みなさま、こんにちは。

今日は冬至。
これから日一日と日が長くなると思うと、嬉しいですね。

さて、今日は『六龍が飛ぶ』の19話から23話までの感想をざっと記しておこうと思います。

相変わらず面白いです、『六龍が飛ぶ』。
毎回ぐっとこさせられる場面があり、見るたびごとにドラマのメッセージに感じ入っています。

時代劇は実に意味深で。
歴史的なある地点に背景を借りつつ、伝えようとしているのは「今」ですよね。
だからこそ潜んでいるメッセージを見極めつつ見進めているのですが、この『六龍が飛ぶ』は人間について掘り下げつついまに通じさせる脚本を書いていると感じます。
とにかく見ていて現実の社会がチラつくんですよね。

18話のラストでチェ・ヨン将軍とイ・ソンゲ将軍との対立構図が予告されましたが、19話以降それは顕在化。チェ・ヨン将軍がウ王との間だけで、勝ち目のない「遼東征伐」を決めたためでした。

遼東はかつて元が支配していた南満州遼江の東側地域のことですが、更にさかのぼればかつては高句麗が領土としていた土地でもあるので、高麗はこの地に住む高麗人へ統治を拡大するために過去に元と3度にわたって闘い、一定の成果を挙げていました。元に入れ替わるように台頭した明は、かつて元が支配していたこの地を「返還」するよう高麗に圧迫を加え、遼東を対高麗前線基地としていたのですが、チェ・ヨン将軍はその影響力を武力で排除しようとしたのです。

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狩りと称してピョンヤンまで連れ出され、王とチェ・ヨン将軍に「遼東征伐」を迫られるイ・ソンゲ。

19話ラストのこのシーンで、韓国の視聴者は一斉に「とうとうきたー!」と興奮したようです。

なぜならこの後なにが起きるのか、韓国の視聴者にはお馴染みなので。(笑)

分かりきっていても、「この作品はどう描くか」がポイントなんですよね。

20話。
イ・ソンゲ将軍は当然反対。遼東征伐に反対する理由を挙げます。

出兵するなら、せめて秋にしなければ兵糧米を普及し続けられないこと。
弓が駄目になり伝染病が蔓延するだろうということ。
倭寇攻撃されたら防ぐ手だてがないこと。
小国が大国に戦いを挑むのは理にそぐわないこと。

イ・ソンゲは戦う前に兵を失うことになる、多くの百姓の犠牲を伴うことはやめるべきだ、攻められたならいざ知らず、攻め入るなどはあまりに無謀だと再考を懇願しますが、既に元の高位官僚と「鴨緑江を越える」と密約を交わし、大義のためなら犠牲などいとわない冷徹で頑迷なチェ・ヨン将軍を翻意させることができません。
かといってチョン・ドジョンの勧めるように出陣前にチェ・ヨン将軍を取り押さえる決意もできず、結局チョ・ミンス将軍らとともに5万の兵を率いて出陣します。

ちなみに史実としても、イ・ソンゲは4つの理由を挙げて遼東征伐を行えない理由を主張したと残されています。韓国で「四不可論」と呼ばれるものです。

小国は大国に逆らえない(以小逆大 一不可 )
夏には兵を動員できない(夏月發兵 二不可)
すべての兵が遠征に出た期に乗じて、倭寇が攻撃してくるであろう(擧國遠征 倭乘其虛 三不可)
いまは暑く雨が多いので弓の糊が解け落ち、兵士はみな疫病にかかるだろう(時方署雨 弩弓解膠 大軍疾疫 四不可)

ドラマとは時期がずれていて、実際の「遼東征伐」への挙兵は陰暦4月となっています。

かくして残された人々の慟哭の中、百姓は大挙兵として狩り出され、鴨緑江の中洲である威化島(イファド)まで進むのですが、大雨で水かさが増し、たくさんの兵士が流されてしまい。

初めて戦に帯同したムヒュルは、戦の現実に怒りを露わにします。
ムヒュルはヨンギュに「川に柱を立てるために、味方が100人以上死んだんですよ! 敵の姿もまだ見てないのに! 遺体も全部流すしかなかった!」と憤懣やる方ない気持ちをぶつけます。

それでなくてもこれ以上は進めないとイ・ソンゲは既に2度も撤退許可を要請するのですが、ウ王とチェ・ヨン将軍は頑として聞き入れません。どころか一日も早く鴨緑江を越えろと。そうこうするうちに疫病が蔓延し、狩り出されたムヒュルの弟まで隔離されることに。

運ばれていく弟の姿に、茫然自失となるムヒュル。

「こんなの・・・・・・。こんなのの、どこか戦争なんだよ・・・・・・」と呟くムヒュルに、「戦争だ。こんなのこそが、まさに戦争だ」と返すヨンギュ。

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そう。こんなのこそ、戦争。
愚かで無謀な国家の指導者が、狩り出された民を死に至らしめるのが、戦争。

ムヒュル&ヨンギュの怒りと悲しみに、視聴者も涙です。

参謀本部ではナム・ウンが、許しがなくても撤退すべきだとイ・ソンゲに訴えるのですが、チェ・ヨンがイ・ソンゲの家族と身内をすべて人質として軟禁していることがイ・ジランによって告げられ、ナム・ウンはそれ以上求めることができません。
人質にはイ・ソンゲの第2夫人とその子どもたち2人、バンウォンの妻ミン・ダギョンのほかにプニらも含まれていました。別の場所ではバンウォンの長兄たちも軟禁状態にあり。

チェ・ヨンはイ・ソンゲが最も大事にしているのは家族であると見抜いていました。その見立てどおり、家族のために逆らうことが出来ないイ・ソンゲ。だからこそ陳情をあげるしかないのですが、そこへ王命を持った使者が現れ、イ・ソンゲの期待を脆くも砕きます。
一刻も早く鴨緑江を渡れとの冷酷な言葉が記された書。

外では逃亡兵が大挙捕まっていましたが、処刑を命じるイ・ソンゲの命を拒否する元偽倭寇。かつて自分の家族を助けるために倭寇のふりをして盗賊行為を行い、イ・ソンゲの恩情で生きながらえ仕えている男でした。
男は、民を裏切っているのはイ・ソンゲ将軍ではないかと訴えます。
この5万の兵の後ろには10万の父と母がいる。その人たちの息子を奪い、血の涙を流させているのだと。自分は到底切ることは出来ないと首を差し出した男の隣りに、同じように座り込むムヒュル。
ムヒュルも自分には出来ないと刀を捨てます。
弟たちを助けて欲しい。ここに来ているすべての兄と弟たちをどうか生かして欲しいと涙を流すムヒュル。

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兵たちの顔を見つめるイ・ソンゲ。
百姓より家族を守ることが最優先なので王にはなれないとする自分に「百姓を守り、家族を守るのが国家」だと語ったチョン・ドジョンの言葉が思い出されます。
イ・ソンゲは静かに家族と息子の名を口にし、「許せ」と呟き・・・・・・。

王命に逆らう決意をしたと察した王の遣いがムヒュルの首を切ろうとした瞬間、遣いを捕らえるよう命じるイ・ソンゲ。

そして高らかに宣言します。

「我、イ・ソンゲは、鴨緑江を渡らぬ!」

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感動の20話ラスト。

2本続けて動画を載せておきます。

いやー、涙きます、これは。(笑)

イ・ソンゲ将軍は、一緒に来ていたチョ・ミンス将軍に、引き返す意志が固いことを告げ、最終的にはともに戻ることにします。チョ・ミンス将軍はもう一度だけ王に陳情を送るべきだと提案し、イ・ソンゲもそれに応じたのですが、鴨緑江を渡らなければ反逆とみなすとの返答をもらったためでした。
報復を受ける前に王を変えると約束させ、イ・ソンゲと手を組んだチョ・ミンス将軍。

一方、軍の引き上げがチェ・ヨン将軍に知られる前に、囚われているイ・ソンゲ一族を救うため一足先にヨンギュとムヒュルは派遣され。
囚われずにすんでいるチョン・ドジョンとバンウォン、タンセ/イ・バンジらも、軟禁されている家族を救うために手を尽くしていました。

囚われているバンウォンの兄二人と、プニをはじめとする女たちも、万一の時にイ・ソンゲ将軍の足手まといになるまいと自力による脱出を試みている状況の中、「家族の胸に帰るぞ!」のイ・ソンゲの号令により5万の大軍は一斉に引き返し始めます。

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このあたりの描写にも、思わず胸が熱くなります。

「5万の息子たちよ! 今日我らは、我らを待つ家族の元へ、帰る!」と号令をかけるイ・ソンゲと、歓声で応える兵らのシーンです。

毎回くるこの涙はなんでしょう。

もしやBGM効果?!(笑)

しかし、21話のハイライトは、誰になんと言われようとプニを救出するタンセオラボニのシーンです。

イ・ソンゲ将軍とチョ・ミンス将軍が王命に背いて引き返したことが伝わり、イ・インギョムの元屋敷に場所を移して監禁されているイ・ソンゲの妻子。バンウォンの妻ミン・ダギョンとともにプニとムヒュルの祖母、ムヒュルの師匠も囚われているのですが、プニは扉を開閉する際に空気の流れが分かることから、空気の通り道となる空間があることに気づきます。
そこはまさしく、以前イ・インギョムの紹介でファサダンのチョヨンとナム・ウンが引き合わされた場所。知られざる秘密通路のある部屋でした。

みんなを逃がし、残るはミン・ダギョンとプニだけになったところで、大声を上げながら兵がドアを開けようとしたため、ミン・ダギョンを先にいかせてひとり時間を稼ごうとするプニですが、部屋がもぬけの殻であることはすぐにばれ、窮地に陥ります。

一方、チョン・ドジョンもナム・ウンから聞いたその時の話を思い出していました。ファサダンに向かったバンウォンは「教えなければ、お前の敵は三韓第一剣になる」とチョヨンを脅して通路の入り口を聞き出し、タンセ/イ・バンジとともに救出に。

めちゃくちゃに殴られながらもシラをきりとおすプニ。

兵に刀を向けられ、『このまま死ぬのだろうか』と涙を流します。

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이렇게 죽는 걸까…
그런데 왜 안 죽을 거 같지…

このまま死ぬのかな・・・
でも、どうして死なない気がするんだろう

プニがそう心で呟いた瞬間、開く扉。

そしてその先には。

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怒りのオラボニ。

そしてバンウォンも。

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こうしてプニは、九死に一生を得ます。

怒ったタンセオラボニがかっこよすぎるシーン、どうぞ。

んーーーーー!

かっこいい!

そして一番かっこいいのは、プニ!

救出されたあと、「家族を救ってくれてありがとう」というバンウォンに、「あんたの家族だから」と答えるプニのシーンも続けましょうか。

バンウォンの涙に真心感じたので、載せてみました。(笑)

しかし。一方で複雑でもあります。

バンウォンの家族を救うために命をかけたプニを、また命をかけて守ろうとするタンセがいるのを思うと。


“미안해, 오라비…”

“미안해 하지 마. 백번이든 천번이든 구해낼 거야. 내가.”

「ごめんね、お兄ちゃん・・・・・・」

「謝らなくていい。百回でも千回でも、助けだしてやる。俺が」

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泣かせます。

こうして家族が無事救出され、「必ず勝つ」と約束して都に入るイ・ソンゲで21話は終わり。

続く22話では、とうとうチェ・ヨンを捕らえるイ・ソンゲの姿が描かれます。

無用の流血を避けるため、あえてチェ・ヨン陣営が行う募兵に応じるよう仲間たちに促すプニ。バンウォンも海東甲族(ヘドンガプチョク)を回り、私兵を無為に戦わせないよう伝えます。
どのみち勝つのは5万の大軍を率いたイ・ソンゲなので、なるべく戦わせずに人命を救う作戦です。

作戦どおり、急ごしらえの兵たちが隊列から逃げるよう仕向けるのに成功するプニの仲間たち。

こうしてとうとうイ・ソンゲが王とチェ・ヨンとのいる王宮前で対峙することになります。

チェ・ヨンは尋ねます。私に何の罪があるのだと。

イ・ソンゲ答えて曰く。

「露ほども私心のない方が、権力を握られました。将軍は露ほどの私心すら持たぬ故に、百姓、他の誰の私心も、願いも聞き遂げようとなさらず、彼らを戦争の中へ、苦痛の中へと落とし入れました。そして将軍には、根こそび腐りきったこの国の状況を変えられません。イ・インギョムの所業を知りつつ彼を追い出せず、“権門勢族(身分が高く権勢を誇る家門のこと)”の弊害を知りつつ、彼らを基盤に政治を行われました。将軍の清廉さは別としても、将軍にはこの腐敗した状況を打ち破ることはできません」

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ところがチェ・ヨンは、冷徹な言葉で答えます。

「お前は変えられると思うのか? 状況を変えようと意欲をもった途端、力が必要となり、より大きな兵力が必要となり、より大きな権力を持つためには百姓の土地も奪わねばならぬ!
そうするうちにお前はいつしかもう一人のシン・ドン、もう一人のホン・インバン、もう一人のチェ・ジュンウォンになっているだろう!」

そんなことはないだろうと答えるイ・ソンゲにチェ・ヨンは王を守って欲しいと最後の望みを口にしますが、イ・ソンゲは「百姓を守る」と答え。

二人の最後はこうして終わるのですが。

大きな力を得ようとした瞬間、人の心は変わると断言したチェ・ヨン。

変わってしまう誰かを予告するようでもあり、不穏な台詞です。

そして。

一難さってまた一難と言うべきか。

権力がイ・ソンゲに集まることに危惧を抱き始めるチョ・ミンスら。
折りしもイ・ソンゲが王になるという内容の歌が子どもたちを中心に広まり始め、チェ・ミンスとは別にチョン・モンジュもイ・ソンゲがおかしなことをしないよう警戒し始めます。

ある夜、イ・インギョムの名で呼び出されたイ・セクとチョ・ミンス将軍。
行った先には先王の妃である大妃がおり、同じくイ・インギョムに呼び出されたと告げます。
不思議がる二人に、おいてあった紙を渡す大妃。
そこには暗号が記されており、大妃の息子昌成君(チャンソングン)が李成桂をうち克つという意味に受け取れる文字が書いてありました。

これによってチョ・ミンス将軍はイ・ソンゲ、チョン・モンジュらとの約束を反故にし、昌成君(チャンソングン)を王とする大妃の命を発表。
あまつさえ、流刑に処せられているイ・インギョムを大妃の意向で議会に呼び戻すと言い出します。

一方、子どもたちにおかしな歌を歌わせている男を追い詰めるバンウォンとプニ、タンセですが。

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「5日前にイ・インギョムに命じられた」とイ・インギョムが使っていた銀貨を見せる男の言葉を真に受け、バンウォンがナム・ウンらとイ・インギョムの流刑先に向かうものの、半月前に老衰で亡くなっていたことを知り。

右手首に火傷痕のある物売りが、わざとはめたのだと気づくバンウォン。

この男こそが、のちにバンウォンを王位へ昇らせる策略家ハ・リュンだというのですから、視聴者恐ろしさに震えが来ずにいられません。

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この人の登場で、視聴者一気にブルーです。

六龍、わくわく見れたのはここまでなのかも・・・・・・。(涙)

でも見なければということで、23話。

兄弟子のチョン・ドジョンを出し抜き、策略家として名を挙げたいだけのハ・リュンの姿が描かれるのですが。

ハ・リュンが憎たらしければ憎たらしいほど、後日この人と組むことになるバンウォンの歴史的事実に溜息。

イ・バンジとともにハ・リュンを探し出したチョン・ドジョンは、世の中のことにも大義にも微塵も興味がないくせに、単に策略家として名を馳せたい一心で今までも、そして今も政治に関わろうとしていることを正確に見抜いてみせます。

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「お前が今、自分の手の中で転がそうとしているのは、人に関わること。百姓にかかわることだ。お前の玩具ではないということだ。二度とふざけた真似をするな!」

そう厳しく言い残して去るチョン・ドジョンでしたが、到底ハ・リュンが聞き入れるとも思えず・・・・・・。

一方、包囲されていくイ・ソンゲを見ながら、改革のスピードを上げなければと焦るチョン・ドジョンは、土地改革について長年密かに研究を続けているチョ・ジュンに会いに行きますが、研究成果を奪いにきた人間の一味と勘違いされて、門前払いを食らい。

仕方なく人を使って強引に連行したチョン・ドジョンは、百姓に人数ごとに分けて土地を与えるチョ・ジュンの「計民授田」によって実際に土地を得ることになるであろう、全国から集まっているプニの仲間である百姓たちの姿を直接見せ、説得を試みます。

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絶対に実現させられないと頑ななチョ・ジュンですが、力を持っているイ・ソンゲがそれを行おうとしているのだとなおも訴えるチョン・ドジョン。イ・ソンゲに会って欲しいと続け、チョ・ジュンはイ・ソンゲに会うことにします。

自分たちにも本当に土地が与えられるかもしれないという期待に沸く人々。
プニはもし自分の願ってきた土地改革が実現した後は、叶えたい夢があるとタンセに話します。

自分の夢は、タンセと一緒に故郷に帰り、そこで農地を耕しながら家族をつくり、仲良く暮らすことなのだと。そしてタンセにも同じ夢を見て欲しいと。

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洞窟に戻り、プニの夢を思い返すタンセは、チョン・ドジョンに渡すものを持ってやってきたヨニを呼び止め、プニの夢を話します。

「ヨニ。もし本当にお前たちの望む世界が訪れたら、その後は何をしたい? プニは故郷に帰って畑を耕しながら、家族を作って暮らすのが夢だそうだ」

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「プニらしい・・・・・・。そうなるよ。その夢、叶うと思う。
もっと一生懸命頑張ろう、私たち」

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洞窟を出ようとするヨニに、声をかけるタンセ。

「一緒に、行くか?」

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ヨニの答えは。

「ううん。嫌」

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ヨニの後姿を見送り、がっくりうなだれるタンセでしたが。

がっかりするのはまだ早い。

ヨニは本心では喜んでいたのでした。

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聞いてくれてありがとう。タンセ

久々に切ないシーンきました。

動画はこちらです。

ヨニ、100%嫌な顔じゃないですよね。

タンセが諦めず、ヨニの心をいつか溶かせるといいのですが。

チョ・ジュンはイ・ソンゲに会うと、そんなに協力して欲しければ跪いてみろと横柄な態度をとり、イ・ソンゲを試します。
当然のようにイ・ソンゲは怒り、席を立ちますが、本気かどうかを試したいだけなのだというチョン・ドジョンの言葉に気を取り直すと、再びチョ・ジュンの元へ行きます。

自分はかつても人に跪いたことがあるとイ・ソンゲ。
そしてその人間を裏切り、切ったのだと。
自分が跪いたところで何の保証にもならないが、自分に跪いた人間を裏切ったことは、一度もない。
だからそちらが跪け。そうすれば裏切ることはない。

イ・ソンゲは荒っぽくもイ・ソンゲらしい論法でチョ・ジュンの心を手に入れるのに成功。バンウォンを筆頭にプニとタンセ、ムヒュルが資料の隠してある場所に急いで向かうのですが、既にハ・リュンにより資料は奪われた後。

ムヒュル&タンセが敵と剣を交える中、バンウォンは一度は資料を手にしますが、ハ・リュンの命で追ってきたファサダンの女たちに囲まれ、連行されてしまうところで23話は終わります。

ちなみにここで、登場するんです。

闘うムヒュル&タンセを阻む、謎の剣豪。

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キル・ソンミ。

こうしてまた入り組んできた『六龍が飛ぶ』。
ハ・リュンが登場したということは、バンウォンが王座に着くまでも描かれてしまうのでしょうか。
もうなんとなく、悲しすぎて最後まで見れないかもと一気に弱気になってきましたが・・・・・・。

先のことを想像すると暗くなるので、ひとまずタンセ&ムヒュルの戦闘シーンとキル・ソンミ登場シーンを二つ貼っておきます。

実は刀を抜いてすらいないキル・ソンミ。

つまりは戦うために飛び込んで来たわけではないということですよね。
キル・ソンミについては24話以降また詳細が出てくるでしょう。

ということで、やいのやいのでは見ていられなくなりつつあるこのドラマ。
結末が決まっているのが時代劇ですので、そもそもそこは動かしようがないですが、だからこそ時代劇を見る意味があるとすれば、そこはやはり「いまをどう映し込んでいるのか」に尽きるのでしょう。

その意味で、20話のこの言葉はなかなかに感慨をもたらしてくれました。

チョン・ドジョンが漢字を示しながらイ・ソンゲに語った「国家論」。


“나라 국자는 창으로 땅과 백성을 지키라는 것이지요. 이게 나라입니다. 이 나라국에 이 글자를 더하면 땅과 백성을 창으로 지켜내어 가족을 이룬다. 이것이 국가입니다.”

「‘国’という字は槍で土地と百姓を守れという意味です。それが国です。この国の字にこの字を足せば、土地と百姓をやりで守り抜き、家族をなす。これが、‘国家’です」

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そんな国家を私たちは持っていない。
でも国家とは、こうあるべきではないのか。

チョン・ドジョンの口を借り、ドラマの制作者が伝えたい核心が、この台詞に在ります。
その言葉を自ら引き受けるイ・ソンゲの決意を借りて、あるべき為政者の姿とは何かを、そして今を問おうとしたのだと私には感じられました。

ドラマのテーマとなっている「正義」と「力」。
いま私達の社会に足りないのは「正義」と「力」だと端的に示す一方で、絶え間なく「正義」と「力」の本質がなんであるかをこちらに問おうとするこのドラマ。
正義が実現されるべき中心に「民」を据えているのははっきりしているので、ある意味「フィクションの登場人物たち」、つまりプニとタンセ、ムヒュル、ヨニに最終的に何を語らせるのかで、このドラマの本意が図れるのかもしれませんね。



いやー、しかし。

この濃さでまだ折り返してもいないって、どういうことでしょうか?

力を抜いて見たいのに、ままならないドラマです。(笑)