みなさま、こんにちは。

日付変わって12日になりましたが、「2011.11.11」と1が6つも並ぶ昨日、皆様はいかがお過ごしになりましたか?
昨日を特別な日とする向きもあったようですが、私は特別な何かに見舞われることもなく、ただただ楽しく友人たちと過ごして一日を終えました。
もしかしたら、この「普通に楽しく一日を終える」ということが、かけがえもなく特別で、素晴らしいことなのかもしれません。

さて、韓国ではとあるお菓子メーカーが数字の1の形に似た「ペペロ」というポッキー状のお菓子を11月11日に贈り合おうという「ペペロデー」キャンペーンを10数年前から繰り広げているのですが、いちお菓子会社の商戦かと受け流しているうちにいつの間にかペペロを交換し合う日として定着してしまいました。
街中や地下鉄の中でも、きれいに包装されたペペロや特大ペペロを持っている人の姿をあちこちで目にします。

ペペロデーの宣伝が始まった頃、実は私はここまでペペロデーが浸透するとは思っていなかったので、驚きを通り越して少し呆れています。韓国人は記念日好きとは言われますが、大の大人までお菓子メーカーの商法に乗せられるのはどうなのかと。
とはいえ、当の韓国の大人たちも大半は呆れているのですが。(笑)

大学入試も終わった昨日は金曜日の夜ということもあり、友人家族と食事に繰り出したソウル市街はいつにもまして賑わっていました。

ソウルの夜といえば、先週の土曜日から「灯祭り」が行われている清渓川(チョンゲチョン)辺りなどは、ライトアップに吸い寄せられるように大勢の人が集まっています。
私も数日前に寄り道がてら見てきました。

清渓川は暗渠を掘り起こすという名目で工事が始まったのですが、実際はもとあった川ではなく人口の川が流れています。

清渓川のライトアップを取り上げるからには、清渓川の工事をめぐって批判の声が根強かったことにも触れておきたいと思います。
観光に訪れる者にとっては、きらきらと光り輝く街の装飾は目を楽しませてくれるばかりですが、その裏で社会が抱えている現実に目を向けると、一部の建設会社への利益誘導型都市開発のあり方の是非や、露天商追い出し問題など、様々な物語がここソウルにも潜んでいます。
こうした政策を推し進めてきた市長が退任に追い込まれ、庶民目線で福祉に主眼を置いた首都経営を行おうという市長が先月誕生したばかりのソウル。実に20代から40代までの有権者が圧倒的な支持を送り誕生したそうです。

働き盛りの人たち、社会に出て活躍の機会を求める若者、家庭を築き、小さくても自分の家を持ちたいと願う人々。
そうした人々の切実な願いとはかけ離れた政策が進められてきた、これまでのソウル市政。
前市長の象徴ともいえるライトアップされた清渓川を歩きながら、人に優しい首都に生まれ変わろうとしているこれからのソウルに思いを馳せる夜になりました。
大好きな人たちの暮らすソウル。より暖かく優しい場所になりますように。

橋の上には青白い提灯のアーケード。
怪しくも美しい光に魅せられ、人々が吸い込まれていきます。

素敵、と言いかけた私の前方から笑い声。
一緒に歩いていたお友だちが提灯に書かれた文字を読んだのです。

「糖尿病患者の灯りになってください」

こんなに素敵なのに、よもや糖尿病とは。(笑)

美しすぎる「糖尿病」への訴えに笑いが止まらない私たちの真横で大学生と思しき男子が灯をバッグに彼女の写真を一生懸命撮っているのが、おかしくてたまりませんでした。

かくして楽しいソウルの夜は過ぎ行きます。
この灯祭り、今月の20日まで開催されるそうです。
上手に写真を撮ってくれたお友だちに感謝です。


そういえば、韓国の入試寒波。
今年は急激な寒さには見舞われませんでした。聞くところによれば、東京のほうがよほど寒いようです。
日本に戻って風邪を引くことのないよう、気をつけようと思います。

みなさまも、冷たい風にお気をつけて。