みなさま、こんにちは。

今日は韓国ドラマ『主君の太陽』(邦題仮)の話題を。

旧盆の特番が組まれた影響で、本来10月2日水曜日に最終回を放送し、一日あまった木曜日はドラマのスペシャル編を放送する予定になっていた『主君の太陽』。どうやらスペシャル編をなくして1話延長し、全17話にすることが決まったようですね。

1話でも長く見れるならドラマのファンとしては嬉しい限りです。
延長するとつまらなくなるとのジンクスもあるそうですが、きっとこれに限っては大丈夫でしょう。
と根拠のないことを書いておりますが。(笑)

さて、すみません。

『主君の太陽』、とうとうネタバレ満載で取り上げさせていただきます。
到底ストーリーのフルカバーはできないので、ピンポイントで。

殆どのかたが未見でしょうから、わがままなアップをお許しください。
書かずにいられなくなってしまいました。(笑)
「えー、絶対見るつもりなのに」というかた、本当にすみません。
このまま閉じてくださるか、薄目を開けてお進みくださいませ。

『主君の太陽』。
脚本がよく練られていると先日より書いておりますが。
チャッカンナムジャこと『優しい男』の時も感じましたが、よくできた脚本は初めのほうでいとも簡単に物語の核となりそうな「謎」を明かしてしまいますね。
核となる「謎」を早々に視聴者に明かしても、そのあとどんどん予想を覆すストーリーが待ち構えているので、まったく見飽きない。むしろ感嘆を誘う。
そんな要素がこの『主君の太陽』にもあるように思います。

このドラマは、チュグン(主君)と呼ばれるチュ・ジュンウォンが高校生の時に遭った、身代金目的の誘拐事件の時効が目前に迫る中、テヤン(太陽)/テ・ゴンシルの力を借りてその時死んだジュンウォンの彼女チャ・ヒジュから犯人を聞き出そうという大きな縦軸と、毎回1話完結で繰り広げられるテヤンの「幽霊お悩み解決エピソード」の横軸とで構成されています。

1話完結型って、気軽に見れますよね。
どっぷりディープにストーリーを追うタイプのドラマのヒットが続いていたので、あまり気合を入れずに観れるドラマを欲していた視聴者にこのあたりが刺さったと分析するむきもあり。たしかに真夏に始まるドラマとしては、一話完結型の構成が見易さに一役買ったと私も思います。

初回では、高校時代の誘拐事件以来誰とも心を通わそうとせず、どんな女性とも付き合おうとしない人嫌いで性格の悪い、がめついジュンウォンの姿が導入として描かれました。
大好きだった彼女が自分のせいで犠牲になったことから、ジュンウォンがそういう人間になってしまったと回りの人物や視聴者は何も疑わず見ているわけですが、初回ラスト、いきなりの大どんでん返し。

なんと彼女が誘拐犯の一味だったという。

その事実を15年間ひた隠しにしたまま、裏切った彼女を恨みつつジュンウォンが生きていたことが視聴者に明かされます。

1話のラストでこの破壊力ですから、ほんと、とんでもない脚本力なんです。視聴者はのっけから心を鷲掴みにされました。(笑)

現在13話まで放送を終えている『主君の太陽』。
ここまでも数々の名シーン、名台詞(迷台詞?)を生み出しているのですが、ここで取り上げたいのは3話で飛び出した衝撃(笑撃?!)のシーン。

3話。
ジュンウォンに何かと絡んでくる霊媒体質のテヤンが、ヒジュと思しき幽霊がジュンウォンの傍にいると伝えたことから、しきりと思い出されてしまう過去の記憶。
ジュンウォンは高校生時代の自分とヒジュを回想します。

ジャングルジムの上から、ヒジュの自分に対する思いを確認するジュンウォン。

「俺が金持ちの息子だから付き合ってるって、ほんと?」

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一瞬黙るヒジュ。

「まさかお前、葛藤してる?」

「葛藤するふりしてるの。即座に認めたら、傷つくでしょ?」

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嗚呼、素直になれない青春時代。

ヒジュの言葉をマジに受け取ってしまったジュンウォンは、傷心の面持ちでジャングルジムを降り。

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「チュ・ジュンウォン、怒ったの? 私が3回呼んだら、機嫌直るよね?」

傷心のまま歩き続けるジュンウォン。
後ろからヒジュが声をかけます。

「チュ・ジュンウォン(ONE)」

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「チュ・ジュントゥ(TOW)」

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「チュ・ジュンスリー(THREE)」

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カンカンカンカン!

KO!

ヒジュ圧勝!

まぁ、要はこんな風にデレデレだったんです。

こんなにデレデレになっていた彼女が、自分を身代金目的で誘拐した犯人の一味だったんですから、ジュンウォンが人間不信になるのも当然です。可哀相過ぎます。

「悪い女」

過去を思い出し、そうつぶやくジュンウォンなのですが。

一方。

飲み会でこっそりお酒を混ぜられ、すっかり酔ってしまったテヤン。
テヤンは酔ったり意識が朦朧とすると、霊が体に入り込んでしまうため、お酒は飲まないようにしているのですが、こっそり混ぜられちゃったんですよね。

そんなテヤンの体をのっとり、ヒジュがジュンウォンの家までやってきます。

突然家に訪ねてきたテヤンにたいそうご立腹のジュンウォン。
勿論、テヤンの体がのっとられているなんて、思いもよりません。

「怒ったの?」

「ああ、怒ったね。お前は解雇だ。失せろ!」

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背を向けたジュンウォンに話しかけるテヤン。

「今でも私が3回呼んだら、機嫌直る?」

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「チュ・ジュンウォン」

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「チュ・ジュントゥ」

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「チュ・ジュンスリー」

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(4話へ続く)

いやーー、このシーン。

ドラマを代表する印象的なシーンのひとつなのですが。

どうですか?
お分かりになりましたか?

そうなんです。

韓国語ではONEは「ウォン」と発音するんです。

なので、「チュ・ジュンONE、チュ・ジュンTWO、チュ・ジュンTHREE」と「ワン・ツー・スリー」で呼んでいるのですが。

このシーンを見た瞬間から、頭を離れません。

「ここ、日本に入ってくる時、どうやって訳す??」

これがあるんですよねぇ。
ドラマにどっぷりはまりきれない。

こういう韓国語の言葉遊び的な台詞、翻訳にはとっても悩ましいんです。
名前がチュ・ジュンウォンなので「チュ・ジュン”ワン”」とは書けないし。
でも名前を生かすと「チュ・ジュンウォン、チュ・ジュンツー、チュ・ジュンスリー」となってしまうので、台詞が意図したことが通じなくなってしまいます。ワン、ツー、スリーと言っていることを伝えなくてはいけないのに。

今からこの部分を翻訳のかたがどう訳されるか、興味津々です。
字幕ならこういう場合、「ウォン」の部分にカッコつきのルビを重ねて「(ONE)」もしくは「(ワン)」とやる逃げパターンが多用されますが、こういう緩い逃げ方も韓国ドラマ以外ではあまり目にしないという事実。緩くないNHKあたりの吹き替え版をつくることになった場合、ここ大変ですね。抜本的に変えられて、まったく別物の訳が与えられちゃう気がします。
ウォン=ワンには絶対にならないので、ワン・ツー・スリーは生かせない。でもそうなると、ドラマの名台詞は台無し・・・・・・。

頭痛い!!!(笑)

頭痛くなってきたので、もう考えないことにします。



こうやって書いていたら、なんだかここは是非、NHKの吹き替え版で颯爽と日本初登場して欲しくなってきました。
担当される方がどう乗り越えるか、みものです。
って完全に高みの見物モードですね。ごめんなさい。
そのご担当者に、今から心からのエールをお送りしておきます!
どうぞ、華麗な訳を!(笑)