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17 2016年1月
みなさま、こんにちは。
今日も『六龍が飛ぶ』、第29話と30話をまとめてみます。
長い長いと思っていましたが、気づけばあと残り20話になってしまいました。
気づいた時には終わっていそうで、ちょっと恐ろしいです。(笑)
では、まいります。
いやあ、それにしても、濃いです。
そして展開が怖いです。
と毎回言っている気がするのですが。
さっそく29話と30話のストーリーを追ってみます。
・・・・・・書く前から既に息切れしそうではありますが。(笑)
28話ラスト、「ムミョン」の一味の「チョク家」と名乗る者に切られそうになり、すかさず幼いころに聞いた母とムミョン組織の者が交わしていた暗号を口にしたプニ。ムミョンは一味同士の顔を知らない組織だということを母のやり取りからも知っていたが故の賭けでしたが、賭けはまんまと功を奏し、男はいくつかの質問をプニにするものの、プニは勘を働かせて危機を乗り切ります。
黙っているとまた質問されてしまうので、逆に「キル・ソンミ先生はいまどこか」と尋ねるプニは、「情報通のチチョンテのところに行った」と相手の情報を引き出します。
プニを組織の一員と思い込んだチョクは追っ手からプニを逃し。
プニはバンウォンらに、組織に消される前に男が話した「キュモクファサ○○時」という言葉や、キル・ソンミが会いに行たという「チチョンテ」のことなどを話しますが、示唆された時間はちょうど明日父が上皇からなにやら褒美を貰う時間と同じでした。そして、用があるから明日暇を欲しいといっていたタンセを思い出すバンウォン。
タンセに、本当に明日イソグンに行くのかと尋ねるバンウォン。
実はタンセがちょうどいない時間にムミョンが何かを企んでおり、それが父に関することらしいと伝えられたタンセは。
「クソ!」
自分が騙されたのだと悟り、実はキル・ソンミに母に会わせてやると言われたのだと正直に話します。
「キュモクファサ」とは一体何かと頭を悩ませるバンウォンは、「キュモクファサ」とは「キュ=圭、モク=木、ファ=花、サ=死」であり、圭と木をあわせると「桂」、つまりイ・ソンゲ(李成桂)を指していると気づきます。
「死」という言葉から、ムミョンが計画しているのは、暗殺であることにも。
翌日、上皇からの遣いがイ・ソンゲの元を訪れ、上皇からの酒を飲ませようとしますが、既に応戦体制が整っていたイ・ソンゲ側。
すぐに遣いの者たちを制圧します。
ムミョンの掟に則り、その場で自害する男たち。
一人残った、あの日上皇の元に出向き、「チョク家」を紹介した男、ハン将軍は、「上皇万歳!」と大声で叫んで命を絶ちます。作戦が失敗した時にムミョンのユクサンにそうするよう、あらかじめ決められていたのでした。
男の叫びを合図に飛び出してきた「チョク」。
タンセと対することになるのですが。
『早い・・・・・・!』
男の動きはとてつもなく早く、イ・バンジ(タンセ)をしても捉えることが出来ません。その上、非常に独特な剣術を駆使してくるのです。
数々の剣法を修行してきたバンジにも分からない、得体の知れない戦い方でした。
ムヒュルも参戦し、二人がかりで戦うムヒュルとイ・バンジ。
ムヒュルは小屋に逃げ込んだ男を追うと、名前を尋ねます。名前を知らないと、お前を倒したあと手柄を立てられないと。
その言葉に、「コクサンのチョク家だ」と薄笑いで答える男。
男の返事は裏にいたイ・バンジにも届いていました。
イ・バンジに斬られ、イ・ソンゲの弓を受けながら男は逃げていくのですが。
上皇がぐるになってイ・ソンゲを殺そうとしたことに憤るチョ・ジュンらイ・ソンゲの側近。暗殺を企てたからには、上皇の息子である王の廃位は確実になる流れでした。
この際改革のスピードを一気に上げるために、新たな王には一足飛びにイ・ソンゲがつくべきだと力説するチョ・ジュンですが。
一方「チョク家」との闘いから戻ったタンセは、キル・ソンミが母をダシに自分を騙したことから、母はムミョンに利用されている、必ず助け出さなければと話し。
プニはタンセにまだ、あの夜見た、ムミョンの暗号を交わす母の姿について話せていませんでした。
内心胸を痛めながら『母さんは、ムミョンに間違いないよ』と呟くプニです。
一方、チョン・ドジョンは何故あえてムミョンが「上皇万歳」を叫んで死んだのかをいぶかしみ。
かたやチョン・モンジュはこの件で一気に流れがイ・ソンゲに向かうのを恐れていました。
チョンチャン君(ワン・ヨ)に会いに行き、いまこそ王になって国のために尽くさねばならないと厳しく要求。出自の定かでない上皇より、明らかに高麗の宗家の血を引くチョンチャン君に、高麗を立て直すために責任を果たして欲しいと迫ります。
チョン・モンジュの後をつけていたヨンギュは、かつてイ・ソンゲの元にいた裏切り者ペク・クンスがチョンチャン君の屋敷に入るのを目撃。
この男もムミョンであることは、バンウォンが都に初めて上京した時の描写で既に明らかになっています。
報告を受けたバンウォンは、凄腕の刺客を放ってペク・クンスを捕らえるようヨンギュに指示。
チョンチャン君に会ったあと、すぐにイ・ソンゲの元に出向き、今回の事態を機に、新しい王にチョンチャン君をつけようと先手を打つチョン・モンジュ。そもそもイ・ソンゲはチョンチャン君を王につけようとしていたのを、イ・セクらに阻まれた経緯がありましたので、勿論断る道理がありません。
イ・ソンゲの屋敷を出ると、チョン・ドジョンはチョン・モンジュに直接尋ねます。
今回の事件はムミョンの仕業なのだが、ハン将軍はわざわざ「上皇万歳」と叫んで上皇が絡んでいることを知らせた。つまり、そうすることで王が廃位になったあと、最も王座につく可能性の高いチョンチャン君を王座につけさせる狙いがあったのだろう。
この言葉に、自分を疑っているなら、自分はムミョンではないとチョン・ドジョン。ムミョンが洞くつのありかを教えたのではというチョン・ドジョンの言葉にも、違うと否定します。
ならば、いかなる場合でもわれわれは「私田革罷」、つまり、不正に私物化された土地を公のものに取り戻す作業を成し遂げるということを約束して欲しいというチョン・ドジョンに、勿論そのつもりだと答えるチョン・モンジュです。
ところが王になりたくないチョンチャン君は、二人目の妻に迎えるつもりだったユンランに、夜逃げするつもりだと伝えます。王座についても殺されて終わるだけだし、そうなればユンランもただではすまされないだろうからと。
一緒に逃げるか意志を確認し、ユンランもチョンチャン君についていくことに決めます。
一方、いてもたってもいられないバンウォンは、チョン・チャン君の周辺にはムミョンがいるので、ここは父を王位につけるべきではないかと話しに行きますが、イ・ソンゲ本人にもそのつもりはないとチョン・ドジョン。
チョン・モンジュは自分のプランでは新しい国家の革新を担っており、その内容についてはそのうち話すと言います。
チョン・モンジュがもしムミョンと手を組むようなことになればと問われ、その時は自分が排除するとチョン・ドジョン。
その言葉に安堵しつつ、バンウォンは「チェ・ヨン将軍について私心がなさ過ぎて危険だと仰ったが、師匠と父上はあまりに高貴な私心を持っている」と嫌味をいい、その言葉に「それが理想というものだ。イ・ソンゲ将軍も自分もポウン(チョン・モンジュ)もその理想を守りたいだけだ」と答えるチョン・ドジョンです。
ここにまた、どえらい意味が込められていたわけですが・・・・・・。
一方、相変わらず剣の修行中のタンセ。
水の入った杯を高く舞い上げている間に人を斬り、落ちてきた杯を水をこぼさずに受けるというものですが。
見ていたムヒュルの師匠ホン・デホンは、その修行は無意味だといいます。なぜなら、できるわけがないからと。
言われてみれば確かに、自分の師匠もやり方を教えただけで、やって見せてくれたことがないとタンセ。
なぜ自分では出来ないのにそんなに剣術を教えられるのかと話ついでに尋ねたタンセに、嘘か本当か分からない自慢を繰り広げ始めたホン・デホンでしたが、話す過程で以前自分が世話になっていた高麗の伝説的な武臣チョク・チュンギョンの「コクサン剣法」による切り傷が、ムミョンが殺した官吏3人にあったことを思い出します。
自分はチョク・チュンギョンが孫に武術を伝承しているのを見たので分かると。
同じ頃、「チョク家」と名乗る男が殺した遺体にも同じ傷があるのを確認し、男が「コクサンのチョク家」と名乗ったことをムヒュルから聞かされた長男イ・バンウは、あの男こそ噂の伝承者「チョク・サグァン」であると判断。
折りしも傷を負って逃げていた「チョク家」の遺体が発見され、話を耳にしたホン・デホンもチョク・サグァンの顔を知る者としてイ・バンウ、タンセ、ムヒュルらと現場に向かうことになります。
一方、夜逃げの最中であるチョンチャン君は、何者からか毒の吹き矢を受け、危険な状態に。そこへムミョンのユクサンが解毒剤を注いだ杯を持って現れ、これを飲んだら王座につくよう言い残して去ります。
王座につきたくないため、飲もうとしないチョンチャン君。
同行するユンラン、ペク・クンス、お付の者が緊迫の面持ちで見つめているのですが、離れたところにはヨンギュが手配した刺客二人も隠れていました。
思いがけない事態に困惑しつつ、ペク・クンスを狙いに行くことに決める刺客二人。
その頃、現場に到着し、男の顔を確認する一同。
ホン・デホンは、「チョク・サグァンじゃない」と瞬時に断言。
よく見てみろといわれ「よく見るも何も、チョク・サグァンは女だ」と衝撃発言を繰り出します。
視聴者一同「はーー?!」となった瞬間。
舞います、杯。
飛び出してきた刺客二人をものすごいスピードで切り倒し、着地。
「チョク・サグァンでございます」
って、あんたかいっ!!!(笑)
度肝抜きますね、ほんとに。
チョンチャン君の色惚け対象、もとい恋人をハン・イェリさんが演じている時点で、「なんかあるな」と思ってはいましたが、こんな展開とはまったく予想できませんでした。
いやーすごい。
しかも私、まったく覚えていませんでしたが、チョク・サグァンについてもチョク・チュンギョンについても、もうとっくに4話で触れられているんですよね。
のちにタンセをキル・ソンミから任され、師として武術を教える、大陸から来たチャン・サムボン。
キル・ソンミと剣を交えたあと、実は自分の弟子が高麗で殺されたため、弟のキル・テミにやられたのではないかと思ってきたんだという場面がありました。復讐したいわけではなく、どんな相手にやられたのか気になってきたと。
似顔絵を見せながら心当たりを尋ねられ、ほとんど斬りあうことなくあっという間に殺されたということなら、もしかしたらその剣術は「コクサン剣法」のチョク・チュンギョンの伝承者と噂されるチョク・サグァンかもしれないと語ったキル・ソンミ。
もう随分前から「コクサン」やら「チョク一族」やら、めちゃめちゃ早いスピードで人を斬ることなどが描かれていたのですが、ここで繋がるとは。
いやはや、ボーっと見ることを視聴者にまったく許さないドラマです。(笑)
しかも、タンセが習得できていないあの技を、いとも簡単に舞い踊るようにやってますので。
・・・・・・強敵、現れました。(笑)
って笑い事じゃない?!
そんなわけで、「騙したわけではなく、人を斬るのがもう嫌で言わなかったのです。私の以前の名はチョク・サグァンと申します」とチョンチャングンに告白したユンランで29話は幕を閉じ。
あけた30話ではユンラン改めチョク・サグァンの「共に闘います」の言葉で生きる決意をし、解毒剤を飲み干すチョンチャン君で幕があがります。
起き上がり、屋敷に戻ろうとしつつも、まるで吹き矢攻撃を知っていたかのようにこの道に誘ったペク・クンスを疑うユンラン。逃れられないと思ったペク・クンスが刀に手をかけた瞬間、チョク・サグァンは本領発揮です。
色惚け吹き飛びますけどね、これ見たら普通は。(笑)
翌朝。
チョク一族について語るホン・デホン。
チョク・チュンギョンには二人の孫がいたものの、兄のチョク・イングァンは武術を習得したあと「出世する」と言って家を出てしまい、残った妹のチョク・サグァンが伝承することになったのだが、その腕前はまるでおじいさんそのものだった。
ある日チョン・サムボンの弟子が訪ねて決闘を申し込み、チョク・チュンギョンは破れたものの、その場でチョク・サグァンに殺されたのだと。
同じ話をチョンチャン君に告白していたチョク・サグァン。
あの時人を斬ったのが本当に恐ろしくて、二度と嫌だと思ったのに、ゆうべは一気に3人も殺したのに、あなたの胸でぐっすり眠れたと。
とんでもねえおなごっす。
そんな話聞かされてもさめない色惚けって・・・・・・。(笑)
ともあれチョク・サグァンは自分がチョンチャン君を守るからと力強く告げ、チョンチャン君は王位につく決心を固めます。
一方、戻ったユクサンはペク・クンスだけでなく、見知らぬ男が二人も切られているのをチョンニョン和尚と共に確認し、大混乱。チョンニョン和尚はコクサン剣法によって斬られていることを見てとります。
倒れている刺客と思しき二人が誰の差し金できていたのか調べるよう命じられるチョンニョン和尚。
そしてプニは。
「せっかくムミョンに迫っているのに、どうして浮かない顔をしているんだ?」と案じるバンウォンに、実は母はムミョンの一味だと告白。母が使っていた暗号が通じたのと話します。
「チチョンテ」の名も、そうやって聞き出したのだとプニ。自分の母が敵になるのではと恐ろしくて話せなかったのだと言います。
バンウォンは長い目で見ないと駄目だと励まし、自分もチョン・ドジョンと一緒にチョン・モンジュを信じてまい進するので、プニにも仕事の集中しろと話します。
謎のチチョンテについては、ヨニも知らないようだと話すプニです。
バンウォンはハリュンにムミョンについて知っていることがあるかを訊きに行き。
ハリュンは気になることを黙っていられないタチなのできっと協力するだろうと言うバンウォンに、ハリュンはお前にも耐えられないことがあるというハリュン。バンウォンは不正義に耐えられないといいますが、自分の見たてではバンウォンは無力感に耐えられない筈だとハリュンは言います。「何も出来ないという無力感。お前はそれが耐えられない筈だ」と。
かつてまったく同じことをホン・インバンにも「予言」されたのを思い出すバンウォン。動揺を隠し、ムミョンはおそらくピグク寺かファサダンと関わりあるだろうというハリュンの言葉を引き出します。
ムミョンは事態が呑み込めず、二人の刺客を送ったのが誰かをまず探ろうとするに違いないと踏んだバンウォンは、ホン・デホンやカップニ、ムヒュルの祖母らに刺客を手配する鍛冶屋のふりをさせ、接触してくる者をチェックすることに。
一方チョンチャン君は、訪ねてきたチョン・モンジュに「ムミョンではないのか?」と単刀直入に質問。
自分はムミョンではないし、そんな後ろ暗い組織に関わらせるような真似も絶対にしないと力を込めるチョン・モンジュに、チョンチャン君は王位に上がる決意を伝えます。
そのことは、すぐにイ・ソンゲやチョン・ドジョンなど、主要官僚に伝えられ。
チョ・ジュンはイ・ソンゲを王位に推したい気持ちを表すこともできぬまま、イ・ソンゲとチョン・ドジョンの賛成でチョンチャン君が王位につくことが決められます。
実はイ・ソンゲの長男らも、まだ父がチョン・ドジョンとともに新しい王朝の王に将来的につくつもりであることは知らされておらず、チョ・ジュンの話を偶然耳にしてしまい「勝手にとんでもないことを夢見るな!」と衝突しあう場面などもあり。このあたりはのちのちの布石でしょう。
こうして王位についたチョンチャン君、恭譲(コンヤン)王となります。
チョク・サグァンは護衛武士に。
その頃、ニセの鍛冶場に現れたのは、なんとファサダンでした。
罠とも知らず、帳簿を奪っていってしまいます。
と思いきや、ピグク寺の者もやってきて。
チョンニョン和尚のピグク寺がムミョンと繋がっているので、視聴者は頭に「???」状態です。
新しい王の即位も終わり、笑顔のチョン・ドジョンとチョン・モンジュ。
チョン・ドジョンはしっかり伝えたい話があるからと、日を改め約束をとります。
チョン・モンジュは笑顔で応じるものの、心の中ではチョン・ドジョンの新王朝計画を必ず断念させるため、この機に説得しようと思っていました。
そしてその夜。
新しい王がついたのを祝い、トファジョンに集まるイ・ソンゲ一派の面々。
トファジョンはかつての不正腐敗の象徴から、改革の拠点に生まれ変わらせるため、チョ・ジュンやチョン・ドジョンの計画を公に進めるための場として使われていました。
この日の宴にはタンセやムヒュルまで功績を労われ、同席を許されていました。
泰平の世がきたら何がしたいかとイ・ソンゲに尋ねられ、一人ひとり答えていく面々。
まずはイ・ジランが、その日がきたら「自分は暖かい詩を書きたい」とガラにもないことを答えて場を和ませたあと、ヨンギュは自分の夢は歴史に名を残すことだと答え。
続いてバンウォンに尋ねられたチョン・ドジョンは、「自分は歴史に名を残すより、記録を残したい」と答えます。自分がこれまで学んできたもの、考えてきた事柄を、すべて文字に残して後世に伝えたいと。
チョン・ドジョンらしい夢に頷く一同。
夢の語り合いは、プニを交えた若者同士だけの場でさらに続きました。
ムヒュルは何が夢かとプニに尋ねられ、バンウォンにだけ前に言ったとだけ答えます。ムヒュルが以前バンウォンに言ったのは、「若様が世の人々を笑顔にするとき、ぼくも喜びを感じていたい」でした。
タンセはバンウォンに尋ねられると、「プニの夢をかなえること。そして、母を探すこと」と答え。
バンウォンはプニに尋ねられ、「俺の夢は、世の中に笑顔をもたらすこと。そしてお前らみんなの夢をかなえること」と答えます。どうやってと尋ねるムヒュルに「政治。夢を守り、世の中を笑顔にする政治」と続けるバンウォン。
その言葉にプニは「そうね。世の中の人々が生きる喜びを感じられるような、そんな政治をやって。それで充分だよ」と応援を送り、タンセも「(お前なら)やれそうだ」とバンウォンを褒めます。
こうして夢を膨らませる青春物語り。
一方、キル・ソンミと向かい合うユクサン。
チョンニョン和尚は、ファサダンに帳簿を持っていかれてしまったと焦って駆け込むのですが、落ち着き払ったユクサンが「チチョンテを紹介しよう」と人を呼びます。
呼ばれて現れた「チチョンテ」というのが・・・・・・。
ファサダンのチョヨンだったという。
・・・・・・ビックリすぎる。(笑)
互いに「味方同士だったのか?!」と内心焦るチョンニョン和尚とチョヨン。
チョヨンは部下が持ってきた帳簿をユクサンに渡します。
帳簿には、刺客を雇ったのがバンウォンであると明記されていました。
ところが、そこには「あなたがたの圭木花死は何故失敗したのだろう。メンドチルヤクはわが手中にのみあるゆえ。イ・バンウォン」と記された紙が挟まれており。
バンウォンはこれにおびき寄せられてくることを待っていたのです。
宴のあと、二人きりになるとムヒュルは、本当に泰平の世がくるだろうかと尋ねますが、こないと即答するバンウォン。人とは常に、どんな状況でも足りないものを埋めようとするので、政治は永遠に必要なのだとバンウォンは答え。
そこに、ムミョンのユクサンが訪ねてきます。
どうやって「圭木花死」を知ったのかと口を開きつつ、どうせ拷問の末聞き出したのだろうユクサン。バンウォンは「メンドチルヤク」が気になってきたのだろうと尋ねますが、それが何であれ大勢に影響はない、お前の首を突っ込む場ではないと余裕たっぷりに警告してユクサンは去ろうとします。ですが、バンウォンがムミョンの暗号を口にすると、ユクサンの顔色が変わり。
これも拷問で聞き出したと思うかと尋ねるバンウォンに、ユクサンは、内部にスパイがいると疑わせて内部分裂でも画策しているのかと余裕を見せますが、バンウォンはさらに決定的な一言を放ちます。
「おたくの組織は、お互いへの信頼があついようですね。でも、近い間柄だからこそ疑うべきではありませんか? 例えば、チチョンテ。どこまで信じてる?」
この一言で当然真っ先に疑われることになったチョヨン。
チョヨンは怒りながらも、チョン・ドジョンのほうにつけている者がいるので、その子から調べてみると答え。
ヨニの危機到来です。
チョヨンに呼ばれたヨニは、もうこの業務はしなくていいと突然告げられ。
最後にチョン・ドジョンとチョン・モンジュの計画を調べて翌日報告するよう命じます。
ヨニから報告を受けたバンウォンは、ならばチョヨンに、チョン・ドジョンたちは何かを企んでいて、名前をメンド何とかと言っていたが、そのあとは聞き取れなかったといってみて欲しいといいます。もしそれを聞いたチョヨンが「メンドチルヤクではないか?」と聞き返したら、チョヨンはムミョンだと。
ヨニはファサダンが諜報組織である以上、別のルートから情報を仕入れた可能性があるのではと疑問を呈しますが、そんなことは絶対にないとバンウォンは即答。
「なぜならその言葉は、私が適当にでっち上げたものだからです」
バンウォン頭いい~。
でもヨニを危険にさらさないでちょうだい。
ヨニがチョヨンに報告をあげる予定時刻前、バンウォンはタンセやムヒュル、ヨンギュらも従えて、ファサダン前を密かに取り囲んでいました。
チョヨンがムミョンと判明した瞬間に突撃するつもりなのです。
その頃ヨニは、今からチャンヒョン閣までチョン・モンジュに会いに行くと洞窟の中でチョン・ドジョンに聞かされていました。
その会話を洞窟で盗み聞きするチョヨン。
・・・・・・オーマイ。
チョヨンが洞窟にいたとも知らず、ファサダンに向かうヨニ。
ところがヨニは、道でチョヨンに呼び止められてしまいます。
焦りながらも平静を装うヨニ。
チョン・ドジョンの動きについて尋ねられ、チョン・モンジュに会う約束だといっていたと答えるヨニ。時間と場所は分からないものの、時間をもらえればすぐ調べてくると続けます。
その言葉に、大きな衝撃を受けるチョヨン。
「ヨニ・・・・・・。サムボンはポウンとチャンヒョン閣で午時に会うと、さっきお前に言っていたではないか。お前への深い信頼が、ことを台無しにしてしまったのだな」
ヨニは即座にかんざしを抜こうとしますが、ファサダンのメンバーにあっという間に囲まれます。
「お前に最後の機会を与えよう。メンドチルヤクとはなんだ?」
その言葉に愕然となるヨニ。
「ムミョンだったのですか? チチョンテ、なのですね・・・・・・」
待てど暮らせどやってこないヨニに、チョヨンにつかまったのかもと焦るタンセ。バンウォンはファサダンがもぬけの殻であることを確かめ、みんなで慌ててヨニの救出に向かいます。
ヨニを連行するよう言いつけ、チョン・ドジョンの元に向かうチョヨン。チョヨンがいなくなるとヨニは、チョヨンはムミョンだと、だから自分を解放して欲しいと同僚ピウォルに頼みます。
事態が呑み込めないピウォルに、ムミョンは既に土地調査に向かった官吏を3人も殺し、2度もイ・ソンゲ将軍の暗殺を試みたのだとヨニ。これでファサダンは終わりだ。でも私たちはムミョンではないので、一緒に生きる道を選んでくれと頼みます。みんな殺されてしまうのに、それでいいのかと。
ピウォルが悩んでいる間にヨニの元に駆けつけるタンセとバンウォンたち。
ヨニはもう一度仲間を説得し、「私たちは騙されたのよ。ファサダンは政治を利用しても政治には関わらないはず! 私たちはムミョンの下部組織に過ぎなかったのよ」と訴え。
ピウォルはヨニに「黙れ、裏切り者!」と切りかかった仲間を一人倒すと、刀を下ろし「私たちはムミョンではありません」とバンウォンに宣言します。
バンウォンとタンセ、ムヒュルはヨニからチョン・ドジョンが危ないと伝えられ、すぐに駆けつけ。
おりしもチョン・ドジョンとチョン・モンジュの会話を盗み聞きしていたチョヨンを難なく捕らえます。
タンセとムヒュルがチョヨンを連行したあと、満足げな笑みを浮かべながら二人の話に耳をそばだててみるバンウォン。
中からは「性理学(儒教)の国では、王は優れた儒学者でなければならないということだな」などと熱心に討論を交わす様子が伝わってきます。
ですがバンウォンの顔は、チョン・ドジョンの言葉を聞いたのち、一変します。
新しい国の王はあくまでも公的な存在なので、誰かと私的に一対一で会うことを禁じるとチョン・ドジョン。私的な面談は私心を生み、やがて誤った判断に繋がるからと。
のみならず、新しい国の王は一切の私有財産を持たせず、すべての財産は官僚が管理するということや、王は宰相の選択権以外、いかなる人事権も持てないことなどを語ります。
隣りでバンウォンが聞いているとも知らず、会話を続ける二人。
では新しい国の王とは何かと尋ねるチョン・モンジュ。
その言葉にチョン・ドジョンは、「王とは、単なる国の花にすぎず、根はこの国の学者、儒学者、官吏でなければなりません。世襲により与えられた身分ではない、ひとえに自らの力で験算を積み、認められた士大夫(=両班)たちということです」
「世襲のない支配層か・・・・・・。世襲が世に弊害をもたらすということだな」と感心するチョン・モンジュに、最後にまだあると続けるチョン・ドジョン。
「すべての王族とその宗親(王の親戚)は、いかなる場合も政治に関われないようにするつもりです。建国がなされれば、まずは宗親からすべての力と権利を奪い、何も出来ないようにするでしょう。それによってあらゆる専横を防ぎます」
バンウォンの脳裏にこだまする、ハリュンの言葉。
『何も出来ないという無力感。お前はそれが耐えられない筈だ』
バンウォンと同じくらい視聴者もショックを受けました。
そりゃないよー。
なんて酷な人なんでしょう、チョン・ドジョン。
あれだけ政治を夢見るバンウォンを、知りつつ傍に置きながら。
そりゃ、あんな表情にもなります。
これを事前に話しても、イ・ソンゲは「高貴な私心の持ち主」なので王座に着くってことなんでしょうか。それとも、計画を話して了承得られるまで説得するシーンとか、出てくるんでしょうか。
このプランを遂行したいのなら、そもそもバンウォンを仲間に入れつつ進めていること自体に無理がある気がしてなりません。
これのせいでバンウォンが別方向に舵を切り始めるのだとしたら・・・・・・。
その無念、わからなくはないです。
あああ・・・・・・。(悲)
「六龍」、一気に先が分からなくなってきました。
というか、先に向かい始めたと言うべきなのか。
この脚本チームは、歴史にとてつもない想像力をぶつけてきますね。
「ムミョン(無名)」の正体もようとして知れませんし。
「根」についての言説なども飛び出したのを見ると、いよいよ『根の深い木』と本格的に繋げてきているようでもあります。
いやあ、このラストはかなりショックです。
バンウォン、夢を叶えようと思って一生懸命やってきたのに、実際はやればやるほど夢が叶わなくなってたわけですので。これはさすがに厳しい。
現在ともオーバーラップする台詞の数々にも、なかなかどんよりさせられます。
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4 Responses for "『六龍が飛ぶ』 第29話 第30話"
こんにちは。
いやー・・・またすごいことが。チョク・サグァンが女人だったのにもびっくりですが、30話の最後が・・・あの夢を語る素敵なシーンのあとに、どん底に落とすような、悲劇の始まりを予告する出来事が(涙)。
それにしても、バンウォンの持っている民のための政治の意志が、いったい何があったらあの政敵をことごとく粛清するという行動に変化するのかを視聴者に納得させるのかがこのドラマの大きな関心事一つであったわけですが、ここでバンウォンの「夢をかなえるための政治」という言葉を持ってきたのに、また唸ってしまった私です。
ヨンギュが「歴史に名を残したい」と言ったのも、先を考えると、どんよりしてしまいましたし。
バンウォンが探偵のように物事を解き明かしていきそのために考える計略、タンセを中心にした武侠ストーリー、そんなワクワク感だけでこのドラマを見るだけでも十分楽しいのですが、それではだめなんでしょうかねえ・・・ええ、きっとだめなんですよね(涙)。
この中で一番のキーパーソンはやはりプニなのでしょうか。プニの夢をかなえるのが自分の夢だと言ったタンセ、おまえたちの夢をかなえるのが夢、と言ったバンウォン。プニがバンウォンと三峰先生のどちらにつくのか、タンセ目線の私としてはとても気になります~。
私は「六龍」を見ていて、必ずしも「根の深い木」とは全てはつながらないのではないか、という気も最近ちょっとしていたんです、実をいうと。ドラマとしてそれでもいいと思っていますし。しかし、やっぱりつながるんだな、と30話の最後を見てまた思いなおしました。
eripodさま
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
30話ラストでこんな展開が待っていたなんて、衝撃的ですよね。
それまでに描かれていたそれぞれのキャラクター、思想にまったく矛盾をきたさない展開でもあり、余計に衝撃を受けました。
同じく「民のための公正な世を築く」という理想を共有していても、それを誰が実行するのか、誰がその理想を担う主役なのか、ここについては話されてこず。まさかバンウォンも、ここにきてはしごを外されるとは夢にも想像していなかったでしょうし。
はーーーー。
と深いため息が出てしまいます。
残り20話は落ち込みながら見ることになるのでしょうか・・・。
視聴者を追い込んでくる、近年まれに見る厳しいドラマですよね。(笑)
ありがとうございました。(^_^)
白香夏さま、こんにちは。
「王はただの花。士大夫こそが根」
来ました。ついに来ました。ご想像の通り、まさに『根の深い木』です。
『六龍』でこの言葉が、いつか必ず出てくることは、『根』を見ていれば誰もが当然予想できるんですが、まさか、まだ建国もしていなくて、さらに(当時の人たちの目で見れば)バンウォンが王座につく可能性もかなり低そうな、こんなタイミングで出てくるなんて。
またもや鳥肌来ました。
私、「建国まではそれなりに一致団結、でも建国後、次第に双方の理想の違いが浮き彫りになってやがて……」くらいのタイミングだと思ってたんです。
甘かった……。
そして、この台詞とともに思いました。「今までは『根』の前々日談で、ここから本当の前日談が始まるんだ……(怯)」と。
いや、もう、私、絶対最後まで見届けます。
そのつもりではありましたが、今後どうなろうと、断固見届けなければと、改めて覚悟決めました。
「ちょっと!ドラマですから!」って心のツッコミを無視して、真剣と書いてマジ状態の覚悟を。
なんて覚悟宣言した先から、すでに31話見るのが怖いのですが……。
チョン・ドジョンの言う「王はただの花」。
これって言ってみれば立憲君主制的なものですよね。
少なくとも、絶対王政よりは立憲君主制に寄った思想。
もろに「現代人」な私には、バンウォンの求める制度はどうしても「結局、王家が変わるだけ。世襲の弊害は絶対出まくるよ」と思ってしまい、チョン・ドジョンの描く(当時としては)革新的な制度の方が、はるかに自分の感覚に近いんですよね。
だから、チョン・ドジョンの理想に共感が行ってしまう。
それは確かにそうなんですが、あの場面を見ると、バンウォンにもかなり同情といいますか、共感を覚え、チョン・ドジョンの考えは善悪を別にして、時機や人の心を得たものだったのかと、迷いが生じ……。
まったくもう……「共感する相手」さえ易々と決めさせてくれない作品です。
こういう善悪、正誤を簡単に判断できないぶつかり合いって、この脚本家さんたちの特徴かもしれません。
彼らの作品はまだ2作目ですが、前作でも私、こんな風に脳みそが溶解しそうなこと度々だったので。
前に頂いたコメントで、「六龍を見ていると、自分は今という時代の登場人物なんだ」との思いまで沸いてくる……というようなことをおっしゃっていましたが、なんだかすごく共感しました。
昔も今も、勝者が正しく敗者が間違いだって白黒がクリアーだったことなんて、歴史上で実は少なく、むしろ「勝者も敗者も正誤があって、結局は勝者と敗者に分かれてしまった悲劇」の方が多いのかもしれないという気がしてきます。
そして、「勝敗」を肉体的な生き残りだけじゃなく、「生き残った思想はどちらか」まで広げて考えると、当事者の死後に勝敗が覆ることも、多々ありますよね。
「再評価」「新しい証拠から明らかになったこと」みたいに。
だから、自分が一本の民草に過ぎなくても、過去や今に対して、どう評価して誰の何を支持するかって、すごく大事なことなんだと思えてきます。
それこそ、「今という時代の登場人物」である私の考え方が、将来、「あんな考えをしてた奴はロクデナシ」とされているかもしれないなあ、と。
そういう意味で、「民」サイドのタンセ、プニ、ヨニ、ムヒュルが、彼らにとっての「今」の中で、どういう決断をして行くのか、すごく気になります。
はあ……。六龍を見ていると、ついつい超絶真面目モードになってしまっていけません。
我にかえると、「馬鹿なことを言いまくっているキャラのはずなのに、私ったら」とうろたえ気味です。
こんなキャラ離れした頭の使い方させられている以上、アイスランドの4ストーンズという即効熱冷まシートがなければ、身が持ちません。
しまうまさま
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
いや~。やはりそうですか。
「王はただの花。士大夫こそが根」
かなり特徴ある台詞ですよね。
私、ずっと「『根の深い木』ってどういう意味?」と思いながら調べておらず、「世宗を礼賛するドラマなんだろう」と勝手に思い込んでいて、込められた意味も知らずにきてしまったのですが。
頭が色々とごちゃごちゃしますね。今後を思うと、クラクラ・・・。
紙で書いた理想は、字面ではいくらでも一致しますが、行動に移す段階で相違点が浮き彫りになることは、ままありますよね。
その人の本心を見るためには行動を見ればいいと言われるとおり、どう振舞ったか、どう行動しているかがその人の欲するところを表すのだと思うんです。
この場合で言うと、バンウォンやイ・ソンゲに伝える前にチョン・モンジュにこれを伝えたのがチョン・ドジョンの「本心」なのだし、チョン・モンジュに話した後すぐにイ・ソンゲにこのプランを打ち明けないなら、それが答と受け取られますよね、バンウォンに。
勿論バンウォンの「本心」も、この事態を受けてどう行動するかで露わになってしまうわけですが・・・。
このドラマ、ますます現実の政治を見るようです。(笑)
大きな輪郭の上では仲間同志なのに、感情がこじれ、物事がこじれ。
でも、人が集団で物を進める限りは避けて通れない気もしますし。
結局リーダーの器を誰が持っているかを見極めないことには、大惨事になるってことですよね。誰にもその器がなければ、必然的に大惨事になるのでしょうし。
いやはや・・・。
これ、あと20話見終わる前に身が持たないんじゃないかと、本格的に思えてきました。
内容が厳しいです。面白いんですが、面白いの種類が全然違います。
あー!なんでこれに出ることにしたのよ、ソンニュルー!
あなたさえ出なきゃ、絶対この長丁場な時代劇を観てないのに!
・・・と見当違いにもほどがある愚痴で、ガス抜きを図ってみました。(笑)
ありがとうございました。(^_^)
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