みなさま、こんにちは。

今日は4月25日から東京を皮切りに公開される韓国映画『群盗』についてアップしようと思います。

やはりきましたね~、この映画。

昨年の夏、韓国でこの映画を楽しく観てきた私としては、公開は嬉しい知らせです。

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『群盗(ぐんとう)』の原題は“군도:민란의 시대/群盗:民乱の時代”。
昨年の7月23日に夏休みの4つの大作映画のうち一番最初に公開されました。

主演はハ・ジョンウさんとカン・ドンウォンさん。
他に、イ・ギョンヨンさん、イ・ソンミンさん、マ・ドンソクさん、チョ・ジヌンさん、キム・ソンギュンさん、そして女性の主な出演者としてユン・ジヘさん。ユン・ジヘさんはドラマ『ファントム』に出演されていた方ですね。

主なキャスト以外にも、友情出演のキャストまで豪華な『群盗』。
『10人の泥棒たち』のキム・ヘスクさんや『海霧』のハン・イェリさん、『息もできない』のキム・コッピさんなども出演しています。

こちらは韓国でのポスターです。

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この映画については以前紹介を詳しく書いていますので、よろしければそちらもご覧ください。(リンクはコチラ

観終えた後に感想を書こうと思っていたのですが、そのうちと思っているうちに日本公開に先を越されてしまいました。
ネタバレ満載のレビュー書かなくて、かえって良かったと思うことにします。(笑)

この映画は朝鮮王朝末期を背景に、被差別階級の力なき民草トチが悪行の限りを尽くす武官チョ・ユンに復讐すべく、義賊に加わり戦う物語り。

時折見られる大胆な戯画化、マカロニ・ウエスタンな音楽、映像の鮮やかさなど、楽しめる要素の非常に多い映画です。
1979年生まれのユン・ジョンビン(윤종빈)監督が映画の原案と演出を担当しているのですが、狙い通りに素直にワクワクさせられてしまうし、観客を終始映画に集中させる緩急のつけ方も絶妙でした。

なんですが。

実はこの映画、思ったほどには観客動員数が伸びなかったんです。
4,774,931名というのが、この映画の観客動員公式スコア。
意外にも500万に届かなかったんですよね。
当初はもっと動員数が伸びるイメージがあったのですが、損益分岐点を越えたあたりでピタッと客足が止まってしまい。
勿論、470万強も決して少ない数字ではないのですが。

なぜこのレベルで止まったのか正確には分かりかねますが、要因として考えられるのは、この映画公開の1週間後に『鳴梁/ミョンリャン』が公開された点があげられそうです。

『鳴梁/ミョンリャン』は韓国歴代1位のスコアとなる1700万人を動員した映画です。これだけの数字をたたき出すには当然圧倒的な劇場数が必要とされるので、『鳴梁/ミョンリャン』に追われた感は否めないでしょう。制作・配給ともにCJ E&Mが担っている点は見過ごせません。
CJ E&MはシネコンのCGVを系列社としているので、CJ E&M制作・配給の映画は相当なスクリーンを獲得できると見て差し支えないでしょう。
そういえば、今年2月までに1400万人もの観客動員を記録した『国際市場』(邦題仮)も、CJ E&M制作・配給と同じパターンでした。

・・・・・・にわかに眉がひそまってきます。(笑)

数字として把握できていないのですが、『群盗』の上映館数がガクッと減った時点と『鳴梁/ミョンリャン』に割り当てられた上映館数や時間帯を比べられれば、急に客足がやんだのが上映館数が減ったせいかどうか、ある程度見えてくるのでしょうね。

巷の意見では「『群盗』のほうが『鳴梁/ミョンリャン』よりも遥かに面白かった」とする声が多いのですが、私もそう思っているうちの一人です。

ただ、それとは別に、『群盗』には辛口のレビューも割りと見受けられました。
内容としては、「隅々までよく出来た豪華な娯楽映画なのに、観客の心の置き所がなかった」ということに集約できるかと思います。

「民草を苦しめる朝鮮王朝末期の為政者に立ち向かう、義賊の物語り」。そのうたい文句に惹かれて観に行った観客たちにとっては期待値に満たない部分があることは、実際に観てきた私も同意できます。

辛めの評価を下した人の多くは、正義を求めているんですよね。
勧善懲悪とまでいかなくても、民を苦しめるものに胸のすく一撃は加えて欲しいと。
正義や公正さをも体現する一大娯楽作品を期待した気持ちが、失望を生んだ面があるのだと思います。

私自身は、いくつかの不足に同意しつつも、ここまで作れた『群盗』は、充分ではないかと思っています。少なくとも私には娯楽映画としてこの映画は大いにアリでしたし、面白かったです。
それに、毎回100%充足させる映画なんて、そんなに生まれないんじゃないのかなぁ、と。(笑)
ストーリー完璧で、映像美も優れてて、観客を魅了してやまず、その上人生のカタルシスまで与えてくれて。なんてことであれば勿論最上ですが、そこまで望まなくてもという気もします。

ただ、辛い評価をつけた観客の望むところには共感できるので、娯楽映画だとしても表層的ではないもの、深みのあるものをと求める人々の姿勢は、好きです。

コチラ
が『群盗』日本公式サイトです。
公開スケジュールなどが掲載されているので、食指の動いた方はチェックされてみてください。
「全国順次公開」とはいえ、目下のところは17の都道府県となっています。

ちなみにこの映画、昨年末韓国で放送していた『未生/ミセン』を見た人なら、また違う楽しみを見出せるのではないでしょうか。
なにしろ『未生/ミセン』では敵役だったイ・ソンミンさんとイ・ギョンヨンさんが、ここでは固く結ばれた同志として描かれています。

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イ・ソンミンさんがかっこいいんですよね。
『未生/ミセン』を見た後だと、もっとカッコよく見えてしまうという。(笑)

公式サイト内にもありますが、予告編も貼っておきますね。

みなさまも、もしお近くで上映がありましたら、是非ご覧になってみてください。
娯楽映画として楽しんで頂けるのではないかと思います。
そしてカン・ドンウォンさんは。
やっぱり綺麗でした。
美しく描きすぎたのが辛口評価に繋がっている説も、実はあります。(笑)

ちなみに同じ配給会社で、やはり去年の夏公開されたソン・イェジンさんとキム・ナムギさん主演映画“해적:바다로 간 산족/海賊:海に向かった山賊”も初夏頃公開とありました。
日本でのタイトルは『パイレーツ』だそうです。
ちょっと笑ってしまいました。

まぁ、確かに。
露骨なまでに「韓国版“パイレーツ・オブ・カリビアン”を狙った映画」なので、タイトルも色々まんまということで。

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実はイ・ギョンヨンさん、『パイレーツ』にも出演されてます。
同じ時期にこっちでも見てあっちでも見かけると、観客としてはなんだか変な感じがしたりも正直ありつつ・・・・・・。(笑)

『パイレーツ』も、日本公開にあわせてそのうちご紹介しようと思います。