みなさま、こんにちは。

今日はお彼岸ですね。
お墓参りに出かけられた方も多いと思います。
お彼岸にあわせたように咲く彼岸花・曼珠沙華。
そこかしこで咲いているのを見かけますが、高麗神社の近くにある巾着田などは、今頃壮観でしょうね。

さて、今日は久しぶりに映画の話題。
現在韓国で公開中の『ベテラン/베테랑』について書いてみようと思います。

ファン・ジョンミンさんとユ・アインさん主演映画、『ベテラン』。
先月8月5日の公開と同時に瞬く間に好評が広まり、気づけば観客動員1000万人を軽く超え。目下1283万人を記録しています。

この数字はこれまで韓国映画史上歴代5位だった『7番房の奇跡(原題:칠번방의 선물)』の1281万人を超えたもの。1000万人を超えただけでなく、トップ5入りしてしまいました。
いやはや、すごいです。

上半期はいまひとつ盛り上がりに欠けていた韓国映画でしたが、実は下半期に入ってからは話題作や大ヒット作品が続々と出てきていました。
しかもこの夏は、1000万人を超えた映画がもう一本あるんですよね。
『ベテラン』の2週間前に公開されたチョン・ジヒョンさん、ハ・ジョンウさん、イ・ジョンジェさん主演の映画『暗殺』(邦題仮)。こちらも1268万人の観客動員となっており、現在も上映中です。
ちなみに主演のチョン・ジヒョンさんは映画公開時におめでたであることを明かし、舞台挨拶はハ・ジョンウさんやイ・ジョンジェさんなど男性陣が一手に引き受けていました。

というわけで、見たい映画揃いの2015年下半期の韓国映画。
私は現在もスコアを積み増している上記2作をはじめ、大手配給会社CJが配給を取りやめたおかげで2年も公開が遅延した上、上映館を殆ど確保できず38万人の観客数で幕を下ろしたユン・ゲサンさんとユ・ヘジンさん主演映画『少数意見』(邦題仮)や、実際の殺人事件捜査をモチーフにしたキム・ユンソクさんとユ・ヘジンさんの『極秘捜査』(邦題仮)、最近封切りされ破竹の勢いで観客を集めているソン・ガンホさんとユ・アインさん主演映画『思悼(サド)』(邦題仮)などに注目しています。『思悼(サド)』にはムン・グニョンさんも出演されていますよね。
意気込みの上では、すべてレビューを書きたいところです。
この後も、またチョ・ジョンソクさんの『スクープ』など続々と話題作が控えてたりして、毎度のことながら年末にかけてまたエンタメが盛り上がりそうです。

それにしても、下半期に入ってからとにかく目立っているユ・ヘジンさん。
ユ・ヘジンさんのオンパレードといっても過言ではありません。
『少数意見』に『極秘調査』に、この『ベテラン』まで。
劇場にずっとユ・ヘジンさんの顔が掛かっている状態ですね。

そしてユ・アインさんも。
こちらも『ベテラン』と『思悼(サド)』が現在同時に上映中。
ある意味、映画館ジャックです。ユ・アインさんファンのみなさまには、きっとたまらないことでしょう。(笑)

キム・ヒエさんと恋愛ドラマ『密愛』で共演し、純粋でまっすぐな青年の印象がまだ色濃く残るユ・アインさんでしたが、『ベテラン』では憎たらしいことこの上ない傍若無人な財閥企業の御曹司を演じています。
『密愛』でファンになった人なら、あまりの変わりように戸惑っちゃうかも?!(笑)

veteran_poster1

veteran_poster2


悪いことすんなって言ったろ?

veteran_poster3


僕にこんな真似して このあと大丈夫ですか?

まー、ふてぶてしい!(笑)

この映画のセールス文句は「犯罪娯楽アクション映画」。

・・・・・・ってなんのこっちゃ!(笑)

要するに、「犯罪を扱った娯楽映画で、アクションもあるよ」ってことなんでしょうか。

「『ベテラン』は傍若無人で唯我独尊な財閥3世のチョ・テオ(ユ・アイン扮)を追う広域捜査隊のベテラン刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン扮)の活躍を描いた作品で、財閥を懲らしめるという痛快なストーリーとあいまってのファン・ジョンミン、ユ・アイン、ユ・ヘジン、オ・ダルス、チャン・ユンジュ、オ・デファンが繰り広げた熱演が、観客に受け入れられている」というのが、この映画の代表的な評。

「財閥を懲らしめるという痛快なストーリー」と聞けば。なにしろ言及するのも恥ずかしい例の「ナッツリターン事件」などもありましたので。
そういうことがあった後での公開という偶然の要素も、観客動員1000万人超えの状況に多分に作用したことでしょう。本当に恥ずかしいし、心底腹立たしい大企業の傲慢ぶりが、人々の脳裏に生々しく刻まれていますので、本来なら身近ではないはずの素材がリアルに感じられたのではとの評も、そこかしこで目にしました。

そんなわけで、早速ご覧頂きましょう。

映画『ベテラン』予告編。
まずはメイン予告編から、どうぞ。


検挙率100%

「ソウル警察庁広域捜査班、ソ・ドチョルです」

捕まえられないやつなどいない
韓国最高のベテランがやって来た

「緊急逮捕します。
いまから行う全ての発言は、法廷で不利になり得ます」

「どうした? はめろよ」

「チョ・テオ関係は、今まで警察は一度も動いてませんよ」

金が法より勝る
恐れるのは 捕えられないやつ

「問題視しなければ、問題にならないのに。
問題視したら、問題になると言ったんです」

「気にするな。俺が処理しておくから」

「チョ・テオさんは面白い人生送ってますね。
でも、悪いことはしないようにしましょうよ」

ベテランの広域捜査隊 VS 唯我独尊の財閥3世

「臭うんだよ。
ソウル市内のど真ん中で人が身を投げたってのに、新聞が一言も書かない」

「テオさん!」

「お前ら、金でどこまで防げると思ってる?」

「しがない刑事の分際で、どこまでやれると思ってるんだ?」

「呆れたな」

2015年 夏
プライドをかけた大対決が始まる

ファン・ジョンミン
「悪いことするなって言ったよな?」

ユ・アイン
「僕にこんな真似して、このあと大丈夫ですか?」

ユ・ヘジン

オ・ダルス

<ベルリン・ファイル>リュ・スンワン監督
2015 犯罪娯楽アクション

「形勢逆転だ」

ベテラン

そしてこちらは「チームバトル、キャラクター映像」と題された別の予告編。


「さあ、うちのカワイイコチャンたち。準備にかかりましょうか。
気を引き締めて。ああいいね~」

捕まえられないものはなく

「なーにが令状だ」

決して大目になどみない
ベテランたちがやって来る!

「俺たちはテキトーに質問しても順序だてて長く答えるやつが好きなんだよ」

「どうした? はめろよ」

「俺たち、金はなくてもプライドまでないわけじゃないだろ?
手錠持ってんだから、メンツ汚すような真似はやめようぜ」

広域捜査隊 ベテラン刑事 ソ・ドチョル

「まだ立つな。立ったら人がもっと注目するぞ」

「チーフ、大丈夫でしたか?」

「え? なにが?」

「ロシアの一団はお前が捕まえろ」

「疲れてんだよ!」

「だからお前が捕まえろって言ってんだ!」

広域捜査隊 オチーフ

「買い物するには乗らないとね」

「お前たち、ぶっ殺すよ!」

「ミス・ポン、ナイス!」

広域捜査隊の紅一点 ミス・ポン

「おい、お前!」

「ミス・ポーン!」

広域捜査隊の肉体派 ワン刑事

「どこまで行くつもりだ、お前!」

「刑事は体で歴史を作るんだよ」

広域捜査隊の末っ子 ユン刑事

2015年 夏
最高のベテランたちがやって来る!

ベテラン

「チョ・テオって知ってるか?」

「ソンジングループの三男」

金が法より勝る

「企業家の間では有名らしい」

恐れるのは

「問題が起こればどうなるか、分かるな?」

目の前にいるのに
捕らえられないやつがくる!

「ほぉ~、刑事さん騙されませんねぇ。
ベテランですね、ベテラン。カッコイイ~」

「なんだ、あれ?」

「なんでもない」

「会社がどうなってるのか僕が知ってはまずいんですか、チェ常務?」

「問題視しなければ、問題にならないのに。
問題視したら、問題になると言ったんです」

「僕にこんな真似して、このあと大丈夫ですか?」

唯我独尊の財閥3世 チョ・テオ

「広域捜査隊のソ・ドチョル?
広域捜査隊なんて管轄外だろが」

「刑事風情が、何をわけ分からんことほざいてやがる?」

「うちのテオは随分忙しいようだな?」

「お互い面倒なことは、なしにしたいんだが」

「ちょっと なにやってんだ!」

「ソ・ドチョル刑事。お互い気をつけましょう」

「なに? 気をつけましょう? おい!」

「気にするな。俺が処理しておくから」

チョ・テオの右腕 チェ常務

2015年 夏
最高のベテランたちがやって来る!

ベテラン

ん~。伝わってきますね~、予告を見ただけで「犯罪娯楽アクション映画」。
そしてコワモテ役のはずのユ・ヘジンさんなのに、どうにも笑ってしまいます。(笑)

この映画、観てきた人の評価が高くて、とにかくエンタメとして楽しめるそう。
ファン・ジョンミンさんはめちゃめちゃカッコよく、とにかくユ・アインさんの財閥お坊ちゃんぶりに、むかつかされることこの上ないそうです。
予告だけでもなんとなくそれは分かりますよね。(笑)

この映画の監督はリュ・スンワン(류승완)さん。
1973年12月生まれのこの方は、ハ・ジョンウさんとハン・ソッキュさん、チョン・ジヒョンさん、リュ・スンボムさんが出演した2013年の『ベルリン・ファイル』(原題:베를린/ベルリン)の監督さんです。

『ベルリン・ファイル』も観客動員数716万人と、非常に好成績を収めましたが、今回はそれを上回る1283万もの数字を叩き出した監督。「1000万人超え監督」に仲間入りしたことの感想を京郷新聞のインタビューで聞かれると、「嬉しい反面、いい映画にも関わらず観客があまりにも少ない映画が多いと思う。200~300万程度の観客数の映画が増えたほうが映画市場を強くするとは言われるが、最近その言葉を本当に切実に感じる。『少数意見』のように是非とも上手くいくべき良質な映画がそうならなかったのを目の当たりにし、韓国映画界が心配になっている」と浮かれた様子もなく答えていました。

このあたりの冷静さ、「明日はわが身」の感覚もあるのでしょうね。
本当に、残酷なまでに上映館数と観客動員数が比例してしまうので。
時々、「見たい」のか、「見せられてる」のか分からないような映画が、内容に見合わないほどのハイスコアを出してたりするのも、そういうことですよね。

PR広告


とはいえ、上映スクリーンの数だけではない、内容的な面白さも充分ありそうな『ベテラン』。

すっかり1000万人超え映画の請負人となっているオ・ダルスさんもまた笑わせてくれていそうですし、あの『ベルリン・ファイル』の監督ですからアクションシーンもかなり期待できそうです。

こちらは日本にも入ってきそうなので、見終えたらネタバレは程ほどにまた感想を書いてみたいと思います。