みなさま、こんにちは。

新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2025年がみなさまにとって、穏やかで平和な良い年になりますように。

年末に痛ましい航空事故まで起きてしまい、新年を迎えてもなかなか「おめでとうございます」という言葉が口をついて出ない韓国。
韓国では、市民と国会議員たちが奇跡的に尹錫悦(ユン・ソクヨル)によるセルフクーデターを一旦は防ぎましたが、「内乱の首謀者」として逮捕状が出たあの者は、本当に恥ずかしいことに官邸に鉄条網を張り巡らせ、兵役の青年たちを人間の盾に駆り出し、いまだ籠城していて、人々をどっと疲れさせています。

最高権力者が自分のために起こしたクーデターを失敗に追い込んだだけでも奇跡的なことだったんですよね。あらゆる機関のトップが尹氏が任命した人たちなので、やっとの思いで国会での弾劾を可決させたのに、与党を筆頭にどこもかしこも妨害勢力だらけでなかなか収束しません。
一刻も早く混乱を終わらせて欲しいのですが、閣僚の面々も結局全員共犯者たちなので、逮捕にも内乱罪特別検察法案にも協力せず、気を揉む日々が続いています。
おかげで韓国中が不眠に陥っているのですが、そんな人々の心境を表したひとコマのイラストが共感を呼んでいます。

 

「捕まったかな?」

 

本当にまさにこの状態です。(笑)

目が覚めて布団の中でも速報をチェックしちゃう。捕まったかな、捕まえに行ったかなって。(笑)

あの者は本当に凶暴極まりないので、早く捕まえてもらって安心して眠りたいです。

 

本題のOKDALに入る前に、つい最近見た映画の感想を。
先日ハリウッド映画の『シビルウォー:アメリカ最後の日』を見たのですが、「これはまさに韓国で今起きていることじゃないか」と驚いてしまいました。『シビルウォー:アメリカ最後の日』は内戦下のアメリカを戦場記者を主人公に描いた映画。19の州が連邦政府から離脱、国内では分断が進み、カリフォルニア州とテキサス州が同盟を結んだ「西部勢力」と「政府軍」が文字通り戦争(内戦)を繰り広げているという状況を背景にしたロードムービーなのですが、内戦を招いたのは憲法で禁じられている3選を果たした腐敗した大統領なんですよね。自分に対する捜査をやめさせるためにFBIを解体してしまっています。
尹氏がやろうとしたことそのまんまなので、どういう偶然なのかと驚いてしまいました。
しかも映画の中で米政府軍と熾烈に闘っている「西部勢力」が民主党が選挙で優勢なカルフォルニア州と共和党が選挙で優勢なテキサス州というのがとても示唆的。党派性、保守かリベラルか、そんなケチな話じゃないよと示唆していますよね。

まがいものの尹氏を大統領に仕立てた与党は、反省はおろか、時間を稼いで世論戦を始め、まるで今の事態を「政局」、「政党間の争い」のように歪曲し支持者を結束させようと躍起になっているのですが、憲法を踏みにじった者に対する処罰に保守もリベラルもありません。これは純粋に憲法と民主主義を守るか守らないかの問題なんですよね。

映画『シビルウォー:アメリカ最後の日』でアメリカ人の監督が描いた「独裁者」の肖像は、政治思想や理念などはなく、自らの不正腐敗を隠蔽し逮捕を逃れるために権力を握り、ひたすら国民に嘘をつき、憲法を踏みにじる人間なのですが、尹氏が完全にその実写版なので、映画の描いた普遍性に疑いを挟む余地がありません。

一方、民主的な選挙制度によって共同体を破戒する決定を下してしまう可能性が常にある中、有権者に「誤診」させ、誤った判断を矯正するのではなく逆に強化しているのが中立・客観のふりをして既得権に利するよう仕向ける商業ジャーナリズムではないかと思うのですが、『シビルウォー:アメリカ最後の日』に登場する主役の戦場記者たちも、結局このような状況にまでアメリカが陥ったことに対する共同体の一員としての忸怩たる思いのようなものが一切なく、ひたすらそこは淡々としていて、私は終始そこには違和感を覚えました。意図してそう描いたのなら「リアルな描写」と感嘆するところですが、そんな意図は映画ではっきり感じられませんでした。単にアメリカでは普通の感覚なのかもしれません。が、この映画がもし韓国映画だったら、監督はもっとはっきりと「共同体の一員としての忸怩たる思いのようなものが一切ない」記者として描いただろうと思うので、その点は割と大きなこの映画に対する物足りなさではあります。

 

・・・・・・と横道はこれくらいにして、本題に。(笑)

尹氏が警察に捕まり無事に憲法裁判所で罷免の決定が下ることを願って、ほぼ毎日大小の集会やデモが憲法裁判所前や大統領官邸前で行われ、土曜日は大規模な集会が光化門前で開催されているのですが、参加者の多くは20代30代の女性たちです。

女性たちは推しのペンラを手にアスファルトも凍てつく極寒の中、歌いながら、明るい笑顔で集会に参加していて、その健気な姿にありがたくも申し訳ない限りなのですが、そんな女性たちを昨日癒しに来てくれたのがOKDAL(オクダル)ことオクサンタルピッ/옥상달빛のお二人。

 

 

OKDALについてはこれまでもブログで何度も取り上げているのですが、2010年にインディーズでデビューした女性デュオ。当時はホンデの音楽シーンを代表する方々でしたよね。
今日ご紹介する『お疲れさま、今日も』も過去記事の「♪オクサンダルピッ OKDAL “お疲れさま、今日も” feat.三食ごはん チョンソン編」の中で既に取り上げています。
リンクはコチラ

きゃー、今過去記事見たら、日付がなんと「2015年6月1日」です!

10年前!

どゆこと!

時々、いえしばしば自分の年を忘れて生きておりますが、こういう時遠い目になっちゃいますね。(笑)

OKDALのキム・ユンジュさんは10cm(シプセンチ)のクォン・ジョンヨルさんとご結婚されていて、そもそも私はシプセンチファンとしてOKDALに入ったクチですが、今では正直若干ジョンヨル君にユンジュさん勿体ないだろくらいに思っております。(ああ、この口がまたいらない告白を!すみません!笑)

 

いくら保守もリベラルもない、民主主義を守るための集会でありムーブメントであるとはいえ、芸能人ってなかなか社会問題に声を上げにくいもの。
応援の声をあげたりアクションするとすぐおかしな人たちがバッシングしたりするので、気持ちがあっても黙っている芸能人が大半なのですが、昨日はそういうステージに素敵な素敵なOKDALのお二人が上がってくれて、本当に大感激です。

昨日の光化門前での集会には20万人の市民が集まったとのこと。

零下10度、文字通り凍てついたアスファルトに座り込んだ人々を前に、まずは1曲目『かけっこ/달리기』を歌ってくれたOKDAL。

こちらも歌詞が絶妙なんです。

 

달리기

지겨운가요 힘든가요
숨이 턱까지 찼나요

할 수 없죠
어차피 시작해 버린 것을

쏟아지는 햇살 속에 입이 바싹 말라와도
할 수 없죠
창피하게 멈춰설 순 없으니

단 한 가지 약속은
틀림없이 끝이 있다는 것
끝난 뒤엔 지겨울 만큼
오랫동안 쉴 수 있다는 것

쏟아지는 햇살 속에 입이 바싹 말라와도
할 수 없죠 창피하게 멈춰설 순 없으니

이유도 없이 가끔은 눈물나게 억울하겠죠
1등 아닌 보통들에겐
박수조차 남의 일인 걸

단 한 가지 약속은
틀림없이 끝이 있다는 것
끝난 뒤엔 지겨울 만큼
오랫동안 쉴 수 있다는 것 

 

嫌気がさしますか?疲れましたか?
すっかり息が切れましたか?
仕方ないです
だって始めてしまったのだから

降り注ぐ日差しの中 喉がカラカラに乾いても
仕方ないです
無様に立ち止まるわけにはいかないから

ただ一つ決まり事があるとするなら
間違いなく終わりがくるということ
終わったあとは飽きるほど
長い時間休めるということ

降り注ぐ日差しの中 喉がカラカラに乾いても
仕方ないです
無様に立ち止まるわけにはいかないから

理由もなく時には 涙が出るほど悔しいでしょう
1番ではない普通の人たちにとって
拍手とは自分以外の人がもらうもの

ただ一つ決まり事があるとするなら
間違いなく終わりがくるということ
終わったあとは飽きるほど
長い時間休めるということ

 

ひと月以上変わらぬ熱量で内乱を起こした尹氏の弾劾を求め、凍り付くアスファルトを埋め尽くしている人々の心持とシンクロした歌詞。
2曲目に入る前、お二人は集まった人々に向かってこう呼びかけます。

キム・ユンジュさん
まず、私たちがここで歌うことでみなさんに少しでも力になれればと願いながらやってきたのですが。
本来ならば期待に満ち、いい気分であるべき年始にもかかわらず、こうして冷たいアスファルトに座ってご苦労されているみなさんを見て、胸が痛みますし、悲しいです。
ですが、みなさんの心が一つになって、必ずいい結果が、一日も早く、まさに今日にでも導かれることを心から願います。祈っています。

パク・セジンさん
また、こうして私たちが表現することができる心。そういうものが一番大事だと思うんです。私たちOKDALも歌でお力添えします。

キム・ユンジュさん
もう一曲用意してきたのですが、恐らく私たちが今日出演される方々のうちで一番声が小さいと思うんです。私たちは大きな声を出せない人ではありますが、ただただこのとんでもない状況に傷ついたみなさんのために、本当に心を尽くして慰めを送りたい思いです。

『お疲れさま、今日も』を歌います。
みなさん、本当にお疲れさまです。かっこいいです!

 

カッコいい市民たちをカッコいいと言ってくれるOKDALのお二人が、カッコいい。(泣)

ということで、『お疲れさま、今日も』。

 

수고했어, 오늘도

세상 사람들 모두 정답을 알긴 할까
힘든 일은 왜 한번에 일어날까

나에게 실망한 하루
눈물이 보이기 싫어 의미 없이 밤 하늘만 바라봐

작게 열어둔 문틈 사이로
슬픔보다 더 큰 외로움이 다가와 더 날
(여러분 같이 불러주실 수 있나요?
그럼 해볼게요! 하나, 둘, 셋!)

수고했어 오늘도
아무도 너의 슬픔에 관심 없대도
난 늘 응원해
수고했어 오늘도

빛이 있다고 분명 있다고
믿었던 길마저 흐릿해져 점점 더 날

수고했어 오늘도 (수고했어)
아무도 너의 슬픔에 관심 없대도
난 늘 응원해
수고했어 오늘도

LaLaLaLaLaLaLa・・・

수고했어 오늘도 (수고했어)
아무도 너의 슬픔에 관심 없대도
난 늘 응원해
수고했어
수고했어
수고했어 오늘도

 

お疲れさま、今日も

世の中の人はみんな 正解を知っているのかな
つらいことはどうして いっぺんに起きるのかな

自分に失望した一日
涙を見せたくなくて
意味もなく ただ夜空を見上げてる

少し開けておいたドアの隙間から
悲しみよりももっと大きな寂しさが近づいてきて
さらに私を・・・
(みなさん、一緒に歌ってくださいますか?
ではやってみましょう!いち、にの、さん!)

お疲れさま 今日も
誰も君の悲しみに興味がなくたって
私はいつも応援しているよ
お疲れさま 今日も

光はある 間違いなくあるんだと
信じた道すらも ぼやけて
徐々にもっと私を・・・

お疲れさま 今日も (お疲れさま)
誰も君の悲しみに興味がなくたって
私はいつも応援しているよ
お疲れさま 今日も 

LaLaLaLaLaLaLa・・・

お疲れさま 今日も (お疲れさま)
誰も君の悲しみに興味がなくたって
私はいつも応援しているよ
お疲れさま
お疲れさま
お疲れさま 今日も

 

あー、また涙きちゃった。

これ、泣かずに聞けます?

無理。平時に聞いても無理。なのにこんな時にこんな場で生で聞いたら。

実際あちこちで泣いていたそうです。
この歌に慰められて育った人たちは、特に泣けたのではないでしょうか。

どんなに厳しい状況に陥っても、人々と一緒に呼吸する素晴らしいアーティストたちがそばに来てくれて、励ましてくれる。
その美しさにまた感動します。