みなさま、こんにちは。

本日も『優しい男』、第8話まいります。

カロリーは消費してくれるわ、血圧は上げてくれるわで、目下たまらないドラマとなっております。
たまらないというより、いたたまれない?

誰に向かって言っているのか若干分からなくなってまいりましたので、さっそく本題に移ります。

前回。

雨の中、マルを訪ね、一世一代の告白をしたウンギ。
同じ頃、ジェヒも弁当持参でマルの家に向かっていました。

ジェヒの車を追うアン弁護士。

・・・・・・ス、ストーカー?

オールバックになってからというもの、アン弁護士は不気味さ倍増なので、きわどいシーンはご勘弁願いたいところです。(笑)

ずぶ濡れでマルに告白するウンギ。

「私、あれが初めてのキスでした。弘前城での、あなたとのキス。
誰かに愛してると思い切り伝えたのも初めてでした。29歳の人生で、初めて。“愛してます、ソ・ウンギさん”。そんな胸の震える告白を受けたも、初めてでした。あなたのおかげ。
なにもかもを手にしているかのようなソ・ウンギは、この世に羨むものなどなさそうなソ・ウンギは、実はつまらない人生を送っていたんです。
でも。カン・マルという人のおかげで、朝起きて、息をして、生きているということが、初めて嬉しいと思えました。
それで、何度も何度も、頭が割れそうに悩んだ末、私の全てを失うことになったとしても、この男だけは失いたくないと、5時間前に結論を出しました」

ウンギに近づき、その涙を拭うマル。

背後からは弁当を手に、ジェヒが坂道を登ってきています。

「今の私の唯一の望みは、あなたと毎日顔を合わせて、毎日愛してると言い合って、毎日同じ夢を見ながら、子どもも産み、育て、一緒に老いていくこと。
可能ですか?」

ウンギの告白に答えるように抱きしめるマル。

その姿をジェヒも見ていました。

持ってきた弁当を道端に置き、いま来た道を戻るジェヒ。

マルはウンギを部屋に入れ、傷の手当をします。

裸足でやってきたウンギの足は、ところどころ裂けていました。

マルのひどい顔に心の痛むウンギ。
父の差し金でこんな目に遭わされたと思い込んでいるウンギは、治療はしたのかと心配しますが、マルは体に触れさせません。

「いまの顔、気に入ってるんです。男前過ぎる顔に、いい加減うんざりしてたから。本気ですよ」

食べるものを買ってくると、服を着替えるマル。

服を脱ぐ動作もかろうじて行うほど、マルは痛めつけられていました。

チョコの服を着替えとして渡されたウンギは、今見たマルの姿に悲しみます。

道の途中。ジェヒが置いていった弁当の包みが雨に打たれていました。

一瞬視線をくれるも、そのまま通り過ぎるマル。

坂の下では、ジェヒが車の中で呆然としていました。

そこへ姿を現したアン弁護士。

買い物を終えてマルが部屋に戻ると・・・・・・。

ウンギが寝入っていました。

ウンギをそっと布団に移すマル。

ふと見ると、ウンギがマルの写真になにやらメモを貼り付けていました。

『退屈しのぎに机の引き出しを開けて、発見しました。
明日の朝、もしも天気が良かったら、ここに旅行に行きましょう。
二人きりの、初めての旅行』

ウンギのメモに、マルは遠い日のことを思い出します。

大学生だった自分と、報道記者だったジェヒを。

「仕事で素敵なところにいったから、写真撮ってきたの。
私たち、今度ここに旅行に行こうよ。二人きりの初めての旅行。
時間がないなんて勿体ぶったら、他の人と行っちゃうんだから。それでもいいの?」

ジェヒとの思い出と目の前のウンギ。

マルはウンギに、正体不明のキスをします。

愛しさ? 憐憫? それとも贖罪?

ウンギはただ、安らかにマルのもとで寝息を立てています。

翌朝。

チェギルが海辺の路上で大袈裟に泣いています。チョコがネズミ捕りを食べて死んでしまったと。自分も後を追って海に身を投げると。
勿論チョコは死んでいません。
ペンションのオーナーの飼い犬の名前をチョコと勘違いしたのでした。

「チョコって呼ぶと泣き止んだんだって、私。だから名前がチョコになったの。
パパは私に興味なかったから、どうでも良かったんじゃないかな。
でも、子どもが生まれたとき、母親の名前が食べ物だっていうのは、気の毒よね」

そんなことをいうチョコに、ジヒョンに改名しろと勧めるチェギル。
どうせなら姓も変えてチョン・ジヒョンになれ、などとたわいもないことを言い合って過ごす二人です。

マルの家ではまだウンギが寝入っていました。

ウンギを家に残し、服と靴を買いにきたマル。

レジに置かれた新聞広告を見て、顔色の変わるマル。
ジェヒの結婚を報じるものでした。
ジェヒがテサングループの後妻に納まったことがジェシクにもばれてしまうかもしれないと、ふと不安を覚えるマルです。

折りしもジェヒがマルに電話をかけてきましたが、マルは電源を切り、電話に出ません。

電話に出ないマルにいらだつジェヒ。

昨夜のアン弁護士との会話を思い出しています。

「会長は以前から定期的に防犯カメラの映像をチェックしていたそうです。
大奥様の頃から」

「既にパク弁護士もこの映像を見ていますし、ソ理事にも知られています。
会長は遺言を秘密裏に書き直し、全財産をソ理事に譲ると明記されたそうです」

「ウンソクはどうなるの? あの子も会長の息子なのに!
謝りましょう、私たち。土下座して許しを請いましょう!」

取り乱すジェヒに、土下座などしても、会長には何の意味もないと告げるアン弁護士。

「ソ理事がカン・マルに執着するのも、若奥様との関係を知った上でのことです。会長も理事も、あなたの適う相手ではありません。早くどこかへお逃げ下さい」

急転直下の現実を突きつけられ、泣き崩れるジェヒです。

これで負けるわけにはいかないと、悪巧みを思いついたジェヒ。

マルの電話が留守電に繋がると、ひと芝居打ちます。

「助けて、マル! 兄さんが私を殺すって言うの! 
あなたしか電話できる人がいなくて。
ごめんなさい、マル。一度だけ、一度でいいから、私を助けて!」

そう言ってワインの瓶を鏡に投げつけ、悲鳴を上げて電話を切るジェヒ。

10時過ぎ。
ウンギは電話の着信で目を覚まします。
パク弁護士からでした。

ウンギは電話に出ず、気持ち良さそうに辺りを見回します。
人の家でこんなに眠れる自分に驚くウンギ。

買い物を終え、坂道登るマルが留守電に気づきます。

ジェヒからの留守電だと確認し、一度は無視するマルですが、門の前まで来て心が揺れます。

ジェヒの留守電を聞いてしまい、顔色が変わるマル。

騙されるマルに、胸かきむしられる視聴者です。

マルがいないことに気づいたウンギ。
庭に出て、ひとり笑顔を浮かべます。
夕べマルが手当てしたくれた包帯までもが幸せに映るウンギです。

マルを出迎えようと門を開け、買い物袋が置いてあるのを発見するウンギ。

マルはジェヒのもとに向かっているのでした。

部屋に入り、包みを開けてみるウンギ。

自分宛の靴の中に、マルからのメモがありました。

『行きましょう、旅行』

夕べのウンギの誘い文句への、マルからの答えでした。

幸せな笑みが広がるウンギ。

ちょうどそこへ、マルからメールが届きます。

『用事ができて、出かけてます。今日はもう遅いので、旅行は明日にしましょう。ご飯炊いてあるから、先に食べて』

少し残念そうな表情を浮かべながらも、マルの用意してくれた服を着てみるウンギ。

その時、もう一通メールが届きます。

差出人不明のメールには、こう書いてありました。

“カン・マル ハン・ジェヒ ヤンピョン別荘”

ジェヒの仕業でした。

どこまで性悪なの。
いいかげんぶっ飛ばすわよ。

全世界のウンギ応援団がブチ切れた瞬間です。

そんな性悪女のどこがいいんだか、駆けつけてしまったマル。

めちゃくちゃに荒らされた部屋で、膝をかかえるジェヒを発見します。

傷だらけのジェヒを見た瞬間、初めて出会った日を思い出してしまうマル。

あーーー。
もうだめだ。
もう書けない。
腹が立って、もうこれ以上レビュー書けません。

嘘です。
書きます。

って、もぉおおお! 本当にイヤ過ぎるんですけどジェヒが!(怒!)
わざとスリッパ片方脱いで、あの日の自分を演出しているわけですよね。
もう最悪すぎます。
目の前にいたらお尻ぶっちゃうかも。

まんまと一瞬で持っていかれたマル。
それでなくても持っていかれがちなのに、あの日のコードを突きつけられたら、マルは完全に思考停止です。戦意喪失。武装解除です。

震えるジェヒのもとにひざまずくマル。

「ジェシク兄さんは?」

「知らない。あんたが来ると知って、逃げたのかも」

「救急箱は?」

「あっち。リビング。
来てくれないかと思った。ありがとう、マル」

芝居とも知らず、マルは黙って救急箱を探しに行きます。

今度も騙しおおせそうだと、安堵の表情のジェヒ。

マルの部屋で怪メールを呆然と見つめ続けるウンギ。

マルはリビングで救急箱を探し出します。

その時着信が。
相手はなんとジェシクでした。

「ダチに有り金持ってかれちまったんだよ。無銭飲食で突き出されちまった。
300万、振り込んでくんねぇか?」

「いま、どこです?」

『釜山』

何度も踏みつけられてきたマル。

それでもジェヒへの思いを断ち切れず、ここまでやって来たマル。

マルはようやく、ジェヒの芝居に気づきます。

ジェヒの元へ戻り、無言で傷の手当をするマル。

その頃、とうとうウンギが二人のいる別荘にやってきました。

「あんたの言うとおりよ。私、どうかしてた。流されて、おかしくなってたわ。
ごめんなさい。私が悪かったわ、マル」

マルを騙すジェヒの言葉を淡々と聞くマル。
静かに口を開きます。

「姉さんは僕のことをよく知っている。僕自身より、ずっと」

予想外の反応に、戸惑うジェヒ。

「僕が勘違いした日のこと。僕が信じたくないと思った日のこと。僕自身否定したかった日のこと。
姉さんはまるで僕の中に住んでるみたいに、それらが手に取るように分かった。そうでしょ?」

「それ・・・・・・どういう意味?」

『僕の心が、本当は復讐なんかじゃなくて、せめてそんなふうにでも姉さんに会いたいというバカみたいな未練からきてたことも、見抜いてたんだよね?』

「“マル、助けて”の一言で、38度も熱のある妹をほっぽり投げて駆けつけた6年前みたいに、また姉さんの元に駆けつけることも分かってた。
何をされても理解し、我慢し、許し、耐えるということも、分かりきっていた。
ですよね?」

『あれほどひどい目に遭わされても、ハン・ジェヒに溺れ、心に異常をきたしたみたいに、脳をやられたみたいに、記憶喪失のように、臓器を失った者のように!』

マルがなにかを勘付いたと悟ったジェヒは、涙を流してすがります。

「あなたの言うとおりにするわ。そこは私みたいな人間がいちゃいけないって、もう降りてこいって、そう言ったわよね?
分かったわ。もう降りる。あんたさえいれば、なにもかも捨てられる。
なにもかも諦めて、なにもかも捨てて、元の場所に戻るわ。
ゴミ貯めのドブ、それよりもっと穢れた場所に、下りていくわ」

ドアの外のウンギは、一部始終を二人の愛の告白と受け止めていました。

うなだれながら引き返すウンギ。

もうほんと、なにこの脚本。
視聴者をギリギリさせすぎです。

「すべて捨てるわ。今日にでも、いますぐにでも!」

ジェヒの言葉をマルが遮ります。

「いいえ。そんなことやめてください。
ハン・ジェヒさんがどこにいようと、これからどこに行こうと、その果てが地獄だろうと破滅だろうと、もう関心ありません」

「どういう・・・・・・意味?」

ジェヒに答えず、立ち上がるマル。

「どういう意味よ、カン・マル!」

マルを見上げ、叫ぶジェヒ。

マルが冷たく言い放ちます。

「ハン・ジェヒさんに向けられていた、あの嫌気のさすような僕の感情に、終わりがきたんですよ」 

去りゆくマルを引き止めるすべもなく、ただただ涙を流すジェヒ。

庭に出るマル。

ジェヒを心から愛してきた長い年月を思い、涙を流します。

その時、ウンギの車がマルの目の前で発進しました。

「ウンギのせい?」

この期に及んでまだマルに電話をかけられる、信じがたいセンスの持ち主・ジェヒ。

「ウンギのせいなの? ウンギを好きにでもなったの? ねえ!」

マルの答えは、こうでした。

「失敗でした。後悔してます。ウンギを巻き込んだこと」

マルの答えに崩れ落ちるジェヒ。

悲しみに打ちひしがれ、ウンギは車を走らせています。
途中パク弁護士から電話が鳴りますが、ウンギは出ません。

会長の容態は日に日に悪化していました。

「計画を急いでくれ。もうじきわしは死ぬ。急がないと、残されるウンギが苦しむことになる」

マルは急いでウンギの後を追いますが、ウンギは家には戻らず、どこかに行ってしまいます。

誰もいない部屋に戻り、ウンギが旅行に行こうと誘ったあの写真を手に取るマル。
写真の裏には、ジェヒの文字でこう記されていました。

“私たちの初めての旅行。必ず行こうね!  ジェヒ❤マル”

ジェヒは銀行の貸金庫にやってきていました。

6年前、ジェヒが殺してしまった男から貰い受けた例の資料を、金庫に隠していたのです。

あの日。
男は報道記者のジェヒを呼び出し、テサングループの不正を暴露して欲しいと頼んだのでした。

裏金や賄賂、会長の女関係などが記されたファイル。
男は会長の下で長年働いていた者でした。

この程度ではテサングループを追い詰めることはできない、いっそこの資料を使って取引でもしたほうがいいのではないか。
ジェヒは取り合わずに帰ろうとしましたが、男は会長が懇意にしている女性記者の噂を知っていました。

「お前、会長の女だろう!」

相手にされなかった腹いせとばかりに、襲い掛かる男。

逃れようとビール瓶で頭を叩き、思い切り蹴り飛ばしところ、家具の角に頭を打ちつけ、男は死んでしまったのです。

密かに眠らせておいた資料。
いよいよの時に、これで会長と取引するつもりだったのでしょう。

ウンギの行き先は、写真にあった海でした。

美しい海と岩を写真に収め、マルに送るウンギ。

資料を手に、意を決して自宅に戻ったジェヒ。

同じ頃、パク弁護士は会長に言われたことをどうまとめたものか、頭をひねっていました。

そして、荷物をまとめるアン弁護士。

それぞれの交差する思惑が、きたるべき大事件を予告するかのようにうごめく午後。

ウンギのもとへ駆けつけたマル。
浜に座り込む小さな背中を、悲しげに見つめます。

ウンギに寄り添うマル。

二人並んで海を見つめます。

「写真よりずっと素敵ですね。国内にこんなところがあるなんて、知りませんでした。
あなたは・・・初めてじゃないんですよね」

静かにそう問うウンギに、マルが答えます。

「初めてです。以前、ある人と一緒に来るはずだったんですけど、結局これなくて」

しばしマルを見つめていたウンギが言葉を続けます。

「どんな人ですか?」

マルが間を置いて答えます。

「僕が、愛していた人」

マルが答える間中、ウンギはマルから視線をはずしません。

意を決したウンギが問いかけます。

「その人、誰ですか?」

ためらうように視線を落としていたマル。

一言告げて、ようやくウンギの目を見ます。

「ハン・ジェヒ」

見つめあう二人の背中で、ラスト。

うーーーん。

本当に。やってくれます、このドラマ。

真剣に見すぎて、視聴者としてはつらいです。

ここまで見て、私にはマルがジェヒにあれほど惹かれた理由が、彼女のよさが、まったく分かりません。一体どうしたらいいでしょうか。(笑)
どう考えても、昔からマルの気持ちが自分にだけ向いているのをいいことに、便利に利用してきたように思えるのですが。



惚れた弱みとはいえ、あまりにもあまりにも、まるで奴隷のようなマル。
それでもやっぱり、ジェヒに呼ばれたらまた駆けつけるのではないかと、マルに対しても不信感が一杯です。

しかし。

気づけばなんだかんだ、ろくでなしの兄がグッジョブなんですが、これいかに。(笑)