みなさま、こんにちは。

亜熱帯気候にでもなったんじゃないかとぼやきたくなる関東地方の暑さです。
沖縄に行こうという韓国の友人に、夏休みはやめておこうと返事したばかりなのですが、沖縄よりも本州のほうが暑かったりするのかもしれません。(笑)
みなさま、くれぐれも暑さにはお気をつけください。

さて、今日はとうとう『職場の神』最終回をアップします。

16話冒頭。流れるギュジクの回想シーン。

テレビを見ながら果物をむいてくれている母に、父が画面を指差します。

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「おい、あれ見ろよ。あれが通ったら、お前も正社員になるのか?」

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2006年に国会で可決された非正規職保護法が2007年7月から施行されることになったと報じるニュース。
2年以上派遣社員として勤めた者は正社員に転換しなければならないと、ニュースは続けていました。

「ほんとだ! 母さんは10年も勤めたんだから、該当するね!」

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ニュースを見ながら、驚きとともに笑顔を見せていたギュジクの母。

でもそうはなりませんでした。

「よくもこんなことを! ありえないわ! 
10年以上勤めてこられたチン係長をいきなり解雇だなんて!」

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憤るジョムスン。

チン係長は「非正規職員保護法とかいう法律のせいらしいわ」とため息をつきながらうなだれています。

「2年以上雇用したら正社員にしなきゃならないから・・・・・・」

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自分たちのせいでジョムスンら正社員にまでなにか不利益があるのではないかと案ずるチン係長の言葉に、立場の違いなど関係ないとジョムスン。大々的なストライキが予定されているので、早晩解決できるに違いないとチン係長を励まします。

会社の不当解雇に立ち上がった労組の組合員たちは、悪法の撤廃と不当解雇撤回を求めてデモを行います。

しかし、夏に始まったデモからすでに数ヶ月も歳月が流れ、組合員たちはいつしか冬の装いになっていました。

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デモの鎮圧を命じられたのは、ジョンハンが所属する機動隊。
ジョンハンは兵役義務として機動隊に配置されていたのでした。

盾を構え、行く手を阻む機動隊員たちに石を投げるデモ隊。
押し合いへし合いになり、ジョンハンはたまらず力任せにデモ隊を押しのけるのですが、その勢いで倒れた女性が目に入ります。

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くじいた足を引きずりながら去っていく女性の後姿に、「大丈夫ですか?」と声をかけるジョンハン。

ジョンハンとミス・キム、そしてギュジクの母との知られざる出会い。

「え? 怪我したの? 母さん、もういい加減ストライキなんてやめてくれよ! 俺、来週就職の面接があるんだよ!」

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怪我をしたとの母からの電話を大学で受けとるギュジク。
長丁場の母の闘いを応援してあげることができず、苛立ちを隠せません。

電話を切ったギュジクの母は、組合と会社との最終的な話し合いも決裂したと聞かされ。

「じゃあ、これからどうなるの?」

不安げなチン係長の言葉に、「正社員は今日出て行かないと、全員解雇だそうです」と答える男性。
ジョムスンとチン係長は呆然と顔を見合わせます。

舌を噛みながら仕方なく篭城現場を後にする正社員たち。
ジョムスンはその様子を戸惑いながら見つめています。

そんなジョムスンに、足を引きずりながら近づいたチン係長。
長く垂らしたジョムスンの髪を見て、小言を言います。

「またこんな頭して。また髪を挟まれてヘマするわよ。
トイレで泣く羽目にならないように、さぁ、これ」

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自分の髪留めを外し、ジョムスンに渡すチン係長。

「これでちゃんと仕事続けなさい。いいわね?」

ジョムスンに出て行けという意味でした。

「チン係長・・・・・・。嫌です。出て行けません」

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「チン係長を置いてなんて、行けません。足を怪我されてるのに。
一人では出て行きません」

そんなジョムスンを悲しい目で見つめるチン係長。

「これは契約職たちの闘いなのよ。はじめからあなたが首を突っ込むところじゃなかったの」

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「じゃあ、一緒に出ましょう、係長。そうしましょう」

「私の机がここにあるのに、どこに出て行くっていうの?」

その時ジョムスンを呼ぶ声。

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「ちょっと話しましょう」

こうして付いて行ったジョムスンですが、彼は銀行を出るや扉にチェーンを巻きつけたのです。

「なにをするんですか?! 中でなにかあったら? 事故が起きたら? 
こんなの危険すぎます!」

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鎖を解こうとするジョムスンに大声を上げる男性。

だったら君が代わりにクビになるか? 
そうなれば社会生活は完全に終わりだ!

その言葉にジョムスンは言葉を失い。

日が暮れ。

銀行の前のベンチに力なく腰掛けるジョムスン。
あたりではクリスマスの聖歌隊が歌いだしています。

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ふと顔を上げると、キスをする恋人たちの姿。

見るともなく視線をくれ、再び肩を落とすジョムスン。

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不幸と幸福が交差する地点で途方に暮れるジョムスン。

これが後に出会うことになるジュリだとは、もちろん気づきません。

その時、原因不明の爆発が銀行で起きたのです。

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爆発におののくジュリとジュリの彼の傍を猛ダッシュで駆け抜けるジョムスン。

中にいるチン係長を救い出そうと、警戒中だった機動隊の制止を振り切って中に入ります。

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建物の中はすでに炎に包まれ。

足をくじいたために一人逃げ遅れている係長の姿を発見し、悲鳴を上げるジョムスン。

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「係長、ごめんなさい! 会社が何事もないって言うから出てきたのに、どうしたらいいのか。本当にごめんなさい!」

大丈夫だから泣かないでと、むせながらジョムスンに答えるチン係長。

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その時天井が崩れ落ち・・・・・・。

・・・・・・。

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納骨堂で、涙を流すギュジクと父。

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悲しすぎる・・・・・・。(泣)

そして現在。

母と父が眠る納骨堂のあるターミナル駅で、線路をはさみミス・キムと向き合うギュジク。

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互いに目をあわすことができません。

下りの特急に乗り、先に姿を消したギュジク。
ミス・キムは人影のなくなったホームを見つめています。

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はい。冒頭から、暗いです。

そんなわけで、最終回のテーマは。

「戻ってきて、ミス・キム」

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もう、のっけからつらいんです、最終回。

非正規雇用と正社員との待遇面における両極化が進む中、それを是正すべく作られた「非正規職保護法」のはずが、2年以上派遣社員として雇うと法的に問題になるので、労働者を切る方向で対応した雇用側。
同じ問題が日本にもありますが。
人がモノみたいにどんどん使い捨てられる社会なんて、まともなはずがありません。
もっと最大公約数が幸せになれる働く仕組みが作れるはず!
なーんて意気込んだ視聴者も、きっと私だけではないですよね?(笑)

そんなわけで、ミス・キム。

Yジャンでの勤務日も残りわずかとなりました。
今日も遺品となってしまったチン係長の髪留めをつけて出勤です。

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オフィスでは。

ギョンウにコーンプラスチックの弁当箱の手配について確認するム・ジョンハン。

木曜日のオープンを控え、一同喜びの表情です。

契約が終わる前にオープンを迎えられて嬉しいとのジュリの言葉に、部長にしっかり伝えておいたのでたぶん延長は大丈夫だろうとジョンハン。

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その言葉に笑顔を見せるジュリ。

コ課長はミス・キムはどうするのかと尋ねますが。

「私はもちろん、その後はこの席にはおりません」

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・・・・・・ですよね。

しかしファン部長は諦めていませんでした。

ク代理を呼びとめ極秘指令を下します。

「どんな手を使ってでも、ミス・キムを再契約させろ!」

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無理だと思うんですけどね。(笑)

かくしてミッション・インポッシブルに協力することになるク代理とミング、ギョンウ、コ課長。

ギョンウはお姉さまたちの協力も取り付けます。

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ファン部長にミス・キム再契約攻略案を報告するク代理。

「ミス・キムに新名命名?」

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「ミス・キム特別仕様の合コン?」

「ミス・キムの名札づくり?」

「ミス・キム専用机&椅子?」

その他、出勤用の専用車を用意することなどが書かれてあります。

「ミス・キムの資格証陳列ショー」や「最強の時間外手当講座の開催」なども。

こりゃ駄目だ。(笑)

「こんなものしかないのか? ロビーにミス・キムの銅像を建てるだ?」

あきれ返るファン部長。

珍しく視聴者と意見一致です。(笑)

ひとまずミス・キム買収作戦に出るク代理&ミング。

ミス・キム行きつけの食堂でどれだけ食べても食事代が会社持ちになる無料券を差し出します。

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私、なびいちゃうかも。(笑)

しかしその券をコ課長に譲っちゃうミス・キム。

「コ課長が私の代わりに末永く会社にお勤めになって、思う存分召し上がってください」

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撃沈。

これ、コ課長が出したアイデアでした。(笑)

お次は草食君ギョンウ。

ギョンウはミス・キム専用部屋のアイデアで攻めます。

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裏紙作り専用机から、朝の体操空間、ワンタッチ時間外手当請求機、衝撃に強いキーボード、電動床拭き機が備え付けられています。

ちょっと見てみたい。(笑)

Yジャンと再契約した際にはこんなシステムを備えた部屋を用意させるとギョンウが言い終える前に、睨み付けて黙らせるミス・キムです。

とくれば、残るは正攻法のこの人。

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二日後の契約満了を控えたミス・キムを説得します。

「違うといわれても、ジュリさんやミス・キムさんは僕たちの同僚なんです。僕はミス・キムさんといつまでも一緒に働きたいです」

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でもミス・キムのスタンスは変わりません。

「私は最初に会った時に申し上げたとおり、絶対に契約の延長はしません」

なぜいつもきっかり3ヶ月で職場を去るのかと尋ねるジョンハン。
ミス・キムは静かに理由を話します。

「98箇所です。私がこれまで契約社員として働いた会社は。
口の利き方が気に入らないとクビになったこともありましたし、詐欺にあい給料を巻き上げられたこともありました」

らしからぬ意外な過去に驚くジョンハン。

「そして、あれほど多くの会社に勤めましたが、私にいまのようなことを言ってくれた上司は、チーム長が初めてです」

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「ですが、私はもう同僚をつくりたくありません。
それが、私が絶対に契約を延長しない理由です」

がっくりとうなだれるジョンハンに、声をかけるミス・キム。

「チーム長。チーム長はいい上司でした。優しすぎるのを除けば」

その言葉に思わず笑い声を上げるジョンハン。

「それはそうと、ギュジクには会わずに行くつもりですか?」

その言葉にミス・キムは押し黙ります。

夜。

ベッドに入り、ギュジクの告白を思い出すミス・キム。

「あんたのことばっかり思い出しちゃうんだよ。
本気なんだ、俺は!」

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ギュジクを振り払うように頭から布団をかぶるミス・キムです。

こうして迎えた木曜日。

「母さんに優しくしよう」のお弁当カフェオープン日です。

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慌しく準備を整える中、場内で流す案内音声のファイルを忘れてきてしまったことに気がつくジョンハン。

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原稿はあるものの、録音したMP3を忘れてきてしまったのでした。
だったら携帯などで録音しなおせばいいとのコ課長の言葉に、自分で原稿を読もうとするジョンハンですが、ギョンウとジュリに止められます。

・・・・・・確かにジョンハンの声で流れるのはちょっと。(笑)

「じゃあ、誰に・・・・・・?」

ジョンハンの言葉に、一斉にミス・キムを見つめる一同。

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「ミス・キムさんは、声優の資格も持ってらっしゃるんじゃ?」

「いいえ! そんなものはありません!」

ギョンウの言葉を即座に否定するミス・キム。

「ですが!
国会議員選挙の遊説で選挙区の候補者を3名当選させたことがありますが!」

そんな遊説はキケンです。(笑)

かくして録音に臨むことになったミス・キム。

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『今日も私のお弁当にはキムチと豆もやしのナムルだけです。母さんがご飯の上に乗せてくれた目玉焼きは、とっくに図体の大きな友だちの口に運ばれてしまいました。ソーセージ炒めとトンカツがおかずの友だちのお弁当に比べたら、私のお弁当は貧相です。それで母に文句を言いました。
“ソーセージを入れてよ! いつも豆もやしのナムルじゃカッコ悪いんだよ!”
母さんは静かに微笑みながらこう言います。“豆もやしは背が伸びるんだよ”。
10ウォン玉まで家計簿につけていた母さんの気持ちが、なぜあの時は分からなかったのでしょう』

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『わが子の子どもじみた不満を受け、朝早くから作ってくれたテンジャンシレギ(大根の葉の味噌煮)と豚肉のコチュジャン炒め。
それはもう一度戻って抱かれたい、母の心の味です』

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優しいミス・キムの声は、店を訪れたお客さんたちの胸にも染み入るように響きます。

思わず感激の面持ちになるマーケティング営業サポート部の面々です。

「亡くなった母さんを思い出すなぁ」

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コ課長の言葉に、思わずウルッとくる視聴者。

いえ、うちの母は健在なのですが。(笑)

そんな感激のメンバーに、ジョンハンがある事実を知らせます。

「このコメント、ギュジクに書いてもらったんです。僕が頼んで」

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思わず手が止まるミス・キムです。

大盛況のオープンを飾り、社に戻ってきた面々。
訪れたお客さんたちの写真を見せながら、ジュリも喜んでいます。

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そんな中、部屋に戻ってきたジョンハン。ジュリの再契約が決まったと、喜びの報告をします。

「じゃあ、キムちゃんは?」

コ課長がミス・キムを見つめた瞬間、定時の6時に。

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「私の契約は終わりました」

そう告げるとすっくと立ち上がるミス・キム。

「では、私はこれにて」

立ち去ろうとするミス・キムをみんなが呼び止めます。

「本当にこのまま行っちゃうんですか?」 byギョンウ

「送別会くらいやろうよ」 byコ課長

「今日は送別会くらいやりましょうよ」 byジョンハン

「そうしましょうよ、先輩」 byジュリ

そんな一同を見渡すミス・キム。

「いいえ、大丈夫です。お別れの挨拶が長くなっても、いいことありません」

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マーケティング営業部の面々も見守る中、一度は帰りかけたミス・キム。
思い出したように振り返り、言葉を続けます。

「今まで、ありがとうございました」

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そのまま去ろうとするミス・キムを、今度はポンヒが呼び止めます。

「ミス・キムオンニ!」

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ポンヒたちを振り返り、かすかな笑みを浮かべるミス・キム。

「お疲れ様でした」

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一言だけを残して、憎らしいほどクールに去ってしまうミス・キムです。

「まったく。キムちゃんは最後までキムちゃんらしいな」

空席になったミス・キムの机を見ながらつぶやくコ課長の言葉に、うなづく一同。

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ま、若干やりすぎですけどね。(笑)

ミス・キムはその足で、銀行の前に向かっていました。
ミス・キムを追い、隣に座って話しかけるジュリ。

「先輩」

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ジュリを見つめ、「契約延長、おめでとう」と口を開くミス・キム。

「本当にこんな風にやめちゃうんですか? 
先輩も一緒に働いちゃ、駄目なんですか?」

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「うん。駄目」

「先輩はなぜきっかり3ヶ月しか働かないんですか?」

ジュリの問いにミス・キムの目が遠くなります。

「卑怯になりたくないからよ」

思いがけない言葉に、戸惑いを見せるジュリ。

「一度契約が延長されれば、また次の契約延長を期待するようになる」

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「そのうち、もしかしたら会社から追われるんじゃないかと不安になり、いつかは卑怯になる瞬間が訪れるの」

ミス・キムはジュリに向き直ります。

「正社員か非正規職かは、重要じゃないのよ」

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「一番大切なのはね。あなたはただ、自分の道を行けばいいってこと。
この3ヶ月の間にその力を得られたなら、それで十分よ」

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愛情あるまなざしでジュリを見つめ、立ち上がって手をさし伸ばしたミス・キム。

「大変お疲れ様でした。チョン・ジュリさん」

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涙をためながら答えるジュリ。

「お疲れ様でした、ミス・キム先輩」

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なぜか視聴者も涙目。

潤んだ目を悟られまいと、目をあわさず立ち去ろうとするミス・キムの背中に、ジュリが叫びます。

「先輩、電話してもいいですよね?」

「駄目よ。やめて」

言下に拒否するミス・キム。

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足早に去るミス・キムに、なおもジュリが声をかけます。

「かけますからーっ!!」

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・・・・・・なにこれ。

泣ける。

一人家路に向かうミス・キムの携帯に、一通のメールが届きます。

屋台に座り、一人送られてきた動画を見入るミス・キム。

『ミス・キムさん。ミス・キムがいなくても、朝の体操ちゃんとやります。
会えなったら、寂しくなるでしょうね』 

『キムちゃん、近くを通りがかったら寄っておくれ。あの食堂でご飯おごるから。
キムちゃん、ありがとう』 

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『ミス・キムさん、うちの娘もミス・キムさんみたいにしっかりした子に育てますから!』

『子どもが生まれたら、写真送りますね!』

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『シン・ミングです! 今まで言えなかったんですが・・・・・・。
姉さん! スーツ、メッチャ似合ってました! 最高!』

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『オンニ! 化粧栄えも最高! ・・・・・・ってこれはまずい?
とにかく、お肌超キレイ!! 会えなくなるのが寂しいです!』

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『これからは、私たちがオンニの代わりにミス・トリオになりまーす!
“ワタクシの業務ですが、なにかっ?!”』

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『ミス・キムさん、今までお疲れ様でした。
私、これからオフィスでは髪を束ねますね』

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『ミス・キム先輩、ジュリです。先輩がやめちゃうのを皆寂しがっているので、私が一言ずつ言おうって提案したんです。まぁ、これも見てくださるか分かりませんが』

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『ミス・キム先輩、本当に本当にありがとうございました。
それと先輩・・・・・・。愛してます!』

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『あいしてま~す! ・・・・・・って、チーム長! チーム長も一言!』

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『えっと、ミス・キムさん・・・・・・。ありがとうございました!』

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映像を見終えたミス・キム、こぼれそうな涙をそっと拭います。

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怒涛の波状攻撃に、視聴者も、涙。(笑)

そして、すっかり忘れかけられていたこの人のもとに、ジョンハンからメール。

『ギュジク、ミス・キムさん、今日契約終了になったよ』

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ソウルに向かうギュジク。

一方barマチュピチュにはビンナがきていました。
既にすっかり酔っ払ってしまっているビンナ。

「今日じゃなかったら会えない気がして、きました」

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「何の用ですか?」

「好きなんですか、ギュジクオッパのこと?」

藪から棒な質問に眉をひそめるミス・キム。

「なぜ私がプライベートな空間でクム・ビンナさんからこんな目に遭わされなければならないんでしょう?」

「答えてください。答えて欲しいんです」

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「随分酔ってるみたいですね。帰ったほうがいいですよ」

きびすを返したミス・キムの背中に、ビンナが叫びます。

「私は好きなの!」

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「好きだから、会社にまで追いかけてきたのに。なのに、ミス・キムさんは? なにをしました?」

ミス・キムは静かに席に座ります。

「クム・ビンナさん。世界で一番愚かなのは、男を理由に働くことよ」

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「そんな間抜けことを言って絡むのは、勝手に家で一人でやって」

「ええ。私は馬鹿です。でもオンニは、卑怯です」

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「自分が誰かを好きか嫌いかも、分かってないじゃない」

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ビンナの言葉に固まったミス・キム。
ビンナはふらつきながら店を出て行きます。

一方その頃ギュジクは。

ジョンハンに会っていました。

母の事を初めて打ち明けられ、驚愕するジョンハン。

「なんで今まで言ってくれなかったんだよ?」

「お前あの時、デモの鎮圧やってただろ。その時のことで、地下鉄にも乗れなくなった。そんなヤツに、言えるわけないよ」

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「おれ自身が忘れて生きてきたんだ。忘れないと生きられなくて。
母さんがあんなふうに亡くなって、父さんもあんなことになって、俺がどんな風に生きてきたか、分かる?」

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「組織のない人間の人生がどういうものか、お前には分からないよ。それがどれだけの恐怖か。契約職のあまりの悲惨さに、俺は絶対に自分の子どもにはそんな思いをさせまい、俺は必ず正社員になって組織の中で生涯安全に生きていかなきゃって、そう意気込んで大企業に入ったのに。同じことを経験したあの女は、全く正反対の方向に向かっていたんだ」

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「ひとりでいきがって、強がってさ」

寂しげなギュジクの笑みがつらくて、酒をあおるジョンハン。

「ごめん。俺、知らなくて、ごめん」

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「ギュジク。俺はただ、お前が後悔しなければいいなって思ってる」

その言葉に弱い笑みを見せるギュジク。

一方その頃、ミス・キムは旅立つ準備を整えていました。

机にしまっておいたギュジクの名刺が目に留まるミス・キム。

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ギュジクはbarマチュピチュを訪ねますが、ミス・キムはもう去ったと告げられます。

ギュジクに温かい飲み物を差し出しながら、ミス・キムの身の上を話し出すロサ。

「スンは両親を早くに亡くして、身寄りなく育ったんですって。それが、会社で母親のような人に出会って、その件で深い傷を負ったまま生きてるんです」

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「会社も、誰のことも、自分のことすら信じられず、ああ見えてもあなたと同じくらい孤独に生きてきたんです」

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その頃。

自室のベッドに腰掛けているミス・キム。

そしてジュリも、部屋でミス・キムに言われたことを思い出していました。

いつかは卑怯になる瞬間が訪れるといっていたミス・キム。
正社員だろうと非正規職だろうと、重要なのは自分の道を進むことだと言っていたミス・キム・・・・・・。

翌朝。

ジュリはジョンハンに、契約延長はしないと伝えます。

なぜかと驚くジョンハンに、自分でも良く分からないが、Yジャンは自分にとってはあまりに大きすぎるとジュリ。

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「契約を延長していただいただけでも本当に感謝していますし、チーム長とも、ギョンウさんやコ課長ともいつまでも一緒に働きたいんですけど・・・・・・」

「そうしたらいいじゃないですか」

「でも、自分のことだけを考えたら、私をもっと必要としてくれる場所があるんじゃないかって、思えるんです」

ジュリの言葉にうなづくジョンハン。

「分かりました、ジュリさん。でも、残念すぎますね。もう会えないなんて」

ジュリがすかさずその言葉を否定します。

「いいえ、会います! チーム長には会います!」

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「私と、お友だちになったらいいんじゃないですか? ハハ、ハハハ・・・・・・」

顔を見合わせてぎこちなく笑いあうジョンハンとジュリです。

・・・・・・カップル誕生の予告?
でも最終回ですけど?(笑)

となれば、ジュリに思いを寄せるこの人も登場。

「ジュリさん!」

会社を出るジュリを呼び止めるギョンウ。

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「その・・・・・・。渡しそびれたものがあって」

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(ガバッ!!!)

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意外に大胆な面が。(笑)

勝手に抱きついといて、勝手に走り去るギョンウ。

勝手な台詞を言い残し。

「初恋でした~!」

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「って言われても」ってことですよね。(笑)

ギョンウ、自己完結型ですね。もうちょっと押すなり反応見るなりすればいいのに、なぜに逃げる?(笑)

一方、クールにbarマチュピチュを去るミス・キム。

「たくさん恋してきて」

「ええ、ロサも」

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barマチュピチュの美青年、以前自分をミス・キムの恋人だとギュジクに名乗ってましたが、あれはなんだったんでしょうか。単なるダミー? それとも美青年のロンリーダンシング?(笑)

颯爽と国外に向かうミス・キムです。

一方その頃、ギュジクはジョンハンからメールを受け取っていました。

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ミス・キムさんの番号だよ。ジュリさんに教えてもらった。

ミス・キムへの思いを知るジョンハンが精一杯のアシストを試みているのですが、ギュジクは笑顔を見せただけで電話をかけません。
むしろ清々しく伸びなんかしちゃってます。

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え? まさかこのまま離れ離れ?

ってことはないんです。ドラマですから。(笑)

工場内で技術者と二人きりのギュジク。
技術者のおじさんは何度注意してもバルブに乗っかって作業する悪癖を改めません。
今日はとうとうバルブに亀裂が入り、中からガスが密かに漏れ出します。

そうとは知らずに、鉄格子をあけて外に出ようとした二人。
ところが扉が硬くて開かず。
ギュジクが代わって開けようとするも、なにがいけなかったのか取っ手が取れてしまいます。

ふと後ろを振り返ると、「シューシューシュー」。

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ガス漏れする工場に閉じ込められてしまった二人。
ギュジクは消防に慌てて助けを求めます。

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どんどん充満してくるガスに、徐々に衰弱していく二人。

すっかり弱気になった技術者は、携帯を取り出し、妻にお別れの電話を始めます。

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「あんまり喋れないから、黙って聞いてくれ。お前がタンスに隠してたヘソクリを使い込んだのは、俺だ。それと、結婚するとき俺が買ってあげたダイヤの指輪だけど、あれ、ニセモノなんだ。すまん! 本当にごめんな!」

泣きながら最後の電話をかける技術者を横目に見るギュジク。
思い出されるのはミス・キムとの思い出。

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ギュジクも意を決し、携帯を取り出します。

タクシーで仁川空港に向かっているミス・キムの元に届いた、一通のメール。

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あなたのせいじゃないよ・・・

たった一行のメッセージ。

ミス・キムが何かおかしいと感じた瞬間でした。
ラジオから流れる、Yジャン流通センターでのガス漏れ事故。
管理者のチャンさんと技術者が閉じ込められているものの、救出は難航しているとのニュース。

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混乱する事故現場。

近所の人たちが心配そうに見守る中、駆けつけた救急と消防が救出に向けた準備を進めています。

そこに飛び込んできたミス・キム。

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無言のまま工場内の見取り図を確認し始めるミス・キムに驚く消防隊員。

「ちょっと、あんた、なにするんだ!」

「災難人命救助員、ミス・キムです!」

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出たーーー!!

待ってました!!(笑)

呆然とする救助隊にかまわず駆け出すミス・キム。

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酸素ボンベを担ぐと、一目散にはしご車に駆け上がります。

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「はしご車出して!」

「え?」

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「急いでーーーっ!!!」

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最終回、こうでなくっちゃ!(笑)

はしご車で吊り上げられ、工場の屋根に降り立つミス・キム。

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天井からのぞくと、すっかりぐったりしている二人が目に入ります。

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「・・・・・・お? ロープが降りてきたぞ! ロープが降りてきた!」

技術者の声に朦朧としながら目を開けたギュジク。
そこには驚きの光景が。

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降り立ったのは、ミス・キム。

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「キムさん?!」

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驚くギュジクに、自分のマスクをかぶせるミス・キム。

「なんでアンタがここに?!」

「喋るな! 聞こえない!」

明らかに自分が無視されているのに気づいた技術者のおじさんが、すがるようにミス・キムを見ます。

「ちょっと! 私のは? 私のは?!」

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「死にません!」

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おじさんにももうひとつのマスクをかぶせ、二人をロープで引き上げさせます。

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「キムさん! 一緒に行かなきゃ駄目だって! 自分はどうすんの?!」

マスクをかぶってモゴモゴ叫ぶギュジクに「だから聞こえないってば」と小さくつぶやくミス・キム。

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かっけー。

ミス・キム、最後まで無敵です。

しかし。
ミス・キム、あの火災事故を経験したからこそ、災難人命救助員の資格まで取ったのでしょうね。そう思ったら鼻の辺りがツーンときちゃいます。もしかしたら、もう大切な誰かを二度と失うことがないように、あれだけたくさんの資格を手に入れて備えてきたのでしょうか・・・・・・?!

おーーん!(泣)

ミス・キムが外に出ると、ちょうどギュジクがストレッチャーに乗せられ、運ばれているところでした。

ギュジクと向き合うミス・キム。

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「キムさん・・・・・・。痩せたじゃん」

酸素マスクを外して軽口をたたくギュジク。

「・・・・・・ったく。大丈夫そうね」

クールに言い残し、そのまま去ろうとするミス・キムの手をギュジクがつかみます。

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「あなたのせいじゃないよ」

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「母さんのこと、あなたのせいじゃない。だから、行くなよ」

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ミス・キムは動揺しながらも、ギュジクの手をすり抜け、歩き出します。

その背中に、なおも声をかけるギュジク。

「帰ってこいよな」

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揺れる気持ちを抑え、涙をこらえながら力強くまた歩き出すミス・キム。

ギュジクはその強がった背中を見つめながら、ひとりごちます。

「必ず帰ってこいよ。ミス・キム」

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そして流れる、ジュリのモノローグ。

誰が、誰に、いけないことをしたのだろうか

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私たちは互いに、悪いことをしたのだろうか

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ただ私たちは、誰もがひとつの電球に過ぎず

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みんな自分の電球を灯しただけなのに

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私たちはなぜ

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互いに傷つけあわなければならないんだろう

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でも重要なのは、クリスマスツリーは電球がなければ輝けないということ

私たちは誰も皆、光る電球なんだ

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それから半年後。

Yジャンの「母さんに優しくしよう」は店舗を驚異的に増やし、新聞の社会面に取り上げられるまでになっていました。

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優秀な社員を表彰するための「Yジャン人」発表の場。

名前を呼ばれたのは、もちろんジョンハンです。
ジョンハンはマーケティング営業部のチーム長になっていました。

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祝福する部下たちに送られ、ジョンハンが壇上に向かいます。

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受賞の辞を述べるジョンハン。

「自分はこうした賞は縁がないものと思っていたのですが・・・・・・」

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「私がYジャンに入った時の夢は、ただひとつでした。食べる人が幸せになるような食べ物を作ろうということ。実は私は、今日この賞をもらわないつもりでいました。この賞をもらうべき方々は、他にいるからです」

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「“母さんに優しくしよう”というお弁当カフェは、社会人になったばかりのひとりの女性契約職のアイデアによって生まれました。また、危機に直面するたびに超人的な能力を発揮してくださったもう一人の契約職のかたが、そのアイデアを実現させてくれました。チョン・ジュリさんとミス・キムさん。そのお二人がいらっしゃらなければ、こんにちの“母さんに優しくしよう”の成功は、ありえませんでした。そしてそのお二方とも、この場にはいません」

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「なので、私がチーム長だというだけでこの賞をいただく資格は、ありません。
・・・・・・と言おうと思っていたのですが、この賞はその二人の契約社員と、ともに頑張ってくれた正社員のために、その方々とともに分け合うために、私が代わりに頂くことにします」

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もーー、なにほんとー。

いちいち泣かせるんですけど。

さすが最終回。(笑)

そしてそれからさらに半年後。

スペインはグラナダでバーテンダーをしているミス・キムのもとに、一通の手紙が届けられます。

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手紙はジュリからでした。

店の裏で手紙を読み始めるミス・キム。
ジュリの声に重なる、みんなの近況。

『ミス・キム先輩。ジュリです。お元気ですか? この前、Yジャンのみんなとの飲み会に行ってきました。みんな先輩がどうしてるか気にしてましたよ』

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『ムチーム長は、マーケティング営業部のチーム長になりました。性格は相変わらずで、いまだに彼女なしです。
ク代理はサポート部のチーム長になり、ギョンウさんはミングさんよりも先に代理に昇進したそうです』

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ギョンウにタメグチを聞いたところとがめられるミング。

「おい、もしやいまケ代理にタメグチきいた?」

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「いいえ、クチーム長」

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「だよなぁ? ケ代理が年下だからって、味噌も糞も区別できないのかと思ったよ。同じ部署じゃなくても、ケ代理はシン・ミングさんの上司だからな!」

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ありましたねー、そんなむかつく台詞! なつかしい!(笑)

ジュリの手紙が続きます。

『ポンヒさんは今回無期契約職になって、総務部に異動になりました。
あ。女の子は残念ながらク代理に似てるそうです』

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・・・・・・いや。別にポンヒに似たからといって・・・・・・。

って、なんてことを、この口が!

『ジランさんは大学の同期と一緒に会社の近くでネイルショップを開きました』

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『ダラさんは、今回も無事契約延長になり、マーケティング営業部に引き続き残ることになりました』

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『ビンナさんは、いまや女性職員の間では怖い先輩と認識されているそうですよ』

代理になったビンナを呼び止める新人社員。

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渡された書類に目をやり、抜けているグラフを入れ込んでもう一度提出するようにビンナが伝えています。

「あ、それと」

ポケットからおもむろにゴムを取り出すビンナ。

「これで髪の毛をきれいにまとめてきてください」

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にこやかに拒否する新人社員。

「でも、私、髪は結ばないんです。後がつくのが嫌だから」

毅然とした麗しい調子でもう一度言います。

「ハサミで切られる前に、今すぐ結んできてね」

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ビンナのミス・キム化!(笑)

なんか感動的。

『あ。ファン部長のことは詳しく聞いてませんけど。部長もお変わりなく元気に過ごしてるみたいです』

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ファン部長、またしてもマーケティング営業部の企画がコンペで入賞したらしく、ガッツポーズです。
ところがそれは、サポート部の契約職「アン・ジュリ」の企画案らしく。

毎度契約職に世話になってることに、いい加減気づいて欲しいです。(笑)

『コ課長は退職して、“母さんに優しくしよう”15号店の社長になりました』

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社長になってもミス・キム体操は、継承。(笑)

『そして私は。最近童話作家としてデビューしました』

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「あ、あの。この本、何冊売れましたか?」

「10冊です」

「え? 今日一日で?!」

「・・・・・・今月で」

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『学資ローンはまだ返せていませんが、それでも遅刻の心配をしなくてすむので、いい仕事です』

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『最後にチャン・ギュジクチーム長ですけど。
まだ本社に戻れていないそうです』

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手紙を読み終え、物思いに沈むミス・キム。

1年が過ぎても、地方の物流センターで管理者として働くギュジク。
相変わらずこわもてドライバーたちには舐められっぱなしです。

「何度言ったら分かってくれるんですか。このルートで配送してください」

「うるさいな、俺の勝手だろ。今から大田に行くから。じゃあな、パーマ」

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ドライバー、無骨です。でも、なにげにギュジクも、ひ弱じゃありません。

ジョンハンだったら病気になってそう。(笑)

そこへ、書類を持ってやってきた部下。

ギュジクは契約職の面接が控えているのを思い出します。

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部下とともに面接の部屋に向かうギュジク。

ドアを開けて入ろうとするも、「そっちじゃありません」と呼び戻され。

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そう。

その中にいた人こそ、この玉ねぎネット頭。

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われらがミス・キム!

ミス・キムも別の面接官に面接を受けていたのでした。

「志望動機を聞かせてください」

聞かれても黙っているミス・キム。

「聞いてます? うちにくる前はどんな仕事を?」

面接部屋から漏れ聞こえる妙なやり取りに、思わず足を止めるギュジク。

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よもやそこにミス・キムがいようとは、まだ知る由もありません。

「俺の声、小さい?」

「いや」

おかしな態度の応募者に戸惑う面接官たち。

「うちにくる前にどんな仕事してたか聞いてるんですけど?」

まったく答える気配のないミス・キム。
おもむろにカップを手にします。

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香りを嗅ぎ、一口含んだ途端に顔をしかめるミス・キム。

その表情に、思わずギョッとする面接官。

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「コーヒーを淹れたのは誰です?」

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厳しい口調で尋ねられ、呆気に取られて顔を見合す面接官。

二人を一瞥し、ミス・キムが言葉を続けます。

「今後コーヒーは、私が淹れます」

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不敵な笑みを浮かべたミス・キムの顔で、ラスト。

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(END)

ラストカットに続いて流れる、これまでのオフショットがとても良くて。

ユンナの歌うOST『멀리에서 안부/Greetings From Afar』に切り替わってからは、もう視聴者どうしようもなく涙腺決壊。(笑)

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本当にいいドラマでした。

キャスト、脚本、OST、すべてがパーフェクト。

軽く流せるドラマのような見せかけでありながら、なんとも奥深かったです。

働くということと無関係な人はあまりいないでしょうし、ましてや人生をどう生きるかというテーマと無関係な人など、いませんよね。

会社という舞台設定のなかで、多くの非正規雇用者が共感できる悲喜こもごもや、正社員が経験する厳しい現実などを描きつつ、でもじっと見ていくと「自分はどんな選択で今この瞬間を生きているのか」という問いかけが流れていたりして。

単純に白か黒か、上か下か、右か左か、善か悪かを二分法で断じてしまいがちな世の中で、立場の違うそれぞれの人たちを丁寧に描くことで単純な落とし込めを排し、「自分が行くべき道を生きる」ということを語りたかったドラマのようにも思える『職場の神』。
あまたあるドラマの中でもこのドラマを見られて、本当に良かったです。

キム・ヘスさんは常に堂々としていて、他の追随を許さない圧倒的な存在感から今までも好感を抱いていた女優さんでしたが、この役は一番のはまり役なのではないでしょうか。このドラマで本当にすっかり大好きになってしまいました。

必要に応じて政治や社会の不正義に対してもしっかりNOを発言できる、人としてのまっとうさに加え、主役でありながら脇役の人たちを常に気遣い面倒を見る、温かい人柄の持ち主でもあるキム・ヘスさん。
私が最近大好きなチョ・ジョンソクさんも、以前キム・ヘスさんから直接電話をもらい、自分の相手役のオーディションがあるので、受けてみるよう勧められたことがあるんだそうです。まだ大衆的には無名だったチョ・ジョンソクさんの舞台を見て、その才能をいち早く見抜いていたんですね。その映画は結局別の人が相手役を務めましたが、映画『観相』で二人は共演しています。

また、コ課長役を勤めたキム・ギチョンさんも、俳優生活20年ながら、これまでは映画や舞台が中心でほとんどテレビには出ていない人物。
このドラマでは「お荷物のコ課長」から「愛すべきコ課長」までを演じ、私もたびたび優しいまなざしにジーンときましたが、印象深いこの役のおかげでようやく近所を歩いていて声をかけられるようになったのだそうです。
この素敵なドラマをきっかけに、よりたくさんの作品でいい演技を見せてくれたらいいですよね。
そしてキム・ギチョンさんも、以前キム・ヘスさんと映画で共演しているんですよね。
もしやここにもキム・ヘスの推薦力が?(笑)

私がこのドラマでもうひとつ気に入っていたのが、脇役含めて味のある役者さんが多い点でした。主役は決してミス・キムとチャン・ギュジクだけでなく、登場人物の多くにスポットライトが当たる脚本も、物語に深みを与えるのに寄与していたと思います。

とまぁ、褒めても褒めても褒めたりない『職場の神』。
こんなに笑わせて泣かせてくれる、心温まる清々しいドラマは、なかなかないと思います。これをとうとう書き終えてしまうのが、とっても寂しいです。
って、既に放送が終わって2ヶ月弱経とうというところなんですが。(笑)



みなさまも、このドラマが日本に入ってきた暁には、是非ご覧になってみてください。

はじめから最後まで、まったく飽きさせずに魅せてくれるドラマなので。

・・・・・・あ。このドラマ、そういえば『ハケンの品格』のリメイクだったんですよね。

もう途中からこの事実をすっかり忘れてしまってました。(笑)