みなさま、こんにちは。

この間年明けのご挨拶をしたと思ったら、もう4月。
桜の季節になりました。
日本では報道がほぼなくなりましたが、憲法を守ろうとする韓国の人々は、内乱勢力とずっと闘っています。
そんな中、韓国映画人1025人が尹氏の罷免を求める映像声明を昨日発表しましたので、今日はそちらをご紹介します。

いやー、しかし。

長い!

つらい!

既に4か月も経ってしまいました。なんと1年のうち3分の1を尹錫悦との闘いに費やしています。

1月末にやっと逮捕したかと思いきや、3月7日にはおかしな判事と検察がぐるになって、誰にも適用されたことのないおかしな法解釈を尹氏にだけ当てはめて「脱獄」させる驚愕の事態となり。
また軍を動員して国会や一般市民に銃口を向けるつもりじゃないかと、人々は気が気ではない日々を送っています。

逮捕以降収まっていた「内乱性不眠症」が再発し、食欲不振、体調不良、不安感に人々はさいなまれてきたのですが、その不安を増大させたのが、憲法裁判所。

尹氏の弾劾決議は12月14日に国会3分の2議席以上の賛成で国会を通過しているのですが、最終的な判断を行うのは憲法裁判所です。
憲法裁判所が国会の被訴追者の尹氏を呼んで審理を行い、2月26日には尹氏の最終弁論も終わり、あとは判断を待つのみだったのでした。

非常戒厳令を出す状態ではない全く平穏な日常の中で突如違法に出された戒厳令な上、戒厳令を解除できる唯一の機関である国会に戒厳軍を送り国会議員を捕らえようとしたことから、違憲性は明らか。
当初3月7日まで、遅くとも3月14日には判断が問題なく下されると誰もが信じていたのですが、唐突な「脱獄」が起き、待てど暮らせど憲法裁判所はいつ結論出すのか音沙汰もなく。

待ってる間の恐怖感と言ったら、12月3日の比ではありませんでした。実際はどれくらい酷いことを計画していたのかが報道で次々と明るみになっていましたので。

来週こそは、来週こそはと信じていたのに、3月末までも宣告日の告知がされず。
憲法裁判官のうち二人は4月18日で任期が終わるため、憲法裁判所が機能マヒに陥り大統領代行体制のまま残りの任期2年間を過ごすことになるのではなど、心配と緊張が極度に高まる中で4月1日を迎えたのですが、まさかの4月1日に憲法裁判所が「4月4日午前11時に大統領弾劾の件を宣告する」と発表しました。
虚を突かれ、みんな初めはこう思いました。

「エイプリルフール???」

いや、ほんとに。ほとんどの人がそう思いました。(笑)

韓国の憲法裁判所は、87年6月、大統領直接選挙制を求めて立ち上がった民主化運動の結果作られた機関です。

まさに映画『1987』で描かれた、血の犠牲を払って勝ち取った民主化運動の成果の一つが、憲法裁判所なのです。

ですが、どうも憲法裁判所がその価値を継承し、体現しているとは思えないと多くの人が感じ、激怒したため、今後は大統領の罷免は憲法裁判所ではなく、国民投票ですべきという声が現実になるかもしれません。

「憲法裁判所が政治的な計算をしている」とみんなが怪しむほどだんまりを決め込んでいるので、各界から早く罷免の決断を下せと声が上がっていたのですが、そんな中、尹氏の罷免を求める作家たちの一言メッセージに続き、映画界も罷免を求めるメッセージを出しました。

名を連ねるのは俳優のパク・ヘイルさんやチョン・ジニョンさん、映画『1987』のチャン・ジュンファン監督、映画『リトル・フォレスト』のイム・スンレ監督、映画『あしたの少女』(原題:次のソヒ)のチョン・ジュリ監督、映画『ソウルの春』のキム・ソンス監督、映画『満ち足りた家族』(原題:普通の家族)のホ・ジノ監督、映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(原題:大都市の愛し方)のオ・オンヒ監督をはじめとした総1025人の映画関係者たち。

 

 

俳優パク・ヘイルさん

 

俳優チョン・ジニョンさん

 

チョン・ジュンファン監督

 

イム・スンレ監督

 

チョン・ジュリ監督

 

キム・ソンス監督

 

ホ・ジノ監督

 

オ・オンヒ監督

 

内乱が起きた直後の12月にも韓国の映画関係者6000人余りが国会での弾劾を求めて声明を発表しているのですが、(過去記事はコチラ)今回は声明文ではなく、映像。
映画の名台詞を借りて、というところがポイントです。

映像の演出を担当したのは、映画『家族以上』のチェ・ハナ監督。

では、ご覧ください。

 

なんか出てきたんだよ、そこから
すっごいヤバいのが
『破墓/パミョ』(2023)

テシク「お前も俺が悪人に見えるか?」
ソミ「なんか・・・刑務所にいそうだな、とは思います」
『アジョシ』(2010)

だけど、教えてあげなきゃ
私たちが、ずっと闘ってるってこと
『暗殺』(2015)

恐れることはない
私たちは一人じゃない
『トンジュ』(2015)

行こう!
行こう!
『ストライキ前夜』(1990)

私たちの連帯は、やつらの共謀よりも強いです
私たちはこの4か月の間、それを十分証明してきました

崩壊前に戻りましょう
『別れる決心』(2022)

この映画の主人公は、尹錫悦ではなく、韓国の主権者になるでしょう

憲法裁判所は、被訴追者尹錫悦をただちに罷免し、憲法を守護せよ

 

賛同した俳優、監督、制作者など映画関係者のお名前がエンドロールにクレジットされているのがカッコいいです。

ほんとにそうです。4か月間ずっと、みんな闘ってるんです。
週末だけじゃなく、毎日集まり続けているんです。疲れた体を引きずって。
国民に銃口を向け、戦車を街中に出動させた尹錫悦を罷免し、処罰するために。

韓国は内乱のショックで消費も完全に冷え切ってしまい、映画館も観客が入らない状況が続いています。
なによりも、目の前で展開される現実が映画以上なので、これを超える映画を作れるか、映画監督たちがまた頭を抱えているとの話も聞こえてきたり。

いやいや、秘策はあります。
超えようとする必要はないんです。
ほぼ現実そのまま映画化すればいいんです。大当たり間違いなし!(笑)

いつも必要な時に必要な声を上げて下さる韓国映画界に感謝と敬意を表しつつ、4月4日、韓国に平穏な日常がきっと戻るよう祈っています。