みなさま、こんにちは。
関東地方、今日は久しぶりの雨が降りました。
台風の影響でしょうか。
猛暑が和らぎ、ほっとひと息ついています。

さて、『王女の男』第5話。昨夜も無事視聴しました。

スヤンの悪ぶりが光ってきましたね~。

牢でキム・スンユに会っているのが娘のセリョンと知ったスヤン。
「お父様・・・」と口を開いたセリョンを低い声で威嚇。
「軽率に口を開くな!」
誰かに聞かれたら一大事ですもんね。

 

キョンヘ姫のふりをして講義に出たのも、王女と思わせたまま外でスンユに会ったのも、妓楼に行ったのも文をもらったのも娘のセリョンだったと知ったスヤン。
「すべてを王様に話してください」と頼むセリョンに「浅はかなことを! お前だけでなく、親きょうだいみな処刑されてもいいのか!」と脅す悪ぶりが、たまりません。
本当のことを言ったりしたら、今度はこっちがお家断絶になってしまいます。
やるかやられるかの世界なんですよね。

これはドラマですが、実際にもこういった駆け引きは多々あったのだろうなと思わせます。
キム・ジョンソほどの大物を逆賊の汚名を着せて葬り去るのは、どう考えても簡単ではなかったでしょうね。

コンナムを見ていると、世界に入りすぎてしまうのが、キケンです。
以前、コンナムファンの韓国のブロガーが、「歩いていてもふと朝鮮時代かと錯覚してしまう」と書いているのを読んでかなりウケたことがあったのですが、そういう感覚に陥りがちですよね、コンナム。私もキケンです。(笑)

 

さて、今日は残念ながらカットされてしまったと思われる場面を掘り起こしてみます。

色々とめまぐるしく事態が動く5話。
スンユが捕まり、セリョンが本当のことを父親に打ち明け、同じく本当のことを打ち明けようとしたキョンヘ姫をスヤン大君が制圧し、解放されたスンユに会いにいったシン・ミョンは父親がスンユの処刑を提言したとスンユの兄に知らされ、とかなり重要な場面が盛り込まれています。

特に注目したいのは、シン・ミョン。
親友のスンユが突然投獄され、どうにかしなければと焦りますが、手立てがありません。
事を荒立てれば真相が知られてしまうと計算したスヤンが、キム・ジョンソの退職願いを聞き届ける体(てい)でスンユを放免しますが、そんないきさつなど知らないシン・ミョンは、スンユが助かったと副官のチャボン(orジャボン)から聞き、チョン・ジョンと喜び合います。
折りしもシン・ミョンを訪ねて来たセリョン。
スンユの安否を案じる様子に苛立ち、「スンユの生死を案じる方が、今頃おでましですか? 宮殿で事実を明らかにされるべきだったのに!」と強い調子でなじります。
嫌味とともにセリョンへの怒りをぶつけるシーンです。

 

このシーン、韓国語ではこうなっています。

 

【セリョン】
결례인 줄 알면서 찾아 왔습니다.
キョレイン ジュル アミョンソ チャジャ ワッスニダ
無礼とは存じつつ、訪ねて参りました。

혹 스승님은 어찌 되셨는지 알고 계십니까?
 ススンニムン オッチ テションヌンジ アゴ ケシニカ
もしや先生がどうなったかご存知ですか?

【シン・ミョン】
승유의 생사가 궁금한 분이 이제야 나타나셨습니까?
スンユエ センサガ クングマン ブニ イジェヤ ナタナショッスニカ
スンユの生死を案じる方が、今頃おでましですか?

궐에 가서 사실을 밝히셨어야지요!
クォレ カソ サシル パキショッソヤジヨ
宮殿に出向いて事実を明らかにされるべきだったでしょうに!

【セリョン】
입이 열 개라도 할 말이 없습니다.
イビ ヨ ケラド ハ マリ オニダ
返す言葉もありません。

스승님은 어찌 되셨는지 그것만 말씀해주십시오.
ススンニムン オッチ テションヌンジ クゴンマン マスメジュシシオ
先生はどうなったのか、それだけお教えください。

【シン・ミョン】
가까스로 목숨을 구했습니다.
カカスロ モスム クヘッスニダ
かろうじて命拾いしました。

【セリョン】
살아 계신 것입니까?
サラ ゲシン コシニカ
生きていらっしゃるのですか?

【シン・ミョン】
예.
イェ
はい

【セリョン】
다행입니다. 진정 다행입니다. 정녕 잘 못 되시면 어쩌나 싶어・・・.
タヘンイニダ。チンジョン タヘンイニダ。チョンニョン チャ モッテシミョン オッチョナ シッポ
よかったです。本当によかったです。本当によからぬことになったら、どうしようかと・・・。

고맙습니다. 덕분에 마음에 짐을 털었습니다.
コマニダ。トプネ マウメ チル トロッスニダ
ありがとうございました。おかげさまで心の荷を下ろすことができました。

 

セリョンの台詞で「返す言葉もありません」と訳した部分、直訳すると「口が10個あってもなすべき言葉が見つかりません」と言っています。

입이 열 개라도 할 말이 없다.
イビ ヨ ケラド ハ マリ オ

この表現は慣用句で、「なにも申し開きできない」「弁明の余地がない」といった状況の時に使います。ドラマにも多用される表現なので、ご存知の方もいらっしゃると思います。
韓国語の部分だけ抜き出してみます。

 

【セリョン】
결례인 줄 알면서 찾아 왔습니다.
キョルレイン ジュル アルミョンソ チャジャ ワッスムニダ
혹 스승님은 어찌 되셨는지 알고 계십니까?
ホク ススンニムン オッチ テションヌンジ アルゴ ケシムニカ

【シン・ミョン】
승유의 생사가 궁금한 분이 이제야 나타나셨습니까?
スンユエ センサガ クングマン ブニ イジェヤ ナタナショッスムニカ

궐에 가서 사실을 밝히셨어야지요!
クォレ カソ サシルル パルキショッソヤジヨ

【セリョン】
입이 열 개라도 할 말이 없습니다.
イビ ヨル ケラド ハル マリ オプスムニダ

스승님은 어찌 되셨는지 그것만 말씀해주십시오.
ススンニムン オッチ テションヌンジ クゴンマン マルスメジュシプシオ

【シン・ミョン】
가까스로 목숨을 구했습니다.
カカスロ モクスムル クヘッスムニダ

【セリョン】
살아 계신 것입니까?
サラ ゲシン コシムニカ

【シン・ミョン】
예.
イェ

【セリョン】
다행입니다. 진정 다행입니다. 정녕 잘 못 되시면 어쩌나 싶어・・・.
タヘンイムニダ。チンジョン タヘンイムニダ。チョンニョン チャル モッテシミョン オッチョナ シッポ

고맙습니다. 덕분에 마음에 짐을 털었습니다.
コマプスムニダ。トクプネ マウメ チムル トロッスムニダ

 

音声確認はこちらの動画07:50から。

セリョンもミョンも表情が絶妙です。

さてこのシーン、セリョンに対して「よくぞ言った!」と思った方も多いと思います。
私もその一人ですが(笑)、昨日のNHKを見ていると、若干唐突な感もしませんでしたか? なんか急にシン・ミョン怒ってる、みたいな。
「親友のためを思って切れた切れやすい子」みたいな処理になってますが、実はこのシーンにつながる大事なシーンがありました。

チョン・ジョンと一緒にスンユにひと目面会しようと宮殿を訪れるも、門前払いされるシン・ミョンのシーン。
昨日のNHKBS版ではカットされていましたが、あのあとシン・ミョンは猛ダッシュでセリョンの家に向かっていたのでした。
さきほどと同じ動画の冒頭シーンです。

【シン・ミョン】
이 보시게!  
イ ボシゲ
ちょっと待った!

【イム・ユン】
왠 일이십니까?  
ウェンイリシニカ?
何事ですか?

【シン・ミョン】
긴이 세령 아가씨를 만나고자 왔네.
キニ セリョン アガシル マンナゴジャ ワンネ
緊急にセリョンお嬢様に会いたい。

【イム・ユン】
야심한 시각입니다. 돌아가십시오.
ヤシマン シガギニダ。 トラガシシオ
夜遅い時間です。お帰りください。

【シン・ミョン】
다급한 일이다. 
タグッパン イリダ
急を要することなのだ。

【イム・ユン】
대군대감의 명입니다. 아무도 아가씨를 만날 수 없습니다.
テグンテガメ ミョンイニダ。アムド アガシルル マンナス オニダ
大君様のご命令です。誰もお嬢様には会えません。

 

スンユを助けてもらおうとセリョンの家に駆けつけたのに、「誰にも会わさず急いで家に入れろ」とのスヤンの命を受けたイム・ユンによってあえなく追い返されていたのでした。(ちなみにスヤンが命じたシーンもカット)

ただでさえ憎まれていく役どころのミョン。
このいじらしいシーンもカットになっちゃって、なんだかお気の毒です。
とはいえ、最初に見ていたときはシン・ミョンをおもんばかる余裕などありませんでしたが。(笑)

 

ところで、私の記憶では、シン・ミョンのシーン、これ以外もカットされていたようです。

 

父親シン・スクチュがあろうことかスヤン大君側についてスンユの処刑を王に迫ったと知らされたシン・ミョン。

家に帰り父親に問いただすと、スヤンかキム・ジョンソ、いずれにしてもどちらかは選ばなければならないと言われてしまいます。

「それで、スヤン大君につくことにしたのですか?」

「わしはスヤン大君をより高い位置に上げるつもりだ。合わせてお前も、その座に上るであろう。既にわしは大君の縁談を受けることに決めた。婚姻を急ぐつもりなので、承知しておけ」

父の王に対する裏切りを聞かされ、やりきれないシン・ミョン。

剣を振り下ろしながら、やり切れぬ怒りをぶつけるシーンがこちらの動画の冒頭にあります。

 

息子である自分を王族の一員にしようとしている父のもくろみを聞かされ、心が乱れるシン・ミョン。スンユの無事を聞いて涙を拭っていたセリョンを思い出し、スンユの彼女と結婚なんて考えられない、といった面持ちを浮かべるシーンです。

録画していないので記憶違いかもしれませんが、昨日のNHKではこのシーンなかったような・・・。
記憶違いだったらすみません。
本当はちゃんとあったのに、私の中でシン・ミョンの影が薄くて覚えてないとかのオチだったら、どうしましょう。そんなことだったら、本当にソン・ジョンホさん、ごめんなさい。(笑)

そして今回も圧巻だったキョンヘ姫。

お祝いを言いにきたセリョンをいきなり平手打ち。

とにかく表情がすさまじいです。

セリョンは知らないけれど、本当はキョンへ姫、セリョンの命を救うために事の真相を王に明かすのを断念したのですよね。
王に真相を明かせば、王女を詐称した罪に問われて処刑されただろうセリョン。
「妹のようなセリョンが血を流して死ぬのを、本当に目の前で見れますか?」とスヤンに言われ、真相の告白を断念したのでした。
叔父のスヤンがいくら憎くても、セリョンを処刑台には上げられなかった。
そのせいで、こんな望まない婚礼を挙げることになってしまった。
悔しさと腹立ちと無念さ。そして憎みきれないセリョンへの想いをも滲ませる一連のシーンでした。

このシーンのホン・スヒョンさん、涙をこらえて睨んだり笑ったり、表情が鬼気迫っています。

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特に、涙をこらえながらあごの筋肉をふるわせるあの演技。
私も一生懸命あごの筋肉を動かそうと試みましたが、まったくできません。

女優って!!! 
女優って、すごい!!!(笑)

見ればみるほど細部が心に沁みるコンナムです。