みなさま、こんにちは。

7月もいつの間にか終わりに近づき、ぐったりするほど暑い日々が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。
私は寝不足でバテ気味です。
暑さの中でも構わず寝ていられた大昔に戻りたいです。

さて、今日は前回の続き。
音楽評論家のキム・ヨンデさんが出演されたBTS解説の続編、MBCの「ニュース外伝の外伝」を取り上げます。
こちらはテレビ放送を受けてのyou tube放送です。

平日午後2時に放送中の韓国MBCのニュース番組「ニュース外伝」。

‘Butter’からバトンタッチして’Permission to Dance’が1位となったBTSについて音楽評論家のキム・ヨンデさんをゲストに招いて取り上げた先週の番組の続きを今日はアップします。

何週か前にも音楽評論家のキム・ヨンデさんを解説者に招いてBTS現象について取り上げていたのですが、前回も話足りなかったことをyou tubeで話していました。
どういうわけかいつも続編のほうが内容が濃いんですよね。you tubeという媒体の気軽さがなせる業でしょうか。(笑)

BTSがなぜそんなすごい成績を上げているのか今一つ分からないという方にとって、適切な例をあげてひも解いてくれるキム・ヨンデさんの解説はとても分かりやすいものになっています。
だからなのか、圧倒的に時事番組に呼ばれることが多いんですよね。
ファンの方にとっても「そうそう、そういうこと」と整理される部分が多々あるのではないかと思います。

今日は前回よりもちょっと長め、というか前回の倍くらいの長さですが、一気に掲載します。

 

 

アンカー:みなさま、こんにちは。「外伝」に出演頂いた評論家のキム・ヨンデさんをお招きし、BTSの成果、偉大性について再び詳しく見ていきます。
お待たせいたしました。

キム・ヨンデ:こんにちは。

アンカー:先ほどは時間が短かかったため駆け足で伺いましたが、何か月の間に1位が5曲と仰いましたっけ?

キム・ヨンデ:10か月です。1年未満ですよね。

アンカー:10か月、ですね。

キム・ヨンデ:10か月ちょっとだと思うのですが。

アンカー:そうしたケースが決して多くないということですよね?先ほどはビートルズをあげられてましたけど。

キム・ヨンデ:短期間に集中的な人気がなければいけませんので。勿論、短期間に多くの1位をあげるのが偉大なのか、長い間1位にあるほうが、なのか・・・・・。スポーツもそうですよね。人生の中でたくさん優勝することが偉大なのか、それとも10年単位で何回か優勝するほうが偉大か一概に言えないのですが、記録自体が希少であることは間違いないということです。
一気に跳躍したということですよね。1位になれなかったのがいきなり5曲も1位になる季節を迎えたということが、「何が起きたんだろう」というような感じですよね。

アンカー:前回も仰ってたんですが、あまりにすごいことを続けざまに成し遂げたため、驚くべきことだという感覚自体が鈍くなってきた気がしますね。

キム・ヨンデ:慣れてきたのは確かです。メディアだけではなくて。メディアだけではなく、私もすごく驚いて、かつてのように鳥肌が立ち、眠れない、という感じではないので。1位になれなかったらがっかりする、みたいな。それくらいある意味慣れたといえると思うのですが、それもありつつ、ずっと似たような質問をされるじゃないですか。「なんでなの?」と。「一体なにが魅力なの?」と。
本人がその魅力にハマる前までは、質問が続かざるを得ないんです、実は。なぜなら、どんなことも本人が納得するまでは理解できないじゃないですか。

アンカー:ある意味、たいそうなことを日常に、平凡なことにしてしまったということですね。

キム・ヨンデ:そうとも言えそうですが、私はしばらくの間BTS以外にはこうした成果を出すグループが多くないだろう、ほぼ、当分ないだろうとは思っています。

アンカー:世界的にですか?

キム・ヨンデ:世界的にもですし、韓国だけを見たらなおさらそうだと思います。その時になったら、「ああ、あれは日常的なことではなかったんだな」と。
私は時々この話に例えるのですが、ファン・ヨンジョ選手の五輪金メダルや、キム・ヨナ選手の五輪金メダルも、当時はファン・ヨンジョ選手もイ・ボンジュ選手もいたので、五輪では当然のように金メダルや銀メダルを取れるものと思ってましたし、キム・ヨナ選手が世界選手権も五輪も優勝するので、それくらいは他の人もできるんだろうと思っていましたが、その後出てこないじゃないですか。
まさにそういう感じで、今私たちがそのただ中にいるためにそう感じられず、あとになって「あれはすごいことだったんだな」と思うのではないかと。

アンカー:BTSがロングランすればいいんですよね。何十年と。

キム・ヨンデ:奇抜な発想ですね。

アンカー:BTSといえば、よく知らない方は今日ご紹介した’Permission to Dance’のように希望を語り、未来に向けたメッセージを語り、共感を語るといった、明るい面だけが曲の歌詞に込められていると思うと思うのですが。あまりに健全すぎると。必ずしもそうではないですよね?

キム・ヨンデ:健全をどう定義するかが曖昧なのですが。

アンカー:例えば悲しみなどもたくさん込められているのですが、ぱっと見には。

キム・ヨンデ:明るくて、軽快で。

アンカー:そう、明るくて、軽快でというような。

キム・ヨンデ:勿論そうではありません。最近出た曲が、どうしてもパンデミック下でポジティブなメッセージを効果的に伝えようという目的があり、実際BTSの米国攻略の機が熟したわけじゃないですか?なのでもう少し米国やグローバルな大衆向けにフレンドリーな感じで。特にラジオで親しみやすく聴ける音楽というものを考慮したものであって、実際既存のBTSの音楽を見ますと、ある意味、ファンもたびたび言うのですが、聞きながら心が重くなる、そこから生まれる感情の深さや悲しみが強いために、何も考えずに聴けない難しい曲が多いとよく言われるんです。

アンカー:前にも似たようなことを仰ってましたよね。

キム・ヨンデ:前からそう言われてきたグループなんです。他のK-POPグループと比較して。
それくらいメッセージが強力で、悲しみといったものが深く。またそこからくる文学的で哲学的なニュアンスが多いので、気楽に1度聞いて忘れて、みたいな、単にフック、サビを歌う程度で満足する音楽からは遠いです。

アンカー:作詞は主に誰がするのですか、そうした曲は?

キム・ヨンデ:外国語の曲は外国人のソングライターが行うケースが多いですし、もともとBTSの曲は本人たちが作詞することで有名なんです。

アンカー:ああ。

キム・ヨンデ:なぜならラップの比重も多いので、ラップの歌詞は実は、普通、最も一般的なケースではラッパーが歌うパートがあるじゃないですか。その部分は本人が作詞をするのが普通です。

アンカー:本人の哲学が入らないわけにいきませんね。

キム・ヨンデ:勿論です。例えば同じテーマを、例えば愛の悲しみをテーマにする、あるいは世代についての批判をするとなった時に、人によってこの世の中の何が不当なのか、恋の何が苦しいのかについては違うじゃないですか。表現のニュアンスしかり、本人がよく使う単語もあるでしょうし。さらにはBTSのラップの中には方言を使ったものがあるんです。『八道江山』という。それをお聞きになったらお分かりかと思いますが、各自が自分の地域の方言でラップしてるんですよ。完璧に自分が何者であるのかについての答えをラップで表さなければならないので、それは当然と言えますし、それがBTSの音楽に対して私たちがしばしば語る「真実味」を裏付ける要素になっていると思います。

アンカー:となりますと、ファンも何名かいるうちから自分の感性により適した人をより好きになり?

キム・ヨンデ:勿論です。自分は明るくて害のない感じがいいという人はこのメンバーが好きで、知的で表現の技巧を好むという人はまた別の人が好きで、あるいは自分は暗い、ダークな魅力を隠さず表す率直さ、歯に衣着せぬ物言いが好きだという人は、またこの人が好きという感じで、こういうところが全部違うんです。

アンカー:今仰ったのが誰のことなのか、ファンはみなさん分かるものですか?

キム・ヨンデ:恐らく。

アンカー:間違ってる可能性はないですか?100%共感されます?

キム・ヨンデ:ほぼ当たってると思います。

アンカー:そうなんですね。私にはわからないです。
また、BTS自体がすごすぎるので、昔私たちが偶像化して見ていた大物歌手がBTSをわざと言及しているような感じもするのですが。ですよね?
どういうことかと言いますと、自分たちのマーケティングのためによくBTSをしばしば口にしたり、関連があると言ったり。こういう状況まで来ているようですが。

キム・ヨンデ:それは大衆音楽の世界ではよくあることですよね。

アンカー:へえ。

キム・ヨンデ:実は公式の、誰々が契約によって、スポンサー的な関係によって、わざと言及してあげることもありますが、私たちがシャットアウトという表現を使いますが、誰かが単に尊重の意味、もしくは同志的な意味で互いにやりとりすることがあるんです。今回の’Permission to Dance’の場合は、気分が良くない時、物事がうまく進まない時はエルトン・ジョンの歌を聞けというフレーズを入れたところ、エルトン・ジョン卿が答えたんです。何もかもがうまくいっている時、と言葉をちょっと変えて、僕はBTSを聞く、と。

アンカー:すごいことですね!

キム・ヨンデ:ですよ。

アンカー:エルトン・ジョンが!私の世代ではエルトン・ジョンといえば別世界の人だったのに。

キム・ヨンデ:5本の指に選ぶ方も多いと思います。

アンカー:そうした世界的な歌手が、本当に喜んでBTSを言及し、自分にもためになる、そんな状況自体がとてもいい気分がしますね。

キム・ヨンデ:その前の’Butte’の時は、多分よくご存じの曲かと思いますがQUEENの’Another One Bites The Dust’をオマージュしたようなビートがあったんです。するとQUEENが歌について言及し、曲自体がマイケル・ジャクソンのような雰囲気もあったので、マイケル・ジャクソンの公式アカウントがまたこの歌を広報するなどもあったんですよね。
当たり前のことですが、彼らにお願いしたからって、やってくれませんよね?

アンカー:ですよね。必要があってやるわけで。

キム・ヨンデ:お互いにレベルを認め、彼らについて言及することが自分にとっても究極的にメリットになると思う時にするわけであって、単に立派な後輩を一人宣伝してあげようということから行われるわけでは決してないということです。
むしろ、そこがすごい点なんです。

アンカー:そうですよね。彼らがBTSについて言及することが自分たちにとってもメリットになると思う人たち自体がものすごい人たちだという事実が、本当にすごいところですよね、BTSの。

キム・ヨンデ:私が以前こういう表現を使ったんですが、当時は大袈裟じゃないかと言われたんですけど、今の状況は、BTSが米国の産業を必要としているというよりは、米国の産業がBTSを必要としていると思ってるんです。

アンカー:米国のポップス市場が?

キム・ヨンデ:ええ。なぜなら米国は国の特性上、もともとメルティング・ポット文化とも言われますし、成功していて人気のあるものは問答無用に自分のほうに編入させようとする態度が常にあるんですよね。そうする中で自分たちの文化、産業を発展させるんです。わざわざ、どこかにローカルスターがいたとして、この人がグローバルスターとして使えると判断すれば、果敢に、まるで自分が育てたスターかのように所有権を主張したり。今の在り方を見ていると、本当に彼らが韓国人でアジア人であるのを除けば、米国の産業の中で自分たちのスーパースターとして・・・・・・。

アンカー:それがある意味米国の力ですよね。

キム・ヨンデ:そうです。

アンカー:文化のメルティング・ポットとして役割を。

キム・ヨンデ:主導権を握っていますし、果敢に他のアーティストを受け入れられますし。

アンカー:先ほど仰いましたが、BTSを通じて人種に対する偏見、人種差別が緩和されたりといった文化的現象にまで広がる兆しを見せているんですよね?

キム・ヨンデ:その点においては実はARMYたちの功績が大きいです。なぜなら、初期にはある意味単純な動機や欲求から始まった思うんですよね。自分が好きなスターが不当な扱いや不当なコメントをされるのを見た時に、彼らを積極的に擁護したいですし、批判した人に反駁したくなる欲求があるじゃないですか。これが結果的に見れば、その過程の中で学びを得るんです。システムの問題がある場合や、今なお米国社会に残る、仰ったとおり、人種差別。人種差別だけでなく、人種差別についてはレイシズムと言い、外国人嫌悪についてはジェノフォビアと言うのですが、この二つについてファンが知っていくんです。私たちの社会にこういう面があるのは知ってはいたけど、BTSというグループを通じてそれが立ち現れた時に、実践の領域に進むんです。耐えられず、出張っていって、行動して。彼らが強く反発する姿を見せると、メディアやそれを口にした当事者は萎縮せざるを得ません。ある意味半強制的にそうした過ちが修正されるプロセスを踏むんです。

アンカー:そうした偏見や悪しき現象、何かありましたよね、コロンビアかどこかで卑下するような発言をしたようですが。

キム・ヨンデ:口にしたくもないです。呆れた非難だったんで。

アンカー:要旨が、韓国政府がお金を使ってどうのと。

キム・ヨンデ:ええ、お金を使って1位にした、賞をあげた、と。

アンカー:なんなんでしょうね?嫉妬でしょうか?

キム・ヨンデ:嫉妬もあるでしょうし。基本的に・・・・・・。

アンカー:偏見でしょうか?

キム・ヨンデ:私たちが知らないだけで、北米も南米もヨーロッパも底辺に流れている人種的な・・・・・・。

アンカー:人種的な偏見ですか?

キム・ヨンデ:偏見があるんです。これがどういう時に出てくるかを見ると、いいことでもあり、悪いことでもあるんですが、BTSが有名でなければ出てこないわけです。

アンカー:つまり、すごいので。

キム・ヨンデ:そうです。

アンカー:アジア人がそんなわけない、と。

キム・ヨンデ:ものすごく目障りでもあるし、けん制の心理も勿論あります。私は、こうしたことは今後日常茶飯事になると思います。なぜならけん制する心理というのは間違いなく弱点をめがけてくるので。

アンカー:ARMYが黙ってないですよね?

キム・ヨンデ:それがですね。ARMYが強く抗議し、BTSが直接彼らを批判するような立場ではないので、ARMYたちが代理戦争の様相で闘ったのですが、謝罪もひどいものでした。見方によってはまた愚弄したんですよね。

アンカー:そうなんですか。

キム・ヨンデ:韓国語を使いながら、正確なワードは忘れましたが、「呆れた」みたいなことを、自分たちは変えるつもりはないという感じで答えたのですが。世の中には変な人が多いですからね。

アンカー:先ほどARMYが代理戦争で反応し、BTS自体は品のある対応をするのは、あれは訓練されてるんですか、それとももともと人格に品位があるのですか?両方ですか?

キム・ヨンデ:そういうのもあるでしょうが、通常そういうことはまずは会社が鋭利な対応をしないといけませんよね。

アンカー:すごく上手だと思います。直接、即座に反応することなく、品位をもって対応するというのが。

キム・ヨンデ:これがどこかの組織的な動きというよりは、個人が普段から持っている偏見が現れたものなわけで、これをスターのBTSがあからさまに攻撃したら、おかしいじゃないですか、実は。上手くやっていると思います。

アンカー:先ほども仰った未来についての希望、こうしたメッセージもありますが、現実を指摘するメッセージもなくはないと。その部分も訴える力になっているわけですよね?『背筋ブレーカー』や。

キム・ヨンデ:ええ、’Am I Wrong’や『ダルマエナガ』。『悩むよりGo』。私はこの部分をどう解釈しているかと言いますと、過去私たちが80年代にいわゆる運動圏の歌謡、民衆歌謡もありましたし、メッセージソング、反戦ソング、ヒッピーイズムなどもありましたけど、BTSは意識的に「僕たちはメッセージ性のあるスターだ」、「僕たちはこの曲で社会のある部分を直接的に変える。改革する」ということではないということです。
私はそれがポップス・アーティストとして、とてもいいポジションだと思うのですが・・・・・・。

アンカー:直接参加しないのがいいポジションだと?

キム・ヨンデ:なんと言いますか、どちらがいいとは言えませんが、BTSというグループはいずれにせよ絶対多数の大衆を相手にするポップス・ミュージシャンじゃないですか。彼らがフォーク歌手や強烈なメッセージを前面に出すヒップホップ歌手ではないので。多数の大衆向けのミュージシャンなわけで、だからこそそのメッセージが、メッセージそのものが音楽になるというよりは、私はここが重要だと思うんです。BTSというグループのメンバーが自然体で自分たちの話をしてるんです。学生だったら教育制度に不満がありますよね。

アンカー:だから真実味を帯びるわけですね。

キム・ヨンデ:そうです。貧しい家庭で育てば社会のそういう部分に不満があるでしょうし、学生なら学生ならではの不満、成人であれば大人としての不満があるわけですが、そうしたものを、ある時期にあえてぎこちなくメッセージを入れこむことをせず、その時々に彼らが言いそうなことを自然な形で語るという。それが仰ったとおり真実味ですし、私はその真実味から生まれるメッセージ自体が、意識的に狙ったような社会的な歌詞と同じくらい力があると思うんです。なぜなら聞く人も多いですし、それに影響を受ける人も多いので。

アンカー:今日は色々なお話を詳しくして下さったのですが、最後に私がお聞きしたいのは、勿論あまりにすごいことを繰り返し成し遂げるので人々が慣れてしまったのもありますが、外国の評価よりも韓国内の評価のほうが熱くないように思います。その原因は何だと思いますか?

キム・ヨンデ:そうですね、私は、一つの限界として、韓国ではBTSを依然として韓国という枠内で考えている面があるんです。単に自分たちのK-POP歌手が米国市場でこれこれといった成績をあげた、くらいに思ってるんですが、これを世界的な観点で見ると、ポップスの歴史上には時代を規定するホップスターがいるじゃないですか。そこに新たなスターが現れたわけです。スケールが違うんです。私たちが考えるBTSのスケールとは。私たちは「韓国人の誇り」くらいに思ってますけど、世界的な観点から見れば、まったく存在したことのない韓国というポップス市場から世界的なポップスターが出てきたわけです。なので、より一層すごいことですし、より信じられないし、だからこそ彼らの位相も、グローバルな位相のほうが当然韓国よりも高く評価されざるを得ないといった部分があるのではないかと。

アンカー:いずれにしても、ここまで来たこと自体もすごいことですが、今後、この時代を象徴する芸術家でありパフォーマーになってくれたらと願います。

キム・ヨンデ:私もそう願っています。

アンカー:今日はありがとうございました。

キム・ヨンデ:ありがとうございました。

 

 

ながっ!我ながら。(笑)

アンカ―の方、「全然分からない」と仰る割りには、質問が練られてるんですよね。
さては制作スタッフにいるな、ARMY。(笑)

かつての民主化運動圏での「民衆歌謡」や「大衆歌謡」と比較して違いを説明したところなどが、面白いですよね。アンカーとMBCニュースの視聴者層には入ってきやすい例示だったと思います。
民主化運動圏の民衆歌謡と比較されると言えば、90年代のソテジ以来ですが、BTSはソテジと比べてはるかにファン層が広いですね、そういえば。韓国内で。ソテジは若者だけが支持していましたが、BTSは年代と性別を超えた支持が韓国でもあります。

話の中に出てきていたそれぞれの歌詞の特性、「明るくて害のない感じ」の歌詞を書くメンバー、「知的で表現の技巧」がある歌詞を書くメンバー、「ダークな面を隠さない、率直で歯に衣着せぬ物言い」の歌詞を書くメンバー、ファンなら誰のことか分かりますよね。
こういう、ファンなら聞いてすぐ分かる、でもBTSのつくる音楽のファンではない人には分からないことを暗号のように織り交ぜてくるあたりが、今回の解説で私が面白く感じたところです。
J-HOPE、RM、SUGA、のことですよね。ええ、ラップライン3人なので。(笑)

また、キム・ヨンデさんは別のラジオ番組「キム・オジュンのニュース工場」に6月30日に出演された際に解説していたのですが、BTSを米国の音楽市場が必要としているいう話は経済的な裏付けがありまして、6月29日の報道によりますと、アメリカ行きアジア便の大韓航空の貨物量の半分をBTSのCD並びにグッズが占めているとのことで、6月4週には北米行きの貨物がBTS関連だけで40t。BTSのCDだったそうです。一度に120tの貨物の積載でき、そのうち40tがBTSのCDって、すごいですよね。

音源サイトで音源を買うにとどまらず、BTSのファンはフィジカル、つまりCDを欲しがり、それもバージョンごとに揃え、グッズもすべて揃えようという旺盛な消費力を見せるとのこと。
こうしたファンの購買意欲を米国の音楽産業も非常に歓迎しているそうです。なぜなら、何でも作れば売れるので。

確かにマクドナルドもBTSミールを世界50か国で発売しましたよね。

キム・ヨンデさんが言う通り、BTSを必要としてるのは米国の音楽市場、産業のほうであるというのは確かなようです。