みなさま、こんにちは。

あれよの間に12月が通り抜けていきます。
仕事に追われているうちに、いつしか今年も残り2週間ほどとなってしまいました。
みなさまもきっと慌ただしい年の瀬をお過ごしのことと思います。
どうぞくれぐれもお風邪など召されませぬようご自愛くださいませ。

さて、今日は少し前になりますが11月23日に行われた第39回青龍映画祭の受賞作やスピーチなどを取り上げてみようと思います。

振り返れば今年も様々な話題作に恵まれた韓国映画。

ご紹介したいと思いながら取り上げられなかった作品が多々ある中、1年を締めくくる青龍映画祭は話題作をご紹介するのにうってつけの機会。
主な受賞作をいくつか取り上げつつ、ご紹介してみます。

去年の青龍映画祭最優秀映画賞は、『タクシー運転手 約束は海を越えて~』が受賞。
ソン・ガンホさんの格の違う謙虚な受賞スピーチが感動を呼びました。
涙涙の助演男優賞スピーチを披露したチン・ソンギュさんが、大賞並みの話題をさらった年でもありましたよね。

今年の青龍映画祭助演男優賞は、違う意味での涙の受賞となりました。

『毒戦』でクレイジーな犯罪組織リーダー役を見事に演じられた故キム・ジュヒョクさんが受賞されたのでした。















去年の10月30日に事故で亡くなったので、はや1年ほどが過ぎましたが、同僚を亡くした悲しみがそんなに早く癒えるはずもなく。
この日も『毒戦』でキム・ヒョクさんの愛人役で共演したチン・ソヨンさんがほほを伝う涙を拭う様子が捉えられていました。







そのチン・ソヨンさん、同映画で人気スター賞を受賞。

キム・ジュヒョクさんに負けない存在感とクレイジーな演技で強烈な印象を残したチン・ソヨンさんの今後のご活躍も祈念いたします。
その他にも『毒戦』は納得の音楽賞も受賞しました。


そして注目の新人賞は『安市城』のナム・ジュヒョクさんと『神と共に 因と縁』のキム・ヒャンギさんが受賞。



















キム・ヒャンギさんはご覧のとおり、名前を呼ばれた瞬間から泣き出し、ステージでも大泣きしながらのスピーチでした。
キム・ヒャンギさん、2000年生まれなのだそうですね。
スピーチでは高校1年の時から撮影し、2作目が公開となった高校3年生までに多くの経験を積み学んだと語っていました。
高校生にして既に1000万観客動員映画のメインキャストを務めたと聞くと、なんだかすごく濃い10代を送ってますよね!

今年8月1日に公開された『神と共に 因と縁』は最多観客賞を受賞。
1227万人を動員というのですから、すごいです。
前作は1441万人というすごさですけども。(笑)
キム・ヒャンギさんはこの映画でチュ・ジフンさんと共に人気スター賞も受賞しています。


そして、『三食ごはん漁村編』でおなじみのナム・ジュヒョクさんが俳優として大きな賞をもらったのも、「漁村編」ファンとしては嬉しい限り。

ナム・ジュヒョクさん、今年この『安市城』でもらった賞としては、青龍映画祭で既に4つ目。
アジアスターアワード、ザ・ソウルアワード、映画評論家協会賞に続いての今回の栄えある新人賞受賞となられました。
青龍映画祭は去年10月から今年10月までに封切られた映画を対象としており、新人賞はその中でも最も目覚ましい活躍を見せた映画界の新星に贈られる賞なので、ジュヒョク君の今後のご活躍にも期待大です。

ま。とか言いながら「漁村編」ファンとしては彼の天然な素顔のほうが印象に残っていて、「役者の顔」に若干の戸惑いも覚えたりするのですが。(笑)


そんなジュヒョク君が声を震わせながら行った受賞スピーチからご紹介しましょう。





こんにちは。『安市城』でサムル役を演じたナム・ジュヒョクです。お会いできてうれしいです。
本当にすごく緊張してるんですが・・・。えっと、なんだっけ?
最初に『安市城』という作品に入ることになった時、とても素晴らしい先輩方と素敵なスタッフの皆さんのご迷惑にならないよう、一人自分に与えられた役割にベストを尽くさなきゃ、努力しなくちゃと思い誓いました。そうやって誓って努力したところ、本当にこうした素敵な賞まで下さって、本当にありがとうございます。
今後はこの新人賞を頂いたからには、より努力し、常に悩んで、一生懸命頑張っていきたいと思います。
すごく不思議なのですが、何と言いますか。毎年いつも計画通りに事は進むわけではないと思うのですが、計画し夢見てきたこと、そして努力してきたことがこうして素敵な賞で報いられて、本当に嬉しく、また光栄に思います。
共に過ごしたすべての『安市城』の先輩方、スタッフの皆さんに感謝の言葉をいま一度お送りしたいです。
改めて、このような大きな賞を下さり、本当にありがとうございます。そして・・・ありがとうございます。
あ、そして、去年から本当に一生懸命お祈りしてきたのですが、こうして大きな賞を下さった神様にも感謝申し上げます。
ありがとうございました。

안녕하세요. 안시성에서 사물 역할을 맡았던 남주혁입니다. 반갑습니다.
정말 너무 많이 떨리는데요. 그…뭐지?
처음에 안시성이라는 작품에 들어가게 됐을 때 정말 좋으신 선배님들과 멋진 스탭 여러분들에게 정말 폐 끼치지 말고 정말 혼자 저에게 주어진 역할을 최선을 다해야겠다고, 노력해야겠다고 생각하고 다짐헸습니다. 그렇게 다짐하고 노력했더니 이렇게 정말 좋은 상까지 주셔서 정말 진심으로 감사드립니다.
앞으로 이 신인상을 받은 만큼 더 노력하고 더 항상 고민하고 열심히 해보도록 하겠습니다.
참 신기한 게. 참 뭐랄까 매년 항상 사람이 계획대로 살 수는 없지만 계획하고 꿈꿨던 일들, 그리고 노력했던 일들이 이렇게 좋은 상으로 보답받게 되어서 너무 기쁘고 또 영광이라고 생각합니다.
함께 했던 모든 안시성 선배님, 스탭 여러분에게 감사하다는 말씀 또 드리고 싶습니다.
정말 다시한번 이렇게 큰 상 주셔서 너무 감사합니다. 그리고…감사합니다.
아, 그리고 또 이렇게 작년부터 정말 매년 기도를 열심히 했는데 이렇게 큰 상 주신 하나님께도 감사하단 말씀 드리고 싶습니다. 감사합니다.




最後の神様云々は、蛇足ですよね。

と毎回私は思ってしまいますが。(笑)


そして今回の青龍映画祭。

最も話題を集めたのは、この方でした。







ハン・ジミンさん。

今回、主演映画『ミス・ペク』(邦題仮)で主演女優賞受賞となりました。

『ミス・ペク』は本作が初の商業映画となるイ・ジウォン監督がメガホンを取った女性監督による映画で、児童虐待をテーマに、かつて同じような境遇にあリ、自分を守るために前科者にならざるを得なかった女性ペク・サンア、通称ミス・ペクが少女ジウンを守ろうと決意し、孤軍奮闘する過程を描いたもの。








近年の韓国映画は男性がメインキャストのブロックバスターが興行成績上位を独占しており、女性の監督、女性の俳優による作品自体が少なく、また、あってもなかなか話題や興行的成績を収められないという現実があります。

『ミス・ペク』はキャスト、監督、制作ともに女性だらけの現場で作られた映画で、かつ低予算映画でもありました。

映画を見た多くの女性たちが、興行成績が振るわず早期取り下げの危機に瀕したこの映画を、どうしても損益分岐点を超えさせなければと口コミに励んだと言われている本作は、作品の持つメッセージ性と人々の口コミ威力によって封切り4週間目、11月3日に損益分岐点である70万人動員を突破、72万2千人の観客動員を記録しています。

実はこの映画、構想から公開にこぎつけるまでの間、かなりの困難に直面してきたことが主演のハン・ジミンさんや監督の言から知られています。

虐待にあう子どもを守る女性主人公を、男性キャストに変えるなら投資してもいいという提案も受けたそうです。
完成後1年以上が過ぎても、公開の目途が立たなかったとも。

こうしたことから、青龍映画祭に先立って映画評論家賞で主演女優賞を受賞した際、ハン・ジミンさんは「この映画が世に出るまで、実は長い時間がかかり、少なからぬ難題がありました。なので本当に、公開された事実だけでもとても感謝しているんです」と受賞の辞で述べています。

この映画を温めてきたイ・ジウォン監督は、児童虐待についてかなり深く繊細に学ばれたそうで、現場ではカットの声がかかったら絶対に子役のキム・シアちゃんを役名で呼ばないように現場で徹底させたそうです。
幼いシアちゃんが演じる中で、自分と劇中のジアンとの区別が曖昧になることが絶対にないよう、シアちゃんとジアンを完全に切り離す努力を撮影中一度も怠らなかったのだとか。

映画に注いだこうした思いが伝わったからこそ、小さくて地味な映画ながら72万人もの観客を集め、今も人々が数少ない劇場を探して足を運んでいるのでしょう。


青龍映画祭でのハン・ジミンさんの受賞スピーチにも、ものすごく女性たちが頑張って作ったこの映画への思いが垣間見れます。











主演女優、監督、共演者、司会のキム・ヘスさんまで涙するハン・ジミンさんの受賞スピーチ。

こちらの動画でご覧ください。




まず、こんなに光栄な賞を与えてくださって、心より感謝申し上げます。
俳優にとっては、何か新しいキャラクターにチャレンジできるというのは、その時間の長さの分だけ困難や苦しみが感謝となって感じられるものですが、この映画が世に出るまでの短からぬ時間の間に存在した多くの困難は、私にとっては大きなプレッシャーとなっていたように思います。
この重くつらかった時間の果てに私がこの場に立てているのは、ひとえに『ミス・ペク』が持つ映画の真心ゆえではないかと思います。
『ミス・ペク』は私の俳優としての欲というよりも、私たちの社会の暗く痛い現実を映画を通して見ていただきたいという思いが強かったのですが。同じ心情で『ミス・ペク』をともに応援し力を貸してくださったすべての皆様にとって、この賞が報いとなれればと思います。
本当にあのつらかった旅路を耐え抜いてくださったイ・ジヨン監督と、本当に私と熾烈に闘ってくださったここにおられるクォン・ソヒョンさんをはじめ、シアちゃん、そしてすべての俳優の皆様とスタッフの皆様にこの栄光を捧げたいです。
(中略)
そして、常に私の良きお手本となってくださるキム・ヘス先輩。いつも本当にたくさん応援してくださるんです。本当に感謝しています。一緒にノミネートされたキム・ヒエ先輩と他の候補者の皆様にも感謝の言葉をお伝えしたいです。
私を大切にしてくださるすべての方々と愛する家族と、この喜びを分かち合いたいです。
今日のこの賞の重さに耐えようとするのではなく、私がこれから演じながらためらったり恐れを感じる瞬間に、この賞を勇気に変え、安住せず、映画や役割の大小に係わりなく常にチャレンジする、そんな俳優になります。
心よりありがとうございました。

먼저. 너무 이렇게 영광스러운 상 주셔서 진심으로 감사드립니다.
배우에게는 뭔가 새로운 캐릭터를 도전할 수 있다는 그런 시간이, 그런 또 시간 동안 겪는 어려움이나 고충이 감사하게 다가오지만, 이 영화가 세상에 나오기까지 짧지 않았던 시간 동안 있었던 많은 어려움들이 제게는 참 큰 무게감으로 다가왔었던 거 같습니다. 그 무겁고 힘들었던 시간 끝에 제가 이 자리에 설 수 있는 것은 ‘미쓰백’이 갖고 있는 영화의 진심 덕분인 거 같습니다.
‘미쓰백’은 제가 배우로서 어떤 욕심보다는 우리 사회의 어둡고 아픈 현실을 영화를 통해 보여드리고자 했던 마음이 컸었는데요. 같은 마음으로 ‘미쓰백’을 함께 응원해주고 힘을 실어주셨던 모든 분들께 이 상이 보답이 됐으면 좋겠고요. 정말 그 힘들었던 여정을 잘 견뎌주신 우리 이지연 감독님과 그리고 저랑 정말 치열하게 싸워주신 여기 있는 권소현 배우님을 비롯해서 우리 시아양, 그리고 모든 배우분들과 스탭분들께 이 영광을 다 돌리고 싶고요.
(중략)
그리고 늘 저에게 좋은 본보기가 되어주시는 김혜수 선배님께. 항상 정말 많은 응원의 말씀을 해주시거든요. 너무 감사드리고. 같이 후보에 오른 김희애 선배님과 다른 후보분들께도 감사 인사 전하고 싶고요.
절 아껴주시는 모든 분들과 사랑하는 가족분들과 함께 이 기쁨 나누고 싶습니다.
오늘 이 상의 무게를 무겁게 견디려 하지 않고 제가 앞으로 연기를 하면서 주저하거나 두려움이 느껴지는 그 순간에 이 상을 용기로 삼고 안주하지 않고, 영화나 역할의 크기에 상관 없이 늘 도전하는 그런 배우가 되겠습니다. 진심으로 감사드립니다.





前からボランティアや善行でも知られていたハン・ジミンさんですが、容姿のみならず心まで美しいとは、この方のための言葉ですよね。

外見も、年々どんどん素敵になられている気がします。

スピーチでの言葉も、涙声ながらもすごくまとまっていて理知的で。

ハン・ジミンさんの普段のイメージとはかけ離れた、すさんだ女性の役柄だったのですが、表層的にハン・ジミンさんの変貌ぶりが話題をふりまくにとどまることなく映画の伝えたいメッセージが見る者の心にしっかり伝わって、本当になによりでした。


そして大注目の監督賞は、『工作』(邦題仮)のユン・ジョンビン監督が受賞。












この映画、今年5月に『バーニング』と並んでカンヌ国際映画祭にも招待されましたよね。

ユン・ジョンビン監督と言えばハ・ジョンウといわれるほど、『犯罪との戦争』、『ベルリン』、『群盗』などこれまでハ・ジョンウさんを主演に迎えた映画を多く撮っているのですが、この映画ではハ・ジョンウさんでは役柄的に若すぎるということで、ファン・ジョンミンさんが主役に抜擢されています。


もー、この映画はですねぇ。

すごい!

すごいとしか言いようがないっす!

ってなんでいきなりス言葉なんだっていう感じですが。(笑)

実際にあった、北朝鮮に潜入した韓国側スパイの話なんですよね、これ。
関連の記事を私もかなり読み込み、なおかつ伝説級の工作員「黒金星(フックムソン)」ことパク・チェソさんのインタビューもかなり聞いたのですが。

いやはやこれ、皆さまに噛み砕いて説明することがとんでもなく困難!です。
実話というところが本当にポイントなんです、これ。

なにやら韓国の政権が舵取り怪しくなると、絶妙なタイミングで金正日政権下の北朝鮮から軍事的な挑発アクションがあったりして国内が公安局面に入り、よって瀕死だった保守政権がよみがえる、なんていう構図が長らくあったりしたわけですが、あれがもし韓国側がお金渡して北側に頼んでやってもらっていたヤラセだったとしたら、どーですか?!
っていう話なんですよねー。(笑)

いやはやこんな映画、よく作れたな、と。出演者もわが身の保身とかなかったんかい、と。
実話っていう重たさがもう。ハンパないです。(笑)

政権変わる前から制作に入っていたこの映画ですが、政権変わってなければ世の中にお目見えしてなかったかもしれません、この豪華キャストなのに。なにより、暗黒の政権下で公開されてたら、観客ブルーすぎます。(笑)
日本に入ってくるかは不明ですが、機会があれば是非ご覧いただきたいです。
そしてこの映画は、イ・ソンミンさんが素晴らしいです。

釜日映画祭では脚本賞、主演男優賞(イ・ソンミン)、助演男優賞(チュ・ジフン)、美術賞、最優秀作品賞に選ばれ、ソウルアワードでは主演男優賞と大賞を受賞。
納得の受賞の数々。韓国の映画人たちは本当に気骨があるなと思います。


さてそして最後は、主演男優賞と最優秀映画賞。

こちらはキム・ユンソクさんと『1987、ある闘いの真実』が受賞しました。













文句なし、順当な受賞ですね。

この映画自体も、映画の受賞自体も、時代の精神をよく表していると思います。

1987年当時もつらく大変な道のりを歩み、ろうそく革命を経た今も社会変革を望む人たちと過去に戻そうとする勢力との厳しい戦いが継続中の韓国社会ですが、こうして『1987』が今年を代表する映画に当たり前に選ばれるのを目の当たりにすると、かつて民主的な社会を実現するために命懸けで闘ってくださった方々のためにも気持ち新たに頑張らなければという思いになります。



キム・ユンソクさんの受賞スピーチ動画も貼っておきましょう。

こちらもyou tubeのSBS Entertainment公式チャンネルのものです。





ありがとうございます。
私が…。ソン・ガンホさんが主にプレゼンターを務めるんですよね、私が受賞する時は。
候補に挙がったすべての皆様とこの喜びを分かち合いたいです。
また、『1987』を共にしたすべての皆様と、この栄光を分け合いたいです。
去年の冬にしっかり畑を耕したおかげで、今年の冬もこうして収穫ができたのだと思います。
愛する家族にも、とても感謝していると伝えたいです。
パク・ウンスクさん、パク・ジョンブ、ペ・ウンシン女史。
烈士たちのご家族にも、この栄光を必ずお伝えしたいです。
ありがとうございました。

감사합니다.
제가…송강호씨가 수상을 주로 많이 하네요. 제가 상을 받을 때는.
후보에 오른 모든 분들과 함께 이 기쁨을 나누고 싶습니다.
그리고 “1987”에 함께 했던 모든 분들과 이 영광을 나누고 싶고요.
작년 겨울에 농사를 잘 지어서 올 겨울까지 이렇게 수확을 하는 것 같습니다.
사랑하는 가족들에게도 너무 감사하다는 말씀 전해주고 싶고요.
박은숙 누님, 박종부 형님, 배은심 여사님. 열사들의 가족분들에게도 이 영광 꼭 전해드리고 싶습니다.
고맙습니다.




パク・ウンスクさん、パク・ジョンブさんは、拷問死させられたソウル大生パク・ジョンチョルさんのお姉さんとお兄さんで、ペ・ウンシムさんは催涙弾を頭に受け命を落とした延世大生イ・ハニョルさんのお母様です。

プレゼンターがソン・ガンホさんというところが、格の違う豪華さを感じさせますよね。
ソン・ガンホさんは先述したように去年の受賞者ですが、『南漢山城(邦題:天命の城)』でキム・ユンソクさんも一緒にノミネートされていました。

せっかくなので、最優秀映画賞を受賞した制作会社ウジョンフィルム代表のイ・ウジョンさんとチャン・ジュンファン監督のスピーチも最後にご紹介します。






(イ・ウジョン代表)とても嬉しいです。賞を下さった審査委員の皆様、ありがとうございます。
また、この映画(の制作)を許してくださり、ご支援くださり、応援してくださったパク・ジョンチョル烈士記念事業会とイ・ハニョル烈士記念事業会、そして今年お亡くなりになられたパク・チョンギ様、ペ・ウンシム女史、ありがとうございます。
そして、暗く残酷な時代に勇気を出して闘われたたくさんの実在の人物たちもこの映画(の制作)を許してくださり、応援してくださいました。ありがとうございました。
そしてこんにち、私たちがこうして自由を享受できるよう1987年6月に力強く闘われた幾人もの民主化闘士の皆様がこの映画を応援し、声援を送ってくださったおかげで、こうした大きな栄光を手にすることができたと思っています。
シナリオを大変な思いをしながら書いてくださったキム・ギョンチャン先生、そしてとても立派な俳優たちと共に力を尽くして作ってくださったチャン・ジュンファン監督、そしてキム・ユンソク先輩をはじめとした俳優の皆様、チョン・ウォンチャンPDと現場の全てのスタッフ、ありがとうございます。
そしてこの難しい作品に投資してくださったCJ Entertainment、仲間の皆さん、ありがとうございました。
最後に個人的に、後輩のカンさんとキムさんのお二人に心から感謝をお伝えしたいです。
ありがとうございました。

(チャン・ジュンファン)こんにちは。チャン・ジュンファンです。
実は昨年のこの場に妻の代わりに、候補でしたので(妻が)。新人監督賞の候補でしたので来ていたのですが、その時は『1987』の仕上げ作業をしていた時だったんです。
キム・ユンソク先輩が昨年も主演男優賞の候補者だったのですが、受賞を逃した際、私が膝を叩きながら、私は映画を最後まで見ていましたので、「『1987』で主演男優賞を来年必ず受賞されますよ」と言ったのですが、(他の)映画をずっと見てみると演技がとてもお上手な他の主演男優賞候補者がいらっしゃってハラハラしましたが、私の予見通りになりましたこと、本当に感謝申し上げます。
先ほど(撮影賞を受賞された)キム・ウヒョン撮影監督とキム・スンギュ照明監督が、もう一人の名俳優と仕事をしているかような繊細なカメラで『1987』を燦爛と作り上げてくださり、本当に感謝いたします。
そして、愛する妻であり同僚であるムン・ソリさんにも感謝申し上げます。
この映画に声援を送ってくださった多くの700万の観客の皆様・・・。
ありがとうございました!








最後にまた泣きそうになってましたね、チャン・ジュンファン監督。

ひとたび観客への感謝を口にしたら、この映画にかけてきた思いがこみ上げずにおれないのでしょうね。

観客としてはむしろ監督に、制作会社に、この映画への出演を決意してくれた俳優の皆様に、感謝を表さずにおれません。
「歴史」にするにはまだあまりに生々しい1987年6月民主抗争を、驚異的な構成力と完成度で説得力をもって示してくださり、追体験できるテキストとして社会に残してくれた意義は大きいと感じます。


ちなみに最優秀男優賞候補者としてユ・アインさんが映っていましたよね。
ユ・アインさんは今年、こちらもカンヌ招待作品である『バーニング』の演技で各映画祭の受賞候補として名を連ね、青龍に先立って10月22日に行われた大鐘賞映画祭では『バーニング』は最高峰の最優秀作品賞を授与されています。

ただし、監督のイ・チャンドンさんはこの青龍映画祭には2002年から作品の出品自体を拒否。
絶対に作品賞や監督賞にはノミネートさせないと決めているという裏話があります。
それは、この青龍映画祭のスポンサーが朝鮮日報の系列社、スポーツ朝鮮だからなんです。
朝鮮日報の偏向報道ぶりは、今やフェイクニュース発信地と化している有様なのですが、イ・チャンドン監督は廬武鉉大統領の文化観光部長官に選ばれる2003年より前に、報道機関としての姿勢にも内容にも非常に問題多い朝鮮日報に見切りをつけ、青龍映画祭と関わるのを拒否することに決めていたんです。

近年評判と権威が落ちる一方の大鐘映画祭のおかげで反射的にその地位と信頼度が高まった感のある青龍映画祭ですが、いくら審査に新聞社の意見は一切反映されていないと審査員たちが口をそろえ、事実そうだったとしても、今回のようにノミネートされて当然の作品が姿を現さない事態を迎えた時、青龍映画祭の限界が否応なく浮き出てしまうと言えましょう。


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ともあれ。

興行成績1、2位を争う大型ブロックバスターばかりでなく、むしろ作品性や俳優たちの演技力で評価を受け、あまり知られていなかった作品にも光が当てられるという点では、やはり注目したいのがこうした大衆的な映画祭。

個人的には、3月に公開されて以降、確かな評判がほうぼうで聞かれていた『小公女』が今回新人監督賞を受賞したのをきっかけに、今度見てみようと思っています。
嗜好品のウイスキーとタバコだけは手放さない20代の女の子が、家賃値上げを機にあろうことか家を出て友人の家を転々と過ごすことにするという内容の映画で、大人からするとなんだか青春の厳しい断面がグサグサくる設定なのですが、この映画も女性監督によるものなので応援したいですし、アン・ジェホンさんが彼氏役で出ているのも、なんだか厳しい中にも楽しそうなんですよね。

機会があれば、今年青龍映画祭で受賞した作品のうち、まだ取り上げていないものをいくつかご紹介できればと思っています。
とはいえもう今年も残り僅かになってしまったので、きっと間に合わないと思われますが。(笑)