$theTitle=wp_title(" - ", false); if($theTitle != "") { ?> } else{ ?> } ?>
18 2017年11月
みなさま、こんにちは。
日に日に寒くなってきましたが、みなさまお元気にお過ごしでしょうか。
私は所用で韓国中部地方におりましたが、東京での12月を思わせる寒さでした。
ソウルはまたさらにぐっと気温が落ちましたので、この連休に韓国にお出かけの方は、寒さと乾燥にお気を付けくださいませ。
さて、今日は日本で11月11日から公開されている韓国映画『密偵』をご紹介しようと思います。
韓国で2016年9月6日に公開された、映画『密偵』。
韓国での観客動員数は750万名に達しています。
ソン・ガンホさん、コン・ユさん主演のこの映画は、ハン・ジミンさん、特別出演のイ・ビョンホンさん、日本からは鶴見辰吾さんというラインナップになっており、他に『星から来たあなた』のシン・ソンロクさんや、この映画で一気に注目を浴びるようになったオム・テグさんらが出演されています。
この映画については、以前こちらの記事でも取り上げています。
(過去記事へのリンクはコチラ)
以下は韓国でのポスター。
画像はクリックで拡大します。
ー敵は常に我々の中にいたー
ポスターのキャッチコピーです。
大日本帝国の統治下ある朝鮮を部隊にしたこの映画の中で、ソン・ガンホさんが演じているのはイ・ジョンチュルという朝鮮人の日本警察。
かたやコン・ユさんは、朝鮮独立を目指して武力闘争を繰り広げる独立運動組織「義烈団(ウィヨルダン)」のリーダー、キム・ウジンを演じています。キム・ウジンの同志ヨン・ゲスン役にハン・ジミンさん、シン・ソンロクさん(チョ・フェリョン役)、「義烈団」の団長にイ・ビョンホンさんが特別出演。
また、鶴見辰吾さんはソン・ガンホさんとオム・テグさん(ハシモト役)ら日本警察の上官・ヒガシという役どころです。
植民地統治下の朝鮮で、朝鮮人でありながら侵略者の側に身を置き、日本警察として同胞らの朝鮮独立運動組織を厳しく取り締まっていたイ・ジョンチュルが、組織瓦解のため彼らを包摂せよとの命を受けて「義烈団」に近づくことになり、その過程で沸き起こる極限的な緊張と心の葛藤を非常にスリリングに描いた映画となっています。
以下は日本でのポスター。
私はこの映画は昨年韓国で観たのですが、とても良質な作品で、こうしたものが日本の観客と共有されないのは実に残念なことだと思っていたのですが、私の早合点でした。
個人的には、鶴見辰吾さんの熱演がとても嬉しかったです。
なかなか出演しずらい作品であったでしょうに、映画が心に響いた観客の一人として感謝しています。
この映画が韓国の中で評価された最大のポイントは、「あの時、我々自身のありようはどうであったのか」という内在的な問いかけを投げかけた点にあったと私は思っています。
自分であれば、あの時、あの時代に、何を選択し、どう生きたであろうかと、見終えた後に考えこまずにおれない映画。
その答えは、決してきれいに出てきたりはせず。
自分だったら登場人物のうちの誰だっただろうかという思いが否応なく首をもたげてくる、深い突きつけのある映画でした。
ネタバレはいたしません。
日本公開を待たれていた方もいらっしゃると思いますので、お近くで上映の際は是非ご覧になってみてください。
日本公式サイトのリンクを貼っておきます。
『密偵』公式サイトはコチラ。
また、公式サイトにも掲載されていますが、you tubeに日本公式予告編もアップされていますので、そちらもご紹介しておきましょう。
映画の公開にあたり、先日11月9日付東京新聞にソン・ガンホさんのインタビューも掲載されていました。
<揺れる「密偵」 謎の本心 主演 ソン・ガンホ>というタイトルの記事です。
よくまとまっているインタビューでしたので、該当記事へのリンクを貼っておきます。
東京新聞記事へのリンクはコチラです。
記事の最後の部分を一部抜粋し、ご紹介します。
今年一月、韓国の「今年の映画賞」では「密偵」で主演男優賞を受賞。その際「『映画一本でどうやって世の中を変えられるのか』と言われるが、私は一本の映画で世の中を変えられると思う」とコメントした。「ここ数年、私の出演作が韓国で大きな話題になったので自分の考えを話さないといけないと思った。すぐに変わるわけではないが、映画を見た後でイメージが頭の中に残り、変化が始まる。見たものを記憶した瞬間、一歩を踏み出すのだと思う」と力強く語った。
上記で語られている「今年の映画賞」でのスピーチについては、以前取り上げたJTBCニュースルームでのソン・ソッキアンカーとのインタビューでも触れられていましたよね。(過去記事はコチラ)
「今年の映画賞」は50社が所属する「韓国映画記者協会」が選ぶ映画賞です。
この時選ばれた男女主演賞の受賞者は、ソン・ガンホさんとソン・イェジンさん(「徳惠翁主」)でした。
ソン・ガンホ&コン・ユW主演の『密偵』。
内容もさることながら、実は美術が素晴らしい映画でもあります。
絵の美しさ、精緻さは、観客の集中力とも直結しますよね。
そしてまた、コン・ユさんのイメージチェンジが話題になった映画でもありました。
こんなにスタイリッシュなのは反則なんじゃないかと思うほど、クラシカルないでたちがスクリーンの中に映えていて、中には「拳銃を取り出してもコーヒーに見える」との感想をクチコミする人もいたほど。
コン・ユさんのCMのことを言っているのですが、一見すると褒めているのか何なのか分かりませんよね。
ええ、確実に褒めているのですが。(笑)
また、映画の中で異彩を放っているオム・テグさん。
オム・テグさんの演じた役柄「ハシモト」は、映画の中では触れられていませんが幼い頃に日本に帰化し、自ら日本人と思っている朝鮮人という隠れた設定があるのだそうです。
映画をご覧頂ければわかるのですが、この「ハシモト」が本当に怖くて、そのギスギスした外見も恐怖を倍加させていたのですが、実はわざと痩せたわけではなく、この役に挑む過程で勝手に体重が落ちてしまったのだそう。
あんなに怖い「ハシモト」刑事が、実はソン・ガンホさんと初めて目を合わせた時にはめまいがして気絶しそうになっていただなんて、オム・テグさん、なかなかギャップで持っていく方です。(「10アシア」インタビュー記事にて言及。リンクはコチラ)
日本公開から既に1週間経ってのご紹介となりましたが、みなさまもまだ間に合うようでしたら、是非一度ご覧になられてみてくださいませ。
« 前の記事:♪映画『セシボン』OST “私はあなたにすべてを捧げる”
原曲 イ・ジャンヒ を読む
6 Responses for "映画 『密偵』 日本公開中
ソン・ガンホ コン・ユ ハン・ジミン イ・ビョンホン他"
白先生
こんばんは^^
手先がかじかむ中、受験が1週間も延びるってどんな心境だろう..なんて、思いを馳せてみたりしています。
もちろんながら、浦項市付近のみなさまにはお見舞い申し上げます。
さて、『密偵』のご紹介をありがとうございます!!
間に合いそうなので、駆けこみたいと思います。
韓国での評価ポイントであったという
「あの時、我々自身のありようはどうであったのか」
当時の日本のありようについて
戦前・戦中を生きた亡き祖母と戦後生まれの母は
ぶつかってたなーって思い出しました。
私だったら同じ過ちを犯さずにいられただろうかって
当時もいまも変わらぬ問いです。
また観ましたら、感想をお伝えしますね!
okkedongmuさま
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
そうなんですよね。浦項(ポハン)での地震、局地的に深刻な被害が出てしまっていて、やむを得ず入試が延期になりました。
受験生たち、集中力を切らさずに頑張って欲しいです。あとは23日、雪が降らないことを・・・。^^;
映画についてですが、非常に暗く不幸な時代を背景に、時代の制約を受けながら生きる人々の人物像を掘り下げることでもう一段高い次元の問いかけをしているように私は受けとめました。
テーマ的には楽しく笑えるようなものではありませんが、映画そのもののつくりもとてもよいので、是非ご覧になられてみてください。
ありがとうございました。(^-^)
お寒うございます…
風邪などひかれていませんか?
「密偵」
昨年韓国で観た身にとって
この作品がなぜ1年2か月も日本で上映されないのか
憤懣やるかたないわけでして。。。。
ほんの数か月で公開される作品もあるのに
なんでじゃあああああと叫びたくなるわけです(笑)
お書きになっているように
もし自分だったらどうするのか?
そんなことを延々と考えさせられますよね。
苦しいです、つらいです。
どの役柄に関してもそう思います。
コン・ユはこの作品でがっつり演出を受けたそうで。
いつもと違う演技が見られるのはペンとしてはうれしいですし新鮮でもあります。
なんせ、声のトーンはもちろんのこと
台詞の息継ぎのタイミングまで演出が入ったそうです。
個人的はキャスト全部の、あの衣装が素晴らしいと思っています。
各映画祭で絶賛され賞もとった映画「暗殺」のスタッフが
そのまま携わっていると聞いたときなるほどと思いました。
日本の公開初日に舞台挨拶付きで観たのですが
舞台あいさつに登壇したご本人が
とっくに発売されている韓国版DVDの内容すら知らないことに唖然。。
隣の友人はクスクス笑っておりました。
ソン・ガンホの素晴らしさを再認識するこの作品。
とりあえず前売り券があるのであと1回は必ず観ます(笑)
kanakoさま
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
日本公開の際、舞台挨拶もあったのですね!
今見てみましたら鶴見辰吾さんがいらしたとありました。
コン・ユさんはどうしてもアイドル俳優のようなイメージが韓国では強くて、大人の観客を満足させされていなかったようなのですが、この作品でぐっと評価が上がりました。
初めはソン・ガンホさんとの間で差がつきすぎるのではないかとみる向きが多かったのですが、蓋を開けてみたらまったくそんなことはなかったですよね。
細かくディレクションを与える監督さんだったのですね。結果がすべてを物語るので、コン・ユさんにとってもきっととても意味のある作品になられましたよね。そしてこの後『釜山行き』もありましたし。(笑)
公開されないかな思っていましたので、予想が外れましたがよかったです。
ありがとうございました。(^-^)
こんばんは。
有言実行で(笑)シネマート新宿の最終日に駆け込んできました!
(えっと・・最終日ではなかったことが、ただいま発覚・・笑)
本編は去ることながら、
続々流れる韓国映画の予告編に、心踊ってしまいました。
まずは、以前こちらでもご紹介されていた、リュ・ジョンヨル(応答せよ1988)の『タクシー運転手』ならびに『ザ・キング』にはじまり、アン・ジェホン(応答せよ1988)の『操作された都市』、ピョン・ヨハン(未生)の『エンドレス 繰り返される悪夢』・・・ともう、売れたね、がんばったね!な。
なんかもうにやけてました、きっと(笑)
そして、韓国映画の予告編って、客席で固唾をのむというのか、圧巻されている空気をいつも感じます。
とりわけアクションやサスペンスものかと思いますが、なんだか日本の遥か先をいってしまっているような感覚におそわれてしまうのです。
で、ようやく本編(笑)
苦しいけれど、涙には至らなかった私って、私の見方って、立場って、なんなのだろうって・・・冷静ながらも考えてしまうことがありました。
と共に、パンフレットを見て振り返りながら、この時代を改めて知りたいな、知らなきゃなと思っております。
また、コン・ユ!
韓国ではそのようなイメージを持たれていたのですね。
私は『トガ二』ですっかり株が上がってしまいまして。
ですので、だいぶ色眼鏡で観ており(笑)、イ・ビョンホン、ソン・ガンホと共に豪華だなーって。。
キム・ジウン監督の前々作(?)『悪魔をみた』も評判がよかったようですが、間違いなくおそろしそうで・・避けてしまっていました。。
観ようか・・悩ましくなっております(笑)
韓国映画の劇場公開・宣伝も、一時よりは少しずつ目立ってきているように感じます。
またこちらでもいろいろご紹介いただけるとうれしいです^^
okkedongmuさま
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
お返事が遅れてすみません!
『密偵』、ご覧になられたのですね!
それにしてもそんなに次の上映作のCMが?!
ピョン・ヨハンさんの『エンドレス 繰り返される悪夢』は原題『하루/一日』ですね。
まさかこれも入ってくるなんて!
改めて日本でのピョン・ヨハンパワーを感じます。(笑)
『操作された都市』も上映予定なのですね。
興行的にヒットした作品以外も彩り豊かに上映されて、嬉しい限りです。
『密偵』はやはり、日本の観客が見るには複雑な思いに駆られざるを得ないですよね。感情移入のしどころが見つからないといいますか。
日本の観客とは勿論立場は異なりつつも、自分たち共同体が経験した物語として自分ならどのようなポジションであっただろうかと考えこませる映画でした。
ところでコン・ユさんですが、豪華であるのは全く変わりないと思います!(笑)
ええ、間違いなく豪華です!
題材的にキビシイので、かつてもラブコメイメージがどうしても強いことから「コン・ユで大丈夫?」の巷の声があったのもたしかですが、そんな懸念をコン・ユさんは見事に振り切られたのではないでしょうか。
これからもまたいろいろご紹介していきますね。
ありがとうございました。(^-^)
コメントを残す