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28 2017年12月
みなさま、こんにちは。
いよいよ年の瀬も押し迫ってまいりましたね。
今日は2017年に公開された韓国映画総まとめを2度に渡ってお送りします。
まずは観客動員数TOP10入りした映画について、映画の感想を交えつつご紹介しようと思います。
まず、今年観客動員1000万人を唯一超え、1位に輝いたのは、この映画。
ソン・ガンホさん主演の『タクシー運転手』。
韓国で8月2日に公開され、累積観客動員数12,186,327名を記録。
去年の1位だった『釜山行き』(邦題:『新感染ファイナルエクスプレス』)の動員数を抜いて韓国映画歴代観客動員数9位にランクインしました。(統計は映画振興委員会12月26日付)
日本でも『タクシー運転手 約束は海を越えて』というタイトルで4月21日から公開になりますよね。
この映画は1980年5月、全羅南道の光州で起きた韓国軍による光州市民虐殺を世界に伝えたドイツ人記者と、彼を事件の現場まで送り届けたタクシー運転手の実話をベースに描いたヒューマンドラマです。
映画のモデルとなった実在の人物についても、少しご紹介しましょう。
5月18日、当時日本にいたドイツARDテレビ局のカメラ記者のユルゲン・ヒンツペーター(Jürgen Hinzpeter)さん。ニュースで市民軍と戒厳軍が衝突したとのニュースを見て翌日に韓国に飛び、身分を偽装して光州入り。光州市民に無差別に攻撃を加える身の毛もよだつ惨状を生々しくカメラに収め、衝撃的な出来事を全世界に知らせるのに大きな役割を果たされました。
その時実際に彼に同行し、ソウルから光州まで往復したタクシー運転手役をソン・ガンホさんが演じています。
自ら光州で経験した話が映画になるのを楽しみに待っていたユルゲン・ヒンツペーターさんでしたが、2016年1月、惜しくもこの世を去られ、「死んだら光州に埋めてほしい」との遺言より爪や髪の毛など身体の一部を国立5.18民主墓地に埋葬することになり、去年の5月16日、光州市と5・18記念財団が主催しての追悼式が行われました。
生前、「光州事件」の犠牲者を悼む国立5.18民主墓地に献花に訪れたユルゲン・ヒンツペーターさんは、こみ上げる感情を抑えることができなかったと、故人の夫人エーデルトラウト・ブラムシュテットさんが伝えています。
ユルゲン・ヒンツペーターさんがどれほど光州で犠牲になった人々に思いを馳せてきたのか窺い知れますよね。
実話をベースに描かれた映画、日本公開の折には是非多くの方に見ていただきたいです。
ソン・ガンホさんの他にもユ・ヘジンさんやリュ・ジュンヨルさんが光州市民として登場し、素晴らしい演技の競演を見せてくれています。
・・・・・・と、1位からこんなに詳しく書いていた日が暮れそうだと今気づきました。
2位からは飛ばしめでいきます。(笑)
第2位。
今年の1月18日に韓国で公開となった『共助』(邦題:『コンフィデンシャル 共助』)。
7,817,631名の動員を記録しました。
またしてもユ・ヘジンさんがここに。(笑)
ユ・ヘジンさん、今や人気映画に欠かせないですよね。
この映画も来年2月に日本公開を控えているので、多くの方が楽しみにされていると思います。
パッと見てわかる凸凹コンビ。
ストーリー自体は特に目新しいことはなく、北朝鮮からあるものを盗んで韓国に逃げた犯罪者を、南北の垣根を越えて捜査協力を行う中で繰り広げられる話を描いたもの。
ひとことで言えばヒョンビンさんのための映画ですが、アクションシーンにかなり迫力があるので、何も考えずに見るにはいい映画です。
なお、10月30日に不慮の事故で亡くなったキム・ジュヒョクさんが北朝鮮から逃亡した組織のリーダー役を演じています。
第3位は、まさかの『犯罪都市』がここでランクイン!
いやー、なんと3位ですよ!
この映画も既にGWに日本公開が決まっているのですね。
観客動員数は6,879,844名となっています。
R18指定映画としてはこの記録はウォンビンさんの『アジョシ』(628万人動員)を抜いて、歴代3位。ちなみにR18指定映画の1位は818万を記録した『友へ チング』、2位は740万人を動員した『インサイダーズ/内部者たち』です。
この映画、韓国での公開当時、そもそもこんなに観客を集めるとは誰も予想していなかったんですよね。なにしろ『南漢山城』(邦題『天命の城』)と『キングスマン:ゴールデンサックス』の公開と同時期だったので、完全に影に隠れていたんです。
主演は本作品が初主演作になるマ・ドンソクさん。
強力なタッグを組むのはユン・ゲサンさん。
お二人とも、強力なチケットパワーを誇るタイプの俳優さんたちではないので、当初は「こんな映画がある」程度の軽い扱いだったのですが、蓋を開けてみたら驚きの数字となりました。
この映画は2004年と2007年に起きた「朝鮮族(韓国系中国人)」組織暴力団による凶悪事件を脚色したもので、ソウル市九老区加里峰にあるチャイナタウンを舞台にしています。
以前も書いたように、この映画は韓国のマイノリティである「朝鮮族」による凶悪犯罪を描いているため、彼らへの偏見を助長する恐れがあると憂慮する声が多く上がった映画でもあります。(過去記事はコチラ)
映画を見れば、監督が決して「朝鮮族」全体を悪として見ているわけではないのはちゃんと伝わるのですが、ただでさえ偏見や差別、好奇の目にさらされやすいマイノリティ集団なので、残虐行為をものともしない反社会的な輩として描かれることについては、頭の片隅に警戒心を残しておいて損はないように思います。
偏見を助長するとの懸念を脇に置けば、鬼気迫る俳優たちの演技が本当に素晴らしいこの映画。本作品で青龍映画祭助演男優賞をチン・ソンギュンさんが受賞したのは、全く頷ける話です。
マ・ドンソクさんは、存在そのものがアイキャッチと言いたいくらい、その一挙手一投足についつい目を奪われてしまいますし、極悪人を演じたユン・ゲサンさんの常軌を逸した不気味さも相当なもの。
俳優の顔よりも内容一本で勝負した結果としての680万人動員、伊達ではありません。
ちなみにこの映画の監督である1971年生まれのカン・ユンソン(강윤성)さんは、なんとこの映画がデビュー作。
30歳から映画監督を目指して苦節17年、ようやくメガホンをとった数え47歳の苦労人です。
カン・ユンソンさん、この映画を3年かけて構想するも、投資が集まらず。
小さな服屋を営んで家計を支えてくれた妻にこれ以上負担をかけることはできないと悲壮な決断を下したカン・ユンソンさんは、店をたたみ、映画監督になる夢を諦めて夫婦で妻の叔母が住むスペインに。そこでこれからの人生設計を思案している最中、投資が決まったとの連絡を受けて半信半疑でソウルに戻ったというのですから、人生何がどう転ぶか分からないものですね。
初監督作品とは思えない映画のクオリティ。実は俳優たちも、「ここはこうしたらどうだろう」と意見を積極的に提案したそうで、経験豊富な俳優たちと初々しい監督という組み合わせが功を奏したと言えそうです。
損益分岐点は200万人だったそうですので、十分な利益を上げられて本当に良かったと、ただの観客ながらついお祝いを述べたくなってしまいます。(笑)
そして続く第4位は、『軍艦島』(邦題仮)。
ヒットメーカー、リュ・スンワン監督による本作の観客動員数は6,592,151名。
ファン・ジョンミン、ソ・ジソブ、ソン・ジュンギという名だたるスターをそろえ、当初1000万人作品になるのではとみられていた『軍艦島』ですが、700万人に届かない結果に終わりました。
この映画は日本による植民地支配時代、長崎県端島、通称「軍艦島」で炭鉱での強制労働を強いられた朝鮮人の実話から着想を得て作られ、太平洋戦争末期、軍艦島に炭坑夫として強制徴用された朝鮮人400人が決死の脱出を図るという内容になっています。
ただ、この映画は公開前からスクリーン寡占が批判を浴び、映画の評価以前のところで人々から大反発を受けてしまった不幸な作品でした。『軍艦島』のスクリーン数が2000に及んだことを、人々が快く思わなかったのです。
かねてより巨大映画資本によるスクリーン寡占問題が反発を買ってきたのですが、今回この映画はそのやり口を人々にモロに嫌われた格好となりました。
またもう一つ、この映画が思ったように動員が伸びなかったのは、この時代に朝鮮の人々が受けた苦痛をエンタメ化しすぎた点もさることながら、日本の支配層よりも、朝鮮人で侵略者の側についた人々の悪行に焦点を当てているためと言われています。
私自身はこの映画の持つメッセージを高く評価しているので、上記ような評価を残念に思っています。
映画がドキュメンタリーではないことは初めからわかっているので、歴史的事実をモチーフにしながらまったく違う出来事を想像の産物として描くこと自体は特に批判されるようなことではなく、批判されるとしたら想像の産物がどのようなメッセージを投げかけようとしているのか、どう歪曲したものになっているかに焦点を当てて見るべきだと思いますので。
この映画は、私の知る限り今のところ日本での公開は決まっていないようですよね。
多くの日本の観客がこの映画を見れる可能性がないのが残念ですが、リュ・スンワン監督のメッセージは明確で、この映画は最後に日本の人々に平和のメッセージを伝えています。最後のその一点を強調するためにすべてのシーンを作ったのではないかと私には思えるほどです。
ひとたび侵略や戦争が起これば否応なくあちらとこちらに隔てられ、人々はわけもわからず憎むよう仕向けられ、実際憎まざるを得ない事態に直面したりもします。そうした不幸を私たちはみな歴史的にも、現在的にも経験しているわけですが、私たち普通の人々が敵味方に引き裂かれないために何が必要なのかをリュ・スンワン監督は映画の最後に思いっきりソン・ジュンギさんのセリフやラストシーンでのセリフで投げかけています。
私自身はリュ・スンワン監督がこういう人だったのかと再発見し、非常に感動したのですが、監督が意味するところを多くの韓国の観客がくみ取れていないらしいことを知り、とても残念です。
・・・・・・この調子で書いていると、いつまでたっても終わりませんね。
まだ折り返しにも来ていないことに気づき、愕然としました。
サクサクまいります。(笑)
続けて、第5位。
第5位はパク・ソンジュンさんとカン・ハヌルさんの『青年警察』(邦題仮)。
あー、サクサクと言ったばっかりなのに、言いたいことが山ほどある映画。(笑)
この映画は韓国で8月9日に公開され、5,653,270名の動員を記録しました。
パク・ソジュンさんとカン・ハヌルさんが警察学校に入り、警察官になるまでの成長ストーリーをコミカルに描いたとても愉快な作品です。
・・・・・・と言いたいところですが、この映画も中国朝鮮族による人倫にもとる凶悪犯罪事件を、二人が成長する上での「材料」として登場させ消費しており、『犯罪都市』とはレベルの違う、より深刻な作り手の問題意識のなさを如実に見せています。
女性に対するセンセーショナルで非人間的扱いを描きながらも、そのこと事態に問題意識を持っているとは到底思えない軽薄さ。マイノリティ集団に対する差別的な視点をむき出しにしたままの、主人公の「成長物語」の材料に落とし込む考えなしのプロットが、いかに罪深いことか。
この映画は、あまりに中国朝鮮族の人々を悪魔的に描いているため、朝鮮族の人々から上映中止の申請が出されたほどでした。
キム・ジュハン監督は抗議の声に、「朝鮮族の方々を傷つけたのなら謝りたい」と述べているので、今後の作品を注視したいと思います。
批判の声に真摯に耳を傾け、今後の作品作りにいそしんで頂きたいと切に願うところです。
・・・・・・サクサクですよね。はい、サクサク。(笑)
第6位。
やっと来た~! なにも文句のない映画!(笑)
ハン・ジェリム監督の『ザ・キング』(1月18日公開)が6位にランクインです。
この映画は5,317,383名と、思った以上にスコアが低め。
楽しく映画を見た私としては、せめて600万人は超えて欲しかったです。
チョン・ウソンさんとチョ・インソンさん主演のこの映画については、以前もコチラの記事で取り上げています。
『ザ・キング』は日本でも来年3月から公開されますよね。
韓国現代史までずらずら~とおさらいできるシーンがあったりする、コミカルで漫画チックな演出が功を奏した映画でした。
個人的には、やっぱりリュ・ジュンヨルさんはチョ・インソンさんと同い年に見えないですが・・・・・・。(笑)
第7位は、なんときちゃいました、この映画が。
『神と共に―罪と罰』(邦題仮)。
いやー、どういうことでしょう。12月20日に公開されたばかりなんですが、既に500万人超えの5,201,906名。
1週間でこの数字は、これは届いちゃうかもしれませんね、1000万。
今まさに熱く上映中のこの映画ですが、見てきた人の評価は結構分かれてもいて。
私も早く見に行かねばと思っているところです。
この映画、R12指定がやはり効いている気がしますよね。
年末は、子どもと一緒に映画でも。な大人向け。(笑)
そして8位も食い込んできました、ヒョンビンさんの『クン』(邦題仮)。
こちらの映画は11月22日に公開、現在も劇場は少数ながら上映中なので、上記同様12月25日付で4,017,417名の観客動員となっていますが、最終的にはスコアが微増しそうです。
日本にも来年頭に入って来るらしいですよね。
この映画については、以前予告編を取り上げています。(記事はコチラ)
私もさっそく見てみたのですが、映画を楽しみにしているヒョンビンさんファンのみなさまに恨まれそうなので、感想は述べないことにします。
って書いたら、恨まれそうなことを思ってるってバレバレですよね。
すみません!(笑)
そして9位は、この映画がランクイン。
イ・ビョンホン×キム・ユンソク×パク・ヘイル主演の『南漢山城』(邦題『天命の城』)。
10月5日に旧盆連休に向けて公開されたこちらの映画のスコアは3,848,842名。
人々の予想に反し、同じ時期に公開された『犯罪都市』にまんまと観客を取られ、意外にも400万に届かない観客動員となりました。
こちらの映画も来年の日本公開が決まっているそうです。
この映画が描いている歴史背景は、時期としては『最終兵器 弓(邦題:『KAMIYUMI』)』が描いているのと同じ「丙子胡乱(병자호란/へいしこらん)」。
1636年12月、「丙子(へいし) の役」で清の攻撃を避け、王と朝廷が南漢山城へ逃げ、外へ出ることも攻撃することもできない孤立無援の状況の中で繰り広げられた1636年12月14日から1637年1月30日までの47日間を描いた時代劇で、国がとるべき道について二人の異なる立場の官僚が王を前に論戦を繰り広げる内容となっています。
一時の恥辱に耐え、王と百姓の命を守るべきという信念を手放さない主和派チェ・ミョンギルにイ・ビョンホンさん、清と最後まで戦い、大義を守るべきと主張する主戦派キム・サンホンにキム・ユンソクさん、二人の異なる「正論」の間で悩む王・仁祖にパク・ヘイルさん、山城の鍛冶屋役にコ・スさんというラインナップになっており、歴史小説家キム・フン(김훈)さんが2007年に発表した同名小説を原作にしています。
完膚なきまでに敗北を喫した戦いについて、アクションで彩ったり、「物語」で装飾することなく、ひたすら信念と価値をかけて論戦しあう二人の姿をさながら戦争そのもののように描いたこの映画。
映画を見終えた後、一冊のずっしりとした小説を読み終えたような重量感を残す、非常に厚みのある深い映画です。
ただ、歴史ものであっても「娯楽作品」に慣れてしまっている観客には、思っていたような楽しみを与えない、気難しい顔をした映画に映ったかもしれません。
そして最後10位の座を勝ち取ったのは、先日公開されたばかりのチョン・ウソンさんとクァク・トウォンさん主演映画『鋼鉄の雨』(邦題仮)でした。
12月14日に公開されたこの映画、3,589,936名の観客動員で、見事TOP 10入りを果たしました!
やはり12月公開映画は、強いです。(笑)
とはいえこの『鋼鉄の雨』も意外に潮が引くのが早く、早くも『神と共に』に観客を取られている様子。
その『神と共に』も、12月27日に公開となったもう一つのハ・ジョンウさん主演映画『1987』にまた取られそうな予感もあり。
なかなか激しい食い合いが見られています。(笑)
ちなみに昨年も12月に公開された映画が2編、最後にTOP10入りを果たしています。
一つは『パンドラ』、もう一つは『マスター』。
いずれも12月29に付けで400万人台でしたが、最終的には『パンドラ』が4,584,803名と伸び悩んだのに対し、『マスター』は 7,147,924名。年が明けてさらに300万人の観客を獲得しているんですよね。700万人超えはかなりの数字です。
年末に公開される映画はヒットが見込まれるものが多いので、その年のTOP10映画には食い込めるものの、年をまたいで最終的なスコアを伸ばしてもあまり記憶に残らないところが、残念なところではあります。
2017年は1000万超えの観客動員を果たしたのは『タクシー運転手』のみでしたが、実話や歴史的事実、実在の人物をもとにした映画が多くTOP10入りしたのが特徴と言えそうです。
12月27日より公開となる『1987』も、1987年に実際に起きた民主化運動弾圧とその過程でのソウル大生拷問死を扱っており、こうした映画の傾向が2018年にも続くのか、注目したいところです。
(②に続きます)
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10 Responses for "2017年 韓国映画 ① 観客動員TOP10"
白香夏さま
タクシー運転手、見てきました。
迫力ある映像で、途中からドキドキ緊張しまくりでした。
大きな音に思わず、ビクッとすることがなんどあったことか。
ソンガンホさん、車の運転もすごかったですが、
感情をとても上手に表現されていました。
ユヘジンさんの三食ご飯の時を思い出させる温かい姿と
タクシー運転手としての誇りを感じさせる行動が素敵でした。
光州の人の思いを伝えるために必死にソウルに戻っていき
日本へ旅立つまでの様々な出来事、記者さんがお亡くなりになる前に
もう一度再開できればよかったと心から残念に思いました。
それほど遠くない時代にあった出来事ですが、
今は、またいつ起きてもおかしくない瀬戸際にいる気もします。
人の命の重さを考えると、これからもすべての人が安心して生きられる社会で
あり続けることがとても大事だと思いました。
いろいろ考えさせられる映画でした。
koroさま
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
お返事が遅れてすみません。
『タクシー運転手』、ご覧になられたのですね!
多くの方々が関心を持ってご覧になられているようで、私の周りにもみてきたという声がちらほら聞かれます。
韓国が今の民主的な政権に政権交代する前につくられた映画なので、軍事独裁政権と同じ根を持つ製作当時の政府による様々な映画界、ソン・ガンホさん自身へのプレッシャーがあったため、「人」の生きざまにフォーカスを当て、出来事の背景自体は抑制したトーンで描いていますが、それが結果的に功を奏した映画だったと思います。
koroさまが「またいつ起きてもおかしくない瀬戸際」とおっしゃるのが、朝鮮半島のことなのか、日本のことなのか、世界の紛争を指していらっしゃるのかちょっと読み取れなかったのですが、少なくとも韓国社会はこのようなことがあった時代と決別するために今は多くの市民が覚醒していますし、いまだ明かされていない光州事件の真実を政権交代後現在も追求し続けているところです。
朝鮮半島の平和は朝鮮半島の人たちの手に任せてもらいたいのですが周辺国がそうさせない複雑な状況があり、そこが歴史的にも最も頭の痛いところです。
いずれにしても、実話をベースに描かれているこの映画、瀬戸際に置かれた時の人の生き様や、「報道の役割」についても考えさせてくれる映画だったと思います。
感想を寄せてくださって、どうもありがとうございました。(^-^)
白香夏さま
はじめまして、kaoringと申します。
いつも楽しく読ませていただいております。
2003年に冬のソナタを観て以来、韓国ドラマと映画にハマっております。
昨年の夏頃はあまり惹かれる作品がなく、韓流から心が離れそうだったのですが、太陽の末裔やトッケビを観て、再度韓国ドラマと映画にハマっております。
今年の1月に嫉妬の化身を観てから、チョ・ジョンソクのファンになり、作品を観まくっております。
最高だ!イ・スンシン絡みでこちらに辿り着きました。
スンシン絡みからチョ・ジョンソク絡み、他の記事も読ませていただいておりますが、本当に何を読んでも面白いです!そして勝手に共感させていただいております。
この記事の影響で、今日はタクシー運転手を観てきました。
共助やミッドナイトランナーも良かったですが、タクシー運転手は途中から涙が止まりませんでした。最後まで胸が締めつけられる感じでした。観に行って良かったです!
これからもこちらにお邪魔して、いろいろと参考にさせていただきながら、韓流を楽しみたいと思っております。
kaoringさま
はじめまして!
コメント大変嬉しく拝見いたしました。
どうもありがとうございます。(*^_^*)
チョ・ジョンソクさんがお好きなのですね!
『嫉妬の化身』から入られたとのことなので、もしかしたら『建築学概論』の「ナプトゥギ」は衝撃映像の類でしょうか。
スンシンでハマってしまった時は「私がまさかナプトゥギに!」と懸命に否定しようともがいていたのを思い出します。ああ、抗えない彼の魅力。芸の幅が広いですよね。(笑)
そしてなにより、私の記事で興味を持たれ『タクシー運転手』をご覧になられたとのこと、本当に嬉しいです!
80年5月当時、韓国内では光州で起きている事態について完全に報道統制されており、一歩外に出たら誰も知らないという別世界、孤立した状況に置かれていました。
惨劇のただなかにあっても人間らしさやユーモア、笑顔を忘れない人々の生きざまがまた美しくもつらく、私も涙が止まりませんでした。
観に行って良かったと仰ってくださって、本当に心から嬉しいです。
韓国の市井の人々が経てきた苦しみと抵抗の歴史を多くの韓流ファンの皆様にも映画で追体験していただき、心で感じていただけることを願っています。
ありがとうございました。
これからもよろしければ、ぜひまた遊びにいらしてくださいませ。(^-^)
白香夏さま
返信ありがとうございます!
光州事件については10年程前に『砂時計』で知りました。
当時はドラマを観ていてもよく理解できませんでした。
『砂時計』を観たあとに少しですが、光州での出来事について調べたりしました。
『タクシー運転手』は『砂時計』を観たときよりも、胸が締めつけらる感じがしました。
ソン・ガンホさんの演技が素晴らしかったこともありますが、私自身が歳を重ねて感じ方が変わったのだと思います。
今月は『焼肉ドラゴン』『蝶の眠り』も観に行くつもりです。
チョ・ジョンソクさんの 『キング』『建築学概論』はかなり前に視聴済みでした。
観た時の印象は「イ・スンギよりもイケてる」と「イ・ジェフンの方が素敵だけど面白いお友だち」でした。
『嫉妬の化身』を観た時には同じ俳優だとは全く気付きませんでしたが『ナプトゥギ』と同一人物でもショックはありませんでした。
洗練されて素敵になったのね〜
年齢不詳だわ〜
という感じでした。
『最高だ!イ・スンシン』『あぁ、私の幽霊さま』『嫉妬の化身』はキャラクター繋がっているように感じました。
『嫉妬の化身』の脚本家がチョ・ジョンソクさんの大ファンでいろいろとやらせたいことを盛り込んだのかしら?などと勝手に想像したり…
昔からファンなのはヒョンビンさんとコン・ユさんなのでチョ・ジョンソクさんはタイプでは無かったのですが、今は演技の幅の広さと魅力的な瞳に夢中です。
素敵ですよね!
白香夏さま、これからも記事を楽しみにしています(*´∇`*)
kaoringさま
こんにちは。
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
チョ・ジョンソクさんのナプトゥギは、すでにご覧になられていたのですね。
ショックをお受けにならなかったとのこと、なによりでした。(^^)
私はナプトゥギを期待して『最高だ!イ・スンシン』を見始めたので、期待していた姿よりもカッコつけていてはじめはがっかりしたりしていました。見方が完全におかしいですよね。(笑)
その間に『キング 〜Two Hearts』での男前すぎる役柄を知り、別人ぶりに驚愕してしまいました。
そして、光州事件については『砂時計』でお知りになられたのですね。
このドラマは韓国では初めての文民政権下にあった95年1月から放送されたのですが、実はこのドラマによって80年5月光州で何があったのかを知ったソウルの人たちがとても多く、大変な衝撃を社会に与えました。それほど情報統制が長らく「効いて」いたことの表れですが、ドラマをきっかけに事実を知った人々の怒りが収まらず、軍事クーデターを起こし大統領になった光州市民虐殺の首謀者と参謀だった前任二人の大統領はそれぞれ無期および懲役17年の判決を言い渡されました。(のち恩赦)
人倫にもとる犯罪を犯した者が、いまだその罪をあがなうはおろか、あまつさえ虚偽の事実を記した書籍を執筆するなどし光州市民の犠牲者たちを冒とくし生きながらえていることに、人々は大変な怒りを覚えています。
ところで『蝶の眠り』は存じ上げませんでしたが、日韓合作映画と言っていいのか、製作はシグロさんなのですね。
中山美穂さんとキム・ジェウクさんが主演された、韓国人監督による作品。
中山美穂さんと言えば韓国では韓国初公開日本映画だった『ラブレター』のイメージから日本映画を代表する女優さんなので、日本はもちろん韓国でも好評を博するといいですね。
『焼肉ドラゴン』は鄭義信さんの舞台をご本人が監督された作品ですが、舞台の評判はものすごくよかったですよね。
真木よう子さんが『パッチギ!』に続いてまた在日韓国・朝鮮人の役を演じられているのが、個人的はとても嬉しいです。
真木よう子さん、井上真央さん、桜庭ななみさん姉妹のお父さん役に、韓国のキム・サンホさんが出演されているところなどもとても魅力的です。
私もぜひ観に行こうと思っています。
どうもありがとうございました。(^-^)
白香夏さん、こんにちは。
私の住んでいる地方でもようやく 「タクシー運転手」 の公開が始まり、見てきました。
久しぶりに映画館でポロポロ泣きました。
1980年の私はといえば、おそらく 韓国=キムチ 程度の知識しかなく、ちょうどディスコブームの真っ只中でもあり、自分と同世代の若者が光州で大変な目にあっていることなど露とも知らずに遊びまくっていた次第です。
軍が丸腰の市民を武力で弾圧するシーンはあまりにも痛ましく、ユルゲン・ヒンツペーターさんが当時実際に撮った記録映像も使われていて、ますます胸が締め付けられました。
記事欄が白紙の地元新聞、軍に都合の良いようにでっちあげた内容を平気で伝えるテレビ放送、こんなことが起こってしまうのですね。
タクシー運転手マンソプが、娘へのプレゼントに綺麗な靴を買った町では、人々がごく普通に日常生活を送っている、こんな状況に唖然としました。
そして、ソウルに向かう途中で、こみ上げてくる使命感のようなものを抑えきれなくなり、Uターンして猛スピードでまた光州に向かう・・・このあたりからこのアジョシが俄然かっこよく見えてきます。
お金のために光州行きを引き受けたお気楽運転手が、ドイツ人記者と出会い、光州での惨劇を目の当たりにして、命がけともいえる行動に・・・このあたりの見せ方がうまいですし、ソン・ガンホさんの演技が素晴らしいです。
家に帰って思い返すと、そういえばこの映画にはイケメンも出てこないし、若いきれいな女優さんすら一人も出てこないことに気が付きました。
決して娯楽性が高いとは言えないこの映画、1200万もの人が映画館に足を運んだという韓国の人々と、映画製作に関わった方々にパクス(拍手)です。
おっさんAさま
こんにちは!
お久しぶりです。お元気でお過ごしでしたか?
コメント、どうもありがとうございます。(*^_^*)
『タクシー運転手』、ご覧になられたのですね!
一つ一つのシーンに共鳴され、思いをはせながらご覧くださったことに、感謝を申し上げたい気持ちでいっぱいになりました。
1980年5月に光州で起きたことは、実はまだ全貌が明かされていないのです。
市民に対する戒厳軍による空軍機(ヘリ)からの射撃を、国家として国防が正式に「あった」と認めたのは、今年の2月に入ってからでした。
他にも、これまで明るみに出てこなかった、高校生を含む女性たちへの凄惨な性暴力が集団的に起きていたことが分かっており・・・。
つらいことですが、徹底的な解明をしていただきたいと望むばかりです。
仰るとおり、決して「娯楽性」では見ることができないこの映画ですが、ひとりひとりの生きざまに焦点を当てたことにより「風化させてはならない重大な事件」という側面だけではなく、「人の物語」として深い共感を呼ぶものになったのではないかという気がしています。
私も政権交代前、不利益を覚悟でこの映画を製作してくださった方々、主演のソン・ガンホさん他出演者の皆さんに、心から敬意を表したい思いです。
ありがとうございました。
なにかと体調を崩しやすい季節ですので、どうぞお体ご自愛くださいませ。(^-^)
久しぶりにコメントをさせていただきます。
以前、雲が描いた…のポゴムくんにハマりコメントした以来かと思います。
今年は日韓とも猛暑の中お疲れだったと思いますが、いつも色々な記事をあげてくださり楽しませていただいています。ありがとうございます。
夏前に「タクシー」を観に行ってきました。久々に娯楽じゃない韓国映画をみました。とても良かったです。よくこんな映画を作れたなと。
詳しい時代背景の予習はせずに、この時には私は何歳で日本はどんな時代だったかなというのを思い出しながら観に行きました。正直、同じ時代で日韓でこんなに違ったのか…と驚き、色々考えさせられた映画で、途中からは泣きっぱなしでした。
俳優さん達の演技じゃないような素晴らしい演技、細かなセリフやシーンにこちらまで入り込んでしまい、見終わった時には色んな感情がわいてきました。帰宅後に映画の内容と合わせて少しですが調べてみました。
このあとちょうどBSでこの事件を取り上げ映画の事も放送されていました。
その後たまたま韓国人高校生と話をする機会があり、この映画の話をしたら「授業でもこの事件の事は習ったけど、実際に映画を観て驚いた」と言ってました。
日本でも他の国でもそうだと思いますが、昔、自分の国でこんな事があったのかと驚くことも多いけど、それがあって今の自分たちがいるという事で、色々考える機会になります。
「1987」も記事にしてくださっているので、観に行きたいと思っています。
関係ないですが、今さらながら「応答せよ1988」を見て、テク〜!となっております。笑
アンちゃんさま
こんにちは!
お久しぶりです。お元気でお過ごしでしたか?
コメントどうもありがとうございます。(*^_^*)
この夏は本当に猛暑でしたね~。日本に負けず劣らず韓国も。
人に会っても天気の話ばかりだったような気がします。(笑)
私はすっかりバテ気味でしたが、アンちゃんさまは大丈夫でしたか?
やっと涼しく・・・と思ったらまた台風で。人類は自然には勝てませんね。
『タクシー運転手』、ご覧になられたのですね。
私の周りにも観てこられた方がかなりいらっしゃって、嬉しく思っていました。
本当にいい映画でしたよね。銃剣で市民を弾圧する獣のような輩の理不尽さ、残虐さに怒りで打ち震えますが、そこに生きていた普通の人たちの、最後まで人間であろうとするところからくる「抵抗」に胸をうたれ。
韓国の映画館でもすすり泣きが映画館中に響いていましたが、日本の映画館もそうだったと聞きました。
ユーモラスで個性的な普通の人々が巻き込まれる事態の残忍さに本当に胸の痛む、私であったらどうしていただろうと思わずにおれない映画でした。
『1987』の記事もお読みくださってありがとうございます。
1980年5月光州から7年後の韓国の出来事を、今度はソウルを中心に描いています。
是非ぜひご覧になられてみてください。
そして『応答せよ1988』。
「今さら」ハマっている方多いみたいですよ~。もう、ぜひぜひ~。(^.^)
AbemaTVでも放送中だそうですよね。
テク~~~~~~!あんなヘルメッティな頭をしてても、イケメンは隠せない!(笑)
ありがとうございました。(^-^)
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