みなさま、こんにちは。

今日は『六龍が飛ぶ』第15話と16話をざっくりとまとめてみたいと思います。

いやぁ。
相変わらず面白いです、『六龍が飛ぶ』。
これはやはり、肩の力を極力抜く努力をしつつ鑑賞するに限りますね。
1話1話前のめりになっていると、どう考えても50話まで身が持ちません。
頑張って前のめりにならないように見ていても、ウルウルさせられたり唸らされたりと、濃いので。(笑)

15話はタンセの回、16話はバンウォンの回な感じで進んだ先週。
少しずつ今後に向けた伏線も張られてきて、視聴者も「タンセ、カッコイイ」以外に「うーん」と唸り始めてます。

特にバンウォンの描き方。
上手ですよね。
上手に今後に繋げてきています。

歴史の史実から見ると、袂を分かつことになる師匠チョン・ドジョンと弟子イ・バンウォン。
そこへ向かう種を少しずつ蒔かれていっている感じです。

このドラマも、もしかしたらものすごく悲しいラストが待っているのかも・・・・・・。

14話のラストではホン・インバンがチョン・ドジョンに刺客を送っていましたよね。

あの後、あたりに満ちたただならぬ殺気を感じ取ったタンセが結局引き返し、チョン・ドジョンのピンチを救います。

腕利きの刺客は、なんともともとチーム戦でくる連中だったっていう。(笑)

なにはともあれタンセとムヒュルとが強豪とあいまみれ、二人とも勝利してチョン・ドジョンとヨニを救います。ヨニ、命がけでチョン・ドジョンの助けに入るんですよね。そこへタンセが飛び込んできたのですが。
タンセとヨニの関係も、視聴者が予想したとおりのものになっていきそうです。
チョン・ドジョンを守るヨニ。そのヨニを守るタンセの構図。

イ・ソンゲ将軍も駆けつけるので、ここで「六龍」そろい踏みになり、プニとタンセの涙の再会、そしてヨニとプニも一気に15話で果たされます。

こちらの動画がそろい踏みシーンです。

そしてこちらは、再会を果たした兄と妹の会話。
見守るヨニも姿を表し、三人で涙の再会です。



“어떻게 오라비가 이렇게 싸움을 잘해? 오라비처럼 여린 사람이 이렇게 싸움을 잘할 수가 있냐구.
지난 세월을 어떻게 보냈길래…나 때문이지? 내가 오라비한테 했던 그 철없는 말때문인 거지? 그치?”
“아니여, 분아. 아니여.”
“미안해 오라비. 나는 그때 내가 무슨 말을 하고 있는 건지도 몰랐어. 미안해.”

“설마…”
“맞아. 연희언니야.”
“오랜만이다. 분아.”
“너 보다 오래 전에 이 조직에 들어오고 있었어.”
“언니가 어떻게…”

「どうしてお兄ちゃん、あんなにケンカ強くなったの? お兄ちゃんみたいな気弱な人が、どうして? いままでよほどのことがあったんだね・・・。私のせいでしょ? 私がお兄ちゃんに言った、あの世間知らずな言葉のせいでしょ? そうだよね?」
「違うよ、プニ。違う」
「ごめんね、お兄ちゃん。あの時は、自分がなにを言ってるのかも、わかってなかった。ごめんね」

「まさか・・・」
「そうだよ。ヨニお姉ちゃんだ」
「久しぶり、プニ」
「お前よりずっと前にこの組織に入ってきてたんだ」
「どうしてお姉ちゃんが・・・」

まんまと泣かされました。

三人での再会を果たしたあと、一人考え直すタンセ。
チョン・ドジョンのもとに向かい、一緒に行動すると告げます。

「あんたのことは今も信じてないが、俺の最後の身内があんたのつくる世界を夢を見ている以上、俺は夢を見ずに目を見開いて、傍で見届けることにする。そしてその夢を守ってやる。信じてはいないがな」と、チョン・ドジョンの傍にいると伝えたタンセは、イ・ソンゲのまとめる私兵の一員に迎え入れられ、プニたちと同じ敷地で暮らすことに。剣豪に見合った名前をというイ・ジランの提案でイ・ソンゲにより「イ・バンジ」と命名され、チョン・ドジョンの護衛を務めるよういわれます。
チョン・ドジョンを見事危機から救ったバンジに、「これからは息子同然」との思いを込めて、バンウォンらと同じ「バン」の字を名前に入れた経緯などが描かれます。

こちらが、その命名シーン。

剣の腕前に見合った立派な名前をということで、「芳しい」の「芳(バン)」、「タンセ」の土からとって「土(ジ)」で「李芳地(イ・バンジ)」とつけられるシーンです。

新たにイ・バンジの名をもらい、同じ組織で活動することになったタンセですが、プニはヨニが苦しむのではと案じます。苦しんで生きていくと答えるヨニの言葉を聞いたバンジは、もう苦しんで生きるのはやめた、お前を守って生きるのもやめたと告げるんですよね。みんなそれぞれ、自分で乱世と闘うしかないのだと。
複雑な心境を隠し、ヨニがタンセを「同志」と呼ぶのですが、つらすぎて見ていられない視聴者の気持ちを代弁して、プニも涙で席をはずします。

ちなみにですね。

タンセが刺客を倒した時、刀に血がつかないというシーンがあり。
なぜ人を切ったのに血が付かなかったのだろうとタンセはいぶかしむのですが、かつて師匠に、一定の境地に達すれば切る時に血がつかないと言われたのを思い出すんです。
速める方法は、剣豪と戦うしかないと。
ホン・インバンを討ちにいき、キル・テミと剣を交えた時に腕が上がったのだと気づくタンセ。

キル・テミ、ある意味タンセのお師匠さんでした。(笑)

一方、チョン・ドジョン暗殺のために送り込んだ腕利きの刺客が「カチドクサ/カササギまむし」に殺され、一人がイ・ソンゲに生け捕りにされたことで、ホン・インバンとキル・テミは、ペク・ユンを殺し、ホン・インバンの命を狙ったのは、イ・インギョムの手下の者ではなくチョン・ドジョン側の人間だったのだと思い込み。
チョン・ドジョンと組んでいるイ・ソンゲを倒すために血道を上げることになるのですが、チョン・ドジョンも見抜けなかったホン・インバンの本当の狙いをバンウォンが看破していくのが16話の主な筋書き。

かつて自分を拷問した取調官を滅多打ちにする様子などが過去にも描かれていましたが、権力のトップに立った後のホン・インバンは、凶暴そのもの。
加えて土地もどんどん自分のものにしようとしているのですが、誰も今まで手をつけなかった700年の伝統を誇る貴族集団海東甲族(ヘドンガプチョク)の一人であるチョ氏の土地も自分のものにしようとするんですよね。

ホン・インバンは権力トップの座について欲望がコントロールできなくなったのだろうと、誰もがその無茶な行動を分析していたのですが、バンウォンだけは隠れた本当の意図がありそうだと見抜き。
バンウォンの見立て通り、ホン・インバンはわざとチョ氏を怒らせ、自分の部下を殺させた後、待ってましたといわんばかりに捕らえ、ありもしない謀反の罪を着せようとします。裏にイ・ソンゲがいると嘘の供述をさせ、政敵イ・ソンゲを一気に討とうというのが、そもそもの狙いだったのです。

海東甲族(ヘドンガプチョク)は今まで700年もの間、政治にタッチせず、民が苦しめられていても傍観し、強い側に上手につきながら自分たちの富を築いてきたため、誰にも脅かされない富と経済ネットワークを持ちつつも、実際に戦ったことがないというのが最大の弱点でした。
戦った経験がないために、暴力に極めて弱い海東甲族(ヘドンガプチョク)。
だからこそホン・インバンは暴力的に脅すことで、自分は今までの官僚とは違う、自分は誰も触れられなかった海東甲族(ヘドンガプチョク)にすら手をつけるような、タブーのないおかしな人間なのだという恐怖を植え付け、言うことを聞かそうとしたのですが、自らホン・インバンに似たところがあると自覚しているバンウォンがホン・インバンの気持ちに立って思考パターンを想像し、狙いは権力の拡大ではなく、自分を最も脅かすイ・ソンゲの排除であることを見抜き、バンウォンがホン・インバンを上回る暴力性を見せることで形勢逆転に成功します。

「謀反の背後にイ・ソンゲがいるので捜査して欲しい」という内容に、朝まで海東甲族(ヘドンガプチョク)全員が署名するよう求めたホン・インバンに、海東甲族(ヘドンガプチョク)の当主たちはみな応じようとしていました。今までそうしてきたように、嵐が過ぎるのを待てばいいのだと。

その海東甲族(ヘドンガプチョク)の会合の場に父の私兵を従えて乗り込み、火薬の入った箱の導火線に火をつけつつ、ホン・インバンとキル・テミ、イ・インギョムの弾劾を求める文書に全員署名するよう脅迫したバンウォン。
事態を打開するためには、暴力慣れしていない海東甲族(ヘドンガプチョク)にホン・インバン以上の恐怖感を与えるしかないと、バンウォンは直感的に感じたのです。

こちらが、火薬の導火線に火をつけて脅すシーン。

脅してる一番の相手は、義理の父ミン・ジェです。

どんな婿さんかって話ですよね。(笑)

政略結婚の相手もなかなか手ごわくて、妻になったミン・ダギョンもいつでもバンウォンを裏切る気満々。
二人は式をあげはしたものの、結婚初日から別々の部屋で寝ています。
バンウォンの一族が権力を確たるものにするまでは、夫婦の契りは交わさないときっぱりしてるんです、ミン・ダギョンも。
結局はバンウォンと取引し、父らが集まっている秘密の場所を教えたおかげでバンウォンが乗り込めたわけですが。

普通に考えれば、この後の義実家との関係に相当ヒビが入った筈です。(笑)

ちなみにこの箱には、実際には火薬ではなく石が詰められていました。
バンウォンは自分も火薬か石か分からない状態でこの賭けに出たのでした。
「どちらか選んで欲しい」といわれたプニが、火薬は危なそうなので石のほうを渡したため、万一のことがあっても大事には至らずにすみました。

結局バンウォンの読みどおりに事態が進み、バンウォンの願いどおりにことが運ぶのですが、ナム・ウンはホン・インバンの気持ちを分かりすぎるバンウォンについて、実際に今後ホン・インバンのようになる可能性があり危険だと、チョン・ドジョンに何度も警告し始めるのが16話のミソです。

バンウォンとホン・インバンが同じような人間になるとは思えませんが、ナム・ウンの危惧はラストに向けての伏線になっていくのでしょうか。
そうなると、なかなか悲しい展開も待っていそうです。



おまけ的ですが、16話の兄と妹のシーンも載せておきましょう。

プニの用意してくれたご飯を食べながら、バンウォンとはどうして知り合ったのかと尋ねるタンセのシーンです。



“먹어.”
“오랜만이네. 우리 분이가 차려준 밥상.”
“밥은 먹고 다닌 거지?”
“넌 왜 어릴 때부터 맨날 나 밥 먹고 다니는 걱정만 해?”
“아니야. 어디서 사기 안 당하나, 어디서 안 맞고 다니나, 그런 걱정도 했어. 까치독사인지도 모르고.”
“그러니까 이제부터 까불지 말고 니 걱정이나 해. 근데 이 집은 어떻게 들어오게 됐어? 그놈하고 어떻게 알게 됐고?”
“그놈?”
“이방원. 그놈. 그놈, 이런 일 같이 할 놈으로 보이진 않던데.”
“아니야, 같이 할 놈이야. 똑똑하고. 나 몇 번 구해줬었어.”
“그래?”
“우리 어릴 때도 도와줬잖아.”
“하긴 그랬지.”
“좀 팍팍 먹어.”

“삼봉선생이 찾으신다. 민제대감에 집으로 가시나 봐.”
“알겠어.”
“조심해.”

「食べて」
「久しぶりだな。プニが用意してくれたご飯食べるの」
「ご飯はちゃんと食べてたんでしょ?」
「お前はなんで子どもの時から、俺が飯食ったかどうかばっかり心配するんだ?」
「違うよ。どこかで騙されてないか、殴られてないかとかも心配してたよ。カササギまむしとも知らずにね」
「だから、もういきがらないで自分の心配でもしろ。ところで、どうやってこの家に入ってくることになったんだ? あいつとはどうして知り合った?」
「あいつ?」
「イ・バンウォンだよ。あいつ。あいつ、こういうことやるようなやつに見えないけど」
「そんなことないよ、やるようなやつだよ。頭もいいし。私のこと、何度か助けてくれたんだ」
「そうなんだ?」
「うちらが子どもの時も、助けてくれたじゃない」
「そういやそうだったな」
「もっと一杯食べて」

「サムボン先生が呼んでるぞ。ミン・ジェ大監(テガム)に会いに行くみたいだ」
「わかった」
「気をつけてね」



この会話も、あとあと何かの伏線になるんでしょうか。
タンセのバンウォン評。
しかしこの分だと、すぐに気づきそうですよね。タンセもプニとバンウォンのこと。

歴史の史実をなぞれば、別々の道を進むことになるそれぞれの登場人物なので。
そろそろのちのちの展開に関わってきそうな種が、色々と撒かれていきそうです。