送るイナ。

家ではユンジュの義母がユンジュを追い出そうと騒いでいました。

「今すぐソ弁護士を呼んでちょうだい。契約書どおりに処理するわ。慰謝料は一銭もやらずに、丸裸で出してやる!」

「それは後でいい。緊急なのは、ロマンとアルテミスとをどうやってまた繋ぐかだ。ロマンを引き入れるのに5年もかかったんだ。それを全部ロイヤルにやる? 絶対にそうはさせん」

「イナがあれだけのことをしでかしたのに、一体どうするんです?」

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会長はミニョクに話しかけます。

「ソ・ユンジュの活用方法を考えろ。その後で処理しても遅くはない」

「僕も、このまま終わりません」

何かを決意したようなミニョクです。

失うことになるかもしれないクローゼットのコレクションを眺めるユンジュに、タミー・ホンから電話がきます。

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セギョンと連絡が取れないと心配するタミー・ホン。

「私たち三人、ゲームオーバーです」

「ゲームオーバーって?」

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「うちの人たちが全部知ってしまいました。ビジネスも終わったし。セギョンも終わったんでしょう」

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愕然とするタミー・ホンは、気を取り直し、またどこかに電話をかけます。

一方セギョンは、ケリー・パクのギャラリーに駆けつけていました。

そこにかけてあったスンジョの絵。

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スンジョの携帯の写真を見せ、セギョンは職員にこの人がきたかと尋ねます。

何時ごろ、どこに行ったかと焦って尋ねるセギョン。

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その人なら2時間ほど前に出て行ったと聞かされます。

スンジョを探そうと車道に飛び出し、危うく車とぶつかりそうになるセギョン。
スンジョが心配でたまらず、座り込みます。
その時かかってきたタミー・ホンからの電話。

セギョンはようやく電話に出ます。

「セギョンさん! 大丈夫ですか? 何もありません?」

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「スンジョさんがいないんです」

「どういうことです?」

「スンジョさんがいないんです」

「今どこです? 僕が行きます」

タミー・ホンに答えず、ただ泣きながらスンジョがいないとばかり繰り返すセギョン。

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「どこなんです?!」

たまらず大声を上げるタミー・ホン。

セギョンの元に駆けつけたタミー・ホンはうつろに歩くセギョンを捕まえます。

「大丈夫ですか?」 

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「行きそうな所には、全部行ってみました?」

「いないんです、どこにも」

「特に思い当たるところは?」

首を振るセギョン。再び歩き始めます。

「どこに行くんです?」

「探さなきゃ」

「どこを探すっていうんです?」

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「どこでも。私、スンジョさんにやってあげられなかったことが一杯残ってるんです」

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「私、スンジョさんの本当の家になってあげないといけないし、怖くない愛もあるってこと見せてあげないといけないし、あと大事なのは、私はまだスンジョさんに自分をすべて見せてあげられてないんです」

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号泣しながら話すセギョンを痛々しく見つめるタミー・ホン。

「家に行ってみてください。しばらくどこかに雲隠れしたくはなるでしょう。でも、チャ・スンジョはアルテミスコリアの会長です。このままいなくなってもいい人じゃないでしょう?」

タミー・ホンの言葉に従い、セギョンはスンジョの家に駆けつけます。

「いらっしゃい」

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スンジョの幻が見えるセギョン。部屋には誰もいません。

タミー・ホンは外でスンジョの家の明かりを見つめ、ため息をつきます。

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二人で描いたパリの絵を手に取るセギョン。思い出されるスンジョの言葉。

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『実は僕は逃げるのが得意なんです。パリに行ったのも実際は逃げたんです』

セギョンはパリで勉強し、自分は本社で働くのはどうかと言っていたスンジョ。
その言葉に、韓国を去りたいのかと尋ねたセギョン。

セギョンはスンジョがパリに行くつもりではないかと思い当たります。

その時キム秘書から電話が鳴ります。

「スンジョさんがパリに・・・・・・」

セギョンと同じことをムン秘書が口にします。

「パリです! 会長のキャリーバッグがないので、まさかと思って確認してみたら・・・・・・」

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飛び出してきたセギョンを見て驚くタミー・ホン。

「空港へ! 10時50分のパリ行きの飛行機です!」

空港に急ぐタミー・ホンとセギョン。

空港でスンジョは、空っぽの椅子を見ながらセギョンとの指きりを思い出します。

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パリ行きの飛行機で飛び立とうとするスンジョを追うセギョンとタミー・ホン。

お前がすべてを駄目にしたと涙目で睨んだスンジョを、セギョンは車の中で思い出しています。

空港に到着したセギョンとタミー・ホンは、車を飛び出し駆け出します。

出国ゲートに沈痛な面持ちで並んでいるスンジョ。

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やっとスンジョを見つけるセギョン、スンジョに声をかけ、手を引っ張って外に出します。

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「何の真似だ? 全部終わったんだ。もう絶対以前のようには戻れない。
忘れようとした。俺だけがなかったことにすれば、何も変わらないんだって、馬鹿みたいに。
でも、お前がずっと傍にいるんだ。見えるんだ。認めたくないのに、何もないはずなのに、お前がやたらに現実にするんだ。いっそのこと、俺の前からいなくなってくれればよかったのに!」

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「そしたら? そうしていたら、どうしたんです? 私はしばらくどこかに行ったことにして、現実を否定して時間を稼いだんじゃないんですか? きっと半月くらい、何事もなかったように楽しく遊んだりしたんでしょう。そんなことしたって、何か変わりますか?」

「黙れ!」

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見たこともない形相でセギョンを睨むスンジョ。

「愛が終わることもある。誰かが俺を捨てることもある。でももう、俺の人生にハン・セギョンはいない」

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冷たく言い残して去ろうとするスンジョを追いかけ、腕をつかむセギョン。

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「別れるなら、別れましょう。消えろと言うなら、消えます。でも、逃げるのは駄目。別れるなら、ちゃんと終わらせてから行ってください」

「もう終わったと言ったろ?」

「まだ終わってません。スンジョさんは、私のことを全部見なきゃ駄目です。スンジョさんが見たい私じゃなくて、本当の私の姿を全部見なきゃ駄目なんです。全部見た上で受け入れられないなら、その時は私を捨てていっても構いません」

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「スンジョさんも、私に全部見せてくれたでしょう? 今度は私の番です」

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セギョンを射るように睨むスンジョと、スンジョに訴えるセギョンの顔で、ラスト。

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おおーーーー!!

勝機ありか?! ありなのか?!

どうなりますかね~、セギョン。そしてユンジュ。

ユンジュの義父、ビジネスでユンジュが使えそうなら、嫁としてそのまま受け入れそうな気配ですよね。
そうこなくっちゃ! 無用な争いを避けるのが、お金持ちの鉄則じゃないですか!(笑)

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教会でのスンジョが怖すぎて、完全にホラー状態でしたが、セギョンがよく気を取り直して頑張ってくれました。エライ!
しかし、スンジョの部屋に土足で入るのは、どうなの?! トンウクも!(笑)

相変わらず細部は「?」ですが、あと2回なので我慢しましょう。
豪邸なのに吐く息が白いユンジュの義母とか、ものっすごい不自然ですが、ええ、あと2回なので。(笑)  

次回、周りの人たちのナイスアシストに、期待です。

がんばれセギョン~!