みなさま、こんにちは。

なんだか気分が忙しなくなる12月。
お天気も昨日と今日とでまるで違ったりして、なんだか落ち着きません。
ワラワラしながらも、一年を締めくくる12月、味わいながら過ごしたいものです。

さて、今日も2013年の映画の中から。
今年の3月に韓国で公開された映画『파파로티 パパロッティ』のOSTの話題などを。

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ポスターからムンムン漂う、ハートフル青春映画のかほり、といったところでしょうか。(笑)

主演は天性の歌声を持つ不良少年イ・ジャンホを演じたイ・ジェフン(이제훈)さんと、やさぐれ音楽教師ナ・サンジン役のハン・ソッキュ(한석규)さん。
その他の主な登場人物は、音高校長役のオ・ダルスさん、ジャンホLOVEなクラスメイト役のカン・ソラさん、サンジンの妻役のチンギョンさん、ジャンホの兄貴分役のチョ・ジヌンさんが務めています。

この映画、どうやら既に日本の会社に配給権が買われているようなので、来年は日本公開になるのでしょうか?
詳細は定かではありませんが、公開の可能性がありそうなのでネタバレはほどほどにしますが、内容をお知りになりたくない方は大変恐縮ですがこのまま閉じてくださいませ。
OSTを取り上げた時点で、映画のハイライトに触れたも同然なので。

映画を未見のイ・ジェフンさんファンのみなさま!

ごめんなさい!

ネタバレ、しちゃってます!(笑)

そんなわけで、『パパロッティ』。

タイトルがなんだかヘンですよね。

かの有名なイタリアのオペラ歌手、ルチアーノ・パヴァロッティのことを主人公ジャンホが「パパロッティ」と間違えて覚えていたエピソードから、このようなタイトルになっています。

主演のイ・ジェフンさんといえば、『建築学概論』で一躍スターダムに躍り出た彼ですよね。『建築学概論』では純情な大学生スンミンを演じていたイ・ジェフンさん、この映画では不良高校生ながら歌の才能がバツグンにあるジャンホを熱演しています。

イ・ジェフンさんは本当に作品ごとに雰囲気が変わる俳優さんですよね。日本未公開の『占い師たち』(邦題仮)では、心霊研究にいそしむハンサムでいけ好かないソウル大生を演じていて、その時も純情スンミンとのえらい違いに驚いたのですが、本作『パパロッティ』ではさらに年齢下がって高校生役。しかも暴力団に入っていて、夜はクラブやバーで目を光らせているという。
彼、結構どんな役でもできちゃうんじゃないでしょうか。芸の幅が広いです。

イ・ジェフンさんは映画の公開を待たず昨年10月には兵役のために入隊してしまっており、ファンにとっては淋しい公開になってしまったわけですが、そのせいなのか観客数もハン・ソッキュ&イ・ジェフンのキャスティングながら170万ほどと大きくはふるわず。

まぁ、しかしこれはイ・ジェフンさん不在がどうこう言う前に、内容が・・・・・・という話がなきにしもあらずですが(あ、言っちゃった。すみません!笑)、それでも私はこのベタベタな映画、楽しく観れました。感動の名作とか、そういうことではありません。そういうたいそうなものを期待して観てはいけません。フツーの、ベタな、ストーリーに目新しさも一切なく、青少年が見て啓蒙的な部分があるわけでもない、ある種の「ハン・ソッキュ無駄遣い映画」ですが、私はイ・ジェフンさんの鼻筋の美しさに目を奪われながら、途中泣いたりもしつつ、十分堪能できました。何も考えずに気分転換するにはちょうどいい映画だと思います。見終えたあとも爽やかです。
しかし余談ながら、この映画の観客動員数が170万人で『7号室の贈り物』(邦題仮)が1300万超えというのは、どうも納得がいきませんね。映画の質にそこまでの開きがあるとは到底思えません。そして、どちらをもう一度みたいかと聞かれたら、断然『パパロッティ』です、私は。(笑)

この映画は、才能ある不良少年がやさぐれ音楽教師と出会う中で変わり、声楽家を目指して成長していく青春物語りで、実在人物のエピソードを元につくられています。

1991年生まれのキム・ホジュンさん。2009年の高校生の時にSBSのスターキングというオーディション番組に出演し、見事な歌唱力を披露した彼は、不良少年から更生したいきさつを披露し注目を浴びました。両親に育児放棄され、祖母の手で育てられたキム・ホジュンさんは、体中に刺青を入れるなどすっかりグレた思春期を送っていたのですが、「天国で見守っているから、まっとうに生きておくれ」との祖母の遺言をきっかけに自分を悔い改め、音楽の道にまい進することに決めたのだそう。

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上記は番組出演時のもの。パヴァロッティの”Caruso”を歌うなどし、「高校生パヴァロッティ」と呼ばれていたそうで、現在も若き声楽家として研鑽を積んでいるそうです。

声楽を扱った映画なので、当然劇中にも歌う場面が多数出てくるのですが、さすがにこればかりは生歌とはいかなかったようで、イ・ジェフンさんが歌う場面は現役のオペラ歌手カン・ヨゼフさんが代役を務めています。

この映画でのハン・ソッキュさんの「やさぐれ度合い」、実はこれより前の今年1月に公開された『ベルリン・ファイル』でのキャラとかなり似かよっている上に(というか、役作り、まったく同じ?!笑)、ストーリーもありがちな安易な展開なので、一見するといいところなしの映画のようなのですが、映画の抱えるあらゆるマイナス面を一気にひっくり返すのが、カン・ヨゼフさんの歌声なんですよね。
なにしろ本物のオペラ歌手ですので、観る者への説得力、訴えかける力がハンパじゃありません。
ストーリーがあんなにベタなのに、歌声きくと涙が出ちゃうという。
ええ、ずるい映画なんです。(笑)

そしてまた、映画のハイライトであるコンクールの場面。
イ・ジェフンさんの歌うシーンでの演技が素晴らしいんですよね。
大抵の人はここで涙腺決壊です。
正直、この映画はそのシーンだけのためにあると言っても過言ではないでしょう。(笑)

まさかそんなシーンを、ここで見せる気か?!

いえ、お見せしません。
いくらなんでも最高の見せ場だけを切り取るなんて真似は、できかねます、さすがの私にも。(笑)

すべてのベタがこのワンシーンのおかげで許される。
ハン・ソッキュ&イ・ジェフンさんの熱演と、カン・ヨゼフさんの歌声に文句なしで感動してしまう名場面。是非いつか映画でご覧になってみてくださいね。

そんなわけでハイライトのネタバレはいたしませんが、この映画の中でもう一曲印象的に使われている歌があります。
懐かしのフォークデュオ、ヘバラギ(해바라기 ひまわりの意)の歌、“행복을 주는 사람/ヘンボグル チュヌン サラム(幸せをあたえる人:邦題仮)”。

映画の中でこの曲は、ナ・サンジン先生が一番好きな歌ということで登場します。オペラ「トゥーランドット」の“Nessun Dorma (誰も寝てはならぬ)”とともに、この映画を代表する曲となっています。

では、映画のOSTアルバムにも収められているカン・ヨゼフさんの“행복을 주는 사람/ヘンボグル チュヌン サラム(幸せをあたえる人)”を、どうぞ。

행복을 주는 사람

내가 가는 길이 험하고 멀지라도
그대 함께 간다면 좋겠네
우리 가는 길에 아침 햇살 비치면
행복하다고 말해 주겠네

이리저리 둘러봐도 제일 좋은 건
그대와 함께 있는 것

그대 내게 행복을 주는 사람
내가 가는 길이 험하고 멀지라도
그대 내게 행복을 주는 사람

그대 내게 행복을 주는 사람
내가 가는 길이 험하고 멀지라도
그대 내게 행복을 주는 사람
그대

때론 지루하고 외로운 길이라도
그대 함께 간다면 좋겠네
때론 즐거움에 웃음짓는 나날이어서
행복하다고 말해 주겠네

이리저리 둘러봐도 제일 좋은건
그대와 함께 있는 것

그대 내게 행복을 주는 사람
내가 가는 길이 험하고 멀지라도
그대 내게 행복을 주는 사람

그대 내게 행복을 주는 사람
내가 가는 길이 험하고 멀지라도
그대 내게 행복을 주는 사람

그대 내게 행복을 주는 사람
내가 가는 길이 험하고 멀지라도
그대 내게 행복을 주는 사람

僕の行く道が険しく遠かろうとも
君が一緒ならいいね
僕らの行く手に朝日が降り注いだら
幸せだと言ってあげるんだ

あちこちどこへ行こうとも一番嬉しいのは
君と一緒だということ

君は僕に幸せをあたえてくれる人
僕の行く道が険しく遠かろうとも
君は僕に幸せをあたえてくれる人

君は僕に幸せをあたえてくれる人
僕の行く道が険しく遠かろうとも
君は僕に幸せをあたえてくれる人
君よ

時には退屈で孤独な道のりになろうとも
君が一緒ならいいね
時には楽しくて笑顔こぼれる日々のおかげで
幸せだと言ってあげるんだ

あちこちどこへ行こうとも一番嬉しいのは
君と一緒だということ

君は僕に幸せをあたえてくれる人
僕の行く道が険しく遠かろうとも
君は僕に幸せをあたえてくれる人

君は僕に幸せをあたえてくれる人
僕の行く道が険しく遠かろうとも
君は僕に幸せをあたえてくれる人

君は僕に幸せをあたえてくれる人
僕の行く道が険しく遠かろうとも
君は僕に幸せをあたえてくれる人

ネガ カヌン キリ ホマゴ モジラド
クデ ハケ カンダミョン チョッケンネ
ウリ カヌン キレ アチ ヘッサル ピチミョン
ヘンボッカダゴ マレジュゲンネ

イリジョリ トゥロバド チェイル チョウンゴン
クデワ ハケ インヌン ゴッ

クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ
ネガ カヌン キリ ホマゴ モジラド
クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ

クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ
ネガ カヌン キリ ホマゴ モジラド
クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ
クデ

テロン チルハゴ ウェロウン キリラド
クデ ハケ カンダミョン チョッケンネ
テロン チュゴウメ ウスジンヌン ナナリオソ
ヘンボッカダゴ マレジュゲンネ

イリジョリ トゥロバド チェイル チョウンゴン
クデワ ハケ インヌン ゴッ

クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ
ネガ カヌン キリ ホマゴ モジラド
クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ

クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ
ネガ カヌン キリ ホマゴ モジラド
クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ

クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ
ネガ カヌン キリ ホマゴ モジラド
クデ ネゲ ヘンボグ チュヌン サラ

「幸せ」は「幸福」でもいいですし、「あたえる」は「くれる」でもいいです。
私は意味が重複しますが、語感がいいので「あたえてくれる」と訳しています。

そして。

こちらはイ・ジェフンさんとハン・ソッキュさんの生歌バージョン。

どちらがどちらだか、お分かりになりましたか?

歌い出しがハン・ソッキュさん、後に続くのがイ・ジェフンさんです。

ハモってる部分では主旋律を歌っているのがイ・ジェフンさんで、下を歌っているのがハン・ソッキュさん。

それにしても、お二人とも、上手ですよね!
イ・ジェフンさん、内心「ちょっとは俺の声使ってよぉ」と思っていたかもしれませんね。歌の部分、全て代役なので。
でも、仕方ないですよね、こればかりは。
どんなに歌謡曲的に歌が上手くても、オペラの発声とはフォームからして全然違うので、顎が上がりすぎちゃってるな、とか見ていてやっぱり分かっちゃいます。オペラは訓練しないと歌えないので。

それでもアフレコはかなり自然です。
カン・ヨゼフさん、イ・ジェフンさんの映像を見ながら、演技の上に歌声を乗せたのだそうです。途中何度か、本当にイ・ジェフンさんが歌っているのではと錯覚を起こす部分があるので、イ・ジェフンさんの腹式呼吸もなかなかのレベルではないかとお見受けいたしました。(って、ナニ目線? すみません!笑)

日本公開がないと分かっていればガンガンネタバレ書きたかったのですが。

ぐっとこらえます。

「感動の名作」とは申しません。

それでも感動しちゃいます。

演技の力、歌の力ってすごいんだな、と思わされる映画でした。

胸を打つんですよね、音楽は。

是非是非、日本公開になった暁には、みなさまもご覧になってみてください。
見終わったら歌いだしたくなること請け合いです。(笑)

それにしても、イ・ジェフンさん。

なんであんなに鼻が綺麗なんでしょうか。
すっごく鼻が高いんです。
しかも、見れば見るほど、少年隊の東山紀之さんにそっくり。

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鼻、高っ! なんか刺さりそう!(笑)

イ・ジェフンさんに似たタイプの顔ってコリアンに多いので、実は身近にも結構な割合で顔の雰囲気が似ている人がいたりしますが、それでもここまで芸術的に尖った鼻の持ち主には会ったことがありません。
というより、そんな人がいたら、きっとその人は既に芸能人ですね。

最後に。
載せなくてもいいのですが、どうせですから本家もこの際載せておきましょう。

“幸せをあたえる人”、ヘバラギバージョンです。

・・・・・・キミたち、オフコース?

みたいな歌声ですよね。

どっちかというと、小田さんより鈴木さん寄り?
チューリップから数年遅れての、ヘバラギ。と称してもいいような。

はい、すみません。相当どうでもいいですよね。(笑)

韓国語のみですが、予告編も。