みなさま、こんにちは。

今日は、日本で5月18日から公開される映画『建築学概論』の話題をアップします。

もう1年も前になるんですね。
韓国全土に「初恋旋風」を巻き起こしたあの映画の公開から。
時間ができたらネタバレ満載のレビューを書きたいと思っていた『建築学概論』。
去年の暮れには5月の日本公開が決まっていたようです。
この映画をとてもいい気分で見終えた私としては、日本公開は嬉しいです。
こちらが日本での映画公式サイト。

そんなわけで、今日はこの映画にまつわる最新ニュースとともに映画を少しご紹介してみようと思います。

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忙しく日々を送る建築士のスンミン(オム・テウン/엄태웅扮)の前に、ある朝突然現れた女性。
彼女は15年前の大学1年生の頃、スンミンが思いを寄せていたソヨン(ハン・ガイン/한가인扮)でした。

突然現れ、故郷の済州島に夫と過ごすセカンドハウスを建てて欲しいと強引に頼むソヨンにスンミンは大いに戸惑いますが、結局押し切られるように設計から施工までを引き受けることになり。

ソヨンとの再会で思い出される90年代只中の青春の記憶。

音楽科のソヨンが建築学科の一般教養科目「建築学概論」を聴講していたことをきっかけに二人は出会い、次第に距離を縮めていったのでした。

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19歳のスンミンを演じるのはイ・ジェフン(이제훈)。かたやソヨンを演じるはアイドルグループMiss Aのスジ(수지)。

この二人のキャスティングが本当に絶妙です。
まさに初々しさの極地。
映画館でもんどりうちたくなりました。
とにもかくにも、見ているこちらがこっ恥ずかしい。(笑)

しかし初々しいこの二人、なんと実年齢差10歳なんですよね。
イ・ジェフンさんの年齢を確認して、ビックリしてしまいました。
10歳も年上なのに、ソヨンに主導権握られている感じを見事に表現していて、素晴らしい演技でした。

こちらは映画の予告編です。

あーー、切ない。 とっくに見たのに、また切ない。
間違いなく、歌のせいです。(笑)

この映画の中で、若き日のスンミンとソヨンの思い出の曲として使われているのは、1994年に発売された男性デュオ“전람회/チョルラメ/展覧会”の1stアルバムに収録されている“記憶の習作/기억의 습작/キオゲスプチャク”という曲なのですが、映画の興行とともに当時の郷愁を呼び覚まされた人々によって去年静かな脚光を浴びていました。

こちらもyoutubeに日本語訳つきでアップされているので、ご紹介します。
ただし、あまりにもネタバレ満載な動画です。

これも“展覧会”のキム・ドンリュルさんが二十歳の時の曲なんですよね。
みんなが蒼かった時代、という隠されたメッセージも感じます。

ちなみにこの映画、監督のイ・ヨンジュさんも、主題歌を提供した歌手のキム・ドンリュルさんも、お二人とも延世大学の建築学科出身なんですね。
キム・ドンリュルさんは大学を辞めて音楽の世界に飛び込み、卒業後建築士になったイ・ヨンジュさんは建築士を辞めて映画の世界に。
2歳違いの先輩後輩ということもあって、「この映画は実はイ・ヨンジュさんが飲み屋で聞いたキム・ドンリュルさんの体験談をもとに作った実話」なんて説が出回ったりもしましたが、なにしろのその噂が出回った日はエイプリル・フールだったため、真偽のほどは・・・・・・?(笑)
でも、きっと誰かの青春の記憶であることは、間違いなさそうです。

さて、そして今日。

スンミンが建てた済州島の「ソヨンの家」がCafeとして生まれ変わることになり、主演のオム・テウンさんとハン・ガインさん、映画監督を迎えて式典が行われました。

この映画の説得力はすべてこの家が持っているのではないかと思うほど、スンミンの建てた家が本当に素敵なんです。

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映画を見た人がみんなため息をついてしまう、海の見渡せる家。

それがCafeとして生まれ変わったと聞けば、注目しない手はないですよね。
済州島の新たな観光スポットとして、大人気になること請け合いです。

こちらはメディアで公開された、式典の様子。

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中はこんな感じです。

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映画の建築諮問を引き受けていた建築家のク・スンフェさんが設計し、美術監督をつとめていたウ・スンミさんがインテリアを統括したというこのCafe。
映画のスチール写真や名場面を収めたポスターなどで飾られているそうです。
「初恋のメッカ」となるのではと早くも期待が寄せられているそうで、私も済州島に行く機会があれば是非とも行ってみたいです。ただ、折角行ったのにあまりの人手で席につけなかったりしたら悲しすぎますが。(笑)

Cafeは明日27日がオープンで、AM10:30からPM10:00まで年中無休で営業するそうです。
住所は서귀포시 남원읍 위미1리 2975번지(ソギポ市 ナムウォンウプ ウィミ1里 2975番地)。

地図で言うと、Aのあたり。

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ちなみにまだカーナビには載ってこないそうです。

って、一体誰向け情報なんだっていう。(笑)

そして。

これからこの映画をご覧になろうと思っている方にぜひ注目していただきたいのが、彼。

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スンミンの友人、ナプトゥギ。

・・・・・・ヤダいけない、名前書いただけでもうおかしい。(笑)

ナプトゥギって、名前じゃないんです。
劇の中で「納得がいかないだろ、納得が?」と「納得が/납득이/ナプトゥギ」を連呼するところから、なんと役名も「ナプトゥギ」。日本語で言うと、「納得君」?
日本の公式ページを見たらやっぱりナプトゥギとなっていて、もう大笑いしてしまいました。

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彼はもう、ほんとに、ヤバイです。

この映画、ナプトゥギを見るためだけに映画館に行って欲しい。(笑)

大学浪人中の彼なんですが、この容姿でどういうわけかモテていて(?)、奥手なスンミンに恋愛のあれこれ、女心のあれこれ、女を落とすあれこれを指南するのですが、もうこれは文字で伝えるのは放棄します。
彼の恋愛指南が呼吸困難になるほど面白いです。
実は私がこの映画のレビューを書こうと思いつつ書けなかったのは、ナプトゥギの面白さを映画を見ていない人にどう伝えたらいいのか途方に暮れたせいでもありました。
是非是非映画館で上記のシーンを見て、ヒーと笑い泣きしてください。(笑)

さて最後に、この映画を見た私の感想を。

『建築学概論』、ぶっちゃけまして、「男のファンタジー」だと思います。
徹頭徹尾、男性目線。

「男の人って女の人をこういう風に見るのがほんとに好きなんだなぁ」と見ている間中何度も確認させられました。
普段は辛口レビューで知られた男性たちがこの映画に関してはあまり理由を語らずに高評価を与えるさまを、どれほど目にしたことか。
プロの批評家然り、ブロガー然り。
この映画は、女性より実は男性のほうが好きだと思います。

純粋で意気地なしだった「僕」と、可愛く小悪魔的でちょっと計算高い「彼女」の構図。「そうそう、俺ってこんな駄目なやつだった」と自嘲しつつも、「でもやっぱり悪いのは君だよね」って内心思ってそうな感じが伝わってきて、それこそ「ナプトゥギ」いきません。(笑)

そんなこんなを思いながらも、見終えたあと暖かい気持ちになるのは、みんながかつての初恋を覚えているからなんですよね。
見る人の記憶と重ね合わさるからこそ、甘く切なく完成するこの映画。
だからこそ、誰もがいい映画だったと胸にしまえるのかもしれません。

是非是非、新緑の美しい季節になったら、ご覧になってみてください。

ただし。

カップルで見に行くと見終えたあとちょっと気まずいことになってしまうかもしれないので、同性のお友だちか一人で見に行くのがお勧めかもしれません。(笑)