みなさま、こんにちは。

なかなか寒さが和らぎませんね。
さすがは1年のうちもっとも寒いといわれる2月。
水ぬるむ季節が待ち遠しいです。

さて、今日は今放送中のKBS2の異色バラエティ“작정하고 본방사수/腹を決めてオンエア死守”(邦題仮)についてアップしてみます。


今私が楽しみに見ているのは、先日来ご紹介している『三度の食事 漁村編』。
チャン・グンソクさんが降板となってしまったので、抜けた穴は大丈夫だろうかと当初は心配しつつ見始めましたが、まったく問題ない楽しいつくりになっています。

特にチャ・スンウォンさんの料理の腕前が素晴らしく、前回の『三度の食事 農村編』から今回の「漁村編」では「作ってみたくなる料理番組」としても更なる進化を遂げている感じ。そのうちまた「漁村編」については取り上げていこうと思いますが、今日ご紹介するのはものすごく地味な番組、“작정하고 본방사수/腹を決めてオンエア死守”(邦題仮)です。


これもタイトル訳が、とても悩ましいですね。

韓国語の“작정하다/チャチョンハダ”は「(なにかを)決めてかかる」、「(そうしようと)決意する、腹を決める」といった意味の言葉なのですが、そこにつらなった“본방사수/ポンバンサス”。

“본방사수/ポンバンサス”は新造語で、あえて漢字で表記するなら「本放死守」。
「本放」は「本放送」のこと。つまり、本放送を死守するぞ、絶対見るぞ、という意味ですよね。

「本放送を絶対見るぞ、死守するぞ」と「ポンバンサス/本放(送)死守」の時点で決意を込めているのに、そこにさらに“작정하고/腹を決めて”とかぶせてます。

どんだけ本気でオンエアを死守すれば気が済むんだ。(笑)

ここでは『腹決めてオンエア死守』と訳をつけておきます。



『腹を決めてオンエア死守』は1月8日(木)から放送が始まったバラエティ番組。
あえてジャンル分けするなら、リアリティーショーになるでしょうか。



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実はこの番組、全6回のうちすでに5回までが終わっていて、今日が最後の放送なんです。

完全にご紹介が間に合ってません。すみません。(笑)



この番組には、韓流スターとして知名度のある人は一人も出ていないと言い切っちゃっていいかと思いますが、コメディアンのチャン・ドンミン(장동민)さんと女優のキム・ブソン(김부선)さん、そしてキム・ブソンさんの娘イ・ミソ(이미소)だけが芸能人で、残りの出演者はすべて一般人です。

この番組、何が異色かと言いますと、実は「テレビを見ている人たちを見る番組」なんです。


KBSに留まらず他局のMBCやSBSの番組なども見ながら、ああでもない、こうでもないと意見を交わす人々を切り取って視聴者に見せるという、なんだか人を食ったようとも取れる番組。
コストもかかってない上に、絵面も地味。
視聴率も木曜の午後8時55分からの放送で3.5%ほどと、大して取れてないのですが。


どうしてどうして。

この番組、めちゃくちゃ面白いです!


これは、知ってる人だけが笑えるお得な番組ですね。
地味な装いと地味な出演者(なにしろほとんどが素人)、地味な時間帯ということで、見ている人は多くないだろうということは容易に想像できますが、どうにか延長して欲しいです。全6回だなんてもったいなさ過ぎる。
面白さの種類が違いますが、少なくとも私を爆笑させる回数では『三度の食事』となんら引けをとりません。


出演者のラインアップ、見てみましょうか。

まずはチョン・ドンミンさん。
お父さん、お母さんと一緒に住んでいるようです。



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なんかめっちゃしかめっ面してますが。(笑)


口が悪い切れキャラが売りの方だそうですが、親の前ではそんなに過激なことは言いません。
当たり前ですね。(笑)


この番組の出演者は、芸能人といえども見ている姿は「素」そのもの。
完全に番組に見入っているので、思わぬ本音も続々と登場します。

たとえば、こちら。
女性芸能人が軍隊に入隊する模様を描いたMBCのバラエティ番組『本物の男-女性軍編』(邦題仮)。
すぐに泣いてしまう女性芸能人に投げかける言葉は。



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「本物の軍でやったら、エライ目に遭ってるぞ、オイ」


本気で呆れてます。(笑)

「ほんとの軍生活はそんな生易しいもんじゃない」と段々男性たちが怒ってくるのも笑えます。男性たちは青春時代を奪われ、つらい経験をしているので、なまっちょろい感じを見せられると思わずイラッときてしまうのでしょう。
思わず番組のつくりをディスっちゃったりもするので、「そんなに本音言って大丈夫?」と視聴者はちょっぴり心配にも。(笑)


ちなみに上の画面でもう一人加わっているのは、家に居候している芸能界の後輩だそうです。
視聴者が知る必要のない私生活まで開示。(笑)



お次は釜山の海雲台(ヘウンデ)に暮らす男性3人組。


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真ん中の人は飲食店の社長、両脇の二人は無職の居候だそうです。

この居候たちは部屋着も毎回個性的。
リアクションの大きいヘウンデ3人組は、本当に放つ言葉が思いっきり一般人です。
ちなみの上の写真は、『私は歌手だ3』を見たときのもの。

久しぶりにカムバックしたヤンパを見ながら、「すっげー綺麗になった!」と一斉に賞賛しています。

と、ここまではいいのですが、あとに続く台詞は・・・・・・。


「どこで手術したんだろ?」


・・・・・・笑っていいのかどうなのか。(笑)


ちなみにヤンパが出てきた時はどの家庭でも同じ台詞を言っていて、視聴者の素顔って本当に怖いなと、こちらも視聴者ながら見せ付けられました。(笑)


実際、テレビ見ているとどうしても口をついてでますよね、「あの人、顔変わった!」問題。

とある歌番組の司会者が映った瞬間には、一斉に「なんであんな分かりやすいカツラかぶってんだろ?」と言い出したりもして。この番組を見たあの司会者の方は、自分のカツラ姿が思いっきり視聴者にばれている事実を目の当たりにしてどう思うのだろうかと、また心配になります。
いやはや、いらぬことまで気を揉ませる番組です。
人々の本音って、恐ろしい。(笑)


そしてこちらは、高校生の子どもが二人いる4人家族。



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お父さんは公務員、お母さんは幼稚園の先生だそうですが、この家の鑑賞ポイント(?)はなんと言ってもこのお父さんと息子さんです。



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明るすぎるお父さん。
昔は歌とダンスでブイブイいわせたそうで、いまでもB-Boyを夢見ているとは番組のナレーション談。

とにかく歌が流れるとじっとしていられず、必ず一緒に歌いだします。大声で。

娘のほうはマジっぽいうんざり顔。妻はやや困った表情ながら理解を示しているのですが、いついかなる時もまったくリアクションがないのが、息子君。

家族が泣こうが笑おうが歌おうがケンカしようが、微動だにしません。


・・・・・・人形?(笑)


ある時はMBCの通称“トトガ/토토가”を見ていて、90年代の懐かしのダンスミュージックに歌いだすだけでは収まらず、娘の嫌そうな顔もお構いなしにとうとうテーブルを端に寄せてブレイキンを始めたお父さん。

そう、床でくるくる回る、アレです。

アレを、あの体で。(笑)



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ちなみに、左端に映っているのが、お父さんの足です。

顔の前をフラフラ揺れる、太目のお父さんの危なっかしい足に息子君が取ったリアクションは。



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無言で体をそらす。

彼がこれまで示した一番派手なリアクションが、これでした。(笑)


ちなみに、同じ番組を見ている時のヘウンデ3人組のリアクションは、こちら。


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お父さん、ヘウンデ組みと一緒に番組見たらいいかもしれません。(笑)




他にも、40歳になったばかりの弁護士夫婦や、10年前に帰農したという80代の老夫婦も「出演」。

まずは、弁護士夫婦。



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女性のほうは離婚専門弁護士だそうです。

新婚とのことで、テレビを見ながらも「早く子どもを持たなきゃね」が口癖のようなダンナさん。
怒りを誘うニュースを見ながら、法の専門家として「○○法違反だわ」「○○法違反でもあるぞ」などと言い合う姿がたまにあったりするのもリアルっぽいです。


そして、仲良し老夫婦。

以下は教養番組が突如「夫婦の性」をテーマにし始めた時の表情です。



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「近頃はあんなことまでテレビでやるのかい?」と、ちょっと言葉に困ってます、おじいちゃん。(笑)




奥さんの実家で一緒に暮らす、姑&お婿さんのコンビも。



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お婿さんがすごく優しそうなんですよね、このお宅は。
牧師さんなのだそうですが。

ただ、健康を気にしすぎるお姑さんの料理がちょっと口に合わないらしく、食べ物にまつわる攻防が会話の中に割りと多いです。二人を取り持つはずの娘・妻は出産したばかりだからか、殆ど登場しません。



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番組のコンセプトとはいえ、毎日お姑さんと一緒にテレビを見るってどんな感じなんでしょうね。テレビを見ている時は特に話題を考えなくてもいいので、むしろこういう関係の場合、間が持っていいのかもしれません。



こちらはチョン・ドンミンさんと並ぶ芸能人出演者、キム・ブソン&イ・ミソ親子。


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キム・ブソンさんは、韓国人はみんな知っている成人映画のご出身です。
日本で言えば、日活ロマンポルノ的な映画でしょうか。

ちなみにそのタイトルは、“애마부인/エマプイン/愛馬夫人”。
嫌過ぎます、成人映画のタイトルが「愛馬夫人」。なぜに馬?(笑)
シリーズが何作かあるのでこの方の時のものか分かりませんが、以前ケーブルテレビで見かけた衝撃的なオープニングが忘れられません。殆どギャグのようでした。「愛馬夫人/エマプイン」なだけに、冒頭からいきなり全裸で馬に乗っているっていう。意味不明。(笑)
(*追記*“エマプイン”は第1作公開前の検閲で「“愛馬”はニュアンスが卑猥」という理由で審議が通らず、「麻」に一文字変えて審議を通した経緯があるそうで、公式には「愛麻夫人」となっています)


元エマプインだから、ということではないのでしょうが、こちらの親子はお母さんがわりと色んな話題にオープンというか、あけすけです。サッカーの試合を見ながらも、太ももがセクシー、お尻がセクシーしか感想がなかったり。(笑)
でもこの方は物の見方も合理的なクレバーな方で、自宅マンションの光熱費を一部の住民が管理的立場をいいことに謀議して自分たちだけ払わずにいることを勇敢に暴いたことで、去年話題になりました。


そして、素人出演者の中ではもしかしたら一番人気かもしれない、プチョン在住のバリスタ3姉妹。



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左から末っ子、長女、次女、です。

この3姉妹は「痩せなきゃ」が口癖で、毎回そろって「痩せなきゃ」、「彼氏作らなきゃ」と言い合ってるんですが、行動がまったく伴ってません。

いつみても、なにかを激しく食べてます。(笑)



例えば、サッカーアジアアップでの韓国戦を観戦する時も。


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「チャ・ドゥリかっこいい~♪」とにんまりしながら、ピザ。(笑)

どんな時もむしゃむしゃ食べてて、食べながらも「痩せなきゃ」を連発している3姉妹。めちゃめちゃ微笑ましいです。



他にも、ブラジルとバングラデッシュからやってきたソウル大学の留学生二人組みなども出演者しているのですが、この番組の面白いところは、まさにみんなが似たようなリアクションをテレビの前で取っているのを切り取って見せるところにあります。



一例をご紹介しましょう。

大爆笑を誘った、2回放送時の『アクジョン白夜』(邦題仮)視聴シーン。

『アクジョン白夜』(邦題仮)はMBCが平日夜に放送しているいわゆる“マクチャンドラマ”。正直私などはこういう質の悪い韓国ドラマが値段の安さからなのか日本に入ってくる割合が高いのが残念なのですが、ともかく、普段自分はほぼ見ることのないその泥沼ハチャメチャ愛憎劇をみる人々の姿が、面白い!
間違いなく、ドラマより数段面白いんです!(笑)



テレビを見る人たちもみな、このドラマがいわゆる“マクチャンドラマ”であることは分かっている様子。初めて見る人が殆どのようなのですが、それでもこういった類のドラマは大抵似たような展開を見せますよね。
テレビを前に出演者たちは、なんと全員、ドラマを見るというより次の展開を当てる姿勢を見せます。
もはやまったくドラマの存在意義が変わってるという。(笑)


とあるジムのプールサイド。

娘の恋敵を見つけたマダム。

ガウンを脱いで、二人のもとに睨みをきかせに行きます。



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それを見ていた出演者たちは。



「脱いだぞ、脱いだぞ」

「レスリングの選手みたいだ」


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一家で前のめり。
めっちゃ楽しそう!(笑)



二人の関係を問い詰めるマダム。「どういう関係なの?」の問いに、ほうぼうから「付き合ってます、付き合ってます」と当てにいく声。

そして案の定男が「付き合ってます」と答えると。


「きたー!」


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予想どおりに展開するので笑いが止まらない3姉妹。
ちょっとした脚本家気分すら味わっている模様。(笑)




マダムが娘の恋敵を殴ろうとして手を振り上げ、庇って自分が殴られる恋人。
人々のボルテージも上がります。


「来るわよ、次落ちるわよ、落ちるわよプールに」と予言するキム・ブソンさん。

そしてここもやっぱり、案の定。




「ね! 言ったでしょ! 落ちるって言ったでしょ!」


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大はしゃぎです。(笑)



完全に「次のセリフ当てクイズ」と化しているドラマなのですが、それでは脚本家としてプライドが許せませんよね。すべての展開が視聴者に見透かされているなんて。

ここで脚本家、意地を見せます。
視聴者の誰も予想できなかった次の展開、くるんです。


マダムの娘、潜水して恋敵のももを、つねる。


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沸き起こる大爆笑の渦!(笑)


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いやー、低俗ドラマもみんなで見ればこんなに楽しいものなのですね!
使い道が見つかった気分です。(笑)


せっかくなのでみなさまも爆笑してください。

こちら、KBSのyou tube公式サイトより、問題のドラマを楽しむ人々のシーン。
リンクはコチラです。



今見たら、息子君が笑ってますね!
あの息子君を笑顔にする力まで、このドラマにはあったなんて!

この番組の問題があるとしたら、あれですね。
この低俗なドラマの毒気に当てられて、出演者が中毒になりはしないかということですね。(笑)


他にも印象に残る場面がいくつかあるのですが、わたし的に面白かったのは、最近自分の大統領時代の回顧録を発売した前大統領の一件を報じたニュースに、各家庭が一斉に毒づくシーン。
あれには視聴者もみんな「我が意を得たり」と思ったのではないでしょうか。


テレビを見るという行為はごく私的なものですが、この番組の目の付け所のよさ、見えないはずの人々を「共感帯」で結んだところにありますね。

自分と似たような反応を見せながらテレビを見る人たち。
その姿を見るのは思いのほか楽しく、まるで一緒に笑ったり泣いたりしているかのような親近感を感じさせます。

とても地味な番組な上、番組自体も今日の第6回で終わりなのですが、みなさまも機会があったらご覧になってみてください。韓国の人たちの平均的な情緒や反応の仕方なども分かって、そちらも興味深いのではないかと思います。
惜しむらくは地味すぎて、これは字幕放送されないかもなぁということ。
KBSワールドあたりでそのうち字幕放送してくれるといいのですが、韓流スターが一人も出ていない無名の番組なので、そこはちょっと期待薄かもしれません。

ちなみにこの番組、1月30日に放送が始まった『私は歌手だ3』も各家庭でモニターしているのですが、番組に対する人々の酷評に驚いてしまいました。

口々に「『不朽の名曲』とつくりが変わらない」、「マークをKBSに変えればみんな『不朽の名曲』と思うに違いない」と言っていて、いまやもうKBS2の『不朽の名曲』の後追い番組のように扱われているんですね、『私は歌手だ』。
なんだか切ないです。


SISTARのヒョリンちゃんが出てきた時は、3姉妹筆頭にみんなその歌唱力にうっとりしていたのですが、唯一キム・ブソンさんだけは「歌が下手」と不満げ。



3姉妹は静止画状態で聞き入っているのですが。



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対照的に「歌が下手」だと酷評する母キム・ブソン。


「あれで上手いの? マジで下手だよ?」


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怒りの娘。


「ママとテレビ見たくない、マジで」


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「上手いよ! めっちゃ上手いじゃん!」


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母の要らぬひとことで親子喧嘩に発展しそうです。(笑)

他の人もみんなヒョリンちゃんの歌声にはやられていたので、ここはキム・ブソンさんの分が悪いですね。って言うか、ヒョリンちゃんを下手呼ばわりは、正直、ありえません。(笑)


しかし、このシーンを見て胸をなでおろしてしまった私。

ここでも書きましたが、シプセンチ。
当初『私は歌手だ3』に出演するかもと言われていたのです。
出ないと分かってがっかりしていたのですが。

本当に出なくて良かった。

本当に本当に出なくて良かった。

だって、キム・ブソンさんにこんな顔されたら。



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耐えられない。

屈辱感に耐えられない。

そして絶対キム・ブソンさんのことが大嫌いになってる、私。(笑)



あー、良かった、シプセンチが出なくて。

『私は歌手だ』に出ない判断、大正解でしたね。

あんなふうに論評されるさまをテレビで見るかも知れなかったと思うと、ぞっとします。

罠にかからなくて、本当に良かったです。(笑)