みなさま、こんにちは。

とうとうこれを送り出す日が来ました。
『清潭洞(チョンダムドン)のアリス』16話最終回。
早速まいります。


(*下のほうに動画があり、自動的に音声が出てしまうのでご注意ください*)
(*動画のリンクが貼れていなかったようなので、再度掲載しました*)

15話ラスト。

ユンジュから、絵を買ったのはスンジョの父だろうとの予想を聞かされ、驚愕するスンジョ。


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スンジョはその言葉がにわかには信じられません。

「父だって?」

「うん。私ならまずお父様から疑ったと思うわ」

「なぜ?」

スンジョに呆れるユンジュ。本当に一度も疑わなかったのかと尋ねます。

「だから、なぜ俺が父を疑わなきゃいけないんだよ?」

「財閥の息子だから。お父さんがどん底で暮らすあんたをそのまま放っておくわけないじゃない」




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「だから面倒見てくれたって?」

スンジョは呆れて笑います。

「あの父がそんな人だと思う? 相続放棄の覚書まで書かせた人だよ?」

そんなスンジョにあきれ返るユンジュ。

「本当に一度も考えなかったみたいね。そりゃあ、違うかもしれないわよ。でも、そういうことがあったら、まず父親から疑うべきじゃないの?
まあ、それが私とあなたとの違いよね。あんたはそういうことを何の疑いもなく受け入れられる人間だし、私みたいな人間は、まず怖くなるのよ。なぜ私にこんなことが?って」


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幸運を信じられる人だが、自分はたやすく幸運を信じられない人間だと言ったセギョンの言葉を思い出すスンジョ。




ユンジュは結局、何もいえぬままスンジョの部屋を出ます。

スンジョの家を見上げるユンジュ。ゆっくり辺りを見回します。



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何かを決意したように前を見据えるユンジュです。




一人残されたスンジョは。


父親に再会した日のことを思い返しています。

父がいなければ何もできないと思っていただろうとのスンジョの言葉に、復讐が成功したと思うのかと切り返した父。

父に電話をかけようとし、やめたスンジョは、名詞ホルダーから一枚の名詞を取り出します。
ケリー・パク・ギャラリーの名詞でした。


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ギャラリーにケリー・パクを訪ねるスンジョ。

ケリー・パクが留守と聞かされ、風景画について知りたいのだと尋ねると、絵は数日前に売れたと言われます。


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「最初に寄贈された人が、また買い戻されました。私たちも知らなかったのですが、その方の息子さんの作品だったんです」


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職員の言葉に、天が崩れ落ちる思いのスンジョ。





スンジョはその足でロイヤルグループ本社に父を訪ねていきます。

おりしも会長は外出していました。



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買い戻されたという自分の絵がどこにあるのか、血相を変えて探し回るスンジョ。

廊下に自分の絵が二つともかかっているのを見つけます。




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衝撃の面持ちで絵を見つめるスンジョ。

絵の下には『paysage(風景画) チャ・スンジョ 2008』の文字。


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かつて自分がセギョンに語った言葉が思い出されます。

絵を買ってくれた方のおかげでここまでこれたので、その人にとても感謝していると語った自分。

そんな幸運、誰にでも訪れるものではないと言ったセギョンに、どこのバカが何の価値もないものに3万ユーロも払うものかと反論した自分。

父親がどん底のスンジョを放っておくはずがないだろうと言ったユンジュの言葉。

自分ひとりの力でどうやってここまで来たのか知ってるだろうとセギョンに怒鳴った自分。

生まれつき運があるのだと言ったセギョン。



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セギョンの、そしてユンジュの言ったとおりだったと知り、スンジョは愕然とします。

そのとき後ろから声をかけるチヤ会長。



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スンジョは父を恨めしげに見つめます。

「この絵、父さんが買ったんですか?」

気づいてくれた息子に、少し照れる会長。

「そうなんだ。ちょっと前に買った。この絵を見た人がみんな、いい絵だと言ってくれて・・・・・・」

スンジョは父の言葉をさえぎります。


「2008年パリで匿名で落札したのが、父さんなのかと聞いてるんです」

「はは。それも分かったのか?」


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相変わらず照れたような父を、スンジョは今にも泣き出しそうな目で睨みます。

「どうしたんだ?」

「なぜです?」

「え?」

「なぜそんなことを? なぜ買ったんです? なぜ僕の絵を?!」



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怒りで肩を震わせる息子に、驚いて言葉を失うチヤ会長。







その頃セギョンは。
スンジョのこないドアを見つめています。


『貧しければすべて許されるのか? 貧しければ、人の心をもて遊んでもいいのか?』

スンジョの言葉を胸を痛めながら思い出すセギョン。

部屋に戻り、箱の中から何かを取り出します。




一方のスンジョ。

「仕組んだんですか?」

「なんだって?」

「僕に内緒で絵を買って、ここまで這い上がってくるように仕組んだのかと訊いてるんです」

「誰が仕組むものか。お前が路頭に迷うのを見ておれずに、絵をひとつ買ってやったんだ。これ見よがしに金を渡したら、もらわなかっただろう?」


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「これが絵ひとつですって? この絵のおかげでここまできたのに。
結局僕は、父さんのおかげでここまできたんです」

「なぜそれがわしのおかげなんだ? わしがアルテミスに入れてやったのか? 会長にしてやったのか? 全部お前の力で・・・・・・」

「面白かったでしょ」

「なに?」

「父さんに復讐するだのと騒いでいるのを見ながら、面白かったんじゃないんですか?」

言いがかりのようなことを言うスンジョに、さすがに腹を立てる父。一体何なんだと怒鳴ります。同じく怒鳴り返すスンジョ。

「10年逃げ続けたんです! ロイヤルグループの後継者ではなく、人間チャ・スンジョとして生きたくて! 父さんの力を借りずに、自分だけの力で、自分の能力で生きたかったんです!」


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「こういう父親から生まれたのが、お前の能力だ! すべては生まれついて持っているお前の能力だ! 人々は貧乏が嫌だと騒いでいるのに、お前は恵まれたのが気に入らんのか?!」


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「生まれつきの幸運・・・・・・。結局それだったんですよね。僕は結局、父さんがいなければ、何もできないやつだったんです」


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自分に失望し、がっくりとうなだれるスンジョ。
去ろうとするスンジョに父が言葉をかけます。


「セギョンが言ってた。お前はわしに近づこうとしてるのだと。なぜ美術をやってたやつが、経営などしているのかと。わしも、お前に近づこうとしたんだ。後継者が必要だからじゃない。息子が飢えるのに耐えられない、父親の気持ちだ!」


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打ちひしがれ、去っていくスンジョ。
スンジョのためを思ってしたことなのになぜこんな風にすれ違ってしまうのかと、会長は天を仰ぎます。


廊下をとぼとぼと力なく歩いていくスンジョ。


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セギョンは家で、ウサギのぬいぐるみのデッサンを見ていました。

あの日書いた10か条を読み返すセギョン。


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そのときユンジュからメールが届きます。


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『セギョン。何ヶ月か前に再会してなかったら、私たちは今どうなっていたかな?
私は自分の生きてきたように、あんたもあんたが生きてきたように暮らしていたかな? あんたは変わらず生きていたかもしれないね。でも私は違う。
私はあんたに会ってなくても、こうなってたと思う。
タミー・ホンが言ってた。あんたからは挫折や怒りが見えたって。私も最初はそうだったと思う。でもいつからか、焦りと不安しかなくなった。
徹底的に黒くなってビビっちゃいけなかったのに。
私はまた戻るわ。挫折は散々したし、あとはまた、怒るわ』






車の中でコンパクトを取り出し、自分の姿を確認するユンジュ。



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自信に満ちた目で窓の外を見つめます。





ユンジュがやってきたのは、夫のいる会社でした。


「決めたのか? どっちだ?」



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「あなた、言いましたよね。私はあなたにとって数千億の価値はないって。
あなたも私にとって、数千億もしないみたいです」

何事かとユンジュを見つめるミニョク。ユンジュはしっかり夫を見据えます。

「離婚します。私、”GNの人間”は、もうやりません」


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驚いてユンジュを凝視するミニョク。





ユンジュは満足げに部屋を出ます。


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ユンジュに挨拶するキム代理に、声をかけるユンジュ。

「キム代理」

「はい、奥様」

「元気でね」

「はい。・・・・・・はい?!」

愉快そうに笑顔を見せて歩くユンジュは、ちょうどやってきたイナと顔を合わせます。

ユンジュを見るなり、生意気な口を利くイナ。

「運がいいわね。好都合にも相手がチャ・スンジョだったおかげで、こんなチャンスができて」

そのまま行こうとするイナに声をかけるユンジュ。


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「数千億ウォンが私にかかっていると思うと、耐えられないでしょ? あなたたちの生存方法も、実は大したことないわね」

「ええ。すごく気に入らないわ。でも仕方ない。文字通り数千億だもの」

愉快そうに笑い声を立てるユンジュ。
イナは不快感をあらわにします。


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「なんなの?」

「痛快だから。行ってお兄ちゃんを慰めてあげて。たった今、離婚されたところだから」


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イナに肩をぶつけて意気揚々とユンジュは去ります。


ブラボー! 

視聴者が親指を立てた瞬間です。





一方スンジョの自宅には、トンウクが来ていました。


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スンジョの父に大丈夫だと電話するトンウク。トンウクはスンジョの名を大声で呼びます。
寝室を開けると、スンジョはワインを飲んで眠っていました。



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「スンジョ。おい、スンジョ! チャ・スンジョ!」


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肩をゆするトンウク。
目を開けたスンジョにほっとします。

「お前なぁ・・・・・・」

「眠いんだ。寝なきゃ」

眠りに落ちるスンジョ。




『こういう父を持ったのが、お前の能力だ』

『生まれつきの運を引き継いでいるんでしょう』

父とセギョンの言葉を思い出し、現実を拒否するかのようにスンジョは開いた目を再び目を閉じます。




翌日。

父はトンウクと電話でまだスンジョが寝ていると聞かされます。


「まだ寝てるのか?」

「一種の逃避のようです」


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「ずっと寝かしておいていいのか?」

「はい。とりあえず放っておいてください」

ため息で電話を切ると、会長はセギョンに『ちょっと助けてやってくれ』メールを送ります。




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スンジョに何があったのかと心配になり、走り出すセギョン。





スンジョはワインを飲み、眠り続けていました。



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夢うつつの状態で、泣いているかつての自分を見るスンジョ。


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おぼろに聞こえるチャイムの音。


「入りますよ」とセギョンが声をかけます。

やってきたのはセギョンでした。ぼんやりとかすむセギョンの姿。


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「スンジョさん」

セギョンは部屋の明かりをつけます。

「大丈夫ですか? 大丈夫ですか、スンジョさん? これ、全部飲んだんですか? お酒飲めないのに」



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セギョンはスンジョを助け起こします。

「スンジョさん」

「なぜきたんです?」

その言葉に一瞬固まるセギョン。

「あざ笑うためにですか? セギョンさんの言うことがあたっていたと、自慢するため? それとも、トンウクや父が、俺がまた死ぬって?」


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「帰ってください」




つらそうに言葉を搾り出し、立ち上がるスンジョ。

セギョンは思わず後ろから抱きしめます。

「会いたくてきたんです。すごく会いたくて、きたんです」



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涙まじりのセギョンの言葉にはっとするスンジョ。

「私はもう、絵がどうだろうが、そんなのどうでもいいです。キム秘書だろうが、会長だろうが、もう全部分からなくなっちゃいました。今はただ、スンジョさんにすごく会いたくて来たんです。今目の前にスンジョさんがいないと死んじゃいそうで。だから来たんです」


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「私はスンジョさんがいないと駄目なんです。絶対駄目なんです。これが愛じゃないなら、なにが愛なんですか? 愛してます、スンジョさん」


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泣きながらセギョンを振り返るスンジョ。

セギョンはもう一度繰り返します。

「愛してます」

セギョンをスンジョは優しく抱きしめます。




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スンジョは夢を見ていました。

セギョンを呼ぶ自分の声で目を覚ますスンジョ。
部屋は相変わらず散らかっています。



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「夢だったんだ」


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苦痛に歪むスンジョの顔。

その時セギョンが入ってきます。

さっきの夢と同じように明かりをつけるセギョン。

(ほんとにハン・セギョンがきたのか?)

夢かうつつか区別のつかないスンジョに、セギョンが声をかけます。


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「大丈夫ですか?」

「なぜきたんです? あざ笑うためにですか? セギョンさんの言うことがあたっていたと、自慢するため?」

さっきと同じセリフを繰り出すスンジョ。ところがセギョンの返事は、さっきとは違いました。

「お別れにきました」



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驚いて固まるスンジョ。

「他の理由はありません。目的が達成できないといいんですけど・・・・・・」

別れたくないと告げるセギョンに、スンジョは素直になれません。

「お別れ? 俺たちもう、別れたんじゃなかった?」

「いいえ。私は違います。考えてみたんです、スンジョさんへの愛を証明できるかどうか」



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(証明?)

心でつぶやくスンジョ。セギョンは言葉を続けます。


「暮らしながら証明するとか何とか、ありふれたことなら、言えます。
毎日目を見て愛してるとも言えます。でも。今は証明する方法がないんです。それが結論です」



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(めちゃくちゃだ。悪夢だよ)


自分の望んでいた、自分が夢に見たこととまるで違う展開に肩を落とすスンジョ。




「ここからはスンジョさんにかかってます。私は自分の愛を証明できません。私を受け入れられるかどうか、スンジョさんが決めてください。現実をしっかり見て、決めてください」


「どんな現実? セギョンさんが僕の金目当てに近づいてきて、僕はそんなセギョンさんを理解できなくて、それなのにずっと受け入れろと迫る、この現実?」

「はい」

「受け入れられないって言ったら?」

「これ以上、方法はありません」

セギョンの言葉に衝撃を受けるスンジョ。怒ったようにセギョンを見つめます。

「なぜないんです? セギョンさんの言うとおり、愛を証明すればいい」


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「どうやって?」


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「ロイヤルグループの株のうち、父の持分は1兆ほどです。そして、僕の年俸は20億。1兆21億を稼いでください。そうしてから、僕に愛してると言って。そうすれば、僕の金目当てじゃないと完璧に証明できる。違います?」


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スンジョの言葉をうつろに聞くセギョン。

「分かりました。別れようってことですよね?」

違うと言い出せないスンジョ。

「ここまでみたいですね。元気で」



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ため息で一人取り残されるスンジョ。


『彼女はすべてを打ち砕いていった。俺の最後のファンタジーまで、すべて。
そして不思議なことに、心が平穏になっていく』

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・・・・・・って、なにこれ!! 

なに別れてんの、こんな理由で!!(怒!)


ちょっと、ありえないんですけど、この展開。
最終回に怒マーク繰り出す羽目になるとは、思ってもみませんでした。

大体スンジョもめちゃくちゃ。
こんなアホなこという男、こっちが捨てるわ!(怒!)
てか、別れないでよ、バカバカーーッ!

・・・・・・視聴者がどっちだっていう話ですよね。(笑)






そして時は過ぎ。

ええ、もうこうなると時が過ぎるしかありません。


セギョンは一人チョンダムドンの街を歩いています。
洋服と靴を選ぶセギョン。



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セギョンはアジョンと落ち合ってお茶をします。また例のメガネ屋で。(笑)



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「あの時もし、あんたが絶対に証明する、どうやってでも証明するって言ってたら、変わってたかな? だって、本当は一番その言葉が聞きたかったんだと思うよ」

「どうやって?」

「それは・・・・・・」

「一生キャンディの演技するってこと?」


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「純粋な愛を求めてるあの人と、純粋なフリしてる私とじゃ、どのみち長くは持たなかったよ」



その言葉にアジョンはため息をつきます。

「世の中に、100%純粋な愛なんてあるのかな? ソ・ユンジュが言うように、愛って全部ひっくるめたものでしょ? その人の外見、能力、心、性格。その中のひとつだけ愛せる? 愛に全部含まれるじゃない」

アジョンは無言のままです。

「なんで? あんたは違うの?」


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「うーん。違う。違うね、あんたと私は」


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「なにが違うの?」

「あんたの言うことは全部本当よ。でも私はあんたみたいに、そういうことを絶対に言わない。世の中に100%純粋な愛なんてないって、みんな知ってるよ。知ってるけど、言わないの。言わずに生きていくのよ」

「・・・・・・たしかに」


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「私もジェウクさんにそんなこと絶対言えなーい。別れる時には言えるだろうけどね」

急にのろけを繰り出すアジョン。

「ジェウクさん? ジェウクさんって、誰? あんたひょっとして、ムン秘書と?」



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「はは、そうなの。あんたがつらい時だから、言えなかったんだ」

「そんなこといいよ。よかったね。おめでとう」

明るく笑顔を見せるセギョン、用事があると席を立ちます。




一方のスンジョは。

職員採用のための面接を控えていました。20名のうち最初の10名だけ見てくれればいいと資料を渡すムン秘書。



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オフィスにはチャ会長が来ていました。


「アウトレット合作契約書は、本社のほうで最終的に手直ししています。投資規模は500億ウォンを予定しています。持分は50対50で」

「キョンギ道の敷地は3万5千坪で最終契約する予定だ。物流団地まで繋げて使えるようにする」

アウトレット事業は、ロイヤルグループとアルテミス本社との間で進んでいました。

「二度と顔合わせないつもりかと思わせといて、随分平然と進めるな」

「ビジネスはビジネスです。父さんだけがビジネスをしているわけではありませんよ」



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穏やかに言葉を返すスンジョ。会長も穏やかに笑います。

「お前の口からビジネスとはな。最近はよく眠れているようだな」


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「なぜ僕の主治医にやたらに会うんです?」

「お前の家政婦に聞いたんだ。よく食べて、よく寝ているとな」

父に微笑を見せると、面談があるので次は契約書がまとまった時に会おうと言い残し、スンジョは席を立ちます。
その後姿を安堵したように見送るチヤ会長です。





セギョンは息を整え、とあるビルに入っていきます。



そしてアルテミスの面接会場。



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机の上に並べられる応募者の履歴書にシン・セギョンの名前。


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固まったスンジョを見て、よくある名前だとムン秘書はフォローします。



スンジョの合図で面接が始まり。


このシーン。
パク・シフさんが5話でハン・セギョンをシン・セギョンと言い間違えてNG出したときのことに引っ掛けてるんでしょうね。年は違うけど、女優のシン・セギョンちゃんと同じ誕生日だし。(笑)






一方セギョンは某アパレル会社の新入社員面接に。


セギョンはここでも大学を次席で卒業しながら留学経験がないことを指摘されます。




一方シン・セギョンを面接するスンジョ。
シン・セギョンはアルテミスのバッグを持っています。


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そんなふうにバッグを机の上に置くものじゃありませんが。(笑)




留学経験があるものの、1年の短期研修であることを面接官に確認されるシン・セギョン。

出て行こうとした応募者をスンジョは呼び止めます。



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公募展の入賞も何度もしているし、大学での成績もよく、学科でもすべて首席の成績なのに、なぜ2年も就職できなかったのかと尋ねます。留学経験がなく、不利な点が多かったので、短期過程での留学を終えたのだと答える応募者。

アルバイトの経験が多く、3度も休学しているのは学費のためだったのかと事情を尋ねるスンジョ。応募者は家庭の経済状況が悪く、学費を稼ぎながら学校に通ったのだと答えます。

「でもそのバッグ、服、靴を合計すると1000万ウォンほどですよね」


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「はい、それくらいだと思います」

「その金額なら2学期分の学費が出せるのに、無理しているのではないですか?」

「私が2年間面接を受ける中で、ひとつ悟ったことがあります」

それは何かと尋ねるスンジョ。

「面接にも礼儀が必要だということです」

「礼儀?」

「はい。特にデザイン会社では私が着ているもの、私が身につけているものがすなわち実力であり、審美眼とみなされますので」


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その答えに、頭のてっぺんからつま先まで高いものを身に着けていれば、見る目がダサいとは言われないではないかと突っかかった、出会った頃のセギョンを思い出すスンジョ。




一方。
セギョンは面接で苦戦を強いられていました。

公募展の入賞経験は多数あるが、仕事としてはGNでの契約職しかなく、留学経験もないと指摘されるセギョン。



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下がっていいという面接官に、セギョンは声をかけます。

「経歴証明書はありませんが、スタイリストとして働いたことがあります」


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セギョンは面接官に資料を渡します。
写真を見て、アルテミスの会長ではないかと驚く面接官。


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「私がスタイリングしました。アルテミスコリアのジャン・ティエル・シャ会長のプライベートスタイリストとして働いたことがあります」



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ジャン・ティエル・シャのフィアンセだった人ではないかと耳打ちする男性面接官。


『ちょっと前までの私なら、Dだっただろう。そして今は、Aをつけられるんだろう』


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流れるセギョンのモノローグ。




セギョンの評価をAに修正する面接官。


『別れたあと、私は本当にあの人を利用するようになった』



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応募者を帰し、評価を書き込もうとしたスンジョは、ふとペンを止め心の中でつぶやきます。

『もし当時のハン・セギョンに会っていたら、俺はどんな点をつけたかな』


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面接を終え、ビルを出たセギョン。

セギョンの目の前に車が止まります。
乗っていたのは、タミー・ホン。セギョンに声をかけ、嬉しそうに助手席のドアを開けます。



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って、えぇぇええええ?!

どゆこと?!

タミーと?! タタタミーと?!





そしてタミー・ホンとハンバーガーを注文するセギョン。


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って、えぇぇええええ?!

そんな食べづらいものを一緒に食べる仲?!

マジで?!

マジで?!


血管が何本か切れる視聴者。(笑)





二人の目の前にハンバーガーが運ばれます。

「面接はうまくいきました?」

「ええ。まだユンジュとは連絡取れないんですか? 電話にも出ないんですけど」


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タミー・ホンは視線を落とします。

「ええ、まだそうみたいですね」



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ため息をつくセギョン。


「そうだ、見せたいものがあるんです」

タミー・ホンはセギョンの前に本を差し出します。



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「不思議の国のアリスですね」

「セギョンさんが間違ってました。エンディング、夢から覚めるって言ってたでしょ?」

「違うんですか?」

「俺も初めて知ったんです、本当のエンディングがなにか」

「なんなんですか?」

「アリスを起こしたお姉さんが、また夢を見るんです。ところが、完全に夢を見るわけじゃないんです。目を半分だけ閉じてるんです」


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「夢の中で不思議の国に来ていることを、半分だけ信じてるんですよね。また目を開ければすべてが現実に変わることを知りながら」



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その言葉に、一瞬考え込むセギョン。

「アリスのお姉さんは、大人なんですね。違うと知りながら、半分信じて生きるのが、大人なんだなと思って」



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セギョンをねっとり優しく見つめるタミー・ホン。




・・・・・・っていうか、なにこの最終回なのにメガトン級のほろ苦さ?

視聴者の脳裏によみがえる8話の悪夢。





スンジョはムン秘書とともにアルテミスの系列店である宝石店を訪れ、近頃ロンチングされたばかりのジュエリーを視察します。

領収書が欲しいと職員に頼み込む人を見て、かつてのセギョンを思い出すスンジョです。




外出中のスンジョは、道を歩くユンジュを見つけ、車を止めます。


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越したばかりでまだ片付かないと言いながら、自分の部屋にスンジョを招き入れるユンジュ。



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このシチュエーションに妙にドキドキする視聴者。(笑)

いやん、狭い部屋に二人っきりなんて




「前に会った時、チャンスがあるって言ってなかったか? どんなチャンスだったんだ?」

「知らなくていいよ。過ぎたことだから。セギョンとは別れたの? うまくいってるなら記事のひとつも出そうなものなのに、見かけないから」

「逃げたんだ」

「逃げた?」

「証明する方法がないんだとさ」

「なにを?」

「俺を愛してるってこと」

その言葉に吹き出すユンジュ。

「まったく。愛をどうやって証明するのよ?」



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「だろ? 俺がいつ証明しろなんて言った? 俺はただ、今目の前に俺がいなければ死にそうだ、とか、俺がいないと駄目だ、とか一言言ってくれれば十分だったのに。タイミングが合わなかったんだな」

「あんたが証明しろって言ったんでしょうよ」

「え?」

「あんた、愛を信じないじゃない。私にもそうだったし。セギョンのことも信じられなかったんでしょうよ」

「いいや。俺は昔のチャ・スンジョじゃないよ。なにが現実か、知ってるって」

そんなスンジョを疑いの眼で見つめるユンジュ。

「現実?」

「絵、お前の言うとおり父さんだった。父さんが俺を思って絵を買ったのも合ってたし、ビジネスで俺が必要なのも確かだ。ハン・セギョンが俺のことを好きだったのも事実だし、俺が持っているものが好きだったのも確かだ。ドラマなんか見るとヒロインは世界のすべてに関心があるのに、ただひとつ、男の金にだけ関心がないんだよな。そんなの話にならないだろ?」



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スンジョらしからぬ言葉に思わず笑みがこぼれるユンジュ。


「ハン・セギョンのおかげで分かったんだ。なのに、その上俺がなにを証明しろなんて言うと思う? ああ、お前にそう言ったのは、認める。あの時の俺は、お前の言うとおり未熟だった。でも、もう違う」

「ねえ。人間は簡単には変わらないよ。口では認めても、心の中ではずっと疑ってたはずよ。あんた、女の欲望を認めないでしょ? 他の人には分からなくても、私には分かる。でしょ?」

「違うってば」

「セギョンは絶対に逃げない子よ。昔から、倒れることはあっても、逃げるところは見たことない」

「ハン・セギョンも変わったんだろう。確かに、先に逃げたんだよ」

「あんたが追いやったはずよ。証明しろって迫って」


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「そんなこと言ってないって」

「ほんとに言ってないの?」

「言ってないよ。夢にもそんなことは・・・・・・」


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その瞬間、固まるスンジョ。

「夢って?」

「夢・・・・・・」


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「夢ってなによ?」

セギョンが愛してるといった時のことを思い出すスンジョ。

顔色の変わったスンジョをどうしたのかとユンジュが気遣います。

「チャ・スンジョ。大丈夫? どうしたのよ?」

「夢じゃなかったんだ・・・・・・」


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よみがえるあの日の記憶。

愛しているというセギョンを抱きしめたスンジョ。

「証明してください。僕も信じたいんです。信じられるように、証明してください。僕も愛し、愛されたいんです。だから、セギョンさんが僕を愛してるってこと、証明してください」



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その言葉に呆然とするセギョン。

「愛を、どうやって証明するんですか? 私がスンジョさんに見せられるのは、キム秘書を先に好きだったのも事実だし、会長だと知ってもっと好きになって幸せになったのも事実だし、そんな自分に、そしてスンジョさんに、罪悪感を感じていたのも確かだし・・・・・・」



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セギョンの目から大粒の涙がこぼれ落ちます。

「スンジョさんを愛してないって話じゃないんです。スンジョさんを愛している私が、こういう人間だということを、理解して、認めて欲しいんです」



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持ってきたスケッチブックを取り出すセギョン。




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「ここに書かれているのが、私がスンジョさんに見せられる、私の気持ちのすべてです」

スケッチブックを見もせず、押し返すスンジョ。


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「分からないんです。分からない」


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ユンジュの部屋を出ながら、セギョンとのやり取りを思い出すスンジョ。


1兆21億を稼いで愛していると言えと言った自分。

別れようということだろうと応じたセギョン。

セギョンの気持ちを押し返した自分。



スンジョは車に乗り、セギョンの元へ急ぎます。


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って、どんだけ!

どんだけ夢うつつなの!





階段を駆け上がるスンジョ。

セギョンの家のドアを叩くと、中からセジンが出てきます。



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セギョンが外出中と聞き、セギョンの部屋に入れてもらうスンジョ。


セギョンのスケッチブックを見つけ、急いで開きます。


あの日セギョンが見せようとした言葉を改めて目にするスンジョ。



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「1.キム秘書はジャン・ティエル・シャ会長だ」

「2.ジャン・ティエル・シャ会長は、キャンディのハン・セギョンが好きだ」

「3.でも私はもうキャンディではない」

「4.会長は私が変わったとは知らない」

「5.つまり会長は、変わる前の私が好きだ」

「6.私は変わる前の私を演じなければならない」

「7.私はキム秘書のことが好きだ」

「8.でも、私が攻略すべきはキム秘書ではなく、ジャン・ティエル・シャ会長だ」

「9.これは、幸運だから。これは、ロトだから」

「10.だから私は、変わる前のハン・セギョンを演じなければならない。」

今までのセギョンとの数々の思い出を思い浮かべるスンジョ。


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がっくりとうなだれてセギョンの家を出るスンジョ。
そこに重なる『Sorry』の歌詞。『結局僕が愛していたのは僕だったのかも』




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最終回でこの歌って・・・・・・。(涙)






てか、ごめんねごめんねゆうとる場合か!

お前が愛していたのは、お前じゃ、ばかものーー! はよ走らんかー!(怒!)






あまりのやるせなさに視聴者が切れたところで、ようやく走り出すスンジョ。



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セギョンはインターンのデザイナーとして採用され、初出社したところでした。



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挨拶を済ませ、デスクの前に行き、心でつぶやくセギョン。

『結局、スンジョさんのおかげで一段階上に上がった』

箱を持って歩くセギョン。流れるセギョンのモノローグ。

『今もダンボールを運んでいるけど、契約職のパートタイマーではない』


セギョンは箱を持ったままエレベーターに乗り込みます。



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『私は依然として世の中に怒っているけど、怒っている素振りを見せてもいけないし、腹が立つと言ってもいけないということが、今は分かる』


セギョンのもとへとひた走るスンジョ。


『27年間をキャンディとして過ごし、ソ・インチャンのおかげで夢から覚めた。夢から覚めたと思っていたのに、またスンジョさんの夢が始まった』

首に下げていた社員証を外し、会社のゲートを抜けるセギョン。


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『もう、本当に夢から覚めた』


その声と同時に、スンジョが息を切らせながら回転ドアから入ってきます。

『一度覚めた夢を、再び見ることはない。キャンディのふりをして、生きていくだけだ。世の中がそうであるように』

スンジョは前方から歩いてくるセギョンを見つけます。
またセギョンも、スンジョの姿を目前に認めます。



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『私は夢を見ない。私は』


切なくスンジョを見つめるセギョン。




スンジョはセギョンに近づきますが、言葉が出てきません。


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「なぜきたんですか?」

「いや、その、用があって」

目を伏せるセギョンの傍をスンジョが通り過ぎようとします。


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立ち止まって振り返ると、セギョンに不満をぶつけるスンジョ。

「止めないんですか? 引き止めるべきじゃないの?」


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「私、遊んでる暇ないんです。新入社員なんですよ」


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「またマジになる。とにかく、なにかっつったらマジになるんだから」


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かつてのような妙な声を出すスンジョ。スンジョの真意を測りかねるセギョンは、揺れる瞳で見つめます。

「ちょっとひどいんじゃないの?」

セギョンは心の中で『また夢だ』と呟きます。

「なんでそうなんですか、マジで? 会えて嬉しくないんですか?」

「なんできたんですか?(私はもう夢は見ない)」

「全部見せてくれるんでしょ?」

「全部見せました」

「逃げないんでしょ?」

「逃げたことありません」

いちいち跳ね返すセギョン。

「僕に逃げられないって言ったでしょ? 何で引き止めないんです?」

「難癖をつけにきたんなら、私行きますから」

背を向けたセギョンに、スンジョがなおも言葉を続けます。


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「恋したことないでしょ?」

かつて自分が投げた言葉を真似るスンジョに、再び振り返るセギョン。

スンジョはなおも続けます。

「ちゃんと愛されたこともないでしょ?」

一体なにが言いたいのかと揺れるセギョン。

「愛をどうやって証明するんです? 証明できないから別れるなんて、そんなの話になります?」

「それはスンジョさんが・・・・・・」


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「証明しなくていいです」


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セギョンは驚いてスンジョを見つめます。

「演技もしなくていい。真心と利用の区別がつかないんでしょ? 前のハン・セギョンと変わったハン・セギョン、区別できます? 僕も区別できない。僕が好きなのはキャンディのハン・セギョンなのか、変わったハン・セギョンなのか」



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「それにもう、どうでもいい。僕はただ、今僕の目の前にいるハン・セギョンが、好きなんです」






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感激のあまり言葉を失うセギョン。
スンジョはセギョンに歩み寄り、優しく抱きしめます。



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静かにスンジョから体を離すセギョン。
スンジョに心の声とともに問いかけます。

「私のことを、信じますか?」
(あなたの前で、演技をせずにいられるかしら?)

同じく心の声とともに答えるスンジョ。

「努力します」
(100%の自信はない)

「私のことを、理解できますか?」
(私もあなたをすべて理解することはできない)

「理解したいと思うようになりました」
(初めて、自分以外の誰かを)


「1兆21億ウォンは?」


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セギョンの冗談に笑うスンジョ。


「僕が稼がせてあげる」


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セギョンは思わず吹き出します。

「なぜ笑うんです?」

「今私にプロポーズしてるんですか?」

「セギョンさんに前から言いたかったんだけど、言えずにいた言葉があるんです」

「なんですか?」

「この言葉を言えて、どれだけ幸せか」

「なんなんですか?」

「聞いててくださいね」

突如背を向けるスンジョ。



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「ウインストン・チャーチルがこう言っています」



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「“未熟な愛は、あなたが必要だから愛してると言うが、成熟した愛は、愛しているからあなたが必要だと言う”」



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満面の笑みを見せるスンジョは、真顔になりセギョンに思いを伝えます。

「愛しているから、セギョンさんが必要です。セギョンさんが必要だから、セギョンさんを愛しています。もう僕にも、区別がつかない」


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愛おしそうにセギョンに手を伸ばし、キスするスンジョ。



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そしてもう一度。




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なんと1分!!! 1分もキス!!! 1分も!!!

ええ、計りました。(笑)


やだ、もーーー♥♥♥





1分のキスシーンで後のことがどーでもよくなってしまいましたが、気を取り直して続けます。(笑)




東大門のファッションビルの入り口で偶然ユンジュを見つけるタミー・ホン。
ユンジュは両手にたくさんの荷物を抱えていました。


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ベンチに腰掛け、しばし近況を報告しあう二人。

「楽しそうですね」

「からかってるんですか?」


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「チャンスはあったじゃないですか。あのチャンスを利用していたら、チョンダムドンを出ずにすんだだろうに」

その言葉に笑顔を見せるユンジュ。

「私をからかってます?」

「じゃあ、なぜあのチャンスを掴まなかったんです?」

「話したら、笑うと思う」

「なんなんです?」

「頭にきちゃって」


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「腹が立ったんです。腹を立てたんです、あの人たちに。頭にきてて、それを伝えたいのに、何も方法もなくて。ところが、いい方法ができたんです」

「なんだったんです?」

「あの人たちの数千億ウォン規模の事業をつぶすこと。数千億のビジネスをぶち壊すチャンスが私に与えられたのに、そのままおいとくと思います?」



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ユンジュの理由に呆れて笑うタミー・ホン。

「それでつぶしたんですか? そりゃ痛快だったろうな」



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「セギョンがこう言ってました。一生懸命誠実に努力しても貧しいのなら、世界に向かって怒るべきだって」

セギョンらしい言葉にタミー・ホンは笑顔を見せます。

「あーあ、あの時の私、本当にかっこよかったのに、最近は、何であんなことしたんだろうって思ってます」

「なぜです? 後悔してるんですか?」

「もちろん後悔してますよ! 毎朝サロンパス貼りながら、メッチャ後悔してます。はぁ、ほんと性にあわないんです」

隣に置いた荷物に恨めしげに目をやるユンジュ。

「疲れて死にそうだわ、ほんと」

「でも、心は気楽そうだ」

「青臭いことを仰いますこと。体が楽ではじめて心も楽になれるんですのよ。
あーあ、私あの時、ちょっとおかしくなってたんだわ。ハン・セギョンにたぶらかされちゃった」


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「あそこを出て仕事を始めたら、すぐ成功できると思ってたのに、全然商売も儲からないし」






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「タミー・ホンはどうですか?」

「僕は、縁談依頼がぱったり途絶えました」

「それはよかった。やりたくなかったでしょ?」

「でもまあ・・・・・・」

親指と人差し指で丸を作るタミー・ホン。

「減りましたよね」

朗らかに笑いあう二人。

バスの時間だとユンジュの弟が呼びにきます。

ユンジュはタミー・ホン名刺を渡しながら、紹介してくれと冗談を言います。

「あ。セギョンには会ってます?」

心持ち寂しげな笑顔を見せるタミー・ホン。

「チャ・スンジョとまた付き合ってるみたいです」

「よかった。セギョンはうまくいくと思います。あの子のやり方で成功したのね。いつも自分のやり方ばっかり押し通すと思ってたら。あーあ、小憎らしい子」

「それは分かりませんよ。俺たちみたいな人間が、ハッピーエンドを信じます? どんなに熱いキスで映画が終わっても、現実ではその後の人生が残っているわけだから」


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いたずらな笑みを見せ合うユンジュとタミー・ホンです。

しかし。タミー・ホンが言うと、ジェラシーで別れるのを待ってるっぽいです。(笑)




そして。
晴れて姻戚関係になったスンジョの父とセギョンの両親は、なにやら揉めていました。



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「だから、身一つで入ればいいと言ってるじゃないか、チョンダム5号店に。ヴィラもチョンダム駅の近くに契約したんだ」

「だから、嫌なんですってば。セギョンが結婚したんであって、私じゃないでしょう?」



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「じゃあいつまでこうしてるつもりですか? 記者がやってきて写真も撮っていくのに」

「だから、どんなにそう言われても、娘を金持ちに売り払ったと言われたくないんです」

「出た出た。また貧乏人の自責が」



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大きな独り言をつぶやくチャ会長を睨むセギョンの父。会長はうっかり発言に両手を挙げてすまないとポーズをとり、セギョンの母に話をさし向けます。

「奥様が説得してください」

「私が言っても聞きません。頑固なので」

二人を指差しながら同じだと呆れるチヤ会長です。

チヤ会長の大声に、再び会長を睨むセギョンの父。
しかし喫茶店のBGMは、両家をつなぐ「マイウェイ」。(笑)





そして。

セギョンとスンジョの新婚夫婦が住む豪邸の庭では。
二人が仲良くお茶をしていました。

流れるセギョンのモノローグ。


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『不思議な国のアリス』の本当のエンディングは、アリスが夢から覚めるのではなかった

アリスの姉が再び眠りに落ちるのだった





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目は半分くらい閉じて、自分が不思議な国に来ていることを半分だけ信じていた

私たちも目を閉じたまま、不思議な国に来ているのだと半分くらい信じていた






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また目を覚ませば、




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すべてが現実に変わると知りながら





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二人の姿が童話の中に溶け込んでいきます。

そして続く、エンディングへのモノローグ。



草の音は、ただ単に風がかさかさ音を立てているのであり


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池が波打つのは、葦が揺れるからだ


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カチャカチャと音を立てるティーカップは、羊の首につながれた鈴の音にとって変わるだろうし


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龍の怒鳴り声は、羊飼いの少年の声に変わるだろう


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それでも私たちは目を半分だけ瞑っている


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また目を覚ませば、すべてが現実に変わると知りながら


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(END)




こうしてファンタジーになぞらえたセギョンとスンジョの物語は終わりました。
みなさまはどんな感想をお持ちでしょうか?


このドラマ、最終回でさえも視聴者の見たがるものを見せず、ストレスを感じさせながらも自分のやり方を押し切ったという意味では、ドラマの制作者自体がまさしくセギョンのキャラクターを地でいっているような感じで、いささか、いやかなり、可愛げのないドラマだと私は感じました。

セギョンはこれまでスンジョに一度も愛の告白をしていなかったので、セギョンがスンジョに涙ながらに「愛してます」と打ち明けたシーンなどはまさに視聴者が待ちに待ったシーンではなかったかと思うのですが、その待ちに待ったシーンをよもやの夢オチ変形バージョンに落とし込め、台無しにするなんて!

久々に頭にきました。(笑) 視聴者を置いて行くにもほどがある。

そしてタミー・ホンがセギョンの面接会場に車を横付けした瞬間は、若干意識が遠のきました。(笑)


見たいものをストレートに見せないということを、どれだけ制作側が意識していたかは分かりません。意識してやっていたのなら、好き嫌いは別として高度だと思うのですが、そんなことを考える余裕もなく撮りたいものをひたすらバタバタと撮っている感じが画面の向こうから存分に伝わってきていたので、おそらく偶然そうなったのでしょう。なにしろ最終回のスンジョとセギョンのキスシーンを撮った場所は、思いっきりSBS本社ビルのロビーというバタバタぶり。スンジョが駆けつけたとき、表のSBSの看板見えちゃってましたよね。(笑)

ところが、おそらく偶然の産物と思われるその「見たいものを見せない」あり方は、持たざる人々の悲しい現実認識を描き「この世の現実にはドラマや物語の中のようなファンタジーはないんだ」とスノッブに伝えようとした制作側の意図を、視聴者に「期待はずれ」の感覚を抱かせ、腹立たせることで、図らずも存分に伝えるのに成功しました。視聴者が腹を立てるのは自分が予想した展開にならなかったからであり、期待したパターンを踏襲しなかったためなわけですが、腹を立てていると「だから、この世の現実にはドラマや物語の中のようなファンタジーはないと言ってるでしょ」とドラマに打ち返されてしまうという、なんとも人を食ったような結末に帰結します。摩訶不思議すぎる。(笑)

単に脚本家の筆力や展開力が未熟な作品なら枚挙に暇はありませんが、このドラマは未熟な点が多々ありながらも、そういうことではないんですよね。

誰にでもとっつきやすそうな装いをしつつ、中に分け入れば分け入るほど変なドラマでした。
そこそこ賢いけれども思い込みが強く、可愛げの足りないあくの強いヒロイン。
なんでも正直に言わないのが大人という暫定的な結論にセギョンは達しましたが、「大人」という皮肉を込めた表現よりも、「礼儀」や「他者への心遣い」と認識して欲しい気がしますし、ここを「大人」と表現させたあたりがセギョンの未熟さと頑迷さを最後までよく表していると思います。もちろんセギョンだけに成熟を求めるつもりもありませんし、何よりもこのドラマの脚本家の隠れたモチーフは「人は簡単には変わらない」なので、セギョンが最終回だからって急に悟りを開くわけがそもそもないんですよね。そういう意味では、なにを描いても「人は変わらない」で逃げられるつくりになっているずるいドラマとも言えます。(笑)

だけど、私はこの変なドラマを、チャレンジングなドラマと置き換えたいです。スンジョがセギョンの告白を夢だと思っていたという設定だけは、スンジョの「夢見状態」を描こうとするには乱暴というか安易に思え、説得力に欠ける気がしてしまうのですが、それでも脚本家たちは当初描きたいと願った世界観をどうにか書き切って下さったのではないかと感じています。
もっと撮影にゆとりがあれば、もっともっと細部がよくなって、ストレートに良さが伝わったのではないかと、そこだけが惜しいです。


このドラマは希望がもうすぐ目の前まで来ていると信じられた韓国大統領選挙直前に放送が始まりました。多くのセギョン世代と制作側が望んだ希望は、0.3ポイントの差で打ち砕かれ、80%弱という驚異的な投票率のうちの過半数が大きな悲しみと絶望に心が折れる中、アリスの放送は予定通り続きました。
あと5年をどうやって耐えればいいのかという思いは、脚本家や演出家たちも同じだったでしょう。セギョン世代が希望を感じられる大統領が生まれていれば、ドラマの結末も変わっていたかもしれません。もしかしたらハッピーエンドではなかったかもしれないとも思います。ドラマがすぐさまハッピーエンドにならなくても、現実の社会に希望の光が見えていたなら、ハッピーエンドではないラストシーンを受け止める視聴者もきっと感じ方が全然違ったでしょうから。

制作者が二人を、目を半分瞑った状態であっても、夢かもしれないと思いながらであっても、それでもハッピーエンドの形で描いたのは、つらくても現実のなかで生きていかなきゃならない脚本家自身の願いの反映だったのではないかと想像します。


あのつらい大統領選挙敗北の中、時に泣きながら、時に涙をこらえながらつくっていたであろう制作者のドラマを見ることで、私も随分慰められました。きっと韓国にはそういう視聴者がたくさんいたことでしょう。
改めて、『チョンダムドンのアリス』の制作者に感謝します。



さて。

なんだかんだと書きましたが、ここはアップしないわけにはまいりません。
最終回のキスシーン。

なんなんでしょうか。とりあえずスンジョのキスシーンをぐるぐる長々やっときゃいいだろとか思ってるんでしょうか。

まったく! 

その通り!(笑)


この動画はスンジョが「僕の目の前にいるハン・セギョンが、好きなんです」とセギョンに再び告白するシーンから、キスシーンの最後までが納められています。







やだもう~~~~!




そしてこちらは、キスシーンのみを抜粋した1分26秒の動画。







やだもう~~~!!!((ヾ(≧∇≦)〃))



またしても出ましたね、秘儀「コッキ/꺾기」が。
あの角度が、また、こう。
他の追随を許さないポジション取りですよね。
しかも鼻が高~~い!

パク・シフさんにドラキュラ役とかやってもらいたいのですが、どうでしょうか?
シフさまに血を吸われようという女子が殺到しそうな予感です。
って、おばかなことばかり言ってすみません。(笑)


今回のドラマでは不完全燃焼だったタミー・ホン。
キム・ジソクさん、後半に行くにつれ素敵でしたね。
スンジョに醤油をかけられていたのは、いつのことだったやら。(笑)

アリスの最終回、私は2度見たのですが、2度見たら最初の時より全然よかったです。リアルタイムで見たときは途中で腹すら立ったのに(笑)、2度目は最後ウルッときてしまいました。
実に不思議です。

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好演を見せてくれたすべての俳優の皆さんに感謝し、これからのますますのご活躍を願うとともに、とりわけても今回もったいなかったキム・ジソクさんに、今後もっともっと前面に出るような作品を期待したいと思います。

いろいろ言って、ごめんね、タミー・ホン! でも最後は好きになったから!(笑)

あーあ、寂しいですね、終わっちゃって。