みなさま、こんにちは。

いよいよ今年も終わりが近づいてきましたね。
今日は2018年に公開された韓国映画のうち、観客動員TOP10入りした作品をご紹介しようと思います。

さて、2018年公開の韓国映画興行成績。
必ずしも「いい作品」が動員数と比例しているわけではありませんが、人々がどんなものをどれだけ見に行ったのか、共感したのかを知る指標にはなりますよね。

2018年の統計を見ながら驚いたのですが、実は今年公開された映画全体を見てみると、TOP10のうち6作品がハリウッド映画!
去年は全体TOP10のうち洋画は2作品のみでしたので、今年はハリウッド映画の当たり年だったということなのでしょう。
裏を返せば、韓国映画が苦戦した年だったとも言えます。

とはいえ実は、昨年12月20日に公開された『神と共に 罪と罰』はぶっちぎりの1441万あまりを動員、去年12月27日に公開された『1987』は723万人、12月14日公開の『鋼鉄雨』は445万人超えと、2018年公開の縛りではカウントされない高成績の映画が隠れていたりするのですが。

個人的には『1987』などはほぼほぼ2018年公開でいいんじゃないかと思ってしまいますが、この映画は1987年から30周年目に公開されたことに意味があるので。
まぁ、良しといたしましょう。(笑)

ちなみにどんなハリウッド映画がTOP10入りしているのかも見ておきます。

まず、全体2位につけたのが、これ。

『アベンジャーズ:インフィニティー・ウォー』。

なんと超えてきました、1000万。
11,212,710名動員です。(12月21日付基準。以下言及がない限り同じ)

そして全体3位もハリウッド映画。
今をときめく『ボヘミアン・ラプソディー』が800万人超えの8,255,184名!

日付をまたいだらさらに12万増え、22日付で837万人に達していますので、これはひょっとしたら年内1000万人超えいくかもです。

そして全体4位までもハリウッド映画!

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』。6,584,919名。

仕方ないです。トム様降臨ですので。マジですごかったですもん、これ。人間が演じてないと思います。(笑)

そろそろ韓国映画に出てきてほしいのですが、なんと5位もハリウッド。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』。

書いてて悲しくなるほど、韓国映画が出てきません。(笑)

そして全体6位の座もハリウッド映画に献上。

近年順調に大ヒットを飛ばしているマーベルシリーズです。

『アントマン&ワスプ』、5,448,134名。

ハリウッド映画、強すぎます。(笑)

最後6作目、全体8位につけたのが、同じくマーベル・シネマティック・ユニバースの映画『ブラックパンサー』。

全体TOP10のうち、6作品がハリウッド映画で占められるのは、なかなかない気がします。

要するにそれだけ、今からご紹介する韓国映画TOP10が「弱い」ということでもあります。
TOP10入りするからにはせめて400万は超えてきて欲しいのですが、全然超えてないものもランクイン。
一体どうした、韓国映画!

いえいえ、これには実は、大ヒットを見込まれていたのにとんでもなく大コケした作品のせいでもあります。
って、「せい」はひどいですよね。失礼いたしました。(笑)
大コケ群は後ほど挙げさせていただくとして。

ここからが本題。

韓国映画TOP10を見てまいります。

1位は言わずもがな、シリーズ2作目の『神と共に 因と縁』。

こちら、1200万飛んで12,274,996名の観客動員を果たしました。

若干化け物ですよね。
「現象」と称していいかと思います。

シリーズ1作目は1400万超え、2作目は1200万超え。これが1年以内に。

一人で全部持って行ってます。(笑)

実際面白くはありますが、1作目と2作目はかなりトーンが違います。
そして、2作目はヘ・ウォンメク役のチュ・ジフンさんが、かっこいい!(笑)
日本公開も、つい最近決まったんですよね。
来年5月24日に1作目、6月28日に2作目公開予定だそうです。
お待ちのみなさまかなりいらっしゃると思うので、良かったです!


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続けて2位は。

『安市城』!

544万186名の動員でした。

2位で早くも500万台まで落ちちゃうのが、今年の切ないところです。
しかもこの映画、損益分岐点が540万とか560万などと言われており、制作サイドとしてはギリギリな結果。

ん~~~~~。

ハリウッドに阻まれたと言うべきか、制作費かけすぎと言うべきか。
でもその制作費のおかげで素晴らしい絵が取れてもいるので。

やっぱり500万も超えているのに「興行失敗」と言われてしまうのは、設定があまりに酷な気がします。

そして3位が、意外というべきか、久しぶりに本業に戻ってきたイ・ソジンさんの映画が入ってきました。

『完璧な他人』(邦題仮)。

こちらも500万を超えて、5,284,180名を動員。(12月22日付)

この映画はまた折を見て予告編をご紹介したいと思っているのですが、ちょっとした快挙です。
実はこの映画、公開前はそこまで注目されていなかったんですよね。
室内で話が展開する動きの少なさ。加えて、仲間たちとのホームパーティの最中に「すべての電話連絡、メール、SMSを共有する」というゲームを行ない、おかげでいろいろな秘密がばれていくというストーリーの地味さ。
正直字面であらすじ読む分には、面白そうに感じられないんです。
『三食ごはん』ファンとしては、イ・ソジンとユ・ヘジンという農村と漁村の本業でのタッグが見るというのが、映画を見に行く一番の動機になるくらいの、興味引かなさ。

ところが!

蓋を開けたら!

という、今年一番韓国映画界が「お?!」と思ったヒット作ではないでしょうか。
思いっきり『ボヘミアン・ラプソディ』と公開日が重なる中での数字なので、まさに大健闘。しかも現在も全国で劇場公開中。
最終的にはまだスコアを伸ばすでしょう。
損益分岐点が300万人だったそうですので、余裕の結果でした。

そして韓国映画第4位は、こちらが堂々のランクイン!

きたわね~! 『毒戦』!

500万超えました。5,201,555名。

ステキ。ジュンヨルがんばれ!

ってなんで急に呼び捨てたんだって話ですが。すみません。(笑)

実は『毒戦』、ここ数日で『完璧な他人』の猛追を受け、4位に退いたんですよね。
数日前まではTOP3だったのに!(笑)

この映画は、何度も書いておりますが、リュ・ジュンヨル君も、チョ・ジヌンさんも、他の出演者の方々も演技がすべからく良く、そして本当にキム・ジュヒョクさんの演技が凄いインパクトだったんですよね。
キム・ジュヒョクさん、本当に惜しまれます。
こちらも早く日本公開が決まるといいですね。

さて、そして私が大注目だったこちらの映画は、5位になりました。

『工作』(邦題仮)、500万に一歩届かず4,974,467名の動員となりました。いやー、惜しい。

こちらも日本公開が既に決まっているそうなので、楽しみですね。

まーほんとに。なにしろ内容が強烈なので。
日本の観客のみなさまにどれだけ伝わるのか未知数ですが。
ほんとに何回も言いますが実話がベースの「よくこれ映画にしたよね!」な映画です。(笑)
私は正直、今年はこれ1本見れただけでも大満足です。
監督と俳優さんたちに拍手をお送りしたいです。

さて、そして6位にも現在公開中の映画がランクイン。

キム・ユンソクさんとチュ・ジフンさん主演の『暗数殺人』(邦題仮)。

『暗数殺人』とは造語で、統計で表沙汰になっていない殺人、の意味です。

犯罪統計学などで使われる用語「暗数」。
統計上表に出る犯罪の数字と、実際に起きている犯罪の数との間には、常に開きがありますよね。
収監者のチュ・ジフンさんが警察が把握していない殺人を「自白」し、その立証のために刑事のキム・ユンソクさんが孤軍奮闘する様を描いた犯罪スリラー映画なのですが、実話をモチーフにしているため、公開前にはご遺族より上映差し止め請求がなされるなど、物議をかもしもしました。

ご遺族が懸念されるような内容ではないことが伝わり、和解に至ったのですが、上映前に出鼻を挫かれたのは否めず。
こうなると興行成績にも響くのではの大方の予想に反し、300万人超えの3,789,222。
損益分岐点200万人だそうですので、こちらも余裕の黒字となりましたね。

私はこの手の話がちょっと苦手なので、まだ見れていないのですが、この映画は「刑事と犯罪者」と聞いた時の観客の想像を完全に裏切り、残虐なシーンを一切排した、事件よりも「人間」に徹底的に焦点を当てたスリラーなのだそうです。
観客からも映画評論家からも、両者から絶賛されている稀有な映画でもあります。
残虐な場面がありそうで敬遠したのですが、人々の反応に俄然興味を取り戻し、この映画は必ず見たいと思っています。

いやはやそれにしてもチュ・ジフンさん、出ずっぱりじゃないですか?
TOP10のうち3本に重要な役柄で出演され、この映画でも演技が絶賛されています。
『阿修羅』は内容はアレでしたが、チュ・ジフンさんは完全に役者として一目置かれた感がありましたよね。

来年はネットフリックスオリジナルの時代劇ゾンビものドラマ『キングダム』(全6話)の放映が控えているチュ・ジフンさん。
脚本が『シグナル』のキム・ウニさんで、なおかつリュ・スンリョンさん、ペ・ドゥナさんとの共演なので、これを見るためにネットフリックス加入者増えそうな予感です。(笑)

そして7位、入ってきてくれました、キム・ヘスさん主演のこの映画!

11月28日に公開され、現在も全国で公開中の『国家倒産の日』。
3,710,969名の観客を動員しています。(12月22日付)

こちらは1997年のIMF危機について扱った映画で、ユ・アインさん、チョ・ウジンさん、ホ・ジュノさん、クォン・ヘヒョさんらが出演されています。

IMF危機を迎える1週間前、甚大な金融危機の兆候を察知した韓国銀行通貨政策チーフ、ハン・スヒョン(キム・ヘス扮)は即座に上司に報告し、政府は対策チームを組むのですが、絶対にIMFだけは駄目だと訴えるスヒョンの願いとは逆方向に政府は舵を切り。一方同じ頃、危機のシグナルを感知した若き金融マン、ユン・ジョンハク(ユ・アイン扮)は、逆手を取って危機に賭けることにし、投資者を募り始め。
といった内容なのですが、この映画も21年前の金融危機の知られざる真実を描いており、またしても韓国の人々を果てしない憂鬱に陥れています。

今日の韓国社会における貧富の格差、二極化、終身雇用制度の瓦解、使い捨てられる非正規雇用の問題が一体誰によって起こされ、今に至っているのかを突き付けてくる内容のこの映画は、「必ず見るべき」との口コミに乗ってじわりじわりと観客を増やしています。

初めて脚本を手にした時、読みながらソファから飛び起きたというキム・ヘスさん。
IMF危機の時、私たちは誰の犠牲になったのか、社会の二極化の起源がどこなのかを知らせたいとの思いで、出演を引き受けたのだそうです。
損益分岐点は260万人だったそうなので、こちらも難なくクリアできてよかったですね。

8位。
イ・ビョンホンさん、パク・チョンミンさん主演、『これだけが、僕の世界』。

3,419,710名動員。

40歳過ぎの落ちぶれた元プロボクサーの兄キム・ジョハ(イ・ビョンホン扮)と天才的なピアノの腕を持つサバン症候群の弟オ・ジンンテ(パク・チョンミン扮)が織り成す兄弟の絆を描いたヒューマンドラマで、17年ぶりに偶然再会した母に存在すら知らなかった弟ジンテがピアノのコンテストに出られるよう、面倒を見てほしいと頼まれ、弟の面倒を見始めるのですが・・・・・・という内容。

ものすごくありがちなお涙頂戴ものの感じが、そこかしこから漂いますよね。
・・・・・・などと言っては身も蓋もないですよね。すみません!(笑)

この映画、もうすぐ日本で公開になります。

折角なので、日本語字幕付きの予告編を貼っておきますね。

イ・ビョンホンさんは本当に。
演技の匠と呼びたい方です。
なにを演じても素晴らしい。

ちなみにこの映画も損益分岐点210万人なので、ゆうに超えてます。
規模や内容から、340万人の観客動員は順当な気がします。

個人的にはここでもう終わってもいいかなって思うのですが。
ダメですよね。
TOP10ですもんね。

ハイ、四の五の言わずに続けます。(笑)

第9位、『The Witch/魔女』。

これ、なんともう限定的ながら日本公開されてるんですね!
近々アンコール上映もあるようですが。

この映画はシリーズものの1作目で、記憶を失い親切な夫婦に育てられた超能力少女が、「組織」の登場によって自分の力に目覚めて、「組織」と壮絶に闘う、みたいな映画なのですが。
監督がかの『新しき世界』のパク・フンジョンさんとあって、バイオレンスアクションはかなりのもの。
とはいえ監督、『VIP』では完全にやらかしちゃいましたけど。(笑)

こちらも日本語字幕付き予告編、貼っておきますね。

内容や展開には「うーん」な声が多かったのですが、そこはやはり監督のネームバリューから期待値が上がった結果とも言えそうです。
そして、主演の新人、キム・ダミさんの演技は、高く評価されていました。
観客動員は3,189,091人でした。

そして第10位。
クォン・サンウ&ソン・ドンイル&イ・グァンス主演のコメディ映画『探偵:リターンズ』(邦題仮)。

イ・グァンスさんが、やばい。(笑)

シリーズ物の第2弾。
3,152,874人を動員しました。
1作目は262万人強の動員でしたので、動員伸ばしましたね。

私は1作目も見ていないのですが、今回リターンズの予告を見たらめちゃくちゃ面白そうで、知らなかったのがちょっと悔やまれます。
そしてびっくり。なんとこの映画も日本に入ってくるのですね!
来年の3月16日に公開だそうです。
邦題は『探偵なふたり:リターンズ』。
っていうか、気づけば1作目も日本公開されてました。(笑)

いやはやこれがクォン・サンウパワーということなのか。
公開決定の早さに驚きます。

以上が2018年公開の韓国映画観客動員数TOP10です。

さて、ここからは、TOP10入りするはずが、まさかの大コケしちゃった映画を取り上げたいと思います。

今年の大コケ大賞は、なんといってもこれでしょう。

チャン・ドンゴンさん、ヒョンビンさん主演の時代劇ゾンビ映画『猖獗(チャングォル)』。

同名のウェブ漫画を原作とするこの作品、「人でも死者でもない夜鬼が跋扈する荒れ狂う世、危機の朝鮮に戻った王子イチョン(ヒョンビン扮)と、朝鮮を飲み込もうとする‘絶対悪’キム・ジャジュン(チャン・ドンゴン扮)との戦いを描いたアクションブロックバスター」ということで、10月25日に満を持して公開となったのですが、この映画もやってしまいました。
100万人は超えたものの動員数159万9290人と、大コケ。
損益分岐点380万人動員だったそうですので、かなりの痛手です。

日本には、入ってくるのでしょうか?
ヒョンビンさんなので、入ってきそうですよね。

次に大コケしてしまった映画は、こちら。

『ゴールデンスランバー』。

主演カン・ドンウォンにして、138万7564人と奮わない結果に終わりました。
こちらは、言わずと知れた日本の同名映画のリメイク版です。

『ゴールデンスランバー』の損益分岐点は270万人だったそうなので、かなり及びませんでしたね。

カン・ドンウォンさんもユン・ゲサンさんも好きな私は当然のように見たのですが。
そこまでは悪くなかったんですが。
っていうか、別に悪くなかったです。
いや何が悪かったんでしょうか、逆に。(笑)

とはいえ、人に勧めたーい、というほどのこともなく。
結局このあたりでしょうか。動員が伸びる伸びない、口コミが生じる、生じないの差は。人に勧めたいかどうか。
勧めたいかと聞かれたら、勧めません。嗚呼。(笑)

そして。

カン・ドンウォンさん好きな私がもう一つ心を痛めた作品。

『人狼INRANG』。
ここで予告編も取り上げました。
期待していたのですが、まさかの89万8945人。100万にも届かず。

でもこれはですねぇ。

しょうがないです。

チョン・ウソンとカン・ドンウォンの2大スターを擁しても、駄目。

あまりの駄目さ加減に、「『リアル』級」の一言で片づけられ、さらにはその片づけ方に「いくらなんでも『リアル』と比べるのは冒涜にもほどがあるよ!」と怒りの論争が枝葉のところで起こったり。
そんな「コケ方」の表現について論争を引き起こしてしまった、切ないけど「コケた」ことには変わりない『人狼』。

“映画がコケたのはその通りだけど、『リアル』と比べるのは映画の作り手への侮辱”という意見、私もそう思います。

ここでいう『リアル』は、2016年に公開されたキム・スヒョンさん主演映画のことです。「映画をなめてんの?」と観客と評論家を激怒させたあの映画のことです。
いくら大コケした失敗作でも、映画をそれまで一度も撮ったことがない‘新人’でありながらキム・スヒョンさんの従兄弟という理由だけで110億ウォンもの投資を受け、撮影の途中、監督を交替して自分がメガフォンを取り、映画製作会社社長として初めて映画製作を手掛ける、といった「家族」で儲けを独り占めしようとするためだけに企画されたとしか思えない『リアル』と比べてはいけないと、私も思います。

・・・・・・あ。いけない。『リアル』への毒が。(笑)

『人狼』の問題は、チョン・ウソン、カン・ドンウォンと並んで重要な役割だったキム・ムヨルさんが演じているキャラクターが全く説得力のない人物だったのと、とにかく全体が浅い、の一言に尽きると思います。
アクションはかなり派手で、怪我しなかっただろうかと心配になるほどでしたが、全くその頑張りに見合うような内容がなく、共感できる場面もなく、どんどん陳腐になっていくっていう。
「なにその展開?」と終盤に行くほどに観客の心が離れてしまう映画なんですよね。カン・ドンウォンさんとチョン・ウソンさんの映画にこんなこと書くのが、ものすごく忍びないです。ごめんなさい。(笑)

そしてまたこの『人狼』、何を間違えたか損益分岐点がなんと600万!
一体何人入ると見込んでたんでしょうか。
『安市城』の540万だか560万だかも驚きますが、600万が損益分岐点って相当ですよね。
俳優さんたちが気の毒すぎます。
『人狼』の監督は2016年には『密偵』が大ヒットしたキム・ジウンさんなのですが、こんなこともあるんですねぇ。

ちなみに『神と共に』は1、2作合わせて損益分岐点が600万だったそうです。
1と2を別々に撮った場合の試算は800万人だったそうで、製作費節約の観点から1と2を同時に撮ったのだとか。
映画はまるで大博打ですね。


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最後に、これは「コケた」というのとは合わない、こちらの映画について。

『バーニング』。

『バーニング』は村上春樹さんの小説「納屋を焼く」をモチーフにした映画で、損益分岐点は250万人だったそうです。
ですが映画は52万8426人という信じられない数字で終わりました。

この映画は韓国映画としては初めて、アカデミー賞外国語映画部門の最終候補リスト9作のうちの一つに選ばれました。
残念ながらノミネート5作には選ばれませんでしたが、韓国映画が最終候補リストに選ばれるのは初めてのことです。

また、今年のカンヌ映画祭では、韓国映画の中では唯一コンペ部門に招待されもしました。

現在も引き続き海外の映画専門誌などから「今年の映画」として評価を受けている作品です。

なんですが。

韓国では全然人が入らなかったんですよね。
韓国内での評価と海外での評価にここまで落差があると、一体どういうことかと思ってしまいます。

今調べましたところ、なんと日本公開が来年2月に決まっているのですね。

うーん、言おうとしたことが言えない!(笑)

これはもう、見ていただいて。
というか、日本の観客のみなさまにはメタファーがメタファーとして受け入れられ、伝わるんだろうと思います。
韓国で共感されなかったのは、まさにこの映画の「メタファー」が問題だったんですが。
「翻訳」されたほうが伝わってしまうという、ちょっと不思議な映画だと私は思っています。

イ・チャンドン監督のネームバリューとユ・アインさん主演という条件からみると、観客が圧倒的に少なかったわけですが、それでも見てきた人たちの間でかなり激しく意見が分かれた映画でした。
映画評論家(的な人たちも含め)はこぞって絶賛し、多くの観客は首をかしげる構図。
この映画が分からないとまるで芸術を解さない人と思われそうで、本当のところの感想がなかなか言いづらいという空気もありつつ、絶賛する人と「はぁ?」となる人とに二分。
すみません、私は後者でした。

ただ、これが翻訳語による映画となって目の前に現れた時に大いに評価を受けるのは、とてもわかる気がします。
「テキスト」としての力は確かにあるように思います。



本当はネタバレ満載で『バーニング』について書いて終わろうと思ったのですが、公開が決まっていることを知ってしまったのにそんな無粋なことはできず。

切れ味の悪いまま終わろうと思います。

ああ、今年最後の記事なのに、なんてこと。(笑)

実は今年、どうやったら見れるかもわからない、とっても見たいドキュメンタリー映画があり、最後にご紹介しておきます。

一つは「第15回EBS国際ドキュメンタリー映画祭」で上映された『シャーマンロード』という映画。

2014年にフランスで開かれた「世界シャーマニズム祭」で出会った韓国とフランスのシャーマンの女性が、あまりにそっくりな互いの境遇に共感し、運命を感じ、韓国のシャーマンはフランスに赴いて「悪魔祓い」を行い、フランスのシャーマンは韓国に赴いて「韓国シャーマン」として神の降臨を受ける、などの様子を追った映画だそうで、一般人には到底うかがい知れない世界を描いたこの映画がものっすごく見たいのですが、映画祭で上映されただけの映画なので一体どうやれば見れるのかが皆目見当もつかず。

ご存知の方がいらっしゃいましたら、韓国で見れる方法を是非ご教授くださいませ。(笑)

そしてもう一つは『ポーランドにわたった子どもたち』というドキュメンタリー映画。

これは、朝鮮戦争のただなかにあった1951年に、北朝鮮から秘密裏にポーランドに送られた孤児1500人についての映画なのですが、ポーランド人の先生たちに愛情をいっぱい受けて8年間を過ごした後、人手不足の祖国に送還されてしまったという、これまで全く知られていなかった戦争孤児の悲しい歴史の事実に焦点が当てられています。

映画を撮ったのは、なんと女優のチュ・サンミさん。
ドラマ『シティホール』などに出演されていた方です。

この映画は10月31日に劇場公開され、今も細々と上映中ですし、オンラインサービスを利用しても見れるので、日本公開は絶対にないと踏んで、見たらご紹介したいと思っています。

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以上、今年の映画を振り返ってみました。

『神と共に』、『毒戦』、『安市城』などまだ日本公開が決まっていませんが、きっと入ってきますよね。

みなさまがお目当てのものが公開されますよう願っています。

最後に。

今年も1年間私のブログにお越しくださり、ありがとうございました。
いつもコメント欄より色んなことを教えてくださり、また共感やあたたかい言葉をかけてくださいますこと、心よりお礼申し上げます。

新しい年がみなさまにとって幸多き年でありますように。
そして、私たちの世界があたたかく平和なものでありますよう、願ってやみません。

来年も、みなさまと一緒に楽しめる作品に出会い、感想を共有しあえましたら幸いです。
年末にかけて寒波が訪れるそうですので、どうぞくれぐれもお体ご自愛くださいませ。

새해 복 많이 받으세요!

どうぞよい年をお迎えください。


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