みなさま、こんにちは。

私は今、ソウルにきています。
大寒波が過ぎたあとなので、そこまで寒くなく助かっています。

さて、今日は『応答せよ1988』1話の挿入歌をとりあげてみます。
チョ・ヨンピルさんの名曲“이젠 그랬으면 좋겠네/もうそうできたら”(邦題仮)です。

『応答せよ1988』にはOSTにリメイクバージョンの往年の名曲が並んでいますが、各話ごとに使われていた挿入歌もいい曲がたくさんあり。
注目を浴びていた初回も、最もいい場面で流れてきたこの曲が、視聴者の心を掴んだのではないでしょうか。

日本でのチョ・ヨンピルさんといえば、昭和な世代にとっては昔の『釜山港へ帰れ』というヒット曲により「演歌歌手」のイメージで見られていますが、以前も別の記事で書いたとおり(リンクはコチラ)チョ・ヨンピルさんは韓国では「演歌歌手」ではなく、バラードやポップスなどを幅広く歌う方として知られています。

今日ご紹介する“이젠 그랬으면 좋겠네/もうそうできたら”(邦題仮)は、1990年に発表されたチョ・ヨンピルさんの12枚目のアルバムに収められている曲で、叙情的な歌詞と美しいメロディが心に残る一曲なのですが、この歌は2011年にパク・チョンヒョンさんがMBCの歌番組『私は歌手だ』でアレンジして歌ったことで再び脚光を浴び、チョ・ヨンピルさんの歌を聞くことのなかった若い世代にも知られました。

『応答せよ1988』の第1話は、次女として生まれたドクソンが、誕生日の近い3つ上の姉ボラといつもお祝いを抱き合わせにされ、ついでのように祝われることに傷つく姿などを描いていたのですが、この曲はそんな次女ドクソンの気持ちを察し、ドクソンだけのケーキを改めて買ってあげる父親のシーンで効果的に使われました。
ある意味「視聴者をドラマにガッツリはまらせたシーンに使われた」、と言ってもいいでしょう。(笑)

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娘に謝るお父さんの姿にすごく愛が感じられて、このドラマがとても暖かい家族の物語りだということをしっかり印象付けてくれた初回ドラマの一幕です。

今年は自分のためだけの誕生日祝いをして欲しいとあらかじめ念を押されていたのを忘れ、いつものように長女と抱き合わせにしてしまったところ、そのことに思いのほかドクソンが傷ついてしまい。

そのことに気づいた父が、ドクソンが望んでいた誕生日ケーキを渡しながら、こういうんです。

「お父さんとお母さんが悪かった。よく分かってなかったんだよ。上の娘にはどんなふうに教えて、下の娘はどんなふうに育てて、末っ子はどんな人間に育てたらいいのか、分からなくてさ。
お父さんだって、生まれた時から‘お父さん’なわけじゃないだろう? お父さんも、‘お父さん’をやるのがはじめてなんだよ。だから、ちょっと大目にみてくれるか?」

この台詞でドクソンとともに視聴者の涙腺がガーッと決壊。(笑)

以下がそのシーンです。

韓国内では見られないので、もし韓国からご覧のかたはコチラからご覧下さい。

「こんなに大きくなって。お嫁にいったらお父さん寂しくなるな」としみじみする父に「お嫁になんて行かないもん」などと娘が返すという定番の会話がありつつ、なんだかうるっとさせられます。
間違いなく、挿入歌のせいです。(笑)

というわけで、『応答せよ1988』第1話の感動シーンに使われているチョ・ヨンピルさんの『もうそうできたら』(邦題仮)をどうぞ。
こちらは公式なものではないので、リンク切れになるかもしれません。



이젠 그랬으면 좋겠네 -조용필-

나는 떠날 때부터
다시 돌아올 걸 알았지
눈에 익은 이 자리
편히 쉴 수 있는 곳
 
많은 것을 찾아서               
멀리만 떠났지
난 어디 서 있었는지

하늘 높이 날아서 별을 안고 싶어
소중한 건 모두 잊고 산 건 아니었나

이젠 그랬으면 좋겠네
그대 그늘에서 지친 마음 아물게 해
소중한 건 옆에 있다고
먼 길 떠나려는 사람에게 말했으면

너를 보낼 때부터
다시 돌아올 걸 알았지
손에 익은 물건들
편히 잘 수 있는 곳

숨고 싶어 헤매던 세월을 딛고서
넌 무얼 느껴왔는지

하늘 높이 날아서 별을 안고 싶어
소중한 건 모두 잊고 산 건 아니었나

이젠 그랬으면 좋겠네                      
그대 그늘에서 지친 마음 아물게 해
소중한 건 옆에 있다고
먼 길 떠나려는 사람에게 말했으면

이젠 그랬으면 좋겠네                      
그대 그늘에서 지친 마음 아물게 해
소중한 건 옆에 있다고
먼 길 떠나려는 사람에게 말했으면

旅立ちの時から 
再び戻ってくるだろうと思っていた
見慣れたこの場所 
安らかに休めるこの場所に

多くを求めて 
ただただ遠くを目指していた
私はどこにいたのだろう

空高く舞い上がり 星を抱きたい
大切なものをすべて
忘れて生きてきたのではなかったか

もうこれからは そうしたいんだ
あなたの影で 疲れた心を癒したい
大切なものは そばにあるのだと
旅立とうとする人に 伝えられたなら
 
あなたと別れた時から
再び戻ってくるだろうと思っていた
使い慣れた物がある
ゆっくり眠れるこの場所に

隠れようとさすらっていた歳月の中で
あなたはなにを感じてきたのだろう

空高く舞い上がり 星を抱きたい
大切なものをすべて
忘れて生きてきたのではなかったか

もうこれからは そうしたいんだ
あなたの影で 疲れた心を癒したい
大切なものは そばにあるのだと
旅立とうとする人に 伝えられたなら

もうこれからは そうしたいんだ
あなたの影で 疲れた心を癒したい
大切なものは そばにあるのだと
旅立とうとする人に 伝えられたなら

ナヌン トナ テ ブット
タシ トラオ コ アラッチ
ヌネ イグン イ ジャリ
ピョニ スィ ス インヌン ゴッ

マヌン ゴス チャジャソ
リマン トナッチ
ナン オディ ソ イソンヌンジ
ハヌ ノッピ ナラソ ピョル アンコ シッポ
ソジュンハン ゴン モドゥ
イッコ サンゴン アニオンナ

イジェン クレッスミョン チョッケンネ
クデ クヌレソ チチン マウ アムゲ ヘ
ソジュンハン ゴン ヨッペ イッタゴ
モン キ トナリョヌン サラメゲ マレッスミョン

ノル ポネ テ ブット
タシ トラオ コ アラッチ
ソネ イグン ムゴンドゥ
ピョニ チャ ス インヌン ゴッ

コ シッポ ヘメドン セウォル ティッコソ
ノン ムオ ヌッキョワンヌンジ

ハヌ ノッピ ナラソ ピョル アンコ シッポ
ソジュンハン ゴン モドゥ
イッコ サンゴン アニオンナ

イジェン クレッスミョン チョッケンネ
クデ クヌレソ チチン マウ アムゲ ヘ
ソジュンハン ゴン ヨッペ イッタゴ
モン キ トナリョヌン サラメゲ マレッスミョン

イジェン クレッスミョン チョッケンネ
クデ クヌレソ チチン マウ アムゲ ヘ
ソジュンハン ゴン ヨッペ イッタゴ
モン キ トナリョヌン サラメゲ マレッスミョン

この歌のタイトルは直訳すると“もうそうできたらいいな”、“これからはそうしたいな”という意味なので、歌のタイトルとしてはもう少し意訳したほうが雰囲気が出るのですが、ここでは元の意味に近いままで仮訳をつけておきました。

ドクソンとお父さんの「ちいさな仲直り」と、お父さんも失敗しながらお父さんをやっていると聞かされて少し大人になるドクソンとの名シーンを、さらに印象付けてくれる挿入歌でした。



なんとなく人生を振り返ってしまいそうな曲ですよね。

旅立った人が、大切なものがすぐ傍にあったと気づいて戻ってくる歌なのに、聴いてるこちらはまた遠くに旅に出たくなるような。

チョ・ヨンピルさんの歌声ともあいまって、深い語りかけのある一曲です。