みなさま、こんにちは。

さて、『チョンダムドンのアリス』第3話、まいります。

前回ラスト。
チョンダムドンの奥様になる秘訣を教えてとユンジュに迫るセギョン。

急にどうしてと尋ねるユンジュに、セギョンは希望が出来たからと答えます。

「誰もが生まれた時から、人の処遇は定められていると言うわ。
努力したところで変わらないと。
私もそのとおりだと思った。
でも一人だけ違った。それがあんたよ」

一方スンジョは、部屋でまた録音を聞いていました。

『今度は私を守って』

ユンジュの言葉に、「なぜ妙な気分になるんだ?」と首をかしげるスンジョ。

その時トンウクがやってきます。トンウクにユンジュに会った時のことを説明するスン。

「心臓が高鳴ったよ。エレベーターが止まって、隙間からユンジュの顔が見えたんだ。復讐こそ最高のヒーリングだよ」とハイテンションです。

冷たい表情で聞いていたトンウク。
「泣けよ」と言います。

なぜと尋ねるスンジョに、こんな時泣かずにいつ泣くのかと冷静に話します。

楽しいのに泣けというのかと不服そうなスンジョに、トンウクが言葉を続けます。

「やってみたら、全然いい気分にならなかった。空しくなった。そうだろ?」とトンウク。

気分を害したスンジョがトンウクを帰らそうとしますが、「怖いのか?」とトンウクはさらに言葉を続けます。

「怖いんだろ? 涙が出ないんじゃないかって」

違うと返すスンジョに、ではなぜ涙が出ないのかとトンウクは詰め寄ります。

泣いてみろとしつこく迫るトンウク。

「泣いてみろって」

スンジョがたまらず大声を上げます。

「泣きたくもないのに、なんでだよ!」

やはり大声で返すトンウク。

「泣きたいんだろうが! 憂鬱で腹が立って、怒りがコントロールできない状態なんだろ!」

トンウクの言葉に、相談したくて呼んだんじゃないとスンジョ。
医者ではなく友達を呼んだんだ。そんなことを言うなら帰れと言います。

トンウクの腕をつかんで怒鳴るスンジョ。

そしてセギョン。ユンジュに言葉を続けます。

「私がお仕えする奥様は、別世界の人だとばかり思っていた。
ところがあんただった。私よりもなにもかも劣った、ね」

セギョンを睨むユンジュ。
「私がやれたからって、あんたがやれると思う?」

セギョンはあんたが助けてくれればやれると答えます。

ユンジュの家を後にするセギョン。
振り返って豪華なマンションを見上げます。

その時やってきたバイク。
ヘルメットをを外す、「ハン・セギョン?」とつぶやく男。

男はユンジュの弟でした。姉に金をもらう弟。
セギョンを見たと伝える弟。

ユンジュから事情を聞き、チャ・スンジョとグルではないかと勘繰ります。

翌日。

アジョンから電話の電話で、セギョンはアルテミスがインチャンが告訴したことをしらされます。
そして病院からも悪い知らせが・・・。

トンウクは病院で、看護師にパリのセイント病院から転送されてきたスンジョのチャートを持ってくるよう伝えます。

病院にやってきて、トンウクに怒りについて説明するスンジョ。

「怒りとは、欲求を制止されたり、何かを強要された時に、それに抵抗しようと生じる心の状態のこと。俺はそのどちらでもない。なのに泣けと言われた」とスンジョ。

対するトンウクは、最近いつ泣いたかと尋ねます。
自分はいつ泣いたのかと聞き返すスンジョ。

トンウクは、自分の状態を知ることが治療の始まりだといいます。

車に乗り込んだスンジョは、しょっちゅう泣く男などいないと呟きます。
カーオーディオでオペラを聴き、ため息をつくスンジョ。
音楽を聴きながら泣こうと頑張りますが、全く涙が出てきません。

諦めたその時、揉めている男女を見つけるスンジョ。
セギョンとインチャンでした。

もう会わないと約束しただろと怒鳴るインチャン。

置いて行かれた女がセギョンだとスンジョは気づきます。

車を降りてセギョンに近づくスンジョ。

スンジョを会長秘書のキムだと思い込んでいるセギョン、スンジョを見て告訴のためにきたのかと問います。

「人が亡くなったんです。今日はやめてください」とセギョン。

葬儀場に入ってみると、インチャンの母が亡くなったようでした。
インチャンの傍には妹の姿も。

インチャンに花輪を送るようムン秘書に電話で指示するスンジョ。

みるとセギョンは、インチャンに近づくことも出来ずにいます。

後ろからセギョンをみつめるスンジョ。
その現場をカメラに捉える謎の男。

セギョンとスンジョが一緒に映った写メを見たユンジュは、愕然とします。

やっぱりグルだろと弟。

ユンジュは引き続きどんな間柄か確認するよう言います。

葬儀場を後にするスンジョを追う男。

セギョンは葬儀場でアジョンと顔を合わせます。
告訴はどうなったのかと尋ねるセギョンに、会長の指示だということしか分からないと答えるアジョン。
もうこれ以上尽くすのはやめろと言います。

それに対し、ちゃんと別れるつもりだと答えるセギョン。

その時ムン秘書が葬式場にやってきます。

セギョンはムン秘書にどうにかならないかと交渉します。
自分も告訴はしたくないが、仕方がないとムン秘書。
自分で手紙を書けば、会長に渡してあげると約束します。

スポーツジムでヨガをやるスンジョ。
ふらふらするスンジョに、トレーナーは雑念が多いといいます。
心の目で自分の気を眺めるよう指示するトレーナー。

その時隣りに父がやってきます。

個人レッスンのはずではと不服そうなスンジョに、父親だと聞いたからと講師。

一緒にやることになるスンジョです。

レッスンを終え、ガウンを着るスンジョ。お約束のシーンですね。(笑)

顔にローションを塗っていると、父が隣りに来て同じ行動をとります。

「なんで真似するの? ストーカー?」と不機嫌なスンジョ。

先に始めたわりに下手だと嫌味を言う父は、その時鏡越しに誰かがカメラで撮っているのに気づきます。

スンジョだけを狙っていると小声で教える父。
「既婚者とでも付き合っているのか? 相変わらず、女の趣味ときたら」

父はその足でどこか秘密めいた場所にやってきます。
そこはタミー・ホンの店でした。

息子の婚礼の件かと尋ねると、そうではなく、アルテミスのジャン・ティエル・シャに関することだと謎めくチャ会長。

一方スンジョは。
静かに男の車に近づいています。
カメラに収めたスンジョの姿を確認するスンジョ。

カメラを取り上げます。

そしてGN会長宅では。

アルテミスの反応を尋ねる会長の母。

未婚のジャン・ティエル・シャを娘に勧めようとします。
まずはビジネスだとけん制する娘を、同時に進めればいいといなす母。

ユンジュの義母は、病院を変えたとユンジュに言います。
不妊治療に通わされているようです。
一生懸命通うと答えるユンジュ。

その時スンジョからメールが届きます。
席を離れ、メールを確認するユンジュ。
メールには『前の棟に引っ越したので、遊びにきますか? もしくは僕が行きましょうか?』と書いてあります。

前の棟を見ると、明かりが。

スンジョの部屋を訪ねるユンジュ。
スンジョは「ウェルカム」と迎えます。

部屋はやはり、ユンジュの部屋の真向かいに位置しています。

怒り出すユンジュ。

「なんなの? おかしくなったの?」と震えます。

それに対し、「眠るのが怖かったことは?」と尋ねるスンジョ。

「コーヒー、紅茶、コーラ、カフェインが入っているものをどれだけ飲んでも、眠るとお前に捨てられた場面が浮かんでくる。
お前に復讐したくてここまできた。変わった自分を見せるためにな」とスンジョ。

「どうだ? 俺を捨てたこと後悔してるだろ?
もう目的は達成した。これで終わり。
だからあういうガキみたいなことは、もうやめろ」

そう言ってカメラを指差すスンジョ。

「確かに驚いたわ。でも後悔はしていない」と答えるユンジュ。

「変わったですって? 何も変わってないわ。今でも興奮したら、訛りが出るはず」と勝気そうに返します。

そんなことはないと返すスンジョに、自分が捨てられた理由が文無しになったせいだと思っているのだろうとユンジュ。

鼻で笑いながら、お前の立場ではそうではないと言いたいだろうと返しますが、「やっぱり何も変わってない」といわれてしまいます。

「私だけを加害者に見立てる、その利己的な心。
親を捨てるなんて、なんてカッコイイんだと、自分で思ってたでしょ。
ヒロイックになってたでしょ。でも実際は、私のために何一つ配慮しなかった。
私が本当に望んでいたものがなんなのか。そして私の立場。私の境遇も・・・・・・!」

「お前の本当の望みは、俺の親の金だろ?」と返すスンジョ。

「たった3000万ウォン握らされて別れたんだろ? 後悔してないか?」

そう嫌味を言うスンジョに冷静にユンジュが返します。

「貧乏人はそうでしょうね。後悔を繰り返す。
でも私は違うの。どんなものでも、一度捨てたら振り返らない。
それがいくらに化けようが、もう自分のものじゃないんだから」

その言葉にショックを受けた様子のスンジョ。

「こんなことを言われるのが、まだそれがそんなにショックなの?
言ったでしょ、ただのビジネスだったって。
だからダメなのよ。あんたは未熟な子どもよ」

スンジョにショックを与え、出て行くユンジュ。
外で心を落ち着けています。

その時弟からかかってきた電話。

「ごめんね。でもひとつ解決。二人とも何の関係もないよ。
セギョンの彼氏の母親の葬儀場だって」と弟。

セギョンとインチャンから調べて欲しいとユンジュは伝えます。

その時会話を聞いていた義妹のイナ。
ユンジュをみつめ、何をしているのかと問います。

「散歩してるだけ。入りましょ」とごまかすユンジュを怪しむイナです。

部屋で思い出す言葉。

『私のために、実際は一つも配慮しなかった。
だからダメなのよ。あんたは未熟な子どもよ』

きつい言葉を思い出しながら泣こうとしますが、やはりスンジョは泣けません。

「ガキなら泣けるはずだろ」と心の中で呟くスンジョです。

セギョンは部屋で、インチャンのためにアルテミスの会長にパソコンで手紙を書いています。

アジョンに電話し、その後何か情報を入手したかと尋ねるも、別れたんだからもう他人の筈だろうと怒られてしまいます。

インチャンとの関係を綴ろうとしても、その先が書けないセギョン。

セギョンはペンを取り出し、自筆で書き始めます。

翌朝。

機嫌の悪いスンジョは、ムン秘書に会社のインテリアを変えるよう怒ります。

おそるおそるスンジョに手紙をさし出すムン秘書。一瞬驚くスンジョ、セギョンからのものといわれ、ほっとします。

一方のセギョンは、彼氏の母親の葬儀だからって欠勤とは、いいご身分だなとキム代理に嫌味を言われます。
奥様が後ろ盾でいいな、とキム代理。

ユンジュからのオーダーもなく、手持ち無沙汰なセギョン。

アジョンにメールで様子を聞きますが、気にかけるなとの返事が返ってくるばかり。

スンジョはセギョンの手紙を読みます。

『こんにちは。ソ・インチャンの別れた彼女です』の文字に、納得のスンジョ。

手紙はこう続いていました。

『会長は手紙をもらうことすら不快だと思います。すみません。
こんなことをいうこと自体も、申し訳ありません』

『私は会長を存じ上げません。どう伝えればいいのかも分かりません。
ただ、会長のような方でも、生きるのが簡単ではないと思います。
私もそうです。人との関係でも躓いています。
私はお金のせいで彼と別れました。
なのになぜこの手紙を書くかというと、弁解と受け取って頂いても構いませんが、これしか出来ないからです。
私には彼の母親を助けることも、代わりに借金を返す能力もない。
ソ・インチャンが会社に与えた損害を補償することも叶いません。
頑張れと応援することすらも。
そんなことをしても何も変わらないと、今はもう知ってしまったからです』

熱心に手紙を読むスンジョ。

『以前は、”愛してる”の反対は、”愛してない”だと思っていました。
でもいまは、愛してるの反対は、”あなたのために何も出来ない”、だと思っています。
私は彼のために何もしてあげられず、別れました。
傍にいることが愛だと思っていた自分がどれほど幼なく未熟だったかが分かり、6年間の恋を終わりにしました。
何もできない私が会長にできるのは、これがすべてです』

手紙に同封された銀行の通帳と印鑑。

スンジョが通帳をめくります。

ずらりと並ぶ小額の預金。
預金する時に書き込んだ、セギョンのメッセージも。

「愛するインチャンオッパへ」、「パパ・ママ頑張って」、「未来のために」、「努力しよう」、「感じて学ぼう」、「美しいセギョン」

セギョンという人が浮かび上がるような言葉の数々。

ページをめくり、それをスンジョは一つ一つ読み進みます。
自分を励ますメッセージに並び、「パリに行きたい」の文字。
思わず笑みがこぼれるスンジョ。

その時、一滴の涙が通帳に落ちます。
流れる涙に驚くスンジョ。

立ち上がり、顔を上げたまま涙が出ているかを確かめに行きます。

中腰移動。(笑)

鏡の前で涙を確認し、引き続き手紙を読むスンジョ。

『こんなものでは足りないのは、分かっています。
でも、ここに私の20代がすべてこめられていると思ってください。
善処してくだされば、そのご恩は忘れません』

声をあげて泣き出すスンジョ。

結婚はビジネスだったと言ったユンジュを思い出します。

「ユンジュ。お前が間違ってる。愛はあるんだよ」

いやーもう、このシーン、ビックリ!

通帳相手にあんなに泣けるなんて!(笑)

そしてメッチャ変人!(笑)

涙を拭いて出てきたスンジョ。
インチャンの告訴を取り下げるよう、ムン秘書に指示します。
告訴を取り下げても、刑事事件なので罰金刑は課せられるだろうと答えるムン秘書に、罰金刑で終わらせるための手続きをとるよう伝えます。

列を成し、母の霊前を守るインチャンのところに行くムン秘書。

一緒に座っていたセギョンも何事かと見つめます。

インチャンに対し、「告訴を取り消し、罰金刑にしました」と伝えるムン秘書。

感謝するインチャンに、罰金も会長が払うとムン秘書は続けます。

その時やってきたスンジョ。

「キム秘書が、会長?!」と驚くセギョン。

スンジョはセギョンの通帳を返します。

「ハン・セギョンさん。貧しさが愛を引き裂くようなことは、あってはなりません。
その内に秘めた情熱と意思で、愛をつむいでおいきなさい」

「会長!」とうっとりするセギョンと、感激もひとしおのインチャン。
よろこんで抱き合います。

「会長! 本当になんと感謝すればよいか!」

「感謝?」

「感謝するべきは私ではなく、お二人の存在そのものです」とオフィスで一人芝居するスンジョ。

・・・・・・って、一人芝居かい!!(笑)

オフィスで妄想劇を続行するスンジョ。

「傍にいるだけでは未熟な愛だと?
チャーチルはこういいました。
“未熟な愛は、あなたが必要だといい、成熟した愛は、愛しているからあなたを必要としていると語る”と。
いま二人に必要なのは、お金でも、現実的な条件でもありません。
二人にお互いが存在しているということ。それだけです」

・・・・・・アブナイ。
でもカワイイ。(笑)

その時ムン秘書がハン・セギョンが来たと伝えにきます。

もう来たのかと驚くスンジョに、私が教えたとムン秘書。
スンジョは面白くありません。

なぜ教えたのかと責めるスンジョに、電話が来たのでと答えるムン秘書。
自分が会長への手紙を取り次いだので、と。

怒り出すスンジョは、「君は秘書だろ! それは俺がやろうと思ったのに!」と方言を炸裂させまくしたてます。

セギョンからのプレゼントを手渡されるスンジョ。
ムン秘書の箱のほうが大きいのが気になります。

「なぜ君のほうがもっといい物をもらうんだ? もしや取り替えたのか?」とあらぬ疑いまでかける、大人気ないスンジョ。

確かにこれではユンジュやトンウクに「チジリ/찌질이」といわれます。(笑)

セギョンが帰ったばかりと聞き、後を追い、セギョンを呼び止めるスンジョ。

怪訝な顔のセギョンは、プレゼントをなぜ持っているのかと不満げです。

「あなたが礼を言うべきは会長の筈では?」とスンジョ。
なぜムン秘書へのプレゼントのほうが高そうなのかと文句をつけます。

あきれたセギョン、第一にムン秘書が一番ありがたい存在だから、第二に会長へのプレゼントは大学に入って初めてつくったアクセサリーだと答えます。
高い安いではなく、そのまま渡して欲しいとセギョン。

どうして包みを開けたのかと尋ねられ、会長秘書だからと答えるスンジョに、爆弾が入っていたとでも思ったのかと怒り出すセギョン。

その場で立ち去ろうとするセギョンを呼び止め、スンジョは通帳を取り出します。

「会長がお返ししろと」と差し出すスンジョ。

(感謝してるだろ?)と心の中で呟くスンジョ。

(「ありがとうございます。本当にありがとうございます」
「いや、感謝すべきは私ではなく・・・・・・」)

妄想を続けるスンジョの耳に入ってきたのは「受け取れません」のセギョンの声。

「確かに私には必要なお金です。意味のあるお金ですし。
でももらったら、私の決意がすべて水の泡になります」

通帳を受け取らないセギョンに、ありがたくもらえばいいではないかとスンジョは言いますが、セギョンは、申し訳ないとだけ伝えてくれと言います。

興奮し、方言炸裂になってしまうスンジョ。
セギョンはスンジョを相手にせず、「会長に申し訳なかったと、必ず伝えてください」と念を押します。

「方言使うと、田舎者丸出しですね」ときつい言葉を添えるのも忘れないセギョンです。

バスを待つセギョンは、「自分を会長だとでも思いこんでるの? 嫌な男」とスンジョへの不快感を露わにします。

バスに乗るセギョン。大きく窓を開け、涙を拭います。

「さよなら、ソ・インチャン」と呟くセギョン。

一方ユンジュは弟が調べ上げた情報について、カフェで報告を受けていました。

インチャンについて、借金の塊できょうだいも多く、完全にどん詰まりと説明する弟。お金のことで告訴までされたと告げます。

報告を聞き、驚くユンジュ。

「要するに、金をくれってことだよ」と弟。

でもユンジュは、そんなことを言うために、あんな近づき方はしないと言います。
「俺もそう思うけど、眼前では本音を言えないじゃん」と弟。

とにかくもう少し調べてと頼むユンジュです。

セギョンが戻ると、家ではみんながお金の計算をしていました。

5000万ウォンさえ先に払えば、他の支払いを1年待ってくれると、明るい顔でセギョンに報告する父。

母はセギョンの名前で保証書を書き、5000万ウォンを借金しようと言います。

暗い気持ちで部屋に入るセギョン。
部屋を眺めて物思いにふけりますが、ほどなく部屋を出て両親の傍に行き、保証書はかけないと伝えます。

「保証書は書けないわ。私の名前は貸さない。この家はもう売ろう。
確かに5億で買ったものを3億で売るしかないけど、売ったお金を手にしたら、これからは家賃の家に住めばいい」

家族はセギョンに一斉に反発します。

「家賃の家なんかに住んだら、お嫁にイケない」と興奮するセジン。

母も、「どんなに苦労して手に入れたと思って!」と声を荒げます。

冷静なセギョン、「7年の間、5000万ウォンしか返せなかったじゃない」と言います。

「そのうち不動産の価格がまた上がるから・・・」との父の言葉を遮るセギョン。
もう地代は上がらない、と冷静に答えます。
上がったとしても、借金が増えるだけだと。

よくもそんなことをと母。何のお金で大学を出したと思っているのかとセギョンを責めますが、セギョンは他にも借金があることを両親に思い起こさせます。

「借金を返せていないのに、また借りるの?
私は嫌よ。家がなくなっても、自分の名前でもうお金を借りたりしない」

決意の固いセギョンです。

ユンジュはセギョンの家が競売にかけられているとの弟の報告を回想します。

「俺が正しかったよ。家が競売にかけられたって。借金が2億5千万ウォンもあるよ。
やっぱ金なんだってば」と弟。

物思いにふけるユンジュ。

その頃スンジョはオフィスにいました。

「だっせー。何度見ても、だっせー。でもハンドメイドだ」

嬉しそうにブレスレットをつけ、セギョンの通帳を眺めるスンジョ。

弟からの報告を受けたユンジュは。
何かを決意したかのように金庫を開け、書類を取り出して抱きしめます。

ムン秘書に、インチャンに会社に来るよう伝えさせるスンジョ。

翌日。
スンジョのもとにやってきたインチャン。

おどおどしています。

「辞表は受け取りました」と口を開いたスンジョ、再就職しようにも、業界では噂になっているだろうと言います。

メモを取り出し、インチャンに渡すスンジョ。

「先方には言っておいたので、気を楽に」とインチャンに職を斡旋します。

「人生には、そのまま過ぎさることと、過ぎさらないことがあります。
貧乏は過ぎさる。私も来た道です」

心の中で(「セリフ、サイコー」)と悦に入るスンジョ。

インチャンの反応など意に介さず、通帳を取り出し、セギョンに返すよう伝えます。

告訴もセギョンのおかげで取り消したとスンジョ。

ここで感謝するところだぞ、と心の声で呟きます

おりしも感謝を口にしたインチャン。
待っていたとばかりにチャーチルの名言を引用するスンジョ。

「感謝はセギョンさんとインチャンさんのお互いの存在にこそすべきです」

「二人の愛を守りなさい」、と勢いあまってインチャンの手の甲にキス。(笑)

戸惑いながら「ありがとうございます」と伝えるインチャンに、むしろ感謝しているのは自分だと心の中でつぶやくスンジョ。俺が間違ってなかったことを、二人が証明してくれたとまた悦に入ります。

家でチーズとワインを楽しむスンジョのもとにやってきたトンウク。
ご機嫌そうなスンジョを窺います。

「躁じゃないかと思ってんだろ? ったくお前ら医者が患者を一番ギリギリさせる言葉がなにか知ってるか? 『うつ病治療にはボランティアです』ってセリフさ。でも、案外その意味も分かる気がする」、とスンジョ。

「くすぐったくて、ピリピリして、ゾクゾクするんだ。
彼らが喜んでるのを見たら、気分が良くなったんだよ」とスンジョ。

ボランティアをしたのかと尋ねられ、「というより、ヒーリング?」と答えるスンジョ。

またしても妄想タイム突入です。

家に怒って押しかけるセギョン。

「キム秘書! いいえ、アルテミス・コリアの会長、ジャン・ティエル・シャ!
悪い人! 騙したのね! そして、他にも私を騙したわ。
愛なんて全然知らないかのように、恋などしたこともされたこともないかのように振舞っておきながら、私たちの愛を守ってくれただなんて! 
この、愛しか知らない会長め!」

「ありがとう!さよなら!」

セギョンにそう感謝されるのを想像し、おかしなダンスを踊りだすスンジョ。

トンウクは心配しますが、スンジョはそのうちいいことが起こる筈と浮かれています。

・・・・・・っていうかダンスがヤバすぎです。(笑)

翌日、オフィスでスンジョはインチャンからの連絡をそわそわしながら待っていました。

「いつ来るかな?
電話? それは失礼だろ。直接来るよな?」

独り言を呟きながら、口利きをした会社の常務に電話するスンジョ。
ですがインチャンは電話すらしていませんでした。

その時部屋にやってきたムン秘書。

「会長! あのソ・インチャンの野郎が・・・」

GN本社前でセギョンを待ち伏せするスンジョ。
出てきたセギョンに近づき、インチャンに会ったかと尋ねます。

別れたので会っていないとセギョン。

連絡も、電話やメールもないと聞き、「通帳、返してもらった?」と尋ねるスンジョ。

「もしや、オッパに会長が通帳を返したのですか?」とセギョンが確認します。

「はい。でも、ソ・インチャンさん、ブラジルに行ったそうです。昨日の飛行機で。
事前に職を得ていたみたいだけど、知らなかったんですか?」とこわごわ尋ねるスンジョ。

ショックを受けるセギョン

スンジョは慌ててセギョンを慰めます。
「事情が厳しいので、ちょっと借りただけでしょう。まさか逃げたりはしないはず」

言ってしまって、しまったと後悔するセギョン。

セギョンはスンジョを見つめます。

「はい。分かってます。
ソ・インチャンさんは悪い人なんじゃなくて、お金がない人だって」とセギョン。

「それに、受けとらないことにしたんだから、もう私のものじゃないし。
もう行きますね」

傷ついた顔で去っていくセギョンを、気の毒そうに見送るスンジョ。

スンジョはセギョンが心配で後を付いていきます。

立ち止まるセギョンと隠れるスンジョ。

道路の端に立つセギョンを、飛び出すつもりかとスンジョは心配します。

そして川辺にやってきたセギョン。

距離をとりながら、ずっと付き添うスンジョ。
川を眺めるセギョンが飛び込むのではと心配になります。
救命道具があるのを発見し、もしもの時は助けようと頷くスンジョ。

まさか、本当に飛び込みはしないだろうなと、一瞬肝を冷やしました。
だって、ソウルの寒さ。飛び込んだら凍ります。(笑)

川を眺めるセギョンにメールがきます。
インチャンからでした。

『これが届く頃、俺はブラジルだ。
お前のお金、返そうと思ったけど、残りの借金返済に充てたよ。
俺はまた新たに始めるよ。一から始めたいんだ。
母さんも、借金も、お前のことも忘れて。
ありがとう。ごめんな。
お前は幸せになれる。さよなら』

メールを読み、さびしく笑うセギョン。
みるみるうちに涙がたまり、泣き出します。

とうとう大声で泣き出し、しゃがみこむセギョン。

後ろからスンジョは近づきますが、傍に行くことはできません。

どうしていいのか分からず、ただ見守るしかないスンジョ。

スンジョは結局、セギョンの家までついてきます。

セギョンがマンションに入っていくまで見届けるスンジョ。

暗い気持ちでセギョンが家に帰ると、家族が笑っていました。
そしてそこにはユンジュが。

ユンジュが会社の奥様なんでしょう? と妹のセジン。

血相を変え、セギョンはユンジュを外に連れ出します。

「返事をしにきたんでしょ? じゃないとえらいことになるわよ。
悪いけど今日の私、なんでもやれる心境なの」と興奮するセギョン。

「そうよ。返事をしにきたのよ。そんなにカリカリしないで」とユンジュ。

「答えは二つある。一つ目は、これ」
そういって封筒を差し出します。

「私なら何億でもすぐ都合つきそうに思うでしょ? でもこれが私が自由にできる最大のお金。
これで自分の価値観、自分なりの方法、自分の愛を守ることね。
それにお金なんて、実はたいそうなものではないのよ」とユンジュ。

同じ頃、スンジョは、ブレスレットを取り出して眺めています。

ユンジュの真意が分からず、力なく問い返すセギョン。
「それで、どれくらい助けてくれるの? うちは借金して家を買ったの。でもその家も価格が下落して、結局は家の値段以上の借金を抱えて暮らすことになる」とセギョン。

その言葉に驚くユンジュ。

「インチャンオッパは、とっても一生懸命勉強したわ。でも残ったのは借金だけ。
彼にはまだきょうだいの学費も残ってる。一学期に500万、いえ、それ以上よ。
そして私は、死ぬほど就職のために備えてきたわ。仕事にさえ就けば、人生が楽になると思ってた。
でも、デザイナーになるには、見る目が必要なんだって。
それに見る目って、努力では得られない、生まれた時から決まってるものなんだって。
じゃあ私は、どんなに一生懸命努力したところで、デザイナーになれると思う? こんなことまで、あんたが解決できるわけ? 」

胸を痛めながら聞くユンジュ。
セギョンはユンジュが持っていた封筒をひったくり、興奮気味に続けます。

「それになに? 愛? 愛を守れですって? 6年の歳月をすべて無に帰すような愛を? いくら奥様になったからって、現実感覚なさすぎなんじゃない? 愛なんてないのよ。
ソ・インチャンは6年の愛を終わらせるための、最低限の礼儀さえ持ち合わせていなかった。だけど私は、彼が外国に行ったと知って、解放感を感じたわ。
もう、うんざりするような関係におさらばできるって。
私、500万ウォンで彼と縁を切りたかったのよ。
それらしいことを言って取り繕っても、本心はそうだったのよ。
なのに何を守れ? 愛を? 価値観を? 私の生き方を?
あんたが何を知ってるっていうのよ!」

涙混じりに訴えるセギョン。

ユンジュの封筒を捨てます。

セギョンの言葉を切ない面持ちで聞くユンジュ。

一方トンウクを訪ねたスンジョ。
泣いています。

驚くトンウクにスンジョが口を開きます。

「滅亡したと思ってたよ。恐竜みたいに。マンモスが滅亡したみたいに。
でも、残ってたんだ。そういう女が、まだ残ってたんだ」

・・・・・・マンモスって!(笑)

言葉を続けるセギョン。

「貧乏は、恥ずかしいことじゃないと思ってた。
でも、いまは分かった。どんなに誠実に努力しても貧乏から抜け出せないなら、それは恥云々じゃなくて、世間に向かって怒るべきことなんだって」

「それで?」とユンジュ。

「立派な人は、こういう時、世の中を変える。
でも私はそういう人間じゃない。
世の中を変えられないなら、私は自分を変える。
あんたみたいになる」

その答えにユンジュはにやりと笑います。

ユンジュを見つめ、「私もそれが欲しい。その服も。」とセギョン。

「私もあんたみたいにいい男を捕まえて、チョンダムドンに入るわ。
買いたい服を全部買って、欲しいブランド品も買って、行きたいところも全部行って! 督促に怯えることもなく、家族にも温かく接して、そういうふうに生きるわ。あんたみたいに」

涙を流すスンジョに尋ねるトンウク
「その女のことで泣いたのか?」

いいたいことを言って去ろうとするセギョンをユンジュが呼び止めます。

「ハンセ」

「まだ二つ目の答え、聞いてないでしょ」

ユンジュはセギョンに歩み寄り、金庫から取り出した茶封筒を渡します。

「この中に入ってるわ。あんたが望むもの。
私が・・・そう、あんたより劣ってる私が、どうやってチョンダムドンに入ったか。
試してみる?」

「あの女が、俺を泣かせたんだよ」と感激の面持ちのスンジョ。

セギョンが中身を取り出すと、分厚い手帳がありました。
キーもついています。

感激して涙を流すスンジョと、ユンジュを見上げるセギョンで、ラスト。

なるほどー。

要するにモチーフは、「ザ・シークレット」なんですね。
誰もが思い通りに成功できるという、引き寄せの法則を伝授するわけですか、ユンジュがセギョンに。(笑)

いやー、それにしてもトータルで70分。70分って! なっがい!
もうちょっと短めで回数増やしてはもらえないんでしょうか。
早晩レビューが息切れすること請け合いです。(笑)

回数の早いうちに韓国社会の問題を露骨に描き、そのうち全然違う物語にしていくんでしょうね。
インチャンのきょうだいの学資の額が、下手をしたら一学期500万ウォン以上というセリフが出てましたが、これは現大統領が当選したら高騰する一方の大学の授業料を半分にすると公約しながら、当選後、政権与党とともに完璧に反故にした件について批判しているのでしょう。セギョンの実家マンションが家の価格より借金のほうが多い「カントンチプ/깡통집」に転落してしまうという描写も、いまちょっとシャレにならないレベルになっている不動産価格下落による中産層の没落を描いています。

セギョンの家のようなごく平均的な家庭が借金で首が回らなくなるという事態が、ここ数年深刻になっているんですよね。
セギョンのお父さんが、そのうち地代が上がるから借金しても大丈夫とまだバブリーな夢にすがろうとしている描写など、あまりにもある話で切ないです。

そしてなかなかリアルなのは、「こんなとき立派な人は社会を変えるけど、私はそうなれないから自分を変える」というセギョンのセリフ。そして「ザ・シークレット」的な世界への方向転換。(笑)
実に痛々しいほど生々しいですが、もう私はセギョンがどこに転んでも応援したくなっています。

それにしてもインチャンにはショックでしたね。
高飛びしますか? 彼女の500万ウォンを勝手に借金返済に充てて?
新入社員で薄給な彼氏でも、大学生の彼女や一人暮らしの彼女にお小遣いあげたりすることがまま見られる国なのに、インチャンのこの行為は本当に「ない」ですね。(笑)

最後に。オマケのこの一枚。

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スンジョ妄想シーンの一場面。

右の人は口を押さえて感激のあまり飛び出すのですが、どう見ても。笑いをこらえています、スンジョの左隣の人は。放送で見ても、唇を思いっきりかみ締めていました。(笑)

同じシーンで抱き合うインチャンとセギョンも、実は笑っちゃってますよね。

パク・シフさん、本当にあっぱれな壊れぶりでいらっしゃいます。
レジェンドになるかも?(笑)