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31 2011年10月
みなさま、こんにちは。
関東地方、今日は暖かい秋の日差しが降り注いでいます。
早いもので、10月も今日で終わり。
そろそろ平野部でも紅葉が見られるようになる頃でしょうか。
この週末、私は埼玉県日高市にある高麗神社に行って参りました。
高麗神社には高句麗からの渡来人・高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)が祭られています。
若光は716年、武蔵国に新設された高麗郡の首長としてこの地に赴き、未開の原野だったこの土地を豊かな土地へと開拓したそうです。
高句麗は紀元前38年が起源とされ、668年に新羅に滅ぼされるまで約700年続いて栄えた朝鮮半島北部の国です。
新羅に滅ぼされたあと、1799人の高句麗人が「高麗神社」とあるので朝鮮半島で李王朝が建国される前に栄えていた朝鮮半島発の統一国家・高麗(コリョ/こうらい)と間違える方もいらっしゃるかもしれませんが、高麗よりもっともっと前の高句麗のことを「高麗(こま)」と呼んでいます。
日本で奈良時代が始まったのは710年からというのが定説ですので、ちょうど飛鳥時代の終わりから奈良時代にかけてという感じでしょうか。
この頃のこの地域は確かに未開の地だっただろうと思います。
高句麗王族とされる高句麗使の玄武若光が703年に高麗王の姓を飛鳥朝廷から下賜され、以後高麗家となるのですが、飛鳥時代といえば聖徳太子。そういえば聖徳太子もともに活躍した蘇我氏同様、朝鮮半島からの渡来人とも言われていますよね。
そう考えるとまた悠久の歴史ロマンが楽しくなってきます。
もしタイムマシンに乗ってこの頃の日本列島や朝鮮半島を見て回れたら、私たちが現在でもまったく知らずにいるさまざまな人種や民族がうごめいている気がして、想像するだけでわくわくします。
歴史の惜しいところは、これを記述できる人間が必ず統治する側、権力を持つ側でしかありえないというところですよね。
政治的な判断やその時々の思惑、状況でいくらでもそれを記述する権限を持っている者によって都合よく書かれてしまうでしょうから、国の歴史書に記されないことにこそ真実があったりするのではないかと私は常々思っています。
誰にも書いてもらえず、あったことすら知られることなく消えていった無数の出来事をほんの少し想像させてくれ、存在の可能性を感じさせてくれるのが、民間に伝承されている物語なのかもしれませんね。
ともあれ、もしこれから行かれる方がいらしたら是非見ていただきたいのが、本殿に参拝するための階段の上に掲げられた板。
「高麗」の文字の間に小さく「句」と書かれています。
歴史考証とは離れた噂レベルのお話ですが、戦前にここを訪問したとある韓国人が「高麗ではない、高句麗だ!」とのことで書き加えたとも言われております。看板の文字、なかなかのミステリーです。
宮司様にわざわざお尋ねするのは申し訳ないので確かめずにおりますが、こちらを訪れるたびにあの控えめな「句」は誰が、どんな思いで刻んだのだろうと想像して楽しくなります。
もしかしたら、あの看板を作った匠が高句麗の末裔で、つい書き加えた、などということがあったら楽しいですよね。
いえ、もしかしたら、楽しいなどとは言えない、重たい裏話があったりするのかもしれませんが。
現在の宮司さんはなんと直系60代目なのだそうです。
こういうところにお嫁に行く方は、さぞやプレッシャーだろうなと要らぬ心配をしてしまいます。(笑)
この高麗神社、行かれたことのある方ならお分かりでしょうが、奉納をされた人の名札が鳥居に入る前の左手奥にあります。
歴代総理大臣や文豪の名前が並んでいます。
高麗神社は非常に有名な「出世明神」だそうなのです。
ここにお参りした直後に総理大臣になった人が多く、それでたくさんの有名政治家が奉納しているようです。
現在も活躍中の芸能人や文筆家の名前を探すこともできます。そして、当然ながらコリアンの名前も多いです。
現在のように「高麗神社」という名になったのは明治以後で、創建当初は「高麗明神」、以後もさまざまな名で呼ばれていたようです。
私は高麗神社に行くと非常に清々しく良い気分になります。
本殿で手を合わせると、当たり前のように韓国語でお参りしてしまいます。
このような場におまいりできて、とても楽しく幸せです。
ちなみに、高句麗の人間を祭っているとのことから、ヨン様ファンの方もたくさんお参りにいらっしゃるそうですね。
韓国で2007年に放送されたMBCのドラマ『太王四神記』で主演を務めたペ・ヨンジュンさんの役どころが高句麗第19代の王、広開土王であったためだそうです。
他にも、高句麗の建国者を描いた2006年のドラマ『朱蒙(チュモン)』の影響で、「高麗神社」を訪れる人がいらっしゃるのだそう。
参拝をすませて右手に進むと、事務所や待合室が見えるのですが、その入り口にそうした韓流関係の記事が貼ってあるので、場違いな感じがとても面白いです。(笑)
高麗神社から少し足を伸ばすと、すぐ近くに「聖天院」というお寺があります。こちらは若光を祭ったお寺で、若光の廟があります。
拝観料を300円払って上まで階段を上ると、あたりの景色を一望できてなかなか素敵です。
上まで息切れしながら上ると、朝鮮半島の歴史的人物をかたどった石造が並び、「在日韓民族無縁仏の慰霊塔」が中央にあります。
慰霊塔の左手前には八角亭を縮小した建物があり、さらに上に上ると、朝鮮半島の神話の人物・「檀君(だんくん)」の石造が出てきます。
なんだか盛りだくさんな「聖天院」です。
もっとも、一度上ればもういいかな、という感じがしなくもないのですが。(笑)
清浄な気が満ちた高麗神社、またそのうち訪れてみようと思います。
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4 Responses for "高麗神社"
香夏さん こんばんは~♪
古刹を巡る旅、素敵ですね♪
普段何気なく通り過ぎている神社・仏閣にも数々の歴史とロマンがあるんだろうなあと
改めて思いました。
何かのテレビ番組で知りましたが、日本はコンビニより神社の数の方が多いそうです。
住宅街に突然祠があったりしますよね。
その一つ一つに「句」を書き入れた方のようなエピソードがあると思うととてもワクワクします。
「句」を書き入れようとハシゴを登ったけれど、大きくは書けなかった。
その辺の矛盾をぜひ知りたいものです。
「記述できる人間が統治する側」の記事、私も常常思っていました。
立派な歴史書より口述伝の方が何倍も面白く興味深い♪
アフリカのある先住民族で「隕石が落ちてきて大地が真っ赤に染まった」と歌い継がれているが、
隕石が落ちた時代、考古学的に人類は存在しなかった、、、
こんな話を聞くと何だかソワソワしてしまいます。
脱線してすみません(汗)
しかし韓ドラブームというものは、こんな所にも波及するのですね!
先代の宮司さんには想像もつかなかったことでしょうね。
余談ですが、先日法事で住職の奥様とお話しする機会がありました。
一番の悩みは「家(寺)を空けられない事」だそうです。
住職が法事やら会合やらで不在が多く、檀家さんの為に自分が家にいなければならない。
将来の夢は息子に寺を継がせて世界一周旅行をする事、と笑っていらっしゃいました。
また脱線してしまいました(笑)
高麗神社ぜひ行ってみたいです。
出世のお願いを韓国語で出来たらいいなぁ(笑)
朝晩は冷えるのに日中は夏日の陽気が続くようです。
香夏さんもどうかご自愛なさって下さい。
また楽しい記事をお待ちしています♪
小池さん、こんにちは。
コメント、どうもありがとうございます。(*^_^*)
実は私、時間ができたので急遽ソウルに来ています。
小池さんに「すごく寒いらしいですよ」とお伝えしたのですが、驚くほど暖かく、今日の最高気温は21℃、明日も22℃だそうです。
分厚い服ばかり持ってきてしまい、着る物に困っています。(笑)
どうぞお越しにくる際は、ソウルの週間予報をチェックなさってみてくださいね。
住職様の奥様のお話、夢が叶うといいですね。
普通の人が休む時に休めないご職業ですと、本当にどこにもいけませんものね。
息子さんには、引継ぎの圧力が高まってお気の毒かもしれませんが。(笑)
小池さんも是非、いつか高麗神社にいらして、韓国語で出世のお願いを!なさってみてください!(^^)
こじんまりした小さな場所ですが、感謝の気持ちでお参りすると、なんだか高麗神社なら叶いそうな気がしてくるんですよ~。不思議です。
近くにある西武線の高麗(こま)駅には、チャンスンと呼ばれる一対の木の柱が立っていて、旅の気分を盛り上げてくれます。
小池さんの韓国の旅もとても楽しいものになりますように♪
また是非遊びに来てくださいませ。
こんにちは~
私は大阪在住なので、京都も近いのですが春や秋はだめですね。
観光客が多すぎます!夏は暑すぎますし…
と言うわけで、冬のだれもいない寒い日に京都のお寺にこそっと行きます。
そうするとシーンとしていて、日々の喧騒が嘘のように感じられます。
霊験あらたかでご利益満載(?)の神社仏閣もいいのですが
有名になりすぎるのも、問題です(笑)
高麗神社へはよく行かれるのでしょうか?
心をリフレッシュできる場所が身近にあるのはいいですよね。
その場所の由来や歴史に思いをはせながら、お参りすればご利益倍増!ですよ。
あ、下心ありすぎはダメですね…(笑)
けいこさん、こんばんは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
冬の誰もいないときに京都のお寺参りだなんて、とても風情があっていいですね。
たくさんの人が集まる場所には、それだけ色んな思いも集まってくると聞きますので、人気がない時のほうが願いも届きそうな気がしますよね。
なんて下心満載で返してしまいましたが。(笑)
高麗神社はよく行く場所なので、教えていただいたようにご利益倍増を狙ってさらに知識を深めてみますね。
って下心ありすぎではダメなのですよね。(笑)
けいこさんも素敵な秋を楽しんでくださいませ。(^^)
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