みなさま、こんにちは。

関東地方、すっかり桜も散りましたが肌寒い日が続いています。

さて、今日は去年の夏韓国で公開された映画『最終兵器 弓』について。

この映画、ちょうど去年『姫の男/王女の男』のオンエア中に公開されたムン・チェウォンさん出演の映画ですね。

 






キャッチコピーは「弓の戦争が始まる」。

この映画、公開1ヶ月で観客動員500万人に達し、去年の末時点での観客動員数は770万人。
10月に公開されたソ・ジソブ&ハン・ヒョジュさんの『ただ君だけ(邦題仮)』は、『最終兵器 弓』よりふた月ほど公開が遅かったのですが、年末の時点で観客動員数が100万ちょっとですので、比べるまでもなく『最終兵器 弓』のほうが断然観客が入っています。
2011年度公開の韓国映画では最高の観客動員数を誇り(全体1位は『トランスフォーマー3』で『弓』は2位)、ポータルサイトの映画レビュー平均点も10点満点中8.13とまずまずだったので、DVDで見てみることにしたのですが。



久しぶりに無内容な映画を見ました。
びっくりするくらい、無内容。です。(笑)



「え? 終わり?」とエンドロールが流れてきて笑ってしまいました。
時々ありますよね。売れている=いいもの、の図式が成り立たない作品が。

770万人観客を動員したこと、去年の韓国映画興業成績No.1であることを知らなければ、こういうのもアリかな、くらいで終われるので、映画がとてつもなくヒドイというわけではないのです。
これレベルの映画ならいくらでもありますし、気楽に時間を潰すには悪くないと思います。
ただ、収めた興業成績を知ってしまうと、「なぜに?」の疑問が果てしなく沸いてくるという。(笑)


この映画の主演はパク・ヘイル(박해일)さん。
日本での知名度はどうなんでしょうか? いわゆる韓流スターではない気がしますが、映画を中心に活躍していて、日本で公開されたもので言うと『殺人の追憶』や『グエムル』などがあります。韓国では実力を既に認められている方ですよね。

多分日本で公開される事はないと思うので(笑)、この先は思いっきりネタバレします。

時代は、1636年。後金から清と国号を改めた清軍が10万の兵を率いて朝鮮王朝に侵攻します。後金/清が朝鮮に攻め入るのはこれが2度目で、清による侵略は丙子胡乱(ピョンジャホラン/へいしこらん)と呼ばれています。

丙子胡乱は、衰退する明朝に代わって勢力を拡大していた後金、のちの清が朝鮮との水平的な関係を垂直的な上下関係に変えることを要求し、これを朝鮮王朝が拒否したことで起こった戦争で、朝鮮からは50万人もの人々が捕虜として連行されました。また、人質として朝鮮王朝の次男らが連れ去られています。
『推奴/チュノ』が描いているのも、丙子胡乱後の世界ですよね。

パク・ヘイル扮するナミとムン・チェウォン扮するチャインは兄妹です。
二人は貴族の家に生まれたものの、父が逆賊の汚名を着せられて殺され、父の友人の家に匿われ、日陰の身で成長します。
ナミの父は亡くなる前、伝説の弓を息子に渡していました。

ナミとチャインを引き取って育てた父親代わりのキム・ムソンは、荒くれ者で文字を習おうともしないナミを叱りますが、ナミはどうせ逆賊の息子だからと取り合いません。

一方キム・ムンソの息子でナミを兄のように慕うキム家のお坊ちゃまソグンは、身分違いのチャインに恋し、ナミに結婚の許しを請います。ナミはソグンの両親が許すはずがないと言いますが、意外にもあっさり結婚は許されます。チャインの名付け親はキム・ムンソで、ソグンの名付け親は逆賊として殺された兄妹の父であったことを、この時初めてキム・ムンソはナミに明かします。

妹の婚礼の日、もう妹を守るという役目は終わったと感じたナミは、新しい靴を祝いとして無言でチャインに残すと、馬に乗って遠くに旅立ってしまいます。

 



 


うん。ムン・チェウォンさんは可愛い。コンナムのセリョンです、ほとんど。(笑)

ところが、この時、清の軍が攻め入ってきます。
危機を察知したナミは敵を弓矢で射ながら、猛スピードで引き返しますが、父親代わりだったキム・ムソンの変わり果てた姿がそこにはありました。そして、妹に残してきた靴が片方だけ転がり・・・・・・。

チャインとソグンは捕虜となり、引き立てられた後でした。




 





それでナミが敵を倒しつつ妹の後を追うわけなんですが。
まあ、この清の軍隊が怖いんです。








 



馬に乗ったまま弓を射る高い技術は、騎馬民族ならではだそうですね。
映画の中ではナミも騎馬民族と同じように馬に乗りながら弓を操ります。
それで、軍を率いていたチュウ・シンタは「朝鮮にもあんな弓使いがいるのか?」と驚くわけですが、この人がまた怖いです。










捕虜たちは鴨緑江を越えると、後は奴隷として売られるしかありません。







しかしそこでソグンが勇気をもって刃向かい、間一髪追いついたナミの弓によって奇跡的にその場が制圧されます。合流したナミとソグンたちは、チャインの後を追ってさらに突き進みます。



さて、チャイン。


こうした略奪には女性への暴力がつきものです。
ここでも清の王子によって若い女たちが辱めを受けており、とうとうチャインも王子の部屋に引き立てられていました。









小さな鉄の破片を武器に抵抗するチャイン。













清の言葉を操って応じるチャインに、王子は興味津々です。
どこで言葉を習ったのかと尋ねられ、朝鮮の将軍だった父親が教えてくれたと答えるチャイン。
まあ、無理がある返答ではあります。10歳にも満たない幼い頃に父から教わり、既に10年ほど経過していますので。でも、ここはよしとしましょう。(笑)

そして、再び間一髪で現われたのが、ナミ。








ナミは王子を人質にして残り、チャインとソグンに鴨緑江で落ち合おうと約束します。
チャインは兄と一緒に残ると強固に主張しますが、ナミはその頬を打ち、無理やり行かせます。

清の大将、リュウ・シンタは行く先々で仲間が射られているのを目撃し、王子を守るため急いで向かいますが、時既に遅し。王子と仲間たちは既にナミに殺されていました。
リュウ・シンタたちは怒り心頭でナミを追います。

一方、国境近くの小屋に隠れたのも束の間、チャインとソグンもまた敵に見つかってしまいます。協力して敵を倒す二人。










多勢に無勢のオラボニことナミも、超人的な力を発揮して奮闘します。


















映画としては、このあたりでDVDプレイヤーが壊れたりして、仕方なく最後まで見れない状況が一番理想的ではないでしょうか。

それでなくても、ここに来るまでの間、色々疑問があるわけです。
お父さんはなんで逆賊にされたの?とか。あのお母さんはあんなに兄妹を嫌ってたのに、なんで急にいい人になったの?とか。「俺の弓は殺すためのものじゃない」ってどういう意味? とか。そもそもどうしてお父さんは伝説の弓を持ってたの?とか。お坊ちゃまがチャインに結婚申し込むのが余りに唐突だったけど、一体いつの間にフォーリンラブしたの?とか。
そうした疑問がここまで見る間にも色々チラチラはしていたわけです。
それでも、追いつ追われつ抜かれつの映像に迫力があり、やりつやられつの展開に肝を冷やしながら、ここまでは楽しんでみていたのですが、いよいよもうナミが殺される以外の選択肢が考えられない状況に追い込まれたとき、事件が起きました。



突如現われたんです。虎が。

虎が、ナミに代わって敵をガブガブ。ガブガブと。

もちろんCG。



最終兵器って・・・・・・虎?



ナミとソグン、チャインは約束の原っぱで会うのですが(鴨緑江って言ってた気がするんですが、聞き間違いだったかも)、感動の再会を目前にチュウ・シンタが向こうから兄を狙っていることに気付いたチャインが怪我をしたソグンの弓をとって、ナミの馬を止めようと矢を馬に放ちます。
落馬したおかげで間一髪チュウ・シンタの矢から逃れたナミ。

ところが今度はチャインを人質にとられ、結果、弓の相撃ちとなって死亡!


え~!! ここまで頑張ったのに、死んじゃうの?
オラボニ~~~~~!(ToT)
どんなにストーリーが荒くても、主役が死ぬとやっぱり辛い~~~!(ToT)


なんてのも、束の間。
オラボニの亡き骸とともに、ソグンと二人鴨緑江を渡るチャイン。
「丙子胡乱で故国に戻れた捕虜はごくわずかだった」とかなんとか字幕が入って、物語が終了。


・・・・・・え?

・・・・・・ここで終わるんだ?(笑)


結局最後まで見る者の疑問に何一つ答えることなく、ただただ馬に乗って弓を射って闘って血が出て痛そうな場面が続いて、終わってしまいました。


だから私はもう一度声を大にして言いたいわけです。


最終兵器・・・・・・虎?