みなさま、こんにちは。

朝の空気がはっきりと秋らしくなった関東地方を抜け、大型台風が上陸中の韓国に来ています。
とても大型の台風だそうで、滞在先のソウルでも強風が吹き荒れております。
どんなことになるやら、ちょっとビクビクしております。
日本でも沖縄を直撃したそうなので、みなさまにも被害がなかったならいいのですが。

さて、『王女の男』。
うむーーーー。
もう振り返るのが辛いです。

とうとう事が起きてしまいましたね。

第8話。癸酉靖難(ケユジョンナン)勃発。

癸酉靖難(ケユジョンナン)とは、1453年、13歳の幼さで王位についた端宗(タンジョン)の王座を奪おうと目論んだスヤン大君が、兄である亡き文宗(ムンジョン)の意向を受けて端宗に仕えていたキム・ジョンソらに奇襲攻撃を加えて殺害し、政敵を一掃するまでの一連の歴史的事件のことです。

第8話ではキム・ジョンソと長男スンギュがスヤンの刃に倒れるところまでが描かれましたね。

この回は、私の中では「セリョン悲しみの回」です。

父と母がスンユ一家を殺そうとしていることを聞いてしまったセリョン。
痛々しいほど衝撃を受けています。

「どこに行かれるのですか?」と尋ねるセリョンに「お前の問題にカタをつけに行くのだよ」と答えるスヤン。
「カタをつける」という表現がまた、ぞっとします。
勿論セリョンにはその意味がもう分かっているわけですが。

そして、もう一人恐ろしいのが、母。

「恋におぼれて、親きょうだい皆殺しになってもかまわないのか!」

そんな言い方ってないですよね。
そもそも邪な権力欲を抱いたスヤン大君が問題なのに。

なんてぼやいても始まりません。

そしてなんと言っても今回、許せないのはこの人。
いい人だったのに裏切ったりすると、憎さ倍増です。

友を裏切る決意を固めたシン・ミョン。
そうとも知らず、仲直りしようと訪れたスンユが哀れを誘います。

切ない場面でありつつも、ちょっと“シン・ミョンの部下”に気を取られてしまいました。(笑)
何度も書いて申し訳ないですが、かっこいいです、シン・ミョンの部下ソン・ジャボンことチン・ソンさん。
吹き替えで確認してませんが、字幕機能ではチャボンと書かれていましたね。吹き替えでもチャボンと呼ばれているのでしょうか?
ソンと姓をつければジャボン、名前だけで呼べばチャボンという音なので、どちらでもいいですがセオリー的にはジャボンにすると思うのですが。
なんて、いまそんな細かい話はどうでもよかったですよね。(笑)

刀を見つめて、スンユを切る想像をしてるシン・ミョン。
シン・ミョンの裏切り、やっぱり納得できないです。

友が自分を切ろうとしていることなどついぞ思わず、愛しのセリョンを思うススンニム。

「そんな場合じゃないのよ!」と教えてあげたくなります。

セリョンとすごした岩場で、自分の思いを確固としたススンニム。
帰宅すると、兄に縁談が決まったと一方的に告げられてしまいます。
「僕は結婚しません!」と長兄に反抗し、激しい怒りを買います。

まさかこんな風に兄弟喧嘩をしたままで、兄と永遠に別れることになろうとは・・・・・・。(涙)

同じ頃、スンユを思うセリョン。
スンユが父によって殺されると知ってしまったセリョンは、より切実です。

見張りの隙を縫って塀を越え、足をくじきながらもスンユの家までやってきます。

スンユとの関係を尋ねられ「あの方に大きな借りのある者です」と答えます。
恐らくこのとき、父キム・ジョンソは「ひょっとしてこの子はスンユの・・・?」と思ったんでしょうね。
丁重な扱いを受け家に入れてもらえることになり、ほっとしたのも束の間、追ってきたヨリたちに強引に連れ去られてしまいます。
コンナム全編を通して唯一ヨリが憎かった瞬間でした。

その一部始終を見つめていたアガンちゃん。

ドラマとはいえ、辛いです。
ススンニムの姿が見えるのに、危機を伝えられないなんて。

降ろしてと泣き叫ぶセリョンの悲痛な絶叫。

怒った母に、いよいよ蔵に閉じ込められてしまいます。

「後生です! 後生ですから、あの方を助けてください! あの方には何の罪もありません! 何の罪もありません!」

セリョンの叫び声だけがむなしく響き。

辛すぎる。
このあたりから、視聴者も涙目です。

セリョンが閉じ込められている間にスヤンの凶悪な計画は着々と実行に移され。
キム・ジョンソ宛にスヤンから手紙が届けられます。

「息子のキム・スンユが宮女(クンニョ)と恋仲になっているのを知っているか。これは極刑に値する行為だ。そのことについて今日家に伺って話し合いたい」

またしてもスヤンが息子スンユの命を脅かそうとしている事実を知り、スヤンの悪巧みの全貌を探るべく訪問を許可するキム・ジョンソ。

スヤン、本当にわっるいですよね。
悪知恵の働きっぷりがすさまじいです。
勿論これはドラマの中の設定に過ぎませんが、実際どんな手を使って権勢を誇っていたキム・ジョンソの護衛を制止し、キム・ジョンソを殺害しえたのだろうかと興味が沸きます。

さて。

ここからがこの回で私が一番好きなシーン。というか、唯一好きになれるシーン。
スンユが父キム・ジョンソに、覚悟を決めてもう一度結婚を許して欲しい女性がいることを訴えるシーンです。

このシーン、動画で振り返ってみます。
こちらの動画06:51から08:34までのスンユと父キム・ジョンソとのシーン。

【スンユ】
양갓집 규수는 아니어나 청명하고 맑은 여인입니다.
ヤンガッチ キュスヌン アニオナ チョンミョンハゴ マグン ヨイニ
良家の子女ではありませんが、聡明で清らかな女性です。
제발 그 여인을 한 번만 만나주십시오.
チェバ ク ヨイヌル ハンボンマン マンナジュシシオ
お願いです、彼女に一度だけお会いになってください。

【キム・ジョンソ】
그 여인의 신분이 무엇이냐?
ク ヨイネ シンブニ ムオシニャ
その女性の身分はどうなっている?
너는 이 아비한테 그녀가 반가의 규수가 아니라고 했다.
ノヌン イ アビハンテ クニョガ パンガエ キュスガ アニラゴ ヘッタ
お前はこの父に、彼女は両班(ヤンバン)の子女ではないと言った。
기녀이냐고 물었더니 그것도 아니라고 했다.
キニョイニャゴ ムロットニ クゴット アニラゴ ヘッタ
妓生(キーセン)かと尋ねたら、それも違うと言った。
혹 궁녀이더냐?
 クンニョイドニャ
もしや、女官か?

【スンユ】
그것을 어찌・・・?
クゴス オッチ
どうしてそれを・・・?

【キム・ジョンソ】
궁녀가 맞느냐?
クンニョガ マンヌニャ
本当に女官なのか?

【スンユ】
맞습니다.
マッスニダ
そうです。
허나 이미 출궁한 궁녀입니다.
ホナ イミ チュグンハン クンニョイニダ
ですが、すでに宮殿を出た女官です。

【キム・ジョンソ】
승유야!
スンユヤ
スンユ!
니가 그 여인을 아끼고 내가 니들을 이해한다 해도 세간의 시선이 니들을 가만 두지 않을 것이다.
ニガ ク ヨイヌ アッキゴ ネガ ニドゥル イヘハンダ ヘド セガネ シソニ ニドゥル カマン ドゥジ アヌ コシダ
お前がその女官を大切に思い、わしがお前たちを理解したとしても、世間の目はお前たちを放ってはおかぬぞ。

【スンユ】
남의 이목 따위는 두렵지 않습니다.
ナメ イモ タウィヌン トゥリョチ アンスニダ
他人の目など怖くありません。
아버님께서 허락해 주실 때까지 소자는 기다릴 것입니다.
アボニケソ ホラッケ ジュシ テガジ ソジャヌン キダリ コシニダ
父上がお許しくださるまで、私は待つ所存です。

【キム・ジョンソ】
그 여인 탓으로 네 인생 위태로워진다 해도 감내할 수 있겠느냐?
ク ヨイン タスロ ネ インセン ウィテロウォジンダ ヘド カネハス イッケンヌニャ
その女性のせいでお前の人生が危険にさらされることになっても、耐えられるか?

【スンユ】
한 여인을 마음에 품고 다른 여인과 어찌 한평생을 살 수 있겠습니까?
ハン ヨイヌ マウメ プコ タルン ヨイングァ オッチ ハンピョンセン サス イッケッスニカ
好きな女性を想いながら、どうして別の女性と生涯を共にすることなどできましょう?

【キム・ジョンソ】
알았느니라.
アランヌニラ
分かった。
당분간 집안에서 자중하거라.
タンブンガン チバネソ チャジュンハゴラ
しばらく家で謹慎するがよい。

【スンユ】
예, 아버님.
イェ アボニ
はい、父上。

他人の目など怖くありません。

好きな女性を想いながら、どうして別の女性と生涯を共にすることなどできましょう?

ススンニーーーーム!(号泣)

もう、どんだけセリョンのことが好きなんですか! っていう話です。

末息子の真剣なまなざしに心打たれた父キム・ジョンソ。目に涙を浮かんでくるあたりなぞ、素晴らしい名演でいらっしゃいます。
まるでもう、心の中では末息子の恋を認めたかのようではありませんか。
大物の品格。慈愛に満ちた父。

それに比べて、スヤン大君!
憎すぎる!

ちなみにここのスンユのセリフ、「そうです。ですが、すでに宮殿を出た女官です」の後、まだ続いていたかと思いますが、この動画にはありませんね。
たしかこの後、「国法に照らして問題になるようなことは・・・」と続けたのを、父キム・ジョンソが「スンユ」と遮ったかと。
ちょっとあやふやですが。

父親同士として比べても、比較にならないスケールのキム・ジョンソとスヤン。
でもスヤンの奇襲攻撃の時刻は刻々と近づいていました。

なんとしてもススンニムの命を救うべく、指を噛み切って血書を書くセリョン。
あまりの迫力に気圧され、さすがのヨリも今度ばかりはセリョンの味方をします。

「スンボプ寺 ヨリ」と書かれた血書を見て、愛しのヨリ=セリョンに何かあったに違いないと血相を変えて家を飛び出すススンニム。

ススンニムと入れ違いでやってきたスヤン大君。
輿には武器が仕込まれています。

スンユが恋焦がれている女官は、実は女官ではなく自分の娘だと告げるスヤン。

面食らったキム・ジョンソ、当然疑います。
ですがたちの悪いことに、本当なんですものね。
スヤンはいつも、本当のことを絶妙なタイミングで告げますよね。

かたや庭では。

輿に武器が仕込んでいるのがとうとうばれますが、ばれた後がまずいです。
弱すぎる。(涙)

そして中でも、キム・ジョンソが・・・・・・。

飛び込んできた長男スンギュも・・・・・・。

つか、なんですか、このスヤンのわっるい顔!(怒!)

はぁ。

もう目を覆わんばかりです。

スンボプ寺に駆けつけるも、そこにヨリがいないと知ったススンニム。

「ヨリはここには住んでないよ」
「ヨリ? ヨリって誰?」
「ほら、あのぶさいくな召使の姉ちゃんだよ」

なんという口の悪い小坊主たちでしょう。しつけがなってませんね。
それにしても、字幕のほうでは「下女」となっておりました。
その表現は確か放送禁止用語では? などと余計なことに一瞬気を取られてしまいましたが。

ヨリがここにいないこと、自分の知っているヨリと小坊主たちの指すヨリは同一人物ではないらしいこと、血書を持ってきたのも召使と思しき女だったこと。
にわかに鳴り響く不協和音。
不吉な予感に一目散に家に向けて馬を走らせますが、待っていたのは思いもかけぬ衝撃的な光景でした。

変わり果てた姿となった兄。

その隣にいたのは、父でした。

「アボジー!」

スンユの絶叫が闇夜を抜けセリョンの心にも届き、ラストショット。

PR広告


はぁ。

もうため息しかでません。

とうとうキャピなしどんより週間に突入です。
ここから先何週間にもわたって続く暗い暗い展開に、若干気がめいります。

どよーーーーん。