みなさま、こんにちは。

週末は随分寒暖の差が激しかったですね。
幻のような春の陽気に喜んだ途端、また舞い戻ってくる寒さ。
こういう不規則性も、時々なら楽しいです。

さて、今日も残りわずかとなってきた『六龍が飛ぶ』の37話と38話をまとめてアップしてみようと思います。
どんどん、なんか、落ち込みます。(笑)



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チョン・モンジュをソンジ橋で殺したことから「この大業にお前の居場所はない」とチョン・ドジョンに告げられたバンウォンが、「初めから私の居場所などなかったのではないですか?」と師匠に噛み付いた前回ラスト。

37話はチョン・ドジョンの返答で幕を開けます。

「そうだ。もともとこの大業にはお前の居場所はなかった。だが、お前は作り出したのだな。ポウンを殺したという地位を。それがお前の居場所になるだろう」


・・・・・・厳しい一撃です。

というわけで、37話と38話は、「バンウォン暴走の回」です。


洞窟にチョク・サグァンの様子を見に行ったムヒュルは、背後から忍び寄ったチョク・サグァンに刀を抜き取られ。



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チョン・モンジュはどうなったのかと焦りながら尋ねるチョク・サグァンに、事実を告げるムヒュル。じきに王は退くだろうと続けます。

何故自分を殺さなかったのかと尋ねるチョク・サグァンに、あなたのほうこそ市場で会った時に自分を殺さなかったではないかと応じるムヒュル。なぜ武士をしているのかと尋ねられ、夢を守りたいからだとムヒュルは答えます。
私も大切な人を守りたいだけなのだと言うチョク・サグァンにムヒュルは復讐するつもりなのかと尋ねますが、チョク・サグァンは復讐などしないと意外な返事。
コンヤン王が王になる前に戻りたい、それが自分の夢であり、危害さえ加えられなければ誰とも殺しあいたくないと話すチョク・サグァンです。


一方タンセはチョク・サグァンと刀を交えたことで、またひとつ体得しようとしていました。



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くるくると、弧を描くように回るタンセ。

目の回るような早い動きを見て驚くホン・デホンに、「コクサン剣法」だと呟くムヒュル。

ホン・デホンはなおもタンセを物言いたげに見つめ。



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強い者と闘うごとにより強くなるタンセの姿がそこにありました。









タンセファンにはうっとりのこの場面なのですが、一部巷では「不死身すぎる!」、「超人か!」のツッコミも多数。
確かに、ファンの目にも無敵キャラ過ぎます。(笑)

正直、37話にはここくらいしか「楽しい」シーンがありません。


全員を招集し、今後の対策を伝えるチョン・ドジョン。
まずはヨニに、チョン・モンジュを殺したことに怒ったイ・ソンゲがバンウォンにすずりを投げつけ、三日三晩泣きとおした、そのせいで家中眠れないほどだったという内容の噂をばら撒くよう指示。
バンウォンの傷は、長兄バンウに殴られたことによるものでしたが、そのような筋書きにし、イ・ソンゲがチョン・モンジュ殺しと一切関係がないことを印象付けようとするのがチョン・ドジョンの狙いでした。
こうして名分を立てなければならないのだと。




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プニにも同じく、組織を動かして市場でも噂を流すように指示するチョン・ドジョン。

プニは、生きるために仕方なくしたことなのに、それだって充分名分となるのではないのかと疑義を呈しますが、力で制圧するつもりならチョ・ミンス将軍をトファ殿で討った時に一気に王を落としにいけた、そうしなかったのは説得を重ね、抱え込むための努力を惜しまなかったからだ、だが刀による開国となってしまったので、その重荷はバンウォンが背負うべきものなのだとチョン・ドジョンは答え。

ムヒュルも納得がいかず口を挟みますが、バンウォンは「分かるな?」と尋ねられ、「はい、無論です」と答えます。



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バンウォンは心の中で、自分はあなた方のように負うべき責任から逃げたりしないと闘志を燃やしているのでした。


心配して声をかけるプニにも泰然として見せるバンウォン。妻ミン・ダギョンは、こんな不名誉な汚名など無視すればいいと、やはり夫を励まし。

バンウォンは二人の前でプニに頼みます。
自分を処刑すべきだと市場に請願を貼ったのが誰なのか調べて欲しいと。
驚いて止める二人に、ただ知っておきたいだけだとバンウォン。

「これからは、自分の敵が誰なのか、知ってはおくべきでしょう?」



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バンウォンの言葉に、心配しながらも引き受けるプニ。


そしてチョン・ドジョンの指示通り、通りにはチョン・モンジュの首がさらされ。



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高麗の偉大なる官僚であり儒学者である忠臣チョン・モンジュを逆賊としてさらし首することに、怒り心頭のイ・セクとウ・ハクチュ。ウ・ハクチュはこんなことをしてただで済むと思っているのかと詰め寄りますが、もとよりただで済むとは思っていないとチョン・ドジョン。
イ・セクは「お前はポウン以上に過酷な目に遭うだろう。より残酷な最期を遂げるだろう!」と怒りますが、対するチョン・ドジョンは「でも師匠はその姿をご覧にはなれないでしょう! 残された時間が多くはないでしょうから」と冷たく言い放ち。


その帰り、食事に行く途中のチョン・ドジョンは胸を押さえ、一瞬倒れます。



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食事は出来そうかと尋ねるタンセに、食べて生きなければとチョン・ドジョン。
食堂の個室で一人食事をとるのですが。


実はその個室には、ヨニャンが隠れていました。
まさかの再会に驚くチョン・ドジョン。
ヨニャンは聞かれたとおり、自分は「無名/ムミョン」だと答えます。



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外ではただならぬ気配を察知し、刀を構えるタンセ。

振り返るとそこにいたのは、キル・ソンミでした。



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単にチョン・ドジョンに話があってこちらのトップが会いにきているだけだと落ち着かせるキル・ソンミ。タンセの動きを見て、「早くなったな」と成長にも気づきます。


何故自分たちを邪魔するのかと訪ねるチョン・ドジョンに、初めは応援していたのだと答えるヨニャン。ある事実を知るまではと付け加えます。

「計民授田/ケミンスジョン」、すなわち井田制のことかと尋ねるチョン・ドジョン。






チョン・ドジョン:その事実とは・・・計民授田(ケミンスジョン)のことですか?

ヨニャン:計民授田、井田制。どう表現しようと構いませんが、問題なのは「私田革罷(私田の廃止)」です。既に土地台帳も燃やしたではないですか? 科田法くらいに留めて井田制はお忘れください。

チョン・ドジョン:お宅の組織には随分土地が多そうですね? 今回のことで被害をお受けになったというわけですか?

ヨニャン:色んな人がいるので、中にはいくらかの土地を持つ者もいるでしょうが、殆どはそうではありません。

チョン・ドジョン:ではなぜ?

ヨニャン:信念ゆえです。人間とは利を追い求め、時代は人間を追い求める。それが私たちの信念です。ところが新しい国は、利に対する人間の偉大な欲望を否定します。

チョン・ドジョン:偉大ですと?

ヨニャン:「私田革罷」は、もっと多くの土地を持ちたいという人間の欲望を、根源から封じます。

チョン・ドジョン:その欲望とやらが高麗をこんなふうにしたのだ。その私田という制度が。

ヨニャン:だから井田制を行おうと? 人の数だけ土地を分け与え、与えられた土地からほんの少しも拡大できないのが、井田制です。

チョン・ドジョン:誰も自分の土地をほんの少しでも広げられないからこそ、誰からも自分の土地を奪われないのだよ。

ヨニャン:私たちが私田の概念を初めてつくったのです。土地は当然王のものである、国のものであるとされてきた数百年前、荒地を耕せばその土地は個人の所有となる政策を実行させました。

チョン・ドジョン:それで?

ヨニャン:その結果、人々は自分の土地を持ちたいという欲望に駆られ、狂ったように荒地に向かい土を掘り返し、おかげで農地は飛躍的に増加し、三韓の土地は以前とは比べ物にならないほど豊かになりました。欲望が道を作り、豊かさをもたらしたのです。

チョン・ドジョン:その豊かさはどうなった? 誰が豊かになりましたか? 結局は全国土の7割以上を権門たちと寺が占め、民は杭ひとつ打ち込める土地すらないまま自分の土地から追われ、見知らぬ土地で飢えて死んだり、犬や豚のような奴婢となってゆっくり死んでいった。なのに、偉大ですか? 利益を追い求める欲望とやらが?

ヨニャン:人間は、自分の仕事を大きくするために多くのことに耐えて働きます。その結果、有史以来世の中は発展し、前に進むことが出来たのです。

チョン・ドジョン:これからの世の中は変わるだろう。利を追い求める人間の欲望の代わりに、性理学的な理想が占めることになるだろう。民がみな君子となる国。それゆえ、誰も奪われて悲しむこともなく、人の物を奪って私腹を肥やすことのない、そんな国を作るつもりだ。

ヨニャン:諦めるおつもりはなさそうですね。

チョン・ドジョン:勿論だとも。土地のみならず、外では貿易、中では市場にいたるまで、利を求めようとする欲望を国家が統制、管理し、二度と欲望が吹きかける毒が互いを傷つけることのないようにするつもりだ。

ヨニャン:分かりました。では私たちは、微力ながら阻止してみましょう。





緊迫するやり取り。

そしてイ・ソンゲがとうとう王の座に着きます。



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王座を追われたワンヨは、表で待っていたユンラン(チョク・サグァン)と喜びの再会を果たします。



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静かに都を去っていく王の列を複雑な心境で見つめていたムヒュルは、その中にチョク・サグァンの姿を見つけ。

互いに無言で会釈し、最後の別れを告げます。


王となったイ・ソンゲは、チョン・ドジョンの政策の中で最も気に入っているという「科挙」制度を一日も早く実施するようチョン・ドジョンに促します。
身分に関わらず全ての民が科挙によって官職につけることを知れば、冷え切った民心も再び戻ってくるだろうと期待するイ・ソンゲ。
チョン・ドジョンは政策を実現するために猛烈に働き、ヨニにも官職に就けたい人たちのリストを作らせるチョン・ドジョン。意志が強く、不正腐敗にまみれることのない儒学生たちに科挙を受けさせようとしているのでした。

宮殿で王に声をかけられたチョン・ドジョン。
近頃はまともな食事も取らず働きづめだそうではないか、もうもっといい服を着ていい暮らしをしてもいい身分なのではないかと言うイ・ソンゲに、チョン・ドジョンは「官吏とは、人の作った飯を食い、人の作った衣服を着る人たちです。決して富裕であってはなりません」と答え。



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こういう徹底したところが、実に素晴らしくはあるのですが。


一方、科挙を受けさせたい儒学生たちが急に姿をくらませているとファサダンの部下から報告を受けるヨニ。同じ頃、バンウォンの処刑を求めた儒学生たちが行方知らずになっていることを、プニも組織を通じて把握していました。
どうやら都に程近い場所で集住している様子。

バンウォンに報告し、共に場所を確かめにいったところ、思いがけぬ光景に出くわします。




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それは辞職を表す意思表示でした。


イ・ソンゲがあれほど待ち望んだ科挙には、誰一人試験を受けに来ず。



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初めの一歩からつまづく新王朝。

それでなくても度重なる粛清で官職に就く者が不足し、職責はチョン・ドジョンに集中していたのでした。ハリュンまで公職に戻すほどに困窮している政治の現場。

思案に暮れるチョン・ドジョンに、組織の者が場所を把握したことをプニが伝えます。バンウォンの指示通り、知っていることを全て伝えるプニ。
チョン・ドジョンは反旗を翻す意思表示をしただけでは罪には問えないと、焦りながらも静観する構え。官僚たちにも事実が知らされ、チョ・ジュンは兵を送るべきだと強硬な顔を見せます。
新しい国にたてついたこと、それだけでも十分内乱・騒擾に当たると。
官吏たちにもそれぞれのカラーが見え始めます。


バンウォンは宮殿でチョン・ドジョンと顔を合わせ。



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自分が説得しに行ってきたいと申し出ます。

チョン・モンジュを慕う者たちに、自分が説得を試みたいと。

成功できずともそれならばバンウォンの印象も悪くなることはないと考えたチョン・ドジョンは、バンウォンをいかせることにするのですが。

説得するという名目でトムンドンに赴いた筈のバンウォンでしたが、「帰れ!」と激高する二人を前に思いがけないことを口にするのです。




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「火を放て!」


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説得するのではなかったのかと驚愕するハリュンに、逃げてきた者を説得するとバンウォン。


「大君!」

「これが私のやり方であり、これが私の役割です。肥溜めに落ちたなら、肥溜めの上に起き上がるほかないではないですか? 
(父上、三峯先生。私は自分のやり方で自分の勢力をつくってみせます。死んでも自分が正しいとしか思えないのです。私はこんなふうに自分の居場所を得ていくでしょう。)
何をしている! 火を放て! 早く!」



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こうして37話は幕を閉じ、続く38話では本当に火のついた矢をどんどん放つバンウォン。




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火から逃れてくる人を全て捕らえておくようムヒュルに命じるバンウォン。

ハリュンはバンウォンのやり方にすっかり眉をひそめるばかりです。


そんなことになっているとも知らぬチョン・ドジョンは、父に反対する長兄バンウに王世子になって欲しいと頼みに行くのですが、激しい抵抗に遭い。



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バンウは父の言葉にも首を縦に振りませんでした。

絶対に王世子などにはならないとバンウ。もし自分を王座につければ、以前も言ったとおり王氏を呼び戻して国を返上するまでだと。



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自分はイ・ソンゲの息子ではあるが、イ・ソンゲの治める国の民ではないと涙ながらに訴えるバンウ。そんなに王世子が欲しければ、チョン・モンジュの命を奪ったバンウォンを王座につければいいとの言葉に、イ・ソンゲも、見守るチョン・ドジョンも言葉を失います。



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バンウォンはトムンドンから逃げてきた人たちを小屋に集め、わざと彼らの前に顔を出して怒りに油を注ぎます。



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最後まで逃げずに亡くなった13人の名前を、ポウン先生にしたのと同じようにこの胸に一人ひとり刻むことにすると、愚弄するかのようなバンウォン。

小屋の見張りを担うヨンギュに、3日間飢えさせた後で飯を与え、その数時間後には自由にするよう命じてその場を去ります。

説得どころか、取り返しのつかない怒りを買ったことに恐れを隠せないハリュン。
何故そんなことをするのかと尋ねられ、バンウォンは「怒りを全て出し切った後に残るのは、悲しみと絶望だけでしょう」と答えます。あそこで亡くなった人たちのようにはできなかった自分への、羞恥心に襲われるだろうと。
そしてやがて、自分が長いこと何も食べてないことに気づく。
人は弱い生き物で、どれほど悲しくて、怒っていて、絶望しても、飢えれば腹が減り、眠れなければ眠くなるものだ。
そうするうちに3日後には、飯にありつけるようになるのだと。



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飯にありつけば、説得に応じるようになると言うバンウォンに、信念を命より大事に思う人も世の中にはいるのだと反論するハリュン。でもバンウォンは、その通りだが、あの小屋にはそういう人はいない。そういうポウン先生のような命よりも信念を大事にする人は、あの時焼かれて死んだと答えます。そんな人の心まで得ようと、時間を浪費するつもりはないとバンウォン。そんなことは、父やチョン・ドジョンにさえ出来ないことなのだと。

誰かのように、人一人を説得できずに長年にわたる計画をふいにするような真似を自分はしないと続けるバンウォンは、戸惑い、ためらい、ことを台無しにするなんて、おぞけたつと言い捨て。



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自由になったあとは、自分への復讐心を抱いて、強くなりたいという気持ちで表に出てくるだろうと言うバンウォンに、何を根拠にそう確信しているのかとたずねるハリュン。バンウォンは、かつて自分もホン・インバンに同じようにやられたのだと答えます。
自分はもっと若いときに、3日ではなく4日間、もっと狭い米びつに押し込められた。そしてホン・インバンは自分より遥かに悪賢かったと。


その頃、宮殿には長男バンウ失踪の知らせがイ・ジランより伝えられていました。




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これにより、長男が王世子となる原則が崩れ、官吏の間にも微妙な空気の流れが生じます。

バンウォンがトムンドンにこもった人々を火を放って追い出したことをイ・シンジョクが報告した時も、溜息をつくチョン・ドジョンとナム・ウンをよそに、「これで一件落着だ」とほくそ笑むチョ・ジュンとの対比が見られ。



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一枚岩に思えた新国家の官僚内部に、様々な見解の相違が表れていました。


そしてそれは、ムヒュルにも。


バンウォンのやっていることは正しいことなのかと疑問を口にするムヒュル。



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そんなムヒュルに、「そんなことを何故お前が悩む?」とヨンギュ。自分も個人的な意見はあるものの、バンウォンに仕える限りバンウォンに命じられたことをやるまでだとヨンギュは続けます。
自分たちのような人間は、何が正しいのかなどと考えずに、ただ「この人だ」と思った人を信じてついていけばよいのだと。

「俺たちにとって大事なのは、信念や思想ではなく、なんだと思う? 義理だ」



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その言葉に、心の中で「信じよう」とつぶやくムヒュルです。


その頃、チョン・ドジョンを訪ね、官職につけて欲しいと申し出る男がいました。

出世を拒み、トゥムンドンで隠遁生活を送っていたファンヒでした。




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いぶかしみ説明を求めるチョン・ドジョンに、自分はイ・バンウォンを決して許さない、そのためには力が必要なのだと語るファンヒ。

出て行くファンヒを目撃したチョ・ジュンは、ポウンの最側近二人も先ほど戻ってきたのだと満足げな表情。隣りで聞くハリュンは、バンウォンの予言を思い出します。
「官職に戻ってきたところで政敵になるのではないか?」と尋ねた自分に、「あなたも最初は私の敵だったではないですか」とバンウォンは笑って答えていたのでした。


うーん。

すごいっちゃ、すごい。

ここで唸りたくないのに。(笑)



一方王妃は、末息子バンソクを連れて寺にきていました。

道徳的なありがたい教えを請うたあと、占うようにバンソクの手に線香を押し付ける大師。ところが火をかざされてもあとが残りません。
不安に駆られた王妃にクムウォル寺のコルチ大師は、バンソクの前には輝かしい未来が広がっているものの、前途を妨げられれば挫かれると告げます。
王になれなければ短命に終わると不吉な予言を残す大師。



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「無名/ムミョン」を調べる一環としてクムウォル寺を窺っていたプニの組織の者は、その光景を偶然目撃します。王妃とは知らず、後を追う男。
随行していたファサダンに尾行をとがめられ、男はひどく殴られてしまいます。

プニの組織の者だと知っていただろうにどういうことだとヨニに猛抗議するプニ。
ヨニはプニに謝りつつ、王妃の尾行は重罪だと話します。
王妃を追っていたのではなく、ムミョンと関わりのある者を追っていたのだとプニ。ヨニはバンウォンの指示なのだろうが、これからはもうそういうことはやめ、組織の人々も故郷に戻したらどうかと言います。



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チョン・モンジュ殺しの一件でチョン・ドジョンとバンウォンは道が別れてしまったと聞かされるプニ。のみならず、バンウォンはその前から独自の野心を抱いていたようだと。
「無名/ムミョン」を欺くという口実で私兵を持ち、もとはチョン・ドジョンの組織だったプニの仲間を今は自分が吸収したとヨニ。ファサダンで何度も兄弟のようだった人たちが互いにいがみ合い、踏みつけあうのを見てきたので心配だと語ります。チョン・ドジョンとバンウォンがそうならないで欲しいと切実に願っていると。

プニは、バンウォンは秀でた人物であり、建国の功労者でもあるのにと反論しますが、だからこそ危険なのだとヨニ。建国初期にはチョン・ドジョンとイ・ソンゲの他に、別の勢力がいてはならないのだと諭すヨニです。


とはいえ既にバンウォンを王世子に推したい勢力は形成され始めており。

チョン・ドジョンは当然次男のバングァがなるべきであり、ポウンを殺したバンウォンがなれば反発の大きさに耐えられないと考えています。建国から50年間はその国がどんな国になるかを決定付ける時期だからと。

ところがチョ・ジュンは、バンウォンこそ適任者だと王に告げます。




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「建国からの50年は、どんな国になるかではなく、この国が生き残れるかどうかを決定付ける」とのチョ・ジュンの強い言葉に、溜息を漏らすイ・ソンゲ。

チョ・ジュンはイ・ジランもやはり同じようにバンウォンこそ適任だと考えていることを確認。



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王への説得を頼みますが、誰より王の気持ちが分かるだけにそれは無理だと拒むイ・ジランです。


その頃、バンウォンに接触を図るユクサン。



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王世子になりたいかと、まるでバンウォンを王世子に押し上げられるかのような口ぶりです。

そんな力があるとは思えないと鼻で笑うバンウォンに、確かにそれは王とチョン・ドジョンの気持ちにかかっているが、自分たちは次の手を打つことはできると、ユクサンは不敵に言い残していきます。


同じ頃、「靖安(チョンアン)君は駄目だ」とヨニに釘を刺すチョン・ドジョン。いくらバンウォンが功労者だからと言っても、それはできないと。
対するヨニは、かつては靖安(チョンアン)君、つまりバンウォンを王世子に考えていたではないかと尋ねます。



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そうだと認めながら、全てはソンジ橋の一件で無に帰したと語るチョン・ドジョンです。


なるほど。

お飾りの王でも、バンウォンをつけようとは考えていたのですね。

バンウォンなら、結局お飾りのままではいなかったでしょうが・・・・・・。


王の心は、次男バングァで固まっていました。

一緒に戦を戦い、自分にことさら懐いている息子だと満足げなイ・ソンゲを不安げに見つめる王妃。


そして「無名/ムミョン」も会議を招集していました。

チョン・ドジョンは「私田革罷」によって、土地のみならず、経済においても商取引を国家の許可制にするつもりだとヨニャン。「無名/ムミョン」がこれまで多くの商人を政治に送り込んできたことが明かされます。

王族と寺院を味方につけ、商人の娘を妃に押し上げたこともある「無名/ムミョン」。

なのにチョン・ドジョンは、高麗の腐敗の原因を「利を追い求めた結果」としか見ていないとヨニャンは吐き捨て、到底共存することの出来ない人物だと厳しく談じます。

これに相対するために、情報網を再び構築し、化導の客房、つまり仏教の教えを求めてやってきた衆生たちが集まる宿を動かすことにしたと。

そこまで追い詰められているのだと嘆きつつ、今は生き残ることだけを考える時期だとヨニャン。ユクサンとチョヨンがこの任務に当たるよう指示したあと、「今から進行中の事柄について説明する」と前を向き、「チョンジビ、入れ」と声をかけます。


その言葉と共に、一人の人物が部屋に入ってくるのですが。


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それは、クムウォル寺のコルチ大師でした。

驚くチョンニョン和尚らをよそに、「無名/ムミョン」の暗号を口にするチョンジビ。
どうなったかとヨニャンに尋ねられ、恐らく王妃はじっとしていられないだろうと報告します。


同じ頃、本当は末息子のバンソクを王世子に考えているのではないかと尋ねる王妃。

王妃はそこで、コルチ大師にいわれたことを王に告げていました。

王も内心では、バングァは人をたくさん殺してきたことが気になっているのではないかと。




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なるほどー。

そうきましたか。


そしてプニは。

バンウォンに会いに行き、もう仕事も特にないので組織の人たちを故郷に帰そうかと思うと告げ、バンウォンにヨニに言われたのだろうと見抜かれていました。

本当にもうチョン・ドジョンと分かれてしまったのかと尋ねるバンウォンに、自分とチョン・ドジョンは進むべき道が違うとバンウォン。
責めるように変わったと言うプニに、変わるのはおかしなことではないし、プニも同じだとバンウォンは答えます。以前のプニならチョン・ドジョンたちが捕らえられた時、組織の人たちに泣きつかれて自分を責めたに違いない、もしかしたらすぐに逃げたかもしれない。でもそうしなかったではないかと。

バンウォンは、チョン・ドジョンの構想する新しい国には、自分のような王族は生きていても何の意味もない、政治にも携われないのだと語り。プニはチョン・ドジョンがバンウォンまでも政治に関わらせないつもりであると知り、驚きを隠せません。



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それでも自分は生きている限りは何かをせずにおれないし、何かをするとしたら、王になるしかないと。だからプニも、プニの組織も自分には必要なのだと訴えるバンウォン。

どうするかはプニに任せると言って立ち上がるバンウォンに、プニはクムウォル寺で王妃に語った大師の言葉を伝えます。王にならなければ、短命に終わると言った言葉。
その瞬間、「次の手を用意できる」と語ったユクサンを思い出すバンウォン。
段々面白いことになってきたと言いながら、ムヒュルを呼んでくるよう頼むバンウォンです。











こうしてプニはムヒュルを呼びにいきますが。



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生返事で答えるムヒュル。
その様子に、タンセが気づきます。


「どうした? 呼ばれてるのに行かないのか?」


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勿論行くが、心が落ち着かないのだとムヒュル。
タンセはトゥムンドンの一件のせいだろうとムヒュルを慮ります。

新しい国が出来たら全てが上手くいくとばかり思っていたのにと、一緒になって溜息をつくプニです。


バンウォンはムヒュルを連れてチョンニョン和尚のところに会いに行ったのでした。

単刀直入に「無名/ムミョン」だろうと切り込むバンウォン。




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緊張が高まったところへヨニャンが現れ、代わりにバンウォンの相手をします。

バンウォンに「無名/ムミョン」の計画を語りだすヨニャン。

敵とばかり思っていた「無名/ムミョン」の思いがけない意図に、バンウォンは興奮を禁じえません。



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そして同じ頃、イ・ソンゲもチョン・ドジョンに会っていました。

王世子をバンソクにしたいと仰天の発言を繰り出すイ・ソンゲ。



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チョン・ドジョンは戸惑いながらも、ある条件を提示し、それを飲んでくれるなら受け入れると表明。

事態は新たな展開を迎えます。






ヨニャン:この国はイ・ソンゲ将軍、王様が建てられました。ですが、コンミン王の改革が成功していたら、どうでしょう? シンドンの「田民弁整都監」が成功し、高麗の巨悪と弊害を一掃していたら、どうでしょう? この国は、恐らく建国されなかったでしょう。私がなにを申し上げているか、お分かりですか? つまり、この国を建てたのは・・・。

イ・バンウォン:ホン・インバン、ということか。

ヨニャン:そうです。貪欲の限りを尽くして高麗を破綻へと進めたホン・インバンがいたからこそ、三峯の土地改革が輝くのです。また、我執と独善で無謀な戦争を起こしたチェ・ヨンがいたからこそ、5万の息子たちを10万の両親のもとに帰し、政局を掌握することの出来た「威化島の回軍」が可能となったのです。

イ・バンウォン:だから、義安君、バンソクというわけか。なんらの功もなく、最も年若い、正室の子でもない末息子! まさに、最も非理想的で、最も無謀な、話にならない王世子!

ヨニャン:ええ。このお話にならない王世子の冊封は、大君にとって立派なホン・インバンとなってくれるでしょう。

チョン・ドジョン:王様!

イ・ソンゲ:もう決めたと言ったではないか。三峯。

チョン・ドジョン:王様。ならば、恐れながら条件がございます。

イ・ソンゲ:なんだ?

チョン・ドジョン:この国の全ての軍権と、大君たちの今後の処遇について、全権を与えてくださいますか?

ヨニャン:まさに、それです。そうした不安定、不調和が世界を揺るがし、それによって機会を生み出し、大君にも・・・。

イ・バンウォン:機会が与えられるだろう。全ての権力を手中にした、「一人之下 萬人之上(領議政、官僚最高位の意)」、三峯を追い落とす機会が・・・。

チョン・ドジョン:そうしてくださるなら、私は命を懸けて義安君をこの国の王世子として守り抜きます。





で、38話ラスト。


うーむ。

どうですか、この展開。

わけ分からんじゃないですか?(笑)


「無名/ムミョン」とチョン・ドジョンの争いは、理念闘争なのですね。資本主義と共産主義の。
また随分話が飛びましたね。(笑)

勿論、理念闘争の話を展開してもいいのですが、突飛な感は否めないです。
ドラマの展開上、人々はチョン・ドジョンに肩入れし、共感するのが自然の流れですが、現にわれわれが生きている世界は「無名/ムミョン」の世界っていう。

そこから、何を導きたいんでしょうか。
まさか、今後訪れるであろうチョン・ドジョンの敗北と、「理想の国=共産主義」の敗北を重ねようってわけじゃないでしょうし。

・・・・・・え? そういうわけなの?

うーむ。分からない。(笑)

逆かもしれないですよね。

それか、いくら素晴らしい理想を掲げても、所詮人間の欲望の前では無残に砕け散るのみである、と言いたい?

分からないので、分析するのをやめます。
しかし、見終わった後「時間を返せー!」ってことにだけはならないで欲しいです。ええ切実に。(笑)


37話では、要注意人物が出てきましたね。

バンウォンのすぐ上の兄でイ・ソンゲの四男である、イ・バンガン。



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この人物は、この後歴史的な「事件」も引き起こしますが、何しろ登場からして強烈でした。
チョン・モンジュを殺したヨンギュに、いきなり笑いながら「どんな手ごたえだった?」と聞くんですから。

・・・・・・寒気が。


いやはやなんとも。
どんどん見るのが楽しみな展開じゃなくなってきました、このドラマ。
プニとヨニのやり取りや、ヨニに対するバンウォンの言及などを見ても、チョン・ドジョンとの対立がここだけに終わるとは思えず。
もしかしたらバンウォンは、ヨニにも手をかけるのでしょうか・・・・・・?

いや、そんなことになったら、殺されますよねタンセに。
だからそんなことはないと信じたいのですが。

ムヒュルがどんどん心が離れていっているさまも、チョク・サグァンとの出会いからトゥムンドンでのバンウォンの残酷さなどで、説得力持って描かれました。
バンウォンの周りには、本当に誰もいなくなってしまいそうな中、まだ動きが見えないプニ。

どうなるんでしょうか。

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案じても始まらないので、後はドラマを見守るのみですが、後味悪い展開になりそうで不安がよぎるこの頃。

バンウォンの怒りと異様さと悲しみが存分に表現されているだけに、バンウォンだけを責める気にもなれず。
ドラマとしては実にややこしいです。
視聴者としても、誰か一人に100%肩入れできれば、もっと気楽に見られるのですが。