みなさま、こんにちは。

今日は『六龍が飛ぶ』第11話をアップします。

11話は予想通り、わがタンセの出番が極端に少ない回でした。でもストーリーは入り組んでてなかなか面白いので、がっつりまとめておきましょう。

10話の続き。ヨニに安辺策はバンウォンの仕業だったと知らせるチョン・ドジョンで11話は幕開けです。

イ・インギョムは妓楼の女将チョヨンのところに出向き、キル・テミとホン・インバンをバンウォンと絡めて陥れる策を練ります。

そして届けられた謎の書。そこには東北地方の租税を巡ってイ・ソンゲとキル・テミ、イ・インギョムの密約があったと書かれていました。
騒ぐ官僚たちにでたらめだと言いつつも、心が揺れるチェ・ヨン将軍。
当然イ・インギョムの仕業です。

緊急会議が召集され、詰問攻めあうキル・テミとホン・インバン。何か裏があるはずだと追求されます。あれほどイ・ソンゲのことを警戒していたはずなのに、「安辺策」を急に認めたのは怪しいと。

そこへさらに、キル・テミの息子が昨日東北地域の官吏職として辞令が下ったとの文章を持って現れるチェ・ヨン。租税を担う官職なだけに、官僚たちはさらに疑惑を深め。イ・インギョムの思う壺に政治は揉め始めます。

チョン・モンジュは唯一、親友のイ・ソンゲはそんな裏取引をする人間ではないと信じているのですが、最も清廉な人間であるイ・ソンゲという人物は、こうした醜聞の対象となったというだけでも充分ダメージを受けると憂慮していました。

都にはバンウォンの兄パンガが到着し、長兄に事情を話し。パンガは安辺策撤回は間違っていると言うものの、長男は父には逆らえないと弟を黙らせ。

そうとも知らぬバンウォンは、ハムジュに責任を取りに行ってくると、荷物をまとめていました。

そこへヨンギュが飛び込んできて、父がバンウォンを連れ戻そうとしていることを伝えます。そして聞かされるのです、父が「安辺策」を撤回する意向であることを。

慌てて庭に飛び出したバンウォンは、二人の兄に父を翻意させてくると言いますが、末の弟に騙された長男は、「ハムジュで罰を受けたあと、謹慎していろ」と怒り心頭です。
バンウォンは兄バンガにすがって止めますが、そこへバンウォンを捕らえに人々がやってきてしまい・・・・・・。

ホン・インバンとバンウォンが安辺策を通すに当たり違法な取引をしたというのが、逮捕容疑でした。

これもイ・ソンゲの裏にいる「影」、本当の裏をあぶりだすための、イ・インギョムの仕掛けでした。

囚われていくバンウォンのシーン。動画でご覧ください。

長兄たちに、父の撤回の意志を自分が翻意させてくると訴えるシーンから始まっています。

 

 

この直後、チョン・ドジョンはおりしもバンウォンに会いにきて、目の前で捕らえられていく様を見ることになり。

新たに展開された状況に対し、ヨニはむしろこれで良かったのだと述べます。無実のバンウォンが拷問の過程で死ねば、安辺策に対するバンウォンの勝手な所業が葬り去られるとヨニ。そうなればイ・インギョムとイ・ソンゲは引くに引けない関係になり、イ・ソンゲは結局チョン・ドジョンが思い願ったとおりの地位に上がるだろうと。また、予測不可のリスク、バンウォンに患わせられることもなくなると。

その言葉に「罪もないバンウォンを死なせるのか!」とバンウォンの兄弟子、ホ・ガンあらためイ・シンジョクは怒りますが、ヨニが切り返します。

「罪と死とには、はなから何の関連もありません。罪を問われて死ぬわけでもなく、罪がなければ生きられるわけでもないのです。この国での死が、罪と関連していたことなどありましたか?」

とんでもない女だとイ・シンジョクは怒鳴りますが、無言で考え込んでしまうチョン・ドジョン。一人になると、「これは『虫』だ」とつぶやいてます。自分の中にも虫がいた。そしてとうとううごめき始めたのだと。
チョン・ドジョンはヨニの見立てに内心頷いていたのです。バンウォンが死ねば、すべてがすぐに解決に向かうと。

その一方、あの時洞窟で叫んだタンセ、そしてバンウォンのやりとりが浮かび、苦悶するチョン・ドジョン。「大業を成すには犠牲はつきものだ」とタンセに語ったバンウォンを厳しく見ていたはずが、自分もそれと同じになろうとしているのです。

こちらのシーンも動画を貼っておきましょう。

自分の中の「虫」に気づいたチョン・ドジョンのシーン。
ヨニの冷徹な言葉から始まっています。

 

 

ヨニの台詞。ヨニの世界観をよく表していますよね。
ヨニが体験してきた世界の理不尽さの程度が、このシーンだけで感じられます。

弟を無実の罪で連行された長男は、イ・インギョムの宣戦布告を受けるとし、安辺策撤回の書を提出しないことにします。ハムジュの父に事態を伝えるため旅立つ長男。

キル・テミは、ホン・インバンから本当にバンウォンに会うには会ったと聞かされ、疑われるのでこの際拷問に見せかけて殺してしまおうと持ちかけ。

プニは囚われるかもしれない危険をも顧みずホン・インバンに会いに行き、バンウォンが死ねばイ・ソンゲが黙っていないと思う、助けなければならないと訴えます。

なぜ必死になっているのかとあざ笑うホン・インバンに、プニは靴を買ってくれたのだと答えます。村人を苦しめるのではなく、靴を買ってくれた唯一の貴族だと。

ホン・インバンは、もしイ・ソンゲと自分の名前を口に出せばバンウォンは死ぬことになると伝えてくるよう、プニを牢に向かわせます。

かくしてプニはホン・インバンの手を借りてバンウォンに会いに。

牢のバンウォンは瀕死・・・かと思いきや意外に元気で、火ゴテで焼かれて動けないかと思いきや、プニの持ってきたゆで卵をもぐもぐ食べてます。(笑)

伝言を伝え、チョン・ドジョンが助けてくれるから頑張れと励ましますが、チョン・ドジョンは自分の死を望んでいるだろうとバンウォンは力なく語ります。
プニはそんなわけはない、バンウォンを助け、事態を収拾するために考えているはずだと悲鳴のように言い聞かせ。

「私がなんであんたのを気に入ってると思う? 死ななそうだからよ。いなくならなさそうだから」

「俺のこと、良く思っていたのか? 死なないさ。必ず出るよ」

 

・・・・・・急にラブ、きました。(笑)

急にラブがきたこのシーンも、動画でご覧ください。

 

 

このシーン、今後二人のラブ展開に説得力を持たせるためにも必要なのでしょうね。
などと冷静に分析してしまう視聴者がここに。(笑)

一方、ほっこり担当のムヒュルはイ・ソンゲ将軍の息子の命を救って官職を得たと、おばあちゃんに報告
バンウォンの兄が全員開京に連れて来いといっていると伝えます

なぜか嘘つき師匠がいつの間にか家族にようになっているっていう。

ムヒュルファンのみなさま向けに、こちらも動画貼っておきましょう。
おばあちゃんに都暮らしを保証されたと報告に行くムヒュルのシーンです。

 

 

たしかにね。
ムヒュルとエセ師匠のシーンくらい挟まれないと、ほっこりがないですよね、この時代劇。(笑)

そしてこの後はいよいよタンセ登場です。

タンセとカップニは公演中。
村人たちはタンセの歌声に涙を流しながら聞き入っています。

その歌声を聴く群衆の中に、チョン・ドジョンの姿。
タンセの歌声に“あんたの計画通りにやったのに、この国はもっと滅茶苦茶になってしまった”と言われたのを思い出し、『すまない。本当にすまない』と呟きます。

“踏み付けにされる草など眼中にないのだろう”と言われた言葉が重なり、『そうじゃない、そんなことは思っていない』と苦しむチョン・ドジョン。
犠牲を当たり前だなんて自分は思っていない。でも、だったらやめろというのか? それとも皆殺しにすればすむとでも?と、歌を聴きながら無言でタンセに、自分自身に、問うています。

虫の声を聞くべきなのか。それとも、時代を言い訳にせず、正しくあるべきなのか・・・・・・。

タンセの歌を聴きながら苦悶するチョン・ドジョンのシーン、動画でご覧ください。

 

 

・・・・・・タンセ。
ハーメルンの笛吹きですか?
聞いてるだけで、ほだされそうなんですが。
気づいたら別世界まで付いていってそう。(笑)

ヨニはチョン・ドジョンの迷いが気が気ではありません。あの刺客とはこれ以上関わる必要はないと忠言します。本心は、気の毒なタンセがこれ以上巻き込まれないよう、守りたいのでした。

迷いの深いチョン・ドジョンに、ヨニは自分が牢に忍び込んでバンウォンを殺してくるとまで言います。

二人が洞窟に戻ると、バンウォンの兄弟子イ・シンジョクが、組織の女が会いたがっているとチョン・ドジョンに伝えます。
プニに勝手な真似をさせず追い出せというヨニに、なぜ名前を知っているのかと尋ねるチョン・ドジョン。

実は昔の知りあいなのだとヨニは白状します。事情があるのだと。そして、事情は聞かないで欲しいと。
その言葉に、昔プニが聞かせてくれた「お兄ちゃんもヨニさんもいなくなった」との言葉を思い出し、ヨニの事情に気づくチョン・ドジョンです。

プニに会い、なぜ内緒でバンウォンを手伝ったりしたのかとチョン・ドジョンは叱りますが、プニは村人とバンウォンが似ているからと答えます。せっかちで浅知恵で無鉄砲なところがと。だから村人は死んだのだというチョン・ドジョンの冷たい言葉にも、プニは希望を何度も失ってきたために、私たちもバンウォンも、後先考えられなくなったのだと切り返し。
バンウォンにとっても、チョン・ドジョンの計画が希望だった筈だと付け加えます。

チョン・ドジョンは、バンウォンとお前は違うと言いますが、プニは言下に否定。
バンウォンは子どもの時に出会った時も、そして今も、村人を助けようとした初めての貴族だったと。そしてチョン・ドジョンの計画が成功することを誰よりも望んでいる人間だと続けるプニ。

あの洞窟でも、チョン・ドジョンが来るのをずっと待っていたのだという言葉に、自分を待っていて死んでしまった孤児たちが浮かぶチョン・ドジョン。

バンウォンを助けてあげて欲しいとの言葉に、また苦しむチョン・ドジョンです。

プニの言葉にバンウォンの人柄を感じ、心を動かせられるチョン・ドジョン。

 

こちらのシーンも動画でご覧ください。

 

 

そして。遼東地域で女真の頭領ホバルト/胡拔都を打つための大戦を数時間後に控えている控えている父の元に、長男が到着。

長男は、イ・インギョムがバンウォンにありもしない濡れ衣を着せたことを明かし、わが家系は売られた喧嘩を買わなかったことはないので、家督を継ぐ者として自分は宣戦布告を受けることにしたのだと父に伝えます。
バンウォンを殺すにしても、それは一族の手で行うことだと。
ホバルトの首を取ったあと、事後策を協議しようと言い残し、父は戦に向かいます。

こちらのシーンも動画を貼っておきましょう。

 

 

イ・ソンゲの怒り顔に、視聴者も思わず盛り上がります。(笑)

ヨニは、自分も結局他の人間と変わらないのではと苦悩するチョン・ドジョンに、怖れずに進んで欲しいと再び促しますが、チョン・ドジョンはヨニの策はとらないと宣言。ヨニにイ・インギョムの動きを探らせます。

女将チョヨンのところには、イ・インギョムの命によりイ・ソンゲの字を模倣した偽の手紙が用意されていました。名声を貶められたイ・ソンゲが自ら安辺策を撤回するだろうというのがイ・インギョムの読みでした。

都にあるイ・ソンゲ一族家に偽の手紙をしのばせるチョヨンの手下。
尾行していたヨニは、手紙を奪いチョン・ドジョンに渡します。
チョン・ドジョンは同じ場所に別の手紙を置いて来させ。

 

翌日。
イ・ソンゲの家に調査が入り、バンウォンの部屋からまんまとその手紙が見つかります。
調査結果を発表するため、再び開かれる会議。

やってきた捜査担当官は、バンウォンの部屋から出てきた証拠を官僚たちの前で見せるのですが、その内容は『どんなに待っても現れないので、あなたの計画通りひとまずペク・ユンを殺した。次は誰だ?』。

チョン・ドジョンはタンセが洞窟においていった手紙と摩り替えさせたのでした。
これではイ・バンウォンを助けるどころか、死に追いやることになるのでは尋ねるヨニに、「すべてはイ・バンウォンがイ・ソンゲの息子だから可能なのだ」と涼しい顔で語る洞窟のチョン・ドジョン。
議場は騒然とします。

イ・インギョムは手紙が差し替えられたことに驚愕を隠せず、キル・テミは何故イ・ソンゲをペク・ユンを殺害した犯人に仕立て上げるなどという大それた捏造をイ・インギョムが図ったのか意図を計りかね、チェ・ヨンはイ・ソンゲがペク・ユンを殺す理由がないのですぐに捏造と気づきます。
さらにホン・インバンとチョン・モンジュは、これはイ・インギョムの仕業ではなく、チョン・ドジョンの策だと見抜き。

おりしもイ・ソンゲがホバルトを討ち大勝を収めたと知らせがあり、イ・ソンゲが2万の軍を率いて都に上がってくることを想像し、大半の官僚が震え上がります。

 

6 flying dragons_11image50



大勝を収めたパパのカメラ目線で、11話終了。(笑)

なかなか面白いです。

大勝を収めたイ・ソンゲが、今度は息子を助けに都に上がってくるんですからね。怒り心頭で。

タンセが殆ど出てこなかったのに、筋が面白かったのでつい書いてしまいました。
プニとバンウォンの連帯感というか、淡い恋というか、そのあたりは相変わらず強引な感が否めませんが、ここで1話分使ってチョン・ドジョンの苦悩を描いたのは良かったと思います。
わが利を得るためにバンウォンを見殺しにすることもできたのに、むしろその方が都合が良かったのに、「虫」の声を、「こういう世の中だから仕方ない」の誘惑を、最後は振り払ったチョン・ドジョン。せめてバーチャルな世界であっても、こういう人間的な正義がないと、視聴者としても感情移入できないので。

そして最後のパパが「ギッ!」と怒ってる顔が、また良かったです。(笑)


11話は笑える場面が殆どありませんでしたが、なかなか濃い中身で見ごたえはありました。
ストーリーの中心にいるのはチョン・ドジョンとイ・インギョム。
若いバンウォンが活躍するのは、50話のうち・・・・・・40話過ぎたくらいから?
なんて思うくらい、バンウォンがサイドストーリー化していますが。(笑)
まあ。おじさまたちの活躍もたまには見ておくことにしましょう。