みなさま、こんにちは。

私は今ソウルに来ています。
ソウルのクリスマス連休は、大気汚染数値とあいにくの雨が人々をがっかりさせていましたが、25日は晴天に恵まれました。
みなさまはいかがお過ごしになりましたか?

さて今日は、チョン・ウソンさんの主演映画『鋼鉄の雨』(邦題仮)の予告編を取り上げてみます。

韓国で12月14日から公開されている『강철비/カンチョルビ/鋼鉄の雨』(邦題仮)。
映画はチョン・ウソンさんとクァク・トウォンさんが主役を務める「スパイ・アクション・ブロックバスター」で、12月24日現在で313万人の観客動員となっています。

まずはポスター。

以下画像はクリックで拡大する仕様になっています。

映画の中でチョン・ウソンさんは、北朝鮮偵察総局に所属する選りすぐりのエージェント、オム・チョウル役。対するクァク・トウォンさんは韓国大統領府の外交安保首席クァク・チョルウという役どころ。

この映画は北朝鮮でクーデターが起き、オム・チョルウが北朝鮮のナンバーワンを韓国側に連れて逃げる中で繰り広げられる、核戦争一歩手前の危機的状況下における南北関係を描いた作品で、任期のほとんど残っていない韓国大統領役にキム・ウィソンさん、大統領選挙で当選が決まった次期大統領役にキム・ギョンヨンさん、オム・チョルウの上司で偵察総局長リ・テハン役にキム・ガプスさんなどが出演しています。

監督は、かの『弁護人』で1000万人映画の仲間入りを果たしたヤン・ウソクさん。
今年の2月から4か月かけて撮影したそうですが、前回JTBCニュースルームでのチョン・ウソンさんのインタビュー記事の中でも触れられているとおり、ヤン・ウソクさんが以前連載していたという自らの同名ウェブ漫画『スチールレイン』を原作としています。(前の記事はコチラ
ちなみにヤン・ウソクさんが直接漫画を描いたわけではなく、原作(ストーリー)担当です。

以下スチール写真をいくつか貼っておきます。

クァク・トウォンさんって顔を見ただけでユーモラスなイメージが浮かんできて、「きっとまたコミカルな演技で笑わせてくれるんだろうな」と期待させてくれますよね。

ただ、「北朝鮮でクーデター」だの、「朝鮮半島で核戦争の危機」だの、正直物騒すぎて不愉快感を催すほどで、実は私自身は当初この映画をあまり観たい気持ちになれませんでした。

南北のエージェント同士がやりあう中で儚い友情が芽生えるだとか、あるいは北朝鮮側のエージェントがひたすら悪魔的に描かれて終わるなどの作品が多すぎて、この種の映画にもはやなかなか食指が動かなくなっていたのもあったのですが、予想に反してこの映画は公開と同時に評価する声が非常に高く、日ごろは辛いことで有名な評論家もこぞって感嘆の声を上げるのを見て俄然興味が湧き、クリスマスに満席の中ソウルの映画館で観てきました。

結果、高評価の意味が非常に納得いく映画でした。

以下、予告編を二つご紹介します。

まずは30秒バージョン。

動画はyou tubeのMovie&New公式チャンネルより。



「北朝鮮1号」が韓国にやってきた

あそこの人、お前のところの「1号」だろ?

お前何者だ?

南朝鮮への宣戦布告

核戦争カウントダウン

クァクさん
私がおとりになる

『弁護人』ヤン・ウソク監督

北朝鮮への核による先制攻撃に同意したことをお伝えします

北朝鮮最精鋭エージェント
チョン・ウソン

韓国外交安保首席
クァク・トウォン

なにやってんだ、お前!

スパイ・アクション・ブロックバスター
鋼鉄の雨
12月14日封切

そしてこちらは、メイン予告編。



提供/製作 YXエンターテインンメント
共同提供/配給 NEW

オム君
この任務を終えたら 共和国を守った英雄として待遇しよう

北朝鮮でクーデター発生

委員長同志が開城に直接おいでになるそうです

北で大規模な粛清が起こるとのことだ

君、今どこだ?

イルサンです

北朝鮮1号が南にやってきた

あそこの人、お前のところの「1号」だろ?

お前何者だ?

こっちの「韓国1号」に仕える人間

委員長同志にもしものことがあったら
その時は戦争だぞ!

OK

北朝鮮最精鋭エージェント チョン・ウソン

おたくの名前もチョルウだな?

韓国外交安保首席 クァク・トウォン

俺もチョルウだよ。クァク・チョルウ

俺たち、本当に運命かもな!

俺たち味方同士だぞ

『弁護人』ヤン・ウソク監督

オム君
委員長同志が死んだと確信した瞬間に
クーデターは成功するんだ

大統領、36時間以内に決定を下さなければなりません

なにやってんだ、お前!

戦争を防げる唯一のチャンスだったのに!

それがお前への命令だ

スパイ・アクション・ブロックバスター
鋼鉄の雨

12月14日封切



映画を既に見た人間の立場で言うと、実によくできた予告編です。(笑)

韓国映画は予告で想像した以上のものを見せてくれることが多く、見終えて舌を巻くことがよくあるのですが、この映画もそんなまさに「韓国映画あるある」な映画でした。

恐らく日本でも公開されると思うのでネタバレはしませんが。

とにかくすごい映画でした。

描いている状況自体が本当に恐ろしく、また、まったくのフィクションとも思えない現実の緊張状況が折り重なって、さしずめホラー映画を見ているかのような気分。

ずっしりと肩から背中、頭上まで重くのしかかってくるこの「圧」を、今も振り払えずにいます。

これから年末年始を楽しく過ごそうという時に、一体どうしてくれるんでしょう。(笑)

PR広告

ちなみに、北朝鮮が描かれた映画をよくご覧になるという方はお分かりかと思いますが、予告の中で「さん」や「君」と訳した「〇〇トンム」という呼びかけがあるのですが、これは韓国での「씨/シ/氏orさん」と同等に北朝鮮で使われる「~さん」や「~君」を意味する敬称です。

日本語に置き換えると「さん」や「君」としか訳しようがないのですが、名前の下に「トンム」を付ける言い方は、今では北朝鮮固有のものとなっています。
本来は「ともだち」という意味なので「チング」に近いのですが、南北の分断状況が長引くにつれ、片方で使われ、もう片方では使われなくなった言葉のうちの一つです。

と一応解説。(笑)

この映画、とにかくアクションも迫力満点で凄かったです。
物語の完成度、説得力は、俳優たちの体を張ったアクションシーン無くしては成り立たないので、映画を作る人たちのプロ意識の高さに今一度触れた気分でした。
観客としては、このような映画を見せてもらえるのは本当に幸いなことです。端的に、チケット代が全く惜しくない。否、もっと出してもいいくらい。(笑)

ずっしりくる映画ですが、無事日本に入ってきた暁には、こちらの映画も是非ご覧になられてみてください。